保険数理システムの開発会社は、数理計算の正確性だけでなく、現行ロジックの解析、過去契約の再現、商品改定、周辺システム連携まで支援できる会社を選ぶことが重要です。本記事では、株式会社riplaを最初に、国内SIerと数理プラットフォーム企業を合わせたおすすめ6社を紹介します。
保険数理システムは、保険料や解約返戻金、責任準備金、将来キャッシュフローなどを計算するため、一般的な業務システムよりも要件定義と検算に専門性が求められます。各社の得意領域、向いている案件、発注前に確認したい質問、費用の見方まで整理しますので、開発会社やベンダーを比較する際のたたき台としてご活用ください。
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・保険数理システム開発の完全ガイド
保険数理システムのパートナー選びが重要な理由

保険数理システムは、契約管理システムのように契約情報を登録するだけの仕組みではありません。基礎率や商品条件をもとに将来のキャッシュフローとリスクを計算し、決算、商品開発、収益性分析、経営管理へ結果を渡す計算基盤です。そのため、開発会社の選定では画面の使いやすさだけでなく、数式の説明可能性と変更後の再現性を評価する必要があります。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
数理計算のロジックを既存アプリケーションへ直接埋め込んでいる場合、商品改定や法令・会計基準の変更のたびに複数のプログラムを改修することになります。しかも、移行後の結果が旧システムと1円でも異なると、丸め処理、日付の基準、基礎率の有効日、契約状態の扱いなどを一つずつ確認しなければなりません。数理と保険業務の知識を持つ会社であれば、単に動くシステムを作るのではなく、差分の原因を説明できる検証計画を初期段階から組み込めます。
発注前に確認すべきポイント
最初に、今回の対象が「数理計算エンジンの導入」なのか、「契約管理・会計・DWHまで含む基幹刷新」なのかを分けてください。次に、商品数と商品世代、保有契約件数、計算頻度、確率論的シナリオの有無、連携先、過去データの保管年数、目標とするRTO・RPOを同じ条件で候補各社へ提示します。条件が揃わないまま見積額だけを比べると、一方はPoC、もう一方は移行・運用まで含むという比較になり、発注後の追加費用につながりやすくなります。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
保険数理システムでは、数理担当者が使う専門用語を、開発者が扱える要件とテストケースへ変換する力が重要です。riplaは、業務ヒアリング、課題整理、システム企画、開発、導入後の定着支援までを一つの流れで相談できるため、数理計算エンジン単体の改修だけでなく、契約管理や販売、会計、データ分析との接続を含めて検討したい企業に向いています。
得意領域・実績
幅広い基幹システムの構築・導入経験を生かし、自社の業務に合わせて柔軟に設計したい案件で相談しやすい会社です。たとえば、数理計算の結果を経営管理へ渡すデータ基盤を整備したい場合や、既存の手作業を含めた業務プロセスを見直したい場合に、開発前の業務設計から伴走してもらえます。保険数理分野の固有要件については、現行ロジックの資料、代表商品、差分検証の条件を提示し、専門人材との体制や実績を打ち合わせで確認すると安心です。
株式会社シーエーシー(CAC)|生命保険の数理計算を含む金融SIに強み

株式会社シーエーシー(CAC)は、生命保険・損害保険会社向けに、業務システムの要件整理から設計、開発、保守、運用までを一貫して支援している企業です。公式の保険向けサービス情報では、生命保険分野で数理計算のような高度な業務知識を必要とするシステム開発や、保険販売職員が保険計算を行うシステム開発の実績が紹介されています。数理領域と保険業務全体をつなげたい企業が比較しやすい候補です。
特徴と強み
CACの特徴は、数理計算を含む保険固有の業務知識と、要件定義から運用までのシステムライフサイクルを一つの相談先にまとめやすい点です。新商品や料率改定のたびに複数の部署・ベンダーへ確認している企業であれば、計算ロジック、販売画面、契約管理、帳票の変更影響を横断して整理できます。発注前には、数理モデルの担当者とアプリケーション担当者の役割、現行システムとの差分検証方法、運用開始後の改定対応を確認してください。
得意領域・実績
生命保険の数理計算や保険計算を伴うシステム開発を候補として検討したい場合に向いています。契約管理システムだけを刷新するのか、数理計算、販売支援、再保険、会計、DWHまで連携するのかで体制と費用が変わるため、対象範囲を分けた提案を依頼すると比較しやすくなります。数理システム単体のパッケージ導入を希望する場合は、利用する製品、国内商品への適合方法、モデルの所有権と保守範囲も具体的に確認するとよいです。
コンピューターマネージメント株式会社(CMK)|個人保険の数理システム開発・保守に対応

