広告枠管理システムは、媒体別の在庫ルール、予約・審査の業務、請求や配信との連携範囲を分けて設計すると、二重販売や確認漏れを防ぎやすくなります。
発注する側の担当者が打ち合わせで押さえたい点を、全体像から進め方、費用の目安、開発方式の選び方まで順にたどります。
▼関連記事一覧
・広告枠管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・広告枠管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・広告枠管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・広告枠管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
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広告枠管理システムの全体像
広告枠管理システムは、媒体と広告枠の在庫や販売、予約を起点に、入稿から掲載確認、請求までを一つの業務データでつなぐ仕組みです。媒体社や広告主、広告代理店も、この仕組みで情報を共有します。営業、制作、配信担当、経理も同じ情報を参照するため、1件の広告取引を最初から最後まで追跡できる状態をつくれます。この仕組みは、二重販売や確認漏れを防ぎます。
広告枠を「商品」と「在庫」として扱う仕組み
広告枠を商品として登録する前に、媒体ごとの掲載条件と在庫の持ち方を整理しておく必要があります。在庫の持ち方があいまいなままだと、二重販売や確認漏れにつながりやすくなります。
- 商品マスタ:掲載面、場所、サイズ、期間、単価、条件、販売可能数、優先順位
- 媒体ごとの差:同じ駅のサイネージでも、面ごとに放映時間、秒数、最低出稿期間、音声可否が異なる場合があります
- 仮押さえ:申込条件と空き状況を同じ画面で示します
- 販売数:受注やキャンセルに応じて販売可能数を更新します
営業が仮押さえを登録した時点で在庫を一定時間確保しておけば、メールの行き違いによる二重予約を抑えられます。広告枠の定義と在庫の確定タイミングは、売上計上日や掲載証跡の保存期間と合わせて、開発の前に決めておきます。
広告取引の流れを一つのデータでつなぐ仕組み
広告取引は、媒体・枠の登録から請求・入金まで次の順で進みます。
- 媒体・枠を登録し、商品化する
- 空き枠を照会し、仮押さえする
- 見積・申込を経て受注する
- クリエイティブを入稿し、審査する
- 掲載または配信し、実績を確認する
- 請求し、入金を確認する
従来は、営業管理表や制作進行表、配信レポート、請求書が別々に管理されていて、案件名や掲載期間を何度も入力することがありました。さらに、広告主から修正依頼や掲載期間の変更が入ると、その内容を関係者ごとに連絡し直す必要も生じます。
案件番号や広告商品IDを共通キーにして、申込状況、審査履歴、入稿ファイル、掲載結果、請求金額を関連付けます。この共通データがあると、営業は空き状況を、制作は承認待ちを、経理は受注額と掲載実績、請求額の差異を、それぞれ追えるようになります。
広告枠管理システムの種類と媒体別の主要機能

広告枠の在庫ルールは媒体によって異なります。たとえば、期間を予約する純広告、表示回数を配信するWeb広告、面建てや番組条件を扱う紙面・放送などがあります。OOHでは、設置場所と掲出証明の扱いが中心になります。
媒体ごとの違いは残るため、共通データと媒体固有のルールを分けておくと、現場に合った設計を組み立てやすくなります。
Web・アプリ広告の配信量とリアルタイム性の管理
表示回数やクリック数を保証して販売する場合は、枠の条件と在庫予測を合わせて確認する必要があります。
- 枠の条件:位置、サイズ、配信期間、フリークエンシー、広告表現の掲載可否
- 配信上限:想定インプレッション数と、1日あたりの上限
- 販売可能在庫:保証する表示回数やクリック数に応じ、過去のアクセス数と配信実績から予測
- 連携データ:アドサーバー、SSP、DSP、CMS、アクセス解析、広告効果測定基盤と連携し、取引データと配信ログを分ける
