OBIC(オービック)導入の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

OBIC7の導入は、要件定義・企画、設計・構築、テスト・リリースの3段階を順に進めるのが基本の流れです。一般的な導入期間は6ヶ月から1年程度です。

ただし、費用と期間は企業規模や導入範囲で変わるため、見積もり前の準備と稼働後の定着計画も欠かせません。

▼全体ガイドの記事
・OBIC(オービック)導入の完全ガイド

OBIC(オービック)導入の全体像

OBIC7は、複数の基幹業務を扱うERPです。

導入方式や利用範囲を決める前に、発注する会社は製品の特徴と代表的な導入パターンを押さえておきます。

OBIC7(オービック7)の主な特徴と強み

財務会計・人事給与・販売・在庫・購買・生産管理などを、一つの基盤で扱えるのが特徴です。また、導入形態はオンプレミス型とクラウド型から選べます。

  • 支援の体制:コンサルティング、導入支援、保守・運用までを、オービックが一貫して担う
  • 国内向けの製品:日本の商習慣・会計基準・法令への対応を想定した製品で、国内企業での導入実績がある

OBIC導入の代表的なパターンと期間

全社一括と段階導入のどちらにするかは、発注する会社が導入範囲とリスク許容度に合わせて選びます。

  • 全社一括:全業務モジュールをまとめて移行し、短期間で全機能の活用を目指す方式です。ただし、規模が大きく管理が複雑になります。
  • 段階導入:優先度の高い業務から順に導入して、リスクを分散できる方式
  • 期間の目安:小規模は3〜6ヶ月、中堅企業は6〜9ヶ月、大企業や複数拠点では9〜12ヶ月以上

ポイント

方式を決める前に、規模と拠点数から期間の目安を押さえておくと、全社一括と段階導入のどちらが現実的かを比べられます。期間の目安が合わない場合は、導入範囲を見直すのが近道です。

OBIC(オービック)導入の進め方

OBIC導入を要件定義・企画、設計・構築、テスト・リリースの順に示す図解。
各段階の合意が次の作業の土台になります。

導入は3つの段階に分かれ、要件定義・企画、設計・構築、テスト・リリースの順に進みます。各段階で決めた内容は、次の工程へ正確に引き継いでいきます。

要件定義・企画フェーズ

発注する会社は、現行業務の課題と改善後の姿を整理したうえで、部門の担当者へのヒアリングを通じて要件を定めます。

  • Fit to Standard:標準機能に業務を合わせることを基本とする考え方
  • カスタマイズの要否:将来の更新費用や保守性まで含めて判断

要件を決める担当者と意思決定の流れは、初期段階で明らかにしておきます。

  • 推進体制:経営者をスポンサーに据え、各業務部門から担当者と責任者を選ぶ
  • IT部門の役割:技術面を支え、全体の判断を進めるプロジェクトリーダーを置く

設計・構築フェーズ

導入を担う会社は、要件に基づいて設定とカスタマイズを設計します。さらに、業務フローやマスタの仕様をそろえ、連携と帳票の仕様も決めてから構築に進みます。

  • 業務設計:業務フローを再定義し、勘定科目・組織・商品などのマスタを設計する
  • 接続と出力:既存システムとの連携方法と、出力帳票のレイアウトを決める
  • データ移行:名寄せ、重複削除、不整合の修正を行い、データの品質を確保する

構築では、セットアップやパラメータ設定を優先します。そのうえで、標準機能で対応が難しい要件に限り、アドオン開発やExcel連携を検討します。過度なカスタマイズは費用増と保守性低下につながるため、一つひとつ必要性を見極めます。

テスト・リリースフェーズ

本番前には、段階を追ってテストを行い、機能と実業務の両面から確認します。

  • テストの段階:単体・結合・統合テストで、機能と業務フローを検証する
  • UAT:担当者が実際の業務シナリオを操作し、使い勝手と業務適合性を確かめる

本番前に操作を学ぶ期間を確保できるよう、部門別マニュアルや集合研修、eラーニングを用意します。

本番切替は、決算期や繁忙期を避けて計画します。

発注する会社は、稼働直後の問い合わせに備えて、ベンダーと社内のサポート体制を整えます。

ポイント

要件が途中で変わりそうなら、どの段階まで戻して合意し直すかを着手前に決めておきます。そうしておくと、次の工程での手戻りを抑えられます。

費用相場とコストの内訳

初期費用の工程別配分として、設計・構築40〜50%、要件定義20〜30%、テスト15〜20%、データ移行10〜15%を4枚のパネルで示す図解。
設計・構築の配分が最も大きい目安です。

