ProActive導入の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

ProActiveの導入は、計画・検討から定着・改善まで5つのフェーズで進みます。Fit&Gapで標準機能の範囲を確かめ、データ移行と現場教育まで計画することが成功の鍵です。

小規模なテンプレート導入は6か月程度、大規模なカスタマイズを含む場合は1〜2年以上かかることがあります。

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ProActive(PROACTIVE)の全体像と特徴

ProActive(正式名称:PROACTIVE)は、SCSKが開発・提供するERPパッケージです。1993年に国産ERPの先駆けとして誕生し、累計7,300社以上への導入実績を持つ歴史あるプロダクトです。

2025年時点では「AIネイティブなERP」としてリニューアルされ、AIによる業務自動化や分析機能を標準搭載した次世代型ERP基盤として進化を続けています。

あわせて、商社・卸売業向けのテンプレートも2025年6月から提供が始まり、業種に特化した導入を、より短期間・低コストで実現できるようになりました。

ProActiveがカバーする業務領域と主な機能

ProActiveは、会計から人事・生産まで、企業の基幹業務を幅広く扱います。その範囲は、会計と業務の各管理に加え、実際の導入例からも確認できます。

  • 会計:財務会計、管理会計、固定資産管理
  • 業務:販売、購買、在庫、生産、人事給与の各管理
  • 導入例:商社・卸売業の販社グループで13社・約6,500名規模の一括導入

ProActiveが選ばれる理由:国産ERPとしての優位性

国内の制度や商習慣への対応が、国産ERPとしての特長です。業務機能と人事給与の制度対応に加え、導入後の運用もSCSKが支えます。

  • 国内業務:消費税、手形・小切手、勘定科目体系に対応する機能
  • 人事給与:各種制度変更に伴う国内ルールに対応
  • 運用支援:SCSKが保守・バージョンアップ・トラブル対応を担う

ProActive導入の進め方:5つのフェーズ

ProActive導入を計画・検討から定着・改善まで5段階で示す図。
段階ごとに中心となる作業が移ります。

導入は5段階に分かれ、段階ごとに中心となる作業が変わります。

  • 計画・検討:目的と範囲を定め、ベンダーと体制を選ぶ
  • 要件定義:現行業務を洗い出し、Fit&Gapを分析する
  • 設計・開発:標準機能、設定、アドオン、移行を設計する
  • テスト・本稼働:品質を確認し、本番へ切り替える
  • 定着・改善:利用者を支援し、運用を改善する

導入期間は、標準機能で済ませる範囲と、開発で補う範囲によって大きく変わります。

フェーズ1:計画・検討(目的設定とベンダー選定)

計画・検討では、経営課題と業務課題を洗い出し、導入の目的と優先事項を決めます。目的を絞るときは、次の2点を確認します。

  • 解決する課題:ERPで改善したい業務を特定する
  • 導入範囲:すべてを一度に変えず、優先順位をつける

次に、ベンダーを選びます。ProActiveでは、SCSKが一次ベンダーになりますが、実際の推進は認定パートナーSIerが担うケースも少なくありません。

発注側は、複数の候補にRFP(提案依頼書)を送り、提案内容や実績を比べます。

提案の体制と価格も、あわせて比べます。この段階で、推進体制(社内PMOとプロジェクトリーダーの選定)も決めておく必要があります。実際、導入プロジェクトの失敗事例の多くは、業務全体を熟知したリーダーが不在だったことに起因しています。

フェーズ2:要件定義(現行業務の洗い出しとFit&Gap分析)

要件定義では、現行業務を洗い出し、標準機能で対応できる範囲と差分を整理します。この整理がFit&Gap分析です。

  • Fit:ProActiveの標準機能で対応できる業務
  • Gap:業務変更や追加開発が必要な業務

基本はFit to Standardで、標準機能に業務を合わせられないかを検討します。ただし、独自の強みを支える業務では、アドオンも選択肢になります。

要件には優先度をつけ、機能・画面・帳票・権限まで文書にします。

要件の整理にはMoSCoW法(MUST/SHOULD/COULD/WON’T)を使い、優先度の付け方をそろえます。

ポイント

導入範囲は、業務ごとに標準機能で対応できる(Fit)か、追加開発が要る(Gap)かで判断します。Gapの要件だけをアドオン開発の対象にすると、範囲を絞ったまま進められます。

