注文管理システム改修の選定ポイント/選び方/種類

注文管理システムの改修は、画面の調整で足りるのか、決済など外部との連携まで必要なのかを切り分けることから始まります。

問い合わせや機能不足の実態を押さえ、標準機能・外部サービス連携・個別開発のどこで解決するかを見定めると、依頼先を判断しやすくなります。全体像や関連する検討事項は、ガイド記事で確認できます。

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・注文管理システム改修の完全ガイド

改修着手前に整理すべき自社の課題

問い合わせ対応の負荷や決済・配送の機能不足と、記録しておく項目を4枚のカードで示した図。
記録をそろえると、画面の操作と外部連携の課題を分けて検討できます。

改修範囲を決める前に、注文履歴、配送状況、キャンセルや変更申請のどこで支障が起きているかを押さえておく必要があります。困りごとを具体的な業務や画面に結び付けておくと、必要な対応を絞り込みやすくなります。

問い合わせ・カスタマー対応の負荷から見る課題

配送状況の表示やキャンセル方法への問い合わせが集中しているなら、担当者は利用者が迷う画面や操作を特定します。問い合わせが発生した画面と操作を記録しておけば、見直す箇所を開発側へ具体的に伝えられます。

優先順位は担当者の印象だけで決めず、サポート部門と問い合わせ記録を確認して定めます。現場で頻繁に聞かれると感じる内容と記録上の件数を照らし合わせれば、対応すべき課題を見極められます。

問い合わせ件数に加えて、対応時間や上位担当へ引き継いだ件数も記録しておきます。改修前の負荷を件数と時間で示せれば、期待する改善効果を社内で説明する材料になります。

決済・配送まわりの機能不足から見る課題

希望する決済手段がない、または追跡情報が実際の配送状況と合わない場合は、外部サービスとの連携が課題の中心になり得ます。そのため、依頼先を選ぶ段階では、対象となる決済代行会社や配送サービスとの接続経験も確認します。

決済画面まで進んだ利用者の離脱のように、解析データから不便の影響を推測できる場合もあります。問い合わせとして表れない離脱もあるため、利用者の声だけでなく行動データも合わせて課題の規模を見積もります。

ポイント

問い合わせの多さと決済・配送の機能不足を照らし、課題が画面の操作にあるのか外部連携にあるのかを切り分けます。件数や時間の記録があると、社内への説明がしやすくなります。

注文管理システム改修の3つの実施方式

標準機能の調整、外部サービスのAPI接続、独自の業務ルールに対応する3方式をパネルで並べた図。
標準機能で届かない範囲に応じて、接続や個別開発を検討します。

改修方式は、標準機能の調整、外部サービスとの連携、独自機能の開発の3つに分けられます。まずは標準機能で解決できるかを確かめ、足りない変更の範囲に応じて次の方式を検討します。

プラットフォーム標準機能・テーマ調整型

この方式では、利用中のASP・SaaS型ECプラットフォームに備わる設定やテーマを使って変更します。

注文履歴の表示順やキャンセル可能期間など、管理画面で調整できる内容なら、個別の開発を伴わずに対応できます。

開発会社へ相談する前に、管理画面や公式ヘルプで必要な設定が用意されているかを発注側が確かめておきます。標準機能で実現できると分かれば、追加開発の見積もりや調整を避けられます。

外部サービス連携追加型

標準機能で足りない決済手段や配送追跡を追加し、決済代行会社や配送業者のAPIと接続する方式です。外部との接続開発や動作確認が加わるため、設定変更だけの場合より作業範囲が広がります。

まず、利用中のプラットフォームが対応する決済代行会社や配送業者を調べておきます。既存の連携先を選べる場合は確認範囲を絞りやすく、一方で未対応の組み合わせなら、追加の開発や検証が必要になる可能性があります。

カスタム開発による部分リプレイス型

標準機能や外部連携では扱えない独自の業務ルールがある場合、注文管理の一部機能を個別に開発します。

既存システムを残したまま機能を加えるので、どこまでを変更し、既存機能とどう接続するかを要件に明記しておく必要があります。

たとえば法人会員ごとに与信条件やキャンセル方針を変えるなど、標準機能が想定しないルールが対象になります。既存システムとの境界を整理しないまま個別機能を作ると、運用が分かれ、複雑になるおそれがあります。

