Amazon CloudWatchのシステム開発で重要なのは、メトリクスやログを集める設定だけでなく、障害検知から復旧、セキュリティ、費用管理までつながる運用基盤を設計することです。
本記事では、Amazon CloudWatchを活用したシステム開発を依頼できる会社を、株式会社riplaを含めて6社紹介します。AWSの設計・構築に強い会社、24時間365日の運用を任せやすい会社、既存の監視製品と連携しやすい会社など、依頼先ごとの違いを整理します。あわせて、CloudWatchの利用料と開発会社への費用を分けて考える方法、発注前に確認したい質問も解説します。
▼全体ガイドの記事
・Amazon CloudWatchのシステム開発の完全ガイド
Amazon CloudWatchのシステム開発でパートナー選びが重要な理由

CloudWatchは、EC2やECS、EKS、Lambda、RDS、ALB、API Gatewayなどの状態を把握するためのAWSサービスです。しかし、実際のシステム開発では、どのデータを取得し、何日保存し、どの条件で通知し、誰が復旧するかまで決めなければ運用に結び付きません。会社を選ぶときは、CloudWatchの設定経験だけでなく、AWS基盤とアプリケーションの両方を見られる体制を確認することが大切です。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
監視設定を依頼したのに、アプリケーションのエラーがCloudWatch Logsへ出力されていなければ、障害の原因を追えません。反対に、すべてのログを無期限で保存し、すべてのメトリクスにアラームを設定すると、通知過多と料金増加を招きます。優れたパートナーは、事業上重要なSLOやMTTRを起点に、監視対象、ログレベル、アラームの重大度、通知先、一次対応の手順を一つの設計にまとめます。
特にマルチアカウント環境では、各アカウントに分散したログやメトリクスを運用アカウントから確認する仕組み、IAMの権限分離、環境ごとのダッシュボード標準化が必要です。AWS公式ドキュメントでも、CloudWatchは性能やアプリケーション動作の監視、CloudTrailはAPI操作の監査という役割の違いが示されています。両者を混同せず、監視と監査を組み合わせられる会社を選ぶことが重要です。
発注前に確認すべきポイント
問い合わせ前に、監視したいAWSリソース数、1日あたりのログ量、保存期間、既存の監視製品、必要な対応時間、障害時の連絡先を整理しておくと、提案内容を比較しやすくなります。開発範囲にアプリ側のログ改修、TerraformやAWS CDKなどのIaC化、テスト、Runbook作成、運用引き継ぎが含まれるかも確認してください。
また、AWSの利用料、開発会社の初期費用、月次の運用委託費を分けた見積書を依頼することも欠かせません。CloudWatchは初期費用や最低利用料金がなく、使用量に応じた従量課金です(出典: AWS公式「Amazon CloudWatchの料金」、2026年8月確認)。このため、開発会社の固定費が安くてもログ量が増えればAWS請求額が上がる可能性があります。
株式会社ripla|コンサルティングから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
CloudWatch導入を単独の監視設定として切り出すのではなく、業務要件や利用者の体験から監視項目を設計したい企業に向いています。例えば、単にEC2のCPU使用率を見張るのではなく、受注処理の失敗、APIの遅延、バッチの未完了といった業務上の異常をどのログやメトリクスで検知するかを整理できます。現場で使われないダッシュボードを増やさず、担当者が判断しやすい通知と運用手順へ落とし込みやすい点が強みです。
得意領域・実績
営業・顧客・生産・販売管理など、複数部門をまたぐ業務システムで、要件整理から設計、開発、導入定着まで一貫して相談したい企業に適しています。CloudWatchの設定だけでなく、アプリケーションのログ設計、権限、運用担当者への引き継ぎまで含めて相談したい場合は、最初に業務フローと障害時の影響を共有すると提案の精度が高まります。AWS利用料と開発費を分けた予算計画を作りたい場合にも、要件の棚卸しから進めやすい会社です。
クラスメソッド株式会社|AWS技術支援と内製化を重視