設計・開発フェーズの進め方とポイント

要件定義が固まったら、設計・開発に進みます。基本・詳細設計と並行して、環境構築やパラメータ設定を進め、アドオン開発とデータ移行の設計も行います。

規模によっては3〜9か月程度かかる、重要な工程です。

基本設計・詳細設計で決めるべきこと

設計では、後工程の手戻りを防ぐために、骨格の設計と移行データの品質を確かめます。

  • 基本設計:モジュール、マスター、組織・会計コードを決める
  • 詳細設計:画面、帳票、バッチ、外部連携の仕様を定める
  • レビュー:経験のあるSCSKパートナーSIerの確認を受ける

データ移行では、不要データを整理し、名寄せを行います。

マスターデータ(得意先・仕入先・品目・勘定科目など)の品質を確かめ、サンプルでの検証を繰り返して、誤請求や誤仕訳を防ぎます。

アドオン開発の範囲管理と変更管理の徹底

アドオン開発は、Gapと判定した要件に絞ります。追加の要望が出たら、影響を見積もり、承認と日程調整を経て、開発に取り込みます。

カスタマイズを抑えておけば、将来のバージョンアップ時の保守負担も減らせます。

ポイント

手戻りを避けるため、骨格と移行データの品質が固まってから次の工程へ進みます。アドオンは、影響を見積もって承認を経た要望だけを取り込みます。

テスト・本稼働フェーズの進め方

本稼働前の品質確認として単体・結合・統合・ユーザー受入の4種類のテストを並べた図。
確認範囲を広げながら、本番移行に備えます。

本稼働の前には、4段階のテストで品質を確かめます。

  • 単体テスト:各モジュールが仕様どおり動くかの確認
  • 結合テスト:モジュール間のデータ連携の確認
  • 統合テスト:月次決算など、業務フロー全体を通した検証
  • ユーザー受入テスト(UAT):現場担当者による業務シナリオでの操作

テスト戦略:段階的な品質確認のアプローチ

UATでは、実際の業務データを使い、現場で運用できる品質かを確かめます。

不具合は重大度(Critical/Major/Minor)で分類し、優先して対応します。

本稼働の延期を検討する重大バグの基準は、事前にプロジェクト憲章で定めておきます。

本稼働直前の準備:データ移行・ユーザートレーニング・カットオーバー計画

本番移行の前に、2〜3回リハーサルを行い、手順と所要時間を確かめます。切替日を決めたうえで、作業手順書と担当者を明確にします。切替では、連休や決算期末を避けることや、旧システムとの一時並行稼働も検討します。

トレーニングはテスト期間中から始め、集合研修、マニュアル、ヘルプデスクを組み合わせます。

本稼働後の問い合わせ増加に備えて、SCSKの研修やQAサポートも含めた対応体制を整えます。

ポイント

本稼働の判断は、UATで現場が運用できる品質かどうかと、重大バグの基準に照らして行います。切替はリハーサルで手順と所要時間を確かめてから決めます。

ProActive導入の費用相場とコスト内訳

ProActiveの初期費用をライセンス、導入コンサルティング、アドオン開発の3項目に分け、コンサルティングの割合を示す図。
導入コンサルティングは費用全体の中でも大きな割合を占めます。

費用は、企業の規模とカスタマイズ量によって変わります。また、モジュール数や利用者数によっても変わります。

  • テンプレートで小規模導入:数百万円〜1,000万円台のケース
  • 大規模な開発・複数拠点展開:数千万円〜数億円規模のケース

見積もりでは、ライセンス、導入作業、追加開発を分けて確認します。

初期費用の内訳:ライセンス・導入コンサル・開発

初期費用は、ライセンス契約とSIerの作業範囲によって変わります。見積もりでは、次の3項目を分けます。

  • ライセンス:クラウド版は月額型、オンプレミス版は一括購入型の場合がある
  • 導入コンサルティング:要件定義、設計、開発、テスト、教育、管理の工数(一般にERP導入コストの50〜70%を占めます)
  • アドオン開発:標準機能で対応できない部分の個別開発費