導入費用は、企業規模や導入範囲、カスタマイズ量によって変わります。

予算では、初期費用だけでなく、社内工数や稼働後の費用も見込んでおきます。

初期費用・人件費と工数

初期費用は項目が多いため、見積もりを受け取ったら、発注する会社はまず内訳を確認します。

  • 主な内訳:ライセンス、導入支援、開発、データ移行、インフラの各費用
  • 規模別の概算:従業員50名以下で200万円〜500万円、100〜300名で500万円〜2,000万円
  • 大規模な導入:大企業や複数拠点では、2,000万円〜1億円以上になることもあります

費用配分の目安は、設計・構築が40〜50%、要件定義が20〜30%です。テストは15〜20%、データ移行は10〜15%です。なお、社内メンバーの稼働は、発注する会社が別途計画します。

初期費用以外のランニングコスト

稼働後の費用も、予算に含めておく必要があります。ただし、発生する項目や金額は、契約形態や運用環境によって異なります。

  • 主な項目:年間保守、バージョンアップ、クラウド利用料、追加開発、ユーザー追加
  • 保守料の水準:オンプレミス型の年間保守は、ライセンス費用の15〜20%が目安です
  • 5年間のTCO:税制・法令対応や業務変更に伴う改修を見込んだ試算

ポイント

見積もりの金額だけで比べると、稼働後に費用が膨らみやすいため、どの費用が含まれているかをそろえてから判断します。初期費用と稼働後の費用を分けて並べれば、どの項目で各社の金額が分かれたかが見えます。

見積もりを取る際のポイント

見積もり依頼前に整理する導入の範囲、規模と時期、カスタマイズ、課題と導入後の目標を並べた図解。
依頼条件をそろえると提案を横並びで比べられます。

見積もりの前提がそろうと、ベンダーごとの提案と金額を比べやすくなります。そこで、依頼の前に要件を具体化し、共通の観点で検討します。

要件明確化と仕様書の準備

同じ前提でベンダーに依頼するため、伝える条件を先に整理しておきます。

  • 導入の範囲:導入対象の業務範囲、連携が必要なシステム
  • 規模と時期:従業員数・利用者数、希望時期
  • カスタマイズ:その必要性と概算規模

課題と導入後の目標も、文書にまとめておきます。そのうえで、業務フロー、現行システム、予算や稼働日の制約をRFPに含めれば、提案を横並びで比べられます。

複数社比較と発注先の選び方

依頼先は、オービック本社やグループ会社、認定パートナー企業などです。その際は、標準機能への理解や周辺システム連携、業界知見など、自社に必要な支援が備わっているかを確かめます。

  • 業種・規模の経験:同業種・同規模の導入実績と業務理解
  • 推進力:PMの経験、担当者の知識、プロジェクト管理体制
  • 稼働後の支援:導入後のヘルプデスクや保守支援
  • 費用の見通し:費用の透明性と、追加費用が発生する条件

注意すべきリスクと対策

代表的なリスクは、発注側とベンダーで共有し、予防策と担当者を決めておきます。

  • 要件追加:対象範囲を決めたうえで、後から加わる要件は次のフェーズへ回す。
  • キーマン離脱:複数人で情報を共有して、引き継げる状態にしておく。
  • 移行データの不備:本番前に最低2〜3回のリハーサルを行い、問題を洗い出す。
  • 現場の抵抗:早期から利用者を参加させ、研修やFAQを用意する。

ポイント

比べるときは、提案の金額よりも、各社が共通の要件を前提にしているかを先に見ます。同じ条件で出た見積もりなら、金額の差を項目ごとに追えます。

まとめ

OBIC導入は、要件・設計・テストの各段階で合意を重ね、経営層と現場の関与を保つことが土台になります。費用は5年間のTCOで捉え、見積もり前に条件を整理しておきます。

発注する会社は、Fit to Standardを基本にカスタマイズを抑え、導入後の定着支援まで含めて支援体制を選びます。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。