期間だけを売る場合と、表示回数やクリック数を保証する場合とでは、在庫の考え方が異なります。取引データは受注や請求の正確さを優先して組みます。一方で、配信ログは大量データの取り込みや集計、遅延、再処理に耐える構成にします。
また、請求に使う数字は、配信ログとは別に、計上ルールと確定処理を通して決めます。
新聞・雑誌・テレビの割付と条件調整
新聞・雑誌は掲載号ごとの面建てと割付、テレビは番組ごとの放送時間と視聴率を、それぞれ分けて管理します。
- 新聞・雑誌:申込、掲載号、面建て、割付、素材画像、掲載可否、広告料金、請求・回収
- 締切・素材:日程をカレンダーで管理し、差し替え前後の画像と承認者を保存
- テレビ:番組、放送時間、視聴率、ターゲット含有率、広告主の出稿条件
締切と校了、掲載、請求の日付は異なるため、どの日付で何を確認するかを分けて扱います。カレンダーと案件ステータスを使えば、未承認や素材不足に気づけます。また、変更履歴を残しておくと、掲載後の問い合わせにも備えられます。
テレビのスポット枠は、空き枠の数だけでなく、条件を満たす組み合わせで考える必要があります。そのため、制約条件を文章にしたうえで、経験だけに頼らない画面や計算ロジックを設計します。
OOHの場所・掲出証明・請求の一体管理
OOH広告では、販売から掲出後までをつなぐために、次の情報を管理します。
- 媒体情報:設置場所、サイズ、視認方向、掲出期間、最低出稿期間
- 掲出準備:素材仕様、クライアント審査、掲出作業、写真などの証跡
- 取引:販売期間、枠ごとの売買、入稿、請求・支払い
- 掲載後の確認:どこへ、いつ、どの素材を掲出したか
公開されているOOH広告取引市場の公式仕様では、ロケーションや媒体情報を、販売期間や枠ごとの売買と一つにまとめて扱う考え方が示されています(出典: OOH広告取引市場の公式仕様公開ページ、2026年確認)。この仕様は、クライアント・意匠審査や入稿、掲出証明、請求・支払いまで扱います。このため、自社で開発する場合も、この一連の業務を分けずに設計することが基準になります。
広告枠管理システム開発の5段階の進め方

広告枠管理システムの開発は、画面より先に在庫と取引のルールを固めるところから始まります。Excelや申込書の内容を見直し、標準化する業務と、人の判断に残す業務を分けて決めます。
▶ 詳細はこちら:広告枠管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
現状分析と要件定義で決める業務の共通キー
現状分析と要件定義は、後の設計や開発の前提を決める工程です。
- 媒体台帳、枠一覧、価格表、営業管理表、申込書、入稿規定の資料を洗い出し、審査記録、掲載実績、請求書、会計データも確認する。
- 媒体、広告枠、広告商品、取引先、案件、契約、クリエイティブ、掲載、請求の関係を整理し、案件番号や広告商品IDを共通キーにする。
- 誰が登録・承認するか、どの条件で在庫を減らし、いつ売上を確定するかを文章にする。
- 媒体ごとの在庫単位と予約の排他ルールを整理し、標準化できない差分は例外として扱う。
曖昧なまま開発会社へ依頼すると、後から仕様変更が続き、予算と納期が膨らみやすくなります。
MVPの範囲と画面・連携の設計
MVPでは、初期機能と後続機能を分け、権限や連携方式もあわせて設計します。
- 初期機能:媒体・枠マスタ、空き枠照会、仮押さえ、予約、申込進捗、クリエイティブ承認、掲載実績、請求データ出力
- 後続機能:自動で最適化する仕組みや高度な需要予測は、実績データの蓄積後に進める
- 権限・表示範囲:営業・制作・審査・配信・経理と取引先ごとに設定する
- 連携方式:販売管理、会計、CMS、アドサーバー、BIにAPI、CSV、手動確認を選ぶ
連携を後回しにすると、請求や掲載レポートで再入力が残ります。
開発・テスト・移行・定着化の段階
開発が終わったら、確認、移行、定着化の順で進めます。
- 媒体マスタ登録、同一枠の同時予約、仮押さえ期限切れ、キャンセル、期間変更を確認する。
- 審査差し戻し、素材差し替え、掲載実績の取り込み、請求額確定を業務シナリオで試す。
- 正常系以外に、同時申込や連携データの遅延なども確認する。
