広告・メディア業向け媒体進行管理システムの費用は、媒体種別、業務範囲、外部連携で変わります。標準クラウドなら初期0万〜60万円程度、専用開発では1,000万円以上になる場合もあります。
費用の内訳と、金額を左右する要因もあわせて説明します。全体像は完全ガイドにまとめています。
▼全体ガイドの記事
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広告・メディア業向け媒体進行管理システムの全体像

媒体進行管理システムは、申込から請求・回収までの工程を、一つの業務データで追跡します。途中の枠確保や素材の審査、掲出確認、売上・原価の集計も、同じデータの中で扱います。
業態によって管理する工程が違うため、見積もりを頼む前に、必要な範囲を社内で整理しておきます。
- 広告代理店:営業受注から媒体発注、制作、掲載、請求まで
- 媒体社:空枠、申込、審査、掲出・撤去、掲載証明
- 出版社・新聞社:広告枠と台割・面建て・校了の連動
- OOH事業者:設置場所、掲出期間、現場作業、撤去
システム名より、どの工程を一つの業務データでつなぐかで比べると、費用の違いを説明しやすくなります。
媒体枠・案件・素材を同じ進行データで管理
進行データを設計するときは、管理する情報と更新ルールを先に決めておきます。
- 基本情報:広告主、案件、媒体、枠、掲載期間、素材、担当者
- 申込と承認:申込枠、素材の承認時期、校了担当者を記録
- 進行状態:仮押さえ、申込受付、枠確定、素材待ち、審査中、入稿済み、掲載中、掲載確認済み、請求済み
Excelの表をそのまま画面にするより、枠・案件・素材の正本を一つに決めるほうが、二重入力と締切漏れを減らせます。さらに、状態ごとに担当者と期限を記録し、未承認や期限超過を通知すれば、個人の記憶や個別メールに頼る場面を減らせます。
広告表示や請求の変更履歴は、顧客や媒体社から問い合わせを受けたときの説明に役立ちます。
媒体種別ごとの必要機能と費用
媒体種別ごとに必要な機能を確かめたうえで、効果測定や顧客管理との役割分担も整理しておきます。
紙媒体では、入稿規格や校了、台割の管理が費用に響きます。一方で、Web広告では、広告サーバーや配信実績との連携が候補になります。
- 紙媒体:入稿規格、校正、校了、台割、ページ割付、掲載誌
- Web広告:広告サーバー、配信実績、インプレッション、クリック、コンバージョンとの連携
- OOH:空き枠、施設・駅・看板の位置、掲出・撤去、作業指示書、写真確認
紙、デジタル、屋外では、画面もデータも連携先も異なります。広告効果測定システムや顧客管理システムも関係しますが、役割はそれぞれ別です。
効果測定システムは配信後の数値分析が中心で、CRMは顧客と商談の管理が中心です。
媒体進行管理は、枠在庫、申込、素材、承認、掲載、請求の取引の過程を記録します。この役割を混同すると、安価なタスク管理ツールに機能を後から足すことになり、開発費が膨らむ場合があります。
広告・メディア業向け媒体進行管理システムの費用相場
小規模なSaaSやクラウドは初期0万〜60万円程度、広告業向けの標準パッケージは初期12万〜60万円程度です。中規模の設定や追加開発は、50万〜300万円程度が目安になります。
業務範囲が広がり、媒体枠や素材、請求、原価を扱い、複数拠点や外部システムとも統合する専用開発は、初期300万〜1,000万円程度です。大規模スクラッチは1,000万〜3,000万円以上になる可能性があります。
後半のレンジは、類似業務システムの相場と公開事例から推定したもので、専用システムの全国統計ではありません。
小規模クラウドの初期0万円〜60万円程度、月額1万円〜10万円程度
ITreviewの2026年掲載情報では、代理店管理システム全般のクラウド型は初期0万〜10万円程度、月額1万〜10万円程度とされています。案件台帳などから始めれば、初期費用を抑えやすくなります。
- 管理機能:担当者、期限、ファイル、承認、簡単な売上管理