コンピューターマネージメント株式会社(CMK)は、公式サイトで「個人保険システムの開発・保守(数理)」の事例を公開している企業です。事例では、保険料、解約返戻金、責任準備金、数理統計帳票など、個人保険の数理業務に関わる開発・保守領域が示されています。数理業務の経験者が不足する状況に対し、複数案件や保守作業を通じて業務ノウハウと開発経験を積み重ねている点も紹介されています。
特徴と強み
個人保険の計算処理と帳票を長期的に保守する案件では、現行仕様を理解しながら小さな改定を安全に積み重ねる体制が欠かせません。CMKの公開事例は、数理業務の経験とシステム開発・保守を組み合わせた候補を探す際の確認材料になります。商品改定の頻度が高い企業や、担当者の退職で既存ロジックの保守に不安がある企業は、ドキュメント整備、属人化解消、問い合わせ対応の体制を聞いてみるとよいです。
得意領域・実績
個人保険の保険料、解約返戻金、責任準備金、統計帳票などを扱う既存システムの再構築・保守を考えている場合に候補になります。特に、数理担当者が計算結果を確認するためのテストデータ、旧新システムの並行計算、異常値の調査手順を整えたい案件と相性を確認しやすいです。大規模な基幹刷新を依頼する場合は、CMK単独で担当する範囲と、他社製品・クラウド基盤・契約管理システムとの責任分界をRFPで明らかにしてください。
株式会社日立製作所|生命保険の大規模基幹刷新と移行を支援

株式会社日立製作所は、三井住友海上プライマリー生命保険株式会社の契約管理システム刷新事例を公開しています。事例では、個人年金保険や終身保険を扱う生命保険会社の基幹システムを刷新し、既存データを継承しながら業務の最適化やサービス向上につなげた取り組みが紹介されています。これは数理エンジン単体の導入事例と断定するものではありませんが、保険契約データを含む大規模な基幹刷新や移行を評価する材料になります。
特徴と強み
大規模な生命保険基幹システムでは、数理計算の正しさに加えて、契約データ移行、複数業務との連携、可用性、障害時の復旧、長期運用まで設計しなければなりません。日立のように金融・ミッションクリティカル領域の基盤を扱う企業を候補にすると、数理システムを孤立させず、契約管理や支払、会計などの全体アーキテクチャと一緒に検討しやすくなります。
得意領域・実績
契約管理を含む基幹刷新、既存データの移行、複数システムをまたぐ業務改善を重視する生命保険会社に向いています。数理計算エンジンを新しくする場合も、どのデータを正とするか、計算に必要な過去契約をどのように復元するか、契約管理と数理計算の処理タイミングをどう分けるかが重要です。提案依頼時には、数理領域を専門ベンダーと共同で担当できるか、旧新照合の責任者、段階移行と切戻しの方法を具体的に確認してください。
FIS|Prophetを中心に保険数理・リスク・報告を統合

FISは、保険数理モデリング、リスク管理、レポーティングを統合するInsurance Risk Suiteを提供しています。公式情報では、Prophetを中心に、キャッシュフロー、ALM、資本モデル、決定論的・確率論的シナリオ、IFRS 17やSolvency II、各国GAAPに関わる報告を扱う機能が示されています。国内の保険会社が導入を検討する際は、製品機能だけでなく、日本の商品・制度・会計運用への適合を支援する体制まで確認することが大切です。
特徴と強み
大規模なモデルを運用し、保険負債、資産、資本、リスクを一体的に分析したい企業に適した比較候補です。公式ページでは、大量データの計算を高速化する並列実行やベクトル化、オンプレミスまたはクラウドでの実行、モデルと前提の監査可能性が説明されています。複数シナリオを定期的に実行する企業は、計算時間だけでなく、モデル変更の承認、入力データの照合、結果の再利用、障害時の再実行まで業務フローとして評価してください。
得意領域・実績
確率論的計算、ALM、資本・ソルベンシー分析、規制・会計レポーティングなどを一つの数理プラットフォームで管理したい案件で比較しやすいです。一方、国内の契約管理システムや販売システムとの接続、固有商品のモデル移植、国内基準に合わせた帳票は別途設計が必要になる可能性があります。FISへ確認する際は、標準ライブラリで対応できる範囲、個別モデルの開発者、ライセンス・クラウド利用料、導入後の日本語サポートと障害対応窓口を質問に含めてください。
Milliman|アクチュアリー知見とクラウド型計算基盤を組み合わせる