- 重複媒体名、古い単価、廃止枠、取引先の表記揺れを整理して移行する。
- 全媒体を一度に切り替えずに、代表媒体か一つの営業チームで並行稼働させ、空き枠照会時間、二重予約件数、請求差異を測る。
- 操作研修と運用ルールの文書化までをプロジェクトに含めると、導入後の利用率が安定しやすい。
広告枠管理システムの費用相場とコストの内訳

広告枠管理システムだけを対象にした公的な価格統計は確認できません。そのため、ここに示すのは、公開価格のある広告業務SaaSと一般的な業務システム開発の相場から組み立てた目安です。
金額は、媒体数、枠数、利用者数、同時アクセスの規模によって変わります。さらに、外部連携、リアルタイム性、請求条件、監査要件も、金額を動かす要因です。この金額は、予算計画の起点として扱います。
▶ 詳細はこちら:広告枠管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
公開料金から見るクラウド導入の下限
公開料金は、環境や対象業務によって異なります。そのため、次の例では、料金の適用範囲も合わせて確認します。
- 共有環境:初期30万円から、月額基本料2万円と1ユーザー4,000円(出典: 広告業向け販売管理SaaS公式料金ページ、2026年確認)
- 専有環境:初期60万円から、月額基本料5万5,000円と1ユーザー4,000円
- Webバナー専用:広告配信と効果測定に対応
また、Webバナー専用パックの費用例では、初期費用が6万6,000円、月額料金が3万8,500円から5万5,000円程度です(出典: Webバナー広告配信・効果測定システム公式料金ページ、2026年確認)。ただし、オプションやサポート、交通広告テンプレートなどは、別見積もりになる場合があります。
配信系の価格は、営業から請求、媒体横断の在庫管理までを含む総合システムとは対象が違います。したがって、比べる際は業務範囲ごとに分けて見ます。
パッケージ拡張から専用開発までの費用目安
方式ごとの費用と期間を見たうえで、自社の業務に合う導入範囲を比べます。
- 既製クラウド:設定や初期登録だけなら初期10万〜80万円、2週間〜2か月。媒体・枠マスタ、予約、基本レポート中心で、標準機能に合わせる場合に向きます
- パッケージ拡張:初期100万〜500万円、2〜6か月
- 中規模専用Web:500万〜1,500万円、4〜10か月
- 大規模開発:1,500万〜3,000万円以上、8〜18か月。連携や在庫ロジックで費用が上振れしやすい
パッケージ拡張では、審査や入稿、帳票、会計やCMSとの連携を加えます。一方で、中規模専用Webは、複数媒体や権限、承認を含み、請求やダッシュボード、API連携にも対応します。
大規模開発では、高トラフィックの配信や在庫予測、SSP・DSP連携を扱います。加えて、オークションやログ分析、冗長化、監査が含まれる場合もあります。
外部連携と在庫ロジックが加わる広告枠管理は、単純な顧客管理と比べて費用が上振れしやすい傾向があります。なお、一般的な業務システムの相場は、パッケージ導入10万〜100万円、カスタマイズ50万〜300万円、スクラッチ100万〜1,500万円以上です(出典: 2025年版業務システム開発費の相場整理、2025年)。
初期費用以外のランニングコスト
初期費用に加えて発生する費用も、あらかじめ洗い出しておきます。
- 月額費用:ユーザーライセンス、専有環境、ストレージ、配信量、API、監視、バックアップ、サポート
- 保存・ログ:ファイルの保存期間と容量、ログの転送量と集計基盤費用
- 専用開発の保守:初期開発費の年15〜25%程度を仮置きする
入稿ファイルや掲出写真を長期間保存する場合は、容量と保存期間を見積もります。また、広告配信ログを日次や時間単位で蓄積するなら、転送量と集計基盤の費用も確認します。
特に専用開発では、監視や障害・脆弱性への対応、OSやミドルウェアの更新も、継続して発生します。
月額インフラ費や追加開発費、データ移行費、教育費まで含めた3年総額で比べると、導入方式を判断しやすくなります。
パッケージ・クラウド・スクラッチの選び方