クラスメソッド株式会社は、AWSを中心としたクラウド技術支援を展開する企業です。クラスメソッド株式会社の公式情報(出典: 同社「AWSパートナー受賞・認定歴」、2026年8月確認)では、AWSプレミアティアサービスパートナーとして2015年から継続して認定されていると案内されています。CloudWatchを含むAWSサービスの設定を、設計思想や開発プロセスと結び付けて相談したい企業にとって候補となります。
特徴と強み
技術情報や導入ノウハウを確認しながら、CloudWatch Agent、CloudWatch Logs、アラーム、ダッシュボード、IaCの設計を進めたい企業に向いています。監視設定を一度作って終わりにせず、開発チームが自分たちで変更できる運用へ移行したい場合は、設計書やコード、レビュー方法まで含めた内製化支援を依頼するとよいです。AWSの新機能を継続的に取り込みたいプロダクトチームとも相性があります。
得意領域・実績
AWSへの移行、コンテナ化、サーバーレス化、複数環境の標準化など、システムのモダナイゼーションと監視設計を同時に進める案件で検討しやすい会社です。なお、24時間365日の監視や障害時の復旧操作を依頼する場合は、技術支援の範囲と運用サービスの範囲を分けて確認してください。AWS認定やパートナー資格だけで判断せず、CloudWatchの設定変更を誰が承認し、障害時に誰が操作するかまで提案書で確認することが大切です。
株式会社サーバーワークス|AWS専業の24時間365日運用代行

株式会社サーバーワークスは、AWS専業ベンダーとして設計・構築から運用まで支援する企業です。公式のAWS運用代行・監視サービスでは、AWS認定最上位パートナーであることに加え、24時間365日の監視と運用代行を掲げています。CloudWatchのアラームを受けた後の連絡、標準障害対応、オペレーション代行まで含めて相談したい場合に検討しやすい会社です。
特徴と強み
監視だけを任せるプランと、監視に加えて障害対応や運用作業まで任せるプランを分けている点が特徴です。公式ページでは、監視プランをリソースあたり月額5,000円から、監視運用プランをリソースあたり月額20,000円からと案内しています。これはCloudWatchのAWS利用料や個別カスタマイズ費を含む総額とは限らないため、見積時には対象リソース、電話連絡、復旧操作、バックアップの扱いを切り分ける必要があります。
得意領域・実績
24時間365日、自社で監視要員を維持することが難しい企業や、夜間・休日のアラート一次対応まで外部化したい企業に適しています。AWS基盤やミドルウェアを中心に、監視エージェントの設定、事前テスト、運用開始までの流れが公開されています。自社のアプリケーション障害をどこまで切り分けるか、業務担当者へのエスカレーションを何分以内に行うか、復旧手順をどこまで委託するかを契約前に決めると、期待値のずれを抑えられます。
株式会社NTTデータ|大規模・高セキュリティ案件に対応

株式会社NTTデータは、大規模・超大規模・長期案件に対応する総合SI企業です。公式のAWSソリューションでは、AWSプレミアティアサービスパートナーとして、上流コンサルティングから運用までワンストップで提供すると説明しています。CloudWatch単体の導入ではなく、既存システム、セキュリティガバナンス、マネージドサービスを含めた全体設計を依頼したい企業に向いています。
特徴と強み
金融、公共、通信、製造など、停止時の影響が大きく、可用性や監査証跡を厳格に求められる環境で検討しやすい会社です。CloudWatchのアラームやログを、CloudTrail、セキュリティ監視、運用サービスと組み合わせ、誰が何を確認し、どの条件でエスカレーションするかを設計できます。複数ベンダーやオンプレミスを含むハイブリッド環境では、CloudWatchだけでは見えない領域も含めた統合監視の要件整理が重要です。
得意領域・実績
大規模なAWS移行、基幹システムの運用、業界固有の規制対応、セキュリティガバナンスまで一括して相談したい企業が候補になります。NTTデータのAWSソリューションは、コンサルティング、インテグレーション、サービスマネジメント、セキュリティガバナンスという領域を整理しているため、CloudWatchの設定を上流の非機能要件から落とし込みやすいです。発注時は、プロジェクト管理費や運用設計費、監査対応費がどの工程に含まれるかを確認してください。
SCSK株式会社|既存のZabbixやNOCとAWS監視を連携