Millimanはアクチュアリー・コンサルティングの知見を背景に、Integrateという計算・データ・レポーティング基盤を提供しています。公式情報では、クラウドネイティブな環境で、数理モデル、データ処理、計算、結果のレポートまでをつなぐ考え方が示されています。製品だけを導入するのではなく、モデル設計や数理業務の運用も含めて支援体制を検討したい企業にとって、比較候補になります。
特徴と強み
数理モデルを作る専門家と、計算環境やデータパイプラインを整える技術者の間にある分断を減らしやすい点が強みです。クラウド上で処理を標準化できれば、環境差による計算結果の揺れを抑え、必要な計算量に応じて実行基盤を調整しやすくなります。ただし、保険会社のデータをどのリージョンに保管するか、委託先・再委託先をどう管理するか、データを返却できるかは契約前に確認が必要です。
得意領域・実績
保険負債の評価、商品・契約データの計算、将来キャッシュフロー、レポーティングなどをクラウド基盤へ段階的に移したい案件で確認候補になります。レガシーシステムを一度に置き換えるのではなく、まず特定の商品群や分析業務からデータとモデルを移し、旧システムとの結果を比較する進め方も考えられます。導入時には、既存モデルの移植可否、計算結果の説明資料、国内制度への対応、モデルとデータの所有権、利用量に応じた費用の増え方を確認してください。
保険数理システムのパートナー選びで確認したいポイント

6社はそれぞれ、国内保険業務に詳しいSIer、生命保険基幹の刷新を担う大手企業、グローバルな数理プラットフォーム企業という違いがあります。自社に合う会社を決めるには、企業規模や知名度だけでなく、対象スコープと検証方法を揃えて提案を受けることが大切です。ここでは、RFPや初回打ち合わせで確認したい観点を整理します。
実績と経験の確認方法
実績は「保険会社への導入経験がある」という説明だけで判断せず、どの業務を、どの規模で、どの役割として担当したかを聞きます。数理計算の開発、契約管理の刷新、データ移行、保守運用は別の専門性です。公開事例に書かれていない内容を推測せず、類似する商品種類、契約件数、計算頻度、過去契約の扱い、並行計算の期間、障害時の対応を匿名化した範囲で説明できるか確認してください。
技術力と専門性の評価
技術面では、計算エンジンの方式、モデルやルールの版管理、基礎率の有効日管理、API連携、ジョブ管理、並列処理、監査ログを確認します。業務面では、アクチュアリー、商品、IT、内部監査の会話を翻訳できる担当者がいるかが重要です。FISCの「金融機関等のシステムリスク管理の解説書」では、サイバーセキュリティやクラウド利用、リスクベースアプローチが扱われています。FISCは法律そのものではありませんが、MFA、特権ID管理、開発・検証・本番の分離、復旧訓練、委託先管理を自社要件へ落とし込む際の確認材料になります。
プロジェクト管理体制の確認
保険数理システムは、アクチュアリーが正しさを判断し、商品部門が業務要件を決め、IT部門が基盤と連携を管理するため、意思決定者が曖昧だと進行が止まりやすいです。候補会社には、プロジェクト責任者、数理責任者、移行責任者、セキュリティ責任者を置く体制図を提出してもらいます。準委任と請負の範囲、成果物の受入条件、仕様変更の費用、障害時の一次窓口、再委託、契約終了時のデータ・モデル返却条件も契約前に確認してください。
費用の初期検討では、2026年に公開された類似情報の保険システム全体の標準レンジとして3,000万円〜3億円、納期の目安として52〜104週間という数字があります(出典: 株式会社Casually「システム開発の料金相場(2026年最新版)」、2026年)。これは数理エンジン単体の成約価格ではありません。数理モデルの移植、過去契約の再計算、並行稼働、確率論的シナリオ、ライセンス、クラウド計算資源を含めるかで大きく変わるため、調査・PoCは300万〜1,000万円、1商品群のMVPは1,500万〜5,000万円、複数商品を含むパッケージ導入は3,000万〜1.5億円、大規模な基幹刷新は1億〜5億円超という段階別の推定で予算を置くと整理しやすいです。これらは公開レンジと専門性を踏まえた初期予算の目安であり、個別案件の見積額ではありません。
よくある質問