媒体や業務が標準的で、早期導入を優先するなら、クラウドやパッケージが適しています。一方で、独自商品や複雑な割付、深い基幹連携、独自の収益計算が競争力に直結する場合は、拡張やスクラッチを検討します。
方式は、機能数だけでなく、業務ルールと将来の変更頻度をもとに決めます。また、自社の業務に標準機能を合わせられるかも、判断の材料になります。
クラウド・パッケージの向く場面:標準化と早期導入
標準化と早期導入を優先する場合は、クラウドやパッケージが候補に入ります。共通業務を短期間で始められる点、運用負担を抑えやすい点、更新を受けられる場合がある点が、その主な利点です。
- 共通業務:媒体・枠マスタ、取引先、案件、予約、承認、帳票を短期間で始められる
- 運用負担:サーバーや監視を自社で用意する負担を抑えやすい
- 更新:機能改善やセキュリティ更新を受けられる場合がある
導入前に、標準機能に自社の業務を合わせられるかを確認します。標準機能にない在庫ロジックや複雑な締め処理を無理に合わせると、Excelへの逆戻りや手作業の二重管理が起こります。
デモでは、同一枠の仮押さえやキャンセル、期間変更などを、実際の順に操作して確かめます。割引や代理店経由の請求、審査差し戻しも、同じように試します。そのうえで、標準機能の範囲と追加費用を確認します。
スクラッチが向く場合:独自性と拡張性の優先
スクラッチ開発では、自社の業務にどこまで合わせるかと、運用の責任をどちらが負うかを考えます。
- 業務適合:媒体別在庫、予約優先順位、販売条件、承認、売上計上、配信予測、帳票を自社に合わせる
- 独自性:複数媒体を横断する新商品や業務の差別化に活用できる
- 例外への備え:判断の自動化範囲、例外条件、手動介入、再計算、障害時の復旧を定義する
- 引き継ぎ資料:データ辞書、API仕様、テストケース、権限表、バックアップと復旧手順を残す
自由度が高いほど、要件定義や保守の責任も重くなります。そのため、引き継ぎ資料を残しておくと、開発会社が替わっても運用を続けやすくなります。
共通基盤と媒体固有機能を分けるハイブリッド型
複数媒体では、共通基盤と媒体別の機能を分け、段階的に導入します。
- 共通基盤:取引先、案件、権限、契約、請求、監査ログ
- 媒体別機能:Webの配信上限、紙面の面建て、放送の作案、OOHの掲出証明
- 拡張できるデータ:将来の媒体追加に備え、固定項目に縛られず、販売単位、期間、数量、条件、証跡の種類に対応する
- 導入順:売上規模の大きい媒体から始め、共通化したルールを次へ展開する
媒体ごとの画面や在庫ルールを分けておけば、共通化と現場の柔軟性を両立できます。
要件定義・KPI・セキュリティで失敗を防ぐ方法
導入前の問題を数字で測れる状態にしておくと、効果を確かめやすくなります。そのため、空き枠を探す時間や予約重複、入稿差し戻し、証明未回収、請求突合の差異を記録しておきます。
リリース後も同じ定義で測って、導入前後を比べます。機能一覧を増やすだけでなく、改善する業務を決めます。
要件定義で確認する5つの業務領域
要件定義では、業務を領域ごとに分けて、必要なデータとルールを確認します。
- マスタ:媒体・ロケーション・掲載面・枠・商品
- 在庫:空き枠・仮押さえ・予約・キャンセル
- 案件:広告主・代理店・契約・見積・受注
- 制作・実績:入稿・審査・承認・差し替え・掲載・配信・掲出証明
- 売上・統制:請求・入金・会計連携・権限・操作ログ・監査
各領域では、登録者と承認者、更新頻度、必須項目を決めます。さらに、変更履歴や削除の可否、他システムとの連携方法も決めておきます。
予約を確定する状態と売上を確定する状態は、別々に扱います。仮押さえで売上を計上したり、掲載実績が未確定のまま請求したりすると、現場と経理の数字が合わなくなる原因になります。
導入効果に直結するKPIの設計
業務領域ごとにKPIを設定し、導入前後を比べられるようにします。
- 営業・在庫:空き枠照会時間、販売可能在庫率、仮押さえから受注への転換率、予約重複件数、媒体別販売率
- 制作・配信:入稿差し戻し率、審査完了時間、掲載開始遅延件数、ログ欠損率、掲出証明回収率