SCSK株式会社は、業務システムからクラウドまで幅広いITサービスを提供する企業です。公式のパブリッククラウド運用サービスでは、RDSやELBのCloudWatch上のデータを取得し、Zabbix上で監視する構成を案内しています。すでにZabbixやNOCを利用しており、AWSへ移行した後も監視画面や運用手順を大きく変えたくない企業にとって、比較対象にしやすい会社です。
特徴と強み
CloudWatchをAWS内に閉じた監視サービスとして使うのではなく、既存の統合監視、運用センター、インシデント管理へ接続したい場合に強みを発揮します。AWSの標準メトリクスと既存監視製品の通知を二重管理にしないためには、どちらを正とするか、重複アラートをどう抑制するか、障害の責任分界をどこに置くかを設計する必要があります。SCSKのように既存運用とAWSの両方を扱える会社へ相談すると、移行後の現場負荷を見積もりやすくなります。
得意領域・実績
オンプレミス、データセンター、AWSをまたぐハイブリッド環境や、既存のZabbix運用を残したAWS移行に向いています。CloudWatch LogsをどこまでZabbixやチケット管理へ連携するか、AWS側のアラームをどの重大度で通知するかを事前に決めると、移行後のアラート疲れを避けやすくなります。監視ツールの構築だけでなく、運用プロセスの標準化や教育まで含むかは個別に確認する必要があります。
KDDIアイレット株式会社|cloudpackによるAWSマネージド運用

KDDIアイレット株式会社は、cloudpackを通じてAWSの設計・構築・運用保守・セキュリティを支援する企業です。公式サービスでは、AWSプレミアティアサービスパートナーであり、AWSのマネージドサービスプロバイダ、MSP、パートナープログラムコンピテンシーを取得していると案内しています。AWSで稼働するサーバーやマネージドサービスを、監視から障害対応まで外部化したい企業に向いています。
特徴と強み
公式サービスでは24時間365日のフルサポート、サーバー1台からの対応、監視のみまたは監視と運用保守を選べること、RedshiftやDynamoDBなどのマネージドサービスへの対応が示されています。CloudWatchのアラーム通知を起点に、AWS環境の設定変更やスケール調整、障害時の運用操作まで任せたい場合に相談しやすい構成です。スタートアップから大規模Webサービスまで、必要な対応範囲を段階的に広げたい企業にも適しています。
得意領域・実績
自社にAWS運用の専任者を置きにくい企業、キャンペーンやサービス成長による負荷変動に対応したい企業、夜間のアラートを外部の専門チームへ任せたい企業が候補になります。cloudpackは設計・構築から運用保守まで一貫して扱えるため、既存環境のアセスメント、CloudWatchの監視設計、運用移行を同じ相談先にまとめやすいです。対象サービス、通知方法、復旧操作、月次レポート、AWS請求のコスト分析が契約に含まれるかを確認してください。
Amazon CloudWatchのシステム開発会社を選ぶポイント

6社は得意領域が異なるため、会社名の知名度やAWS資格の数だけで決めるとミスマッチが起きます。自社の監視対象、運用体制、セキュリティ要件、内製化方針を先に言語化し、同じ条件で2〜3社へ相談すると比較しやすくなります。
実績と経験の確認方法
実績を見るときは、「AWS導入実績が多い」という表現だけでなく、自社に近い構成の事例を確認してください。EC2中心なのか、ECS・EKSやLambdaを含むのか、単一アカウントなのか、複数アカウントを横断するのかで、CloudWatchの設計は変わります。公開事例が見つからない場合は、匿名化した範囲で、監視対象数、ログ量、対応時間、運用開始後の改善内容を説明できるか質問するとよいです。
技術力と専門性の評価
技術面では、CloudWatch AgentによるOSメトリクス、CloudWatch Logs Insightsによるログ分析、Application SignalsやX-Rayによるトレース、OpenTelemetry、Container Insights、Syntheticsなどを必要に応じて組み合わせられるかを確認します。2025年にはCloudWatchのクロスアカウント観測性がAWS GovCloud(US)にも拡大され、複数アカウントのメトリクス、ログ、トレース、アラームを横断して確認する設計がさらに重要になっています(出典: AWS公式「Amazon CloudWatch launches cross-account observability in the AWS GovCloud(US)Regions」、2025年)。すべてを導入する必要はありませんが、SLOや障害の切り分けに必要な機能を選び、将来の拡張余地を説明できる会社が望ましいです。Terraform、CloudFormation、AWS CDKなどで設定をコード化できるか、IAMの最小権限やログのマスキングを設計できるかも重要な評価軸です。
プロジェクト管理体制の確認
CloudWatch案件では、監視設定の納品だけでは成果になりません。要件定義書、監視項目一覧、アラーム条件、通知先、Runbook、テスト結果、IAM権限表、ログ保持方針、運用引き継ぎ資料が納品物に含まれるかを確認してください。24時間365日対応を掲げる場合も、検知だけなのか、電話連絡までなのか、一次復旧操作までなのか、アプリケーション担当者との調整まで行うのかで費用が変わります。
PoCを行う場合は、平常時に画面が表示されることではなく、意図的にエラーを発生させて、検知時間、通知の到達、担当者の判断、復旧手順、事後ログの確認まで通しで試験してください。小規模PoCは開発会社への費用が30万〜150万円、標準構成は150万〜600万円程度という企画用の推定レンジがありますが、アプリ改修、IaC、複数アカウント、運用委託の有無で変動します。相場は断定せず、同じ前提条件で見積もりを比較してください。
Amazon CloudWatchのシステム開発でよくある質問