ポイント

標準機能で解決できるかをまず確かめ、足りない範囲に応じて外部連携や個別開発を選びます。個別開発は既存システムとの境界を決めてから着手すると、運用が複雑になりにくくなります。

改修範囲を判断する評価軸

改修範囲を中心に、改修対象の広さ、外部接続の難しさ、保守の続けやすさを注釈線で示した図。
3つの観点を同じ土台で見ると、方式ごとの確認漏れを抑えられます。

方式を決める際は、改修対象の広さ、外部接続の難しさ、リリース後も保守を続けられるかを併せて見ます。この3つを同じ基準で比べると、見落としを抑えやすくなります。

改修規模(小規模・中規模)の見極め

既存のデータや処理を変えずに済むか、外部連携やデータの関連付けまで見直すかで、改修範囲は変わります。発注側と開発会社は、対象画面と他機能のつながりを事前に確認し、作業の見落としを減らします。

対象画面が参照するデータ項目と、その項目を更新する機能を一覧にしておきます。たとえばキャンセル画面が在庫引当や出荷指示と連動していれば、画面変更のほかに関連処理の確認も必要になります。

外部連携の複雑さとセキュリティ要件

決済や配送サービスとの接続では、通信に失敗した際の処理を決めておくことと、カード情報を扱う場合のセキュリティ対応を確認します。さらに、接続先が複数なら、各仕様の確認と結合テストも見積もり範囲に含めます。

保守体制・ランニングコストの持続可能性

改修後の保守費用の目安は、年間で初期開発費の15〜20%程度です。決済連携を含む場合は仕様変更への対応も考慮し、初期費用だけでなく、継続して保守できる体制かを検討します。

自社と開発会社の双方で、担当者が異動・退職したときの引き継ぎ方法を確認します。特定の人だけが把握する運用を避けておくと、保守の継続性を判断材料に加えられます。

ポイント

改修対象の広さ、外部接続の難しさ、保守の続けやすさを同じ基準で並べて見ます。対象画面と他機能のつながりや、決済・配送との接続の確認範囲が見えていれば、比べる土台がそろいます。

開発パートナー・体制の選び方

実施方式を絞ったら、その対応を担える窓口や開発会社を選びます。標準機能の調整で済むのか、外部連携や個別開発を伴うのかによって、確認すべき経験や体制が変わります。

プラットフォーム標準サポートと外部開発会社の違い

標準機能やテーマの調整は、利用中のASP・SaaS型ECプラットフォームのサポートや公式パートナーに相談できる場合があります。

外部連携や独自開発が必要なら、決済API接続や部分改修の経験を持つ開発会社を候補にします。

開発会社の実績は、システム全体の刷新だけでなく、既存環境を活かした部分改修についても確かめます。類似案件の範囲や規模を尋ねると、自社の改修に合う進め方かを判断しやすくなります。

決済代行会社との調整窓口の置き方

決済方法を追加すると、開発会社と決済代行会社の間で仕様を確認する場面が増えます。そのため、どちらが連絡窓口を担うかを先に決めておき、確認の行き違いや待ち時間を防ぎます。

契約済みの決済代行会社があるなら、担当営業や導入支援窓口を早めに開発会社へつなぎます。まだ選定前なら、連携経験のある候補を開発会社に相談し、接続の可能性も含めて検討します。

ポイント

標準機能で足りるなら、プラットフォームのサポートや公式パートナーが候補になります。外部連携や個別開発があるなら、決済API接続や部分改修の経験を持つ開発会社を選び、決済代行会社との窓口を早めに決めます。

比較・見積もり取得の進め方

複数の依頼先を比べるには、各社へ同じ前提と要件を渡して見積もりを依頼します。条件をそろえておくと、金額の差だけでなく提案内容も比べやすくなります。

RFP・要件整理で押さえる項目

RFPには、特に次の3点を盛り込んでおくと、各社の提案の違いが見えやすくなります。要件ごとに優先度を分けておくと、提案を比べやすくなります。

  • 対象範囲:画面と現状の課題、必要になる変更の内容
  • 連携・データ:希望する決済先や連携先、注文データの構造
  • 前提条件:想定期間と予算、要件を必須・望ましい・将来対応に分けた内容