- 経理・経営:請求突合差異、確定日数、媒体別粗利、広告主別売上、キャンセル率、追加作業時間
空き枠の照会時間だけを短くすると、予約ミスが増える可能性があります。そのため、速度と正確性、売上、作業負担を組み合わせて評価します。
個人関連情報・権利・監査の要件
個人関連情報、広告素材の権利、承認記録は、最初から要件に含めます。
- 個人関連情報:Cookie、広告識別子、閲覧履歴、位置情報の取得元、目的、保管期間、提供先、委託先、削除方法
- 素材と判断:著作権、商標、肖像、広告表示を確認し、価格・在庫・掲載可否・広告表現は人が承認する
- 監査記録:誰が何を承認したか確認できる操作ログを保存する
個人情報保護委員会の通則ガイドラインでは、個人関連情報の定義や第三者提供の制限が整理されています(出典: 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、2026年確認)。そのうえで、同意状況や提供記録を残せる要件にします。
経済産業省の2025年度デジタル広告分野の評価では、取引の透明性・公正性や広告の品質、アドフラウドや無効トラフィックが論点になっています(出典: 経済産業省「2025年度デジタルプラットフォームの透明性・公正性に関する評価(デジタル広告分野)」、2025年)。このため、権利や承認の記録も、業務データと一緒に管理します。
広告枠管理システムの開発会社・ベンダーの選び方
開発会社やベンダーは、知名度や機能数だけでなく、自社の媒体タイプと業務ルールに合うかで比べます。そのうえで、自社のデータを使ったデモで対応力を確かめます。
枠マスタや仮押さえ、審査差し戻しなどを実際に試すと、広告業界向けという説明からは見えない適合性が分かります。
自社と同じ媒体タイプの経験
候補先の経験を自社の媒体構成に照らし、次の点を確認します。
- 媒体経験:Web広告中心、OOH中心、新聞・雑誌やテレビの割付まで含むか
- 対応範囲:在庫単位、予約の排他制御、掲載証明、請求・入金まで
- 導入実績:似た媒体数、利用者数、取引件数、稼働後の運用体制
- 要件理解:画面の話に進む前に、売上計上日、在庫確定、審査権限、例外処理を質問するか。要件定義の相性を見極める材料です
すべての媒体を同じ機能で処理できると強調する候補先には、注意が必要です。媒体固有の制約が見積もりに反映されているかも確認します。
連携・移行・データ返却の条件
連携の方式、移行、契約終了時のデータ返却について、どこまでを誰が受け持つかを含めて、次の条件を確認します。
- API連携:販売管理、会計、CMS、配信基盤、アクセス解析の項目、更新頻度、再送、認証、変更通知、テスト環境
- CSV連携:文字コード、日付形式、重複排除、差分更新、取込失敗時の戻し方
- データ移行:対象データ、クレンジング担当、リハーサル回数、旧システムとの並行稼働期間
- 契約終了時:媒体マスタ、案件、掲載実績、入稿ファイル、操作ログの返却形式と削除証明
将来の乗り換え条件を明確にすると、長期運用のリスクを下げられます。
見積もりと運用支援の比べ方
候補先は同じ条件でそろえて比べ、見積もりと稼働後の支援を確認します。
- 見積もり条件:媒体数、枠数、月間案件数、同時利用者数、既存システム、請求締め、保存期間、SLA、移行、研修、保守
- 費用の内訳:要件定義、設計、開発、連携、テスト、移行、教育、インフラ、保守
- 仕様変更:追加開発の単価と変更を判断するプロセス
- 運用中の変更:商品追加、単価改定、審査ルール・媒体・法務要件の変更への支援
- 保守体制:導入担当者だけでなく、稼働後の伴走体制、問い合わせ窓口、障害初動・復旧目標、バックアップ、脆弱性対応、定期レビュー
▶ 詳細はこちら:広告枠管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
▶ 詳細はこちら:広告枠管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
よくある質問
導入の前に検討されやすいのは、費用や対応媒体、既存システムとの連携、開発期間です。よく寄せられる質問に、順に答えます。
広告枠管理システムの開発費用はいくらですか?