- 導入範囲:担当者を限定し、申込・素材・期限・請求予定をまとめて扱う
- 連携方法:既存の会計や広告配信を残し、CSVで実績を渡してAPI開発を抑える
この相場は、媒体枠や入稿審査を専用に扱う製品の価格を保証するものではありません。ユーザー数や媒体数、容量が増えると、価格は上振れします。通知や帳票、連携オプションを加えた場合も、上振れすることがあります。
社外の広告主や制作会社向けのポータルを含めると、単純な月額プランの範囲を超える可能性があります。細かな権限分離や数年分のファイル保管、複数媒体の在庫同期も、範囲を広げる要素になります。
広告業向けパッケージの公開料金例:初期12万円〜、ユーザー課金
サイネット株式会社のADMAN・APLEX CLOUDには、初期費用とユーザー課金を組み合わせた公開料金の例があります。
この料金例は、広告業の販売と原価の管理を標準化するときの比較材料になります。
- 専有型:初期60万円以上、月額基本料5万5,000円と1人あたり4,000円
- 共有型:初期30万円以上、月額基本料2万円と1人あたり4,000円
- flamingo-x:初期12万円以上、月額1人あたり3,980円
これらは、サイネット株式会社の公開料金です(出典:サイネット株式会社「ADMAN」料金ページ、2026年8月確認)。料金はユーザー数やオプションで変わり、交通広告テンプレートなどは別途見積もりになります。
ADMANは、案件ごとのプロジェクト管理と、労務費を含む社内原価管理を特徴として打ち出しています。媒体費や制作費、社内工数を案件単位で扱う代理店は、適合性を確認する価値があります。
空枠の独自販売や出版社の面建てといった媒体固有の業務は、追加見積もりが必要です。OOHの現地作業や広告主向けポータルについても、個別に見積もる必要があります。
中規模統合の300万〜1,000万円、大規模開発の1,000万円以上
中規模統合では、管理する業務と連携する範囲が費用を左右します。
- 中規模統合:媒体マスタ、枠、申込、素材進行、審査・掲出確認、売上・粗利、請求をまとめる
- 連携・費用:会計・販売管理・ファイル共有などと連携し、初期300万〜1,000万円程度
- 大規模開発:複数媒体・拠点・営業所、ポータル、広告配信API、電子請求、監査ログ、高可用性を含む
中規模の金額は公表平均ではなく、類似業務システムからの推定です。その推定には、設定や個別開発、移行のほか、テストや研修、外部連携も含まれています。
一般的な業務システムの2025年相場では、カスタマイズ型が100万〜300万円、フルスクラッチが600万〜2,000万円です。
大規模案件は数千万円から1億円を超える場合もあります(出典:Harmonic Society「2025年版 業務システム開発費の相場」、2025年)。
媒体固有のルールや連携先が増えると、上限を超えることもあります。
媒体進行管理システムの費用・コストの内訳
見積もりでは、導入費と月額だけでなく、工程ごとの内訳を確認します。要件定義、設計・開発、設定を分けて見るほか、データ移行と連携、テストを別々に確認します。研修と保守も、別々に確認します。「システム構築費一式」とだけ書かれていると、含まれる機能や追加費用を比較できません。
価格を下げたい場合も、必要な工程は省かず、標準機能で置き換えられる範囲を見極めます。
業務フローとデータの正本を決める要件定義・設計費
要件定義では、業態と媒体種別に加えて、機能範囲や利用者、開発方針を決めます。
- 枠管理:空枠・割付・在庫まで必要か
- 業態・媒体種別:媒体社側か代理店側か、紙・OOH中心かデジタル中心か
- 会計業務:請求・原価・会計連携を行うか
- 社外利用者:広告主・制作会社にも入力させるか
- 開発方針:標準機能に合わせるか、個別開発するか
広告営業から経理、現場まで関係部署の担当者に話を聞き、Excelやメール、紙の申込書、請求データを並べて確認します。
この確認を省くと、媒体ごとの締切や顧客ごとの請求ルールが後から分かり、追加の改修が生じやすくなります。
