ノーコード・ローコード開発の費用は、月3,000円程度から300万円超まで幅があります。その幅を左右するのは、ツールの種類、外注する範囲、運用体制です。全体像については、プロダクト開発・システム開発の進め方総合ガイドもご覧ください。
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ノーコード・ローコード開発の基本と費用に関係する特徴

費用の構造は開発手法によって変わるため、まずはノーコードとローコードの違いを押さえておきます。
ノーコードとローコードの違い
ノーコードとローコードは、コードをどれだけ使うか、カスタマイズをどう行うかが異なります。どちらも、アプリやWebサイト、業務システムの開発に使えます。
- ノーコード:プログラミングを使わず、ドラッグ&ドロップで作れるため、非エンジニアでも開発を担えます。
- ローコード:GUIを基本に、必要な箇所だけ少量のコードを書き足す方式です。
従来の開発と比べたコスト構造の違い
従来のシステム開発では、設計・実装・テスト・保守をエンジニアが担います。費用は、次の4つの要素で比べると整理しやすくなります。
- 従来の人件費:従来の開発では、エンジニアの人件費が大きな割合を占めます。
- ライセンス費:ノーコード・ローコードのツールを使うための利用料です。
- 外注費:初期設計や構築支援を、スポットで依頼する場合にかかります。
- 内製人件費:業務部門を中心にした内製開発で、社員の稼働として発生します。
ノーコード・ローコードでは、固定的な人件費が発生しにくいため、初期投資を低く抑えられます。
ノーコード・ローコード開発にかかる主な費用項目

ノーコード・ローコード開発の費用は、主に4つの項目に分けて考えます。
ツールの利用料金(ライセンス費)
ツールの利用料は、多くのプラットフォームでSaaS型の月額課金として設定されています。利用料金は、ユーザー数、アプリ数、機能の範囲によって変わります。
- ノーコードツール:STUDIOやBubbleの場合、月3,000円〜10,000円程度です。
- ローコードツール:OutSystemsやMendixは月数万円から始まり、企業契約では年額数百万円になる場合もあります。
利用料は、必要な機能やユーザー規模、拡張性に照らして、価格帯を見極めることが大切です。
初期構築にかかる外注費用
自社に開発ノウハウがない場合は、外部に初期設計やプロトタイプ作成を依頼します。従来のシステム開発より低コストですが、金額はカスタマイズ性や要件の複雑さで変わります。
- 単純なアプリ:フォームアプリやLPであれば、10万〜30万円です。
- 業務アプリ:在庫、予約、顧客管理などを扱うアプリは、30万〜100万円前後です。
- 連携・カスタム:外部連携やカスタム機能を加えると、100万円〜300万円超になります。
社内メンバーによる内製開発コスト
非エンジニアでも開発はできますが、学習と操作の習得には時間がかかります。内製化すると、継続的な改善を自社で回せるようになります。
- 担当者の稼働:社内担当者は、月20〜30時間程度の稼働を想定します。
- ナレッジ習得:勉強会の実施にも、コストがかかります。
- 安全管理の教育:権限設定やデータ保護に関する教育が必要です。
内製では、担当者の育成と準備期間も見込んでおく必要があります。
保守・運用費用
ノーコード・ローコードで開発したアプリも、公開後の保守と管理は欠かせません。ツールの更新への対応、データの管理、利用者からの問い合わせへの対応が続くため、運用の費用は次の項目に分けて見ておきます。
- アップデート対応:ツール側が更新されると、それに伴う修正が必要になります。
- データ管理:データベース容量の増加やバックアップに、費用がかかります。
- 利用者対応:ユーザーサポートや問い合わせへの対応です。
- 社内窓口:社内ヘルプデスクを設ける場合もあります。
運用フェーズでは、月額2万〜10万円程度の工数を見込むケースもあります。

ノーコード・ローコード開発の費用を抑えるポイント

効率よく開発するには、準備段階で要件やツール、人材、外注範囲を整理しておく必要があります。
要件を最小限に絞った開始(MVP)
段階的に開発すれば、最初から全機能を作るより、無駄な開発コストを大きく減らせます。
- MVP:最小限の価値を備えた状態で、まずリリースする段階です。
- 段階的な拡張:ユーザーの反応を見ながら、機能を少しずつ広げていく進め方です。
目的に合わせたツール選定
ツールには得意分野があるため、開発の目的と照らし合わせて選びます。必要以上に高機能なツールを選ぶと、使わない機能の分まで費用を払うことになります。
- 業務アプリ:業務システムの開発なら、業務向けの機能に強いツールを選びます。
- デザイン性:画面の完成度を重視するなら、「デザインに強い」ツールが合います。
社内人材の活用と育成
内製化を進めるには、操作に慣れた社内メンバーを中心にした体制が必要です。ノーコード・ローコードの効果を高めるうえで、社内人材の育成は欠かせません。
- スキル育成:社内メンバーの操作や構築の力を高めていく取り組みです。
- 改善サイクル:継続的に改善を重ねることで、外注への依存を減らせます。
スポット支援の活用
開発工程のうち、必要な部分だけを切り出して外注します。コンサルやフリーランスの支援を部分的に受ければ、費用対効果を高められます。
- 設計:作業の一部分を、外部の支援者に依頼する形です。
- 連携:外部サービスとの接続のうち、一部を外部に任せられます。
ノーコード・ローコードが向いているコスト効率の良い開発シーン
少ない工数でも成果を見込みやすい開発領域は、業務内容から見分けられます。
社内業務の効率化アプリ
社内の業務効率化は、ノーコードで取り組みやすい領域の一つです。申請・報告・集計業務は、ノーコードで十分に対応可能です。自動化の効果は、全社的な業務改善に直結します。
- 対象業務:Excelや紙で回している申請、報告、集計の業務です。
- 期待できる効果:業務の手作業を減らし、工数を抑えられます。
プロトタイプ開発・新規事業の検証
新サービスや社内プロダクトを立ち上げる際は、早期に検証できる形を先に作ります。特に、プロトタイプを素早く作る方法として、ノーコード・ローコードは適しています。
- MVP:最小限の機能を備えた、新サービスの最初の形です。
- ユーザー検証:実際に触ってもらえる形を、素早く用意する作業です。
イベント・キャンペーンLPの作成
キャンペーンのように期間が決まっている施策では、その期間に合わせて開発すれば足ります。一時的な開発ニーズでは、社内で作るほうがスピーディかつ低コストに進められます。
- 用途:施策のLPやフォームの設置に使います。
- 制作体制:外注せず、社内で作成します。
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まとめ
ノーコード・ローコード開発は、導入の仕方と運用体制によって、大きなコストメリットを生み出せる手法です。スピードと柔軟性を求める中小企業や、内製化を進めたい企業にとって、理想的な選択肢になり得ます。
ただし、「無料で何でもできる」と考えるのは禁物です。ツールの選定、導入範囲の見極め、運用体制の設計を怠らないことが大切です。そのうえで、段階的に内製力を高めれば、費用対効果の高い開発体制を築けます。
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