既製クラウドの設定は初期10万〜80万円、パッケージ拡張は100万〜500万円が目安です。中規模専用開発は500万〜1,500万円、大規模の配信・予測基盤は1,500万〜3,000万円以上になります。
この数字は、公開料金と一般的な業務システム相場を組み合わせた推定で、市場統計ではありません。見積もりを依頼する際は、媒体数や枠数、連携数をそろえます。配信量やセキュリティ要件も、同じ条件として示します。
Excelでの広告枠管理から移行するには何が必要ですか?
まず、媒体・枠・商品・取引先に共通キーを決めます。案件・掲載・請求のデータも、同じキーでつなぎます。そのうえで、重複名称、古い単価、廃止枠、未整理の予約もクレンジングします。
仮押さえ期限、予約確定、キャンセル、審査のルールを文章にします。掲載証明と請求確定のルールも、あわせて文章にしておきます。代表媒体で移行リハーサルを行い、現場が使えることを確認してから、全体へ広げます。
Web・紙・テレビ・OOHを一つのシステムで管理できますか?
取引先や案件、権限、請求、監査ログといった共通の部分は、一つの基盤で管理できます。ただし、在庫ロジックまで完全に一つにまとめられるとは限りません。
Webは配信量、紙は面建て、テレビは条件に合う作案、OOHは場所と掲出証明を扱います。そのため、媒体固有の機能は分けて設計するのが現実的です。
売上規模と業務効果が大きい媒体から始めて、後から対象を広げる方法もあります。
広告枠管理システムの開発期間はどのくらいですか?
既製クラウドの設定は2週間〜2か月、パッケージ拡張は2〜6か月、中規模専用開発は4〜10か月が目安です。大規模の配信・予測基盤は8〜18か月程度です。
期間は、要件定義とデータ移行を含むかどうかで変わります。外部連携やテスト、研修の範囲も、期間に影響します。
短期間で始めたい場合は、主要な媒体と最小限の業務に絞ったMVPを先に稼働させます。
まとめ
広告枠管理で最初にそろえる情報
広告枠管理システムは、広告商品の定義や在庫・予約を起点に、案件から請求までをつなぐ業務基盤です。その中では、入稿・審査、掲載・配信、掲出証明も同じデータで追えるように扱います。
Web、紙、テレビ、OOHでは、在庫単位と業務ルールが異なります。そのため、共通データと媒体固有の機能を分けて設計します。
無理のない範囲から段階的に始める進め方
導入準備から方式選び、総額の比較、効果測定まで、段階を追って進めます。
- 導入準備:Excelやメールを洗い出し、枠定義、予約確定、売上計上日、審査権限、証跡保存期間を決める
- 方式選び:標準化・早期導入か、独自ルール・拡張性かで選ぶ
- 総額比較:連携、移行、保守、データ返却を含めて比べる
- 効果測定:照会時間、予約重複、差し戻し率、請求差異、媒体別粗利などのKPIを測る
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