5点が曖昧なまま機能一覧を作ると、申込画面や一覧画面ばかりが増え、業務ルールを捉えられないことがあります。設計では、広告主、案件、媒体、枠、期間の管理単位を決めます。素材や審査、発注、売上、原価、請求も、業務の流れに沿って区切ります。
媒体費や制作費、外注費、社内工数などを案件に結び付けておきます。値引きや手数料、粗利も、同じ案件の中で扱えるようにします。
帳票やダッシュボードを先に決めると、入力項目が明確になり、不要な項目を作らずに済みます。
画面・ワークフロー・外部連携の開発費による機能差
画面、ワークフロー、外部連携の範囲が開発費を左右します。
- 画面・進行:案件、枠、素材、請求、媒体別の締切・承認・履歴
- 社外ポータル:招待、権限、本人確認、通知、公開範囲、退会時の管理
- 外部連携:形式、頻度、エラー再送、重複防止、担当範囲の分け方を設定
- 連携方式:CSVのみなら定時バッチとエラー確認画面から始められ、双方向同期は開発・保守が増える
案件や枠、素材、請求の一覧登録だけなら、比較的軽く作れます。ただし、掲載証明や差し替え履歴、期限超過通知まで扱うほど、工数は増えていきます。
会計、販売管理、電子請求との連携では、リアルタイムや双方向の同期に加えて、接続テストや障害の切り分け、仕様変更への対応が必要です。ファイル共有、広告配信、認証基盤との連携も、同じ対応が必要になります。そのぶん、初期費用と保守費も増えます。
稼働後の混乱を防ぐデータ移行・テスト・研修費
移行するデータの範囲と、テストや研修の内容を先に決めておくと、稼働後の混乱を防げます。
- 移行対象:広告主、媒体、枠、契約、掲載、未請求、請求先、素材
- 移行作業:項目対応、形式確認、重複削除、名寄せ、欠損補正、リハーサル、全件移行、照合
- テスト:機能に加え、締切通知、権限、ファイル版管理、請求額、粗利集計、外部連携、アクセス集中、バックアップ復旧を確認
- 稼働準備:段階実装、研修、問い合わせ窓口、運用ルール
移行する履歴が全件か、現行年度と未完了案件だけかで、費用は変わります。保存義務や監査に必要な履歴を確認したうえで、移行の範囲を決めます。
広告会社の全社データを統合する場合は、使いやすさを週次で確かめながら段階的に実装する方法もあります。
パソナのkintone導入事例では月約40万円、2名体制で2022年6月下旬から9月まで、要件定義からテストを実施しました(出典:パソナ「広告会社」導入事例、2022年)。
一社の事例であり、媒体専用開発の相場ではありませんが、スモールスタートの参考になります。
媒体進行管理システムの費用が変動する要因

同じ製品名でも、導入する企業の業務範囲によって見積金額は変わります。金額が安く見える見積もりでも、対象の媒体や利用者、データ、連携、保守の範囲が異なることがあります。
各社に同じ条件で見積もりを頼み、金額を押し上げる要因を並べて比べます。
広告代理店・媒体社・出版社・OOHで異なる必要機能
業態ごとに業務を分けて確認しておくと、媒体固有の要件を見積もりに入れられます。
- 広告代理店:引合い・見積・受注、発注、制作・外注購買、社内工数、売上・請求・粗利
- 媒体社:枠在庫、空枠、料金、広告主・意匠審査、掲出・撤去、現場作業、掲載証明
- 出版社・新聞社:営業案件を面建て・校了と調整し、広告料金を経理へ連携
共通のデータと業態別のルールを分けて持つほうが、保守しやすい場合があります。
光和コンピューターの三栄書房の事例では、広告営業や進行管理、経理の連携を強め、雑誌広告管理と請求・入金をつないでいます(出典:光和コンピューター「三栄書房 広告の進行管理システムを導入」、2026年8月確認)。
事例の背景には、月に多数の出版物を発行していることと、合併後の業務を一つにまとめたいという事情がありました。一般的な案件管理より媒体固有の調整が重くなり、導入期間や費用に影響します。
利用者数・媒体数・案件量・ファイル量による費用の押し上げ
利用規模とファイル量を提示しておくと、設定や容量の見積もりを出しやすくなります。