保険数理システムの開発会社を選ぶ際に、特に相談が多い疑問へ回答します。自社の規模や商品構成によって適切な方式は変わりますので、一般論をそのまま採用せず、候補会社への質問とPoCで確認してください。
保険数理システムとは何ですか?
保険数理システムとは、保険料、解約返戻金、責任準備金、将来キャッシュフロー、収益性やリスクを、基礎率と数理モデルに基づいて計算するシステムです。契約管理システムが契約の受付や変更、保全、支払を管理するのに対し、数理システムは契約を前提に将来の価値やリスクを評価する計算エンジンに近い役割を担います。
パッケージとスクラッチ開発はどちらがよいですか?
標準的な数理機能、監査、モデル管理を早く整えたい場合はパッケージが候補になり、固有商品や長期契約、社内独自の計算・帳票に合わせたい場合はスクラッチや個別拡張が候補になります。実務では、数理計算エンジンはパッケージまたはクラウド、国内固有の業務や周辺連携はAPIと個別開発に分けるハイブリッドも比較してください。費用だけでなく、変更速度、モデルの透明性、ライセンス依存、導入後に保守できる人材まで含めて判断します。
保険数理システムの開発費用はいくらですか?
公開された個別見積は少ないため一律には言えませんが、調査・PoCなら300万〜1,000万円、1商品群のMVPなら1,500万〜5,000万円、複数商品を含む導入なら3,000万〜1.5億円、大規模な基幹刷新なら1億〜5億円超が初期予算の目安です。過去契約の移行、現行との並行検算、確率論的シナリオ、連携本数、24時間運用、ライセンス・クラウド従量費の有無で変動するため、対象範囲を固定して相見積もりを取ってください。
保険数理システムはクラウド化できますか?
クラウド化は可能ですが、データ所在、委託先管理、通信・保存データの暗号化、特権IDの多要素認証、障害時の復旧、従量課金、契約終了時のデータ返却を事前に設計する必要があります。すべてを一度に移すのではなく、分析や特定商品群の計算から始め、旧システムとの結果照合と復旧訓練を行いながら段階的に移行すると、業務影響を抑えやすくなります。
まとめ

この記事の要点
保険数理システムの開発会社を選ぶときは、数理計算の機能だけでなく、現行ロジックの棚卸し、過去契約の再現、旧新システムの並行検算、商品改定、周辺システムとの連携、監査・セキュリティまで含めて比較することが重要です。今回は株式会社riplaを最初に、株式会社シーエーシー(CAC)、コンピューターマネージメント株式会社(CMK)、株式会社日立製作所、FIS、Millimanの計6社を、国内SIerと数理プラットフォーム企業の違いがわかるよう整理しました。
次に行うこと
実際の候補を絞る際は、まず計算エンジン単体か基幹刷新かを決め、商品数、契約件数、計算頻度、シナリオ数、過去データ、外部連携数、RTO・RPOを整理してください。そのうえで、代表商品を使ったPoCで「計算結果が一致するか」だけでなく、「差分の原因を説明できるか」「前提変更を承認付きで再現できるか」「障害時に切り戻せるか」を確認すると、導入後のリスクを抑えやすくなります。
保険数理システムは長期にわたり商品・契約・会計・リスク管理を支える基盤です。初期費用の安さだけで決めず、数理とITの責任分界、保守人材、ライセンス条件、モデル・データの所有権、セキュリティと復旧体制を確認し、自社の事業計画に合うパートナーを選定してください。
▼全体ガイドの記事
・保険数理システム開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