現在の注文管理画面や問い合わせ内容の例も共有しておくと、各社が状況を把握しやすくなります。抽象的な要望に画面と課題の具体例を添えれば、認識のずれを抑えた見積もりにつながります。

相見積もりで確認すべきポイント

金額に加え、決済代行会社との調整担当、テストの範囲、リリース後の保守費用を確認します。後から見積もりに含まれない作業が見つかるのを防ぐため、前提条件と追加費用の扱いも照らし合わせます。

各社が同じ要件にどう答えているか、前提の不足や実施上のリスクをどこまで示しているかも比べます。具体的な確認事項や対応案が示されているかを見れば、金額だけでは分からない提案の違いが見えてきます。

ポイント

依頼先を比べるときは、各社に同じ前提と要件を渡し、金額だけでなく提案の内容も見ます。見積もりに含まれない作業や前提の不足が残っていないかを確かめてから、比較の結果を判断材料にします。

PoC・モックアップの活用方法

事前検証は、改修の規模に合わせて選びます。画面上の確認で足りるのか、外部接続の技術検証まで必要なのかを分けて考えます。

小規模改修でのモックアップ・プロトタイプ活用

文言変更や表示項目の調整が中心なら、静的なモックアップで画面を確認します。操作後の流れまで確かめたい場合は、ボタン遷移を試せるプロトタイプを用意し、実装前に認識を合わせておきます。

中規模改修でのPoC実施(決済API疎通確認など)

決済方法を追加する場合は、仕様書に基づくリクエストの送受信や、通信エラー時の処理をPoCで確かめます。技術面を検証したあとで、決済選択から注文完了までの画面遷移をプロトタイプで確認します。

PoCを始める前に、決済リクエストの成功条件、エラー時の復旧方法、注文と決済データの対応関係を合格基準として決めておきます。その基準を満たしてから本開発へ進めば、未検証の課題を残しにくくなります。

注文管理システム改修選定前に確認しておきたいポイント

方式と依頼先を絞った後も、内製範囲、保守の担当、全面刷新の検討時期は個別に確認が必要です。

内製か外注かを分けるプラットフォームの機能範囲

標準機能やテーマ調整で完結する内容なら、社内担当者や既存の運用パートナーで対応できる場合があります。外部連携や独自ロジックが必要なときは、その領域の経験を持つ開発会社への依頼を検討します。

改修後の保守体制の取り決め

不具合対応と決済APIの仕様変更への追従を、誰が担うのかを契約時に決めておきます。保守窓口と対応範囲が明確であれば、リリース後に問題が起きたときも連絡先や役割で迷いにくくなります。

また、決済代行会社の変更情報を誰が把握し、自社システムへの影響をどう評価するかも決めておきます。外部サービスの仕様変更への対応が保守契約に含まれるかは、契約書で確かめます。

フルスクラッチへの切り替えを検討する時期

部分改修を重ねても課題が残る場合や、保守費用が開発費の20%を大幅に上回る場合は、全面的な作り直しも検討対象になります。

候補製品を比べる場合は、注文管理システム改修のパッケージ・クラウド製品一覧も参考になります。

まとめ

改修を進めるときは、まず問い合わせや機能不足の実態と影響範囲を整理します。そのうえで、標準機能の調整、外部サービス連携、個別開発の中から方式を選び、改修規模と保守条件を含めて依頼先を比べます。

依頼先選びの出発点となる規模の見極め

画面や設定の変更で済むのか、連携やデータ処理まで及ぶのかを確かめておくと、必要な体制を選びやすくなります。標準サポートで対応できる範囲と、外部開発が必要な範囲を分けて整理します。

PoCでの効果確認と本格着手の順序

見積もりだけで決めず、改修内容に合ったモックアップやPoCで操作と技術面を確認してから着手します。

独自の要件が標準機能で扱えない場合は、riplaがフルスクラッチ開発の立場から、範囲の整理、個別開発、既存システムとの連携を支援しています。

依頼先を2〜3社に絞ったら、同じ条件のRFPを渡し、対応範囲、期間、費用を比べます。規模に応じた検証で実際の画面や接続を確かめてから契約へ進めば、着手後の認識違いを抑えられます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。