- 利用者:増員でライセンス、権限、部門別画面、研修、問合せが増える
- 媒体・枠:マスタ、料金、締切、休日、掲載期間、在庫の登録とテストが増える
- 案件量:繁忙期の件数、同時アクセス、通知、アップロード量を提示
- 素材:解像度、動画容量、版数、保存期間、権限でクラウド費用が変わる
ウイルススキャンやプレビュー、差し替え履歴、自動削除、媒体社ごとの公開範囲も、設計とテストが必要になります。
メールやチャットの添付から移行する場合は、既存ファイルをどこまで登録するかを事前に決めておきます。
外部連携・セキュリティ・監査要件による追加費用
連携先と、保護・監査の要件を確認して、追加費用になる条件を洗い出しておきます。
- 連携先:会計、販売管理、広告配信、電子請求、認証、共有、BI、媒体社受付
- APIがない場合:CSV入出力、手動確認、エラー再処理を用意
- 双方向連携:正本、二重登録防止、停止時の再送方法を決める
- 顧客情報等:顧客・担当者情報や配信識別子を扱う場合、アクセス権限、MFA、暗号化、バックアップ、ログ保存、委託先との責任の分け方を確認
個人関連情報やCookie等を広告配信や分析に使う場合は、個人情報保護委員会のガイドラインに沿って、提供、同意、利用目的を設計します。ステルスマーケティングは、景品表示法の規制対象です。
PR表記や審査結果を案件や素材の履歴に残す要件も、あわせて検討します(出典:個人情報保護委員会、消費者庁、2026年8月確認)。
媒体進行管理システム開発の進め方と開発期間

期間の目安は、標準パッケージの設定が数週間〜1か月、カスタマイズやCSV連携が1〜3か月です。中規模の媒体・請求・原価統合は3〜9か月、大規模な複数拠点・媒体・ポータル開発は6〜18か月以上が目安になります。
期間は画面の数だけでなく、要件の確定やデータの整理、連携先との調整、現場テスト、研修、並行運用によっても変わります。
要件定義で先に固める4つの判断
要件定義では、業態と媒体種別、機能範囲、利用者と実装の方法を先に決めます。
- 業態:媒体社側か代理店側か
- 媒体種別:紙・OOH中心かデジタル中心か
- 機能範囲:空枠・割付・在庫、請求・原価・会計連携の要否
- 利用者・実装:社外入力の有無、標準機能か個別開発か
4点が曖昧なまま機能一覧を作ると、似た申込画面や一覧画面が増えるだけで、必要な業務ルールを捉えられないことがあります。
現行業務は、申込、枠確定、素材受付、審査の工程に分けて整理します。校了・入稿と掲載・掲出も、同じように工程として分けます。掲載のあとには、実績・証明と請求が続きます。
- 実績・証明:掲載実績と掲載証明を記録
- 請求:請求予定と請求額を整理
各工程で、担当、期限、入力項目、判断条件、次の担当者を書き出します。
Excelやメールを残す場合も正本を決め、現場担当者だけが知っている判断基準を書き出しておくと、手戻りを減らせます。
申込・進行・請求のMVPと段階的な拡張
段階導入では、初回リリースに含める範囲と、後から追加する機能を分けて考えます。
- 初回:広告主・案件・枠登録、申込、素材受付、期限通知、承認、掲載結果、請求予定
- 第1段階:一媒体種別と一つの営業・進行チームで実案件を運用
- 第2段階:他媒体、経理、制作会社、広告主ポータル、原価・粗利、会計連携を追加
空枠の自動販売や複雑な割付、広告配信API、全履歴の移行、社外ポータルを一度に作ると、費用と期間が膨らみます。さらに、現場の利用開始も遅れます。
完了の条件は、画面ができたかどうかではなく、業務の成果で決めます。たとえば、締切漏れを検知できること、請求予定と受注データが一致すること、担当者がマスタを変更できることです。
テスト・移行・研修を含めた稼働日の決定
稼働前には、正常な操作だけでなく、例外操作や環境面も含めて、次の項目を確かめます。稼働日の決定には、移行や研修、運用準備も含めて考えます。
- 業務テスト:素材差し替え、差戻し、期間変更、キャンセル、再入稿、請求訂正