CloudWatchの会社選びでは、AWS利用料と開発費の違い、監視と運用の範囲、無料で使える範囲について質問が多く寄せられます。発注前に確認しておきたい代表的な疑問へ回答します。
Amazon CloudWatchの利用料は無料ですか?
初期費用や最低利用料金はなく、AWSの無料利用枠もありますが、すべての機能が無制限に無料になるわけではありません。ログの取り込み・保存・検索、カスタムメトリクス、アラーム、ダッシュボード、トレースなどは利用量や機能に応じて課金されます。AWS公式料金ページ(出典: AWS公式「Amazon CloudWatchの料金」、2026年8月確認)では、無料利用枠としてログ5GB、カスタムメトリクス10個、標準解像度アラーム10個、カスタムダッシュボード3個などが案内されています。
CloudWatchの設定と24時間監視は同じ会社に頼めますか?
依頼できますが、サービスによって対応範囲が異なります。設定作業だけを行う会社もあれば、24時間365日のアラート監視、電話連絡、定型復旧、AWSサポートへの問い合わせ、月次報告まで対応する会社もあります。見積書では「監視」「通知」「一次対応」「復旧操作」「アプリケーション障害の切り分け」を分け、夜間・休日のSLAとエスカレーション条件を明記してもらうことが大切です。
ログに個人情報や認証情報が入る場合はどうすればよいですか?
アプリケーション側で出力内容を見直し、メールアドレス、アクセストークン、パスワード、決済情報などをログへ出さない設計にすることが第一です。必要に応じてCloudWatch Logsのデータ保護、マスキング、KMSによる暗号化、IAMの最小権限、MFA、TLS、ログ保持期間、S3へのアーカイブを組み合わせます。AWS公式ドキュメントでも、CloudWatchの自由記述欄やログに機密情報を置かないことが示されているため、導入後ではなく要件定義段階で確認してください。
まとめ

最後に、今回紹介した6社の特徴と、発注前に整理しておきたい条件をまとめます。CloudWatchの設定範囲だけでなく、障害時の運用と費用の分担まで比較することが大切です。
6社の特徴を整理する
Amazon CloudWatchのシステム開発会社を選ぶときは、CloudWatchの設定項目だけでなく、監視対象の棚卸し、アプリケーションログの設計、アラーム後の対応、マルチアカウントの権限、セキュリティ、AWS利用料の管理まで確認してください。株式会社riplaは業務要件の整理から開発・導入定着まで相談したい企業、クラスメソッドはAWS技術支援と内製化、サーバーワークスはAWS専業の24時間365日運用、NTTデータは大規模・高セキュリティ、SCSKは既存監視との連携、KDDIアイレットはcloudpackによるマネージド運用を重視する企業に向いています。
発注前に準備すること
なお、最初から全リソースを監視するのではなく、事業影響の大きい1サービスでPoCを行い、障害検知から復旧までを検証する進め方が現実的です。ログ量、保存期間、カスタムメトリクス数、アラーム数を試算し、CloudWatchの従量課金と開発会社への初期費用・運用費を分離して比較すると、導入後の予算差異を抑えられます。自社の監視要件を整理したうえで、複数社へ同じ条件の見積もりを依頼してください。
▼全体ガイドの記事
・Amazon CloudWatchのシステム開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