運用コスト:保守・サポート・バージョンアップ

本稼働後も、保守やクラウド利用、サポートの費用が続きます。TCOには、次の運用費を含めます。

  • ソフトウェア保守:年間ライセンス費の15〜20%程度が目安
  • クラウドインフラ:クラウド版を利用する場合の継続費
  • 改修・バージョンアップ:法改正や機能追加に伴う対応費
  • 運用支援:ヘルプデスクやサポートの費用

ポイント

見積もりは、ライセンス、導入コンサル、アドオン開発を分けて確認します。本稼働後は保守などの運用費も続くため、TCOには運用費を含めて判断します。

ProActive導入を成功させるための重要ポイント

ERP導入で起きやすい問題は、経営層や現場の参加、スコープ、データ品質に関するものです。そこで、事前に対策を計画しておきます。

  • 経営層の関与不足:トップが推進者として方針を発信する
  • 現場の巻き込み不足:各部門がUATや研修に参加する体制を作る
  • スコープの膨張:対象範囲と変更管理を明確にする
  • データ品質の過小評価:移行前にマスターを点検する

経営トップの関与と全社展開の意識づけ

経営トップがプロジェクトの目的を発信し、全社で取り組む姿勢を示します。

プロジェクトでは、キックオフの段階から部門間で情報を共有し、現場の研修やUATへの参加につなげます。

スモールスタートと段階的な展開

全モジュールや全拠点を一度に切り替える代わりに、段階的に展開します。

  • パイロット:特定のモジュールや拠点で先行導入する
  • 評価:問題点を洗い出し、手順や設定を見直す
  • 全社展開:コア機能から段階的に範囲を広げる

見積もりを取る際のポイントと複数社比較の重要性

複数のパートナーSIerに同じ要件で提案を頼み、価格だけでなく、次の4つの観点で比べます。

  • 導入実績:自社業界・規模に近い支援経験
  • 管理体制:プロジェクト管理と担当者の役割
  • 品質とサポート:開発品質と本稼働後の支援内容
  • 見積もり範囲:追加費用となる条件を含む作業範囲

安価な提案では、後から追加費用が生じないかを確かめます。スピードとリスクのバランスも、あわせて相談します。実績例として、M&A案件などで「6社・6か月導入」のケースがあります。

ポイント

経営トップが目的を発信して全社の意識をそろえ、パイロット導入から段階的に展開します。見積もりは複数社に同じ要件で依頼し、追加費用となる条件まで比べます。

本稼働後の定着・改善フェーズで取り組むべきこと

本稼働直後は、操作ミスや問い合わせが増えます。そのため、約3か月を安定稼働期間と見て、支援体制を厚くします。SCSKのQAサポートも含め、問題を速やかに解決できる窓口を設けます。

業務定着のための継続的なユーザー支援

定着させるには、担当者が異動や退職をしても運用を続けられる仕組みが必要です。

  • マニュアル:業務変更に合わせて更新する
  • 新任者研修:異動者向けの教育プログラムを整える
  • Key User:業務とシステムに詳しい中核人材が一次対応を担う

AIネイティブ機能を活用した継続的な業務改善

AI機能の活用候補は、在庫の需要予測、異常取引の確認、月次集計です。

  • 需要予測:在庫の最適化
  • 異常取引の検知:取引内容の確認支援
  • 月次レポート:定例レポートの自動生成

活用ロードマップを作ったうえで、バージョンアップのたびに、リリースノートを読み、自社業務へ適用できるかを見ます。

まとめ:ProActive導入を成功に導く要点

導入は5段階で進み、段階ごとに押さえたい点があります。

  • 計画・検討:目的を定め、業務に詳しいリーダーを選ぶ
  • 要件定義:Fit to StandardでGapを見極め、範囲を絞る
  • 設計・開発:骨格とデータの品質を確かめ、変更を管理する
  • テスト・本稼働:現場参加のUATと移行リハーサルを行う
  • 定着・改善:継続教育とAI活用を計画する

ProActiveの導入成果を高めるには、SCSKや認定パートナーSIerとの連携と、社内体制の整備が欠かせません。まずは現状の課題と要件を整理し、支援会社へ相談します。riplaはコンサルティングから開発まで一貫して支援し、ProActive導入の相談にも対応しています。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。