- 環境テスト:連携失敗、権限外閲覧、繁忙期アクセス、大量ファイル
- 移行・研修:項目対応、サンプル・全件移行、照合、差分修正、担当別研修
媒体ごとの締切や休日は、実データに近い条件で確かめます。広告表示やPR表記の承認者を追える監査ログも、あわせて検証します。
営業や進行、経理、媒体担当ごとの操作研修と、問い合わせ窓口、運用ルールも用意します。
出版社の事例では、営業と進行管理、経理の連携を強めるため、既存システムと組み合わせています。媒体固有の調整が期間に影響するため、稼働日は機能の完成日だけで決めないようにします。
コスト最適化と見積もりを取る際のポイント
コスト最適化では、初期見積もりの安さより、5年間の総コストを見ます。月額が安くても、素材をメールで探す時間や締切漏れの確認が重なると、5年間の総コストは高くなります。
請求金額の手入力や障害時の復旧、ベンダーへの設定依頼も、積み重なると総コストを押し上げます。
初期費用や利用料、追加開発、移行、保守、社内の運用工数を合算したうえで、業務上の損失がどれだけ減るかを比べます。
標準機能の優先と、個別開発を差別化要件に限る進め方
パッケージやSaaSを選ぶときは、標準機能で使える範囲を確かめ、個別開発は投資効果のある要件に絞ります。
- 標準機能:案件、媒体、素材、期限、承認、売上・原価、請求
- 個別開発:空枠、割付、掲出確認、媒体固有の締切、広告主ポータル
- 管理画面:媒体、料金、休日、締切、承認経路、メール文面の変更範囲
色やボタンの配置より、競争力やミス削減に直結する部分へ予算を使うほうが、投資効果を説明しやすくなります。
変更のたびに開発会社へ依頼すると、小さな制度変更にも費用と納期がかかります。管理画面で変更できる範囲や履歴、承認、誤操作からの復元を、デモで確かめておくと、運用コストを比べられます。
同じRFPと費用項目による複数社の比較
複数社を比べるため、業務量と見積項目をそろえて、各社に示します。
- 業務量:媒体、年間案件、利用者、拠点、枠、素材容量、現行データ件数
- 導入費:要件定義、ライセンス、設定、開発、連携、移行、テスト、研修
- 運用費:クラウド、バックアップ、監視、問い合わせ、保守、更新
連携先や帳票、保守時間も整理しておきます。見積もりでは、API連携とCSV連携、バージョンアップを分けて記載してもらいます。
見積もりでは、総額と前提、除外項目を確認します。ユーザー上限や容量、保存期間、追加アカウント、帳票、決済手数料についても質問します。さらに、休日サポートや障害復旧時間、データ返却、解約時の移行支援も確かめます。
一式の見積もりでは、作業の内訳や工数、納品物、検収の条件を示してもらいます。
中小企業向けの構築費でも、工程別の単価やパッケージの単価とカスタマイズ費を分けて見ると、金額の妥当性を判断する材料になります(出典:中小企業向けシステム構築費の注意資料、2025年)。
5年TCOと費用対効果の事前試算
5年TCOには、初期費用から社内工数までを含めます。そのうえで、費用対効果と合わせて判断します。
- 5年TCO:初期費用、月額・年額利用料、追加ユーザー、ストレージ、決済手数料、保守、監視
- 追加支出:セキュリティ診断、追加開発、データ移行、社内の運用担当工数も含める
- 導入効果:作業時間、請求漏れ・金額ミス、早期粗利把握、証明検索短縮、引継ぎ、締切遅延による信用低下回避を評価
専有環境や個別帳票、毎年の制度対応、媒体の追加、容量の増加によって、支出は変わります。一方で、初期費用が高くても、二重入力や請求・締切漏れ、集計作業を減らせるなら、総額では有利になる場合があります。
導入前に、月間のExcel集計時間や差し戻し、請求訂正、素材探し、未承認案件数を測っておくと、稼働後の改善を金額に置き換えられます。
よくある質問(FAQ)
費用相場を調べるときの疑問に、導入前に確かめたい判断材料を添えて答えます。公開料金は製品や導入条件の一例で、媒体固有の要件を含む場合は個別の見積もりが必要です。
媒体進行管理システムの開発費用は平均いくらですか?
目安は、小規模クラウドが初期0万〜60万円程度、中規模のパッケージ設定や追加開発が50万〜300万円程度、専用統合が300万〜1,000万円程度です。
複数の媒体や拠点、社外ポータル、API連携を含む大規模スクラッチは、1,000万〜3,000万円以上の可能性があります。ここで示したのは、公開料金と類似業務システムから整理したレンジで、専用システムの平均値ではありません。
パッケージとスクラッチ開発はどちらが安いですか?
標準機能を広く使えるパッケージは、初期費用と開発期間を抑えやすい傾向です。
一方で、空枠や割付、掲出作業、特殊な広告枠のルールが競争力に直結していて、制約に合わせる手作業が大きい場合は、必要な差分だけをカスタマイズするほうが合理的なこともあります。
スクラッチでも、申込・進行・請求をMVPにして、高度な在庫や分析は後から追加すると、リスクを抑えやすくなります。
媒体進行管理システムの費用を抑える方法はありますか?
標準機能を優先し、対象の媒体と利用部門を絞って段階的に導入します。全履歴ではなく、現行年度や未完了案件を優先して移行する方法や、外部連携をCSVから始める方法もあります。
権限やバックアップ、監査ログ、素材の版管理、請求データの正確性は、後から足すと移行が難しくなります。そのため、基盤となる要件として先に設計しておきます。
媒体進行管理システムの開発期間はどれくらいですか?
標準パッケージの設定は数週間〜1か月、追加開発やCSV連携は1〜3か月、中規模統合は3〜9か月が目安です。
大規模スクラッチや複数拠点、社外ポータル、機器や広告配信との連携、データ移行を含めると、6〜18か月以上かかる可能性があります。期間には、現場承認やデータ整理、研修、並行運用の時間も含めて考えます。
まとめ
媒体進行管理システムは、枠販売から請求までの工程をつなぎます。
- 素材受付・審査:素材の受付から審査まで
- 掲載・掲出:掲載と掲出の管理
- 実績確認:掲載実績の確認
- 売上・原価:売上と原価の集計
費用の目安は、小規模クラウドが初期0万〜60万円、標準パッケージが12万〜60万円です。
中規模専用統合は300万〜1,000万円、大規模開発は1,000万〜3,000万円以上が目安です。
これらは、公開料金や類似案件から整理したレンジで、個別の見積金額を保証するものではありません。
業務範囲と5年TCOで決める判断
見積もりは、初期費用と月額、追加開発、移行、連携を分けて確認します。テストや研修、保守、容量、決済手数料、社内工数についても、別々に見ます。
広告代理店、媒体社、出版社、OOH事業者では、必要な機能が異なります。そのため、自社の媒体種別と業務フローを先に整理しておきます。
標準機能を活用し、差別化につながる要件に絞ると、費用と使いやすさのバランスを取りやすくなります。
同じRFPで複数社に相談する段階導入の比較
共通要件で提案を受け、導入範囲を小さく始める方法があります。
- 段階導入:全社・全媒体を一度に置き換えず、申込・進行・請求をMVPにし、現場の定着後に広げる
- 提案比較:同じ要件・データ量で標準機能、開発、移行、保守を確認
- 運用条件:障害対応とデータ返却も確認
枠や素材の締切漏れ、営業と経理の数字の不一致、掲載後の証跡不足を解消できるかを選ぶ基準にすると、導入後の費用対効果を評価できます。
媒体進行管理は、広告取引の業務データとして整理しておくと、コスト削減と収益の把握につながります。単なるタスク管理にとどめないことが大切です。
媒体特性と将来の連携を踏まえ、無理なく運用できる範囲から検討します。
▼全体ガイドの記事
・広告・メディア業向け媒体進行管理システム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
