Amazon EKSのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

Amazon EKSのシステム開発は、Kubernetesを採用する理由と運用責任を先に定義し、要件整理から定着までを6フェーズで進めることが成功のポイントです。

Amazon EKSは、コンテナ化したWebアプリやAPI、バッチ、マイクロサービスをAWS上で運用できるマネージドKubernetesサービスです。ただし、クラスターを作成するだけで業務システムが完成するわけではありません。この記事では、ECSやLambdaとの比較を含む採用判断、要件整理、設計開発、テスト、稼働、現場定着までの進め方を、費用相場と見積もりの確認ポイントを交えて解説します。

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Amazon EKSのシステム開発の全体像

Amazon EKSのシステム開発の全体像

Amazon EKSのシステムは、VPCやサブネット、IAM、EKSクラスター、ワーカーノード、ロードバランサー、コンテナレジストリ、データベース、監視を組み合わせて構成します。AWSがKubernetesのコントロールプレーンを管理しても、アプリケーションの可用性、データ保護、権限、監視、障害対応は利用企業と開発会社が設計する必要があります。

EKSで担当する範囲とAWSが担当する範囲

EKSは、KubernetesのAPIサーバーやetcdなどのコントロールプレーンをAWSが管理するため、自社でKubernetesマスターを構築してパッチを当てる負担を減らせます。一方で、利用企業はVPC、ネットワーク経路、IAM、クラスターへのアクセス、ノードまたはPodの実行方式、コンテナイメージ、アプリのリソース設定を決めます。データベースやファイルのバックアップ、個人情報の保存場所、復旧手順も利用企業側の責任です。

2026年時点では、EKS Auto Modeによってノード、ロードバランサー、Podネットワーク、ブロックストレージなどの管理をAWSへ委譲できます。ただし、Auto Modeでもコンテナ内のアプリケーション、アプリの可用性、ログやメトリクスの設計、VPCとクラスター設定は利用者が担います。自動化の範囲を契約書と運用設計書に書かなければ、「AWSがすべて面倒を見る」という誤解が障害対応時に表面化します。出典はAWS「Automate cluster infrastructure with EKS Auto Mode」で、2026年8月に確認した情報です。

ECSやLambdaではなくEKSを選ぶ判断基準

単純なWeb APIや少数のコンテナを動かすだけなら、ECSやFargateの方が構築と運用を簡素にできる場合があります。イベント発生時だけ処理する処理や短時間のバッチであれば、Lambdaの方が適する場合もあります。EKSを選ぶのは、複数のマイクロサービスを同じ制御方式で運用したい場合、Kubernetes標準のDeploymentやServiceを活用したい場合、既存のKubernetes資産をAWSへ移行したい場合、高度なスケジューリングやGPUを含むワークロードを管理したい場合です。

採用会議では「Kubernetesを使いたい」という技術起点の理由ではなく、「サービスごとに独立してデプロイする」「ピーク時にPodとノードを自動拡張する」「複数環境を宣言的に再現する」など、EKSでなければ解きにくい業務課題へ置き換えます。代表サービスを一つ選び、デプロイ時間、障害復旧時間、運用担当者の作業時間、1リクエストあたりのコストをPoCで測定すると、採用の妥当性を経営層にも説明しやすくなります。

Amazon EKSのシステム開発はどのように進めますか?

Amazon EKSのシステム開発を進める6フェーズ

Amazon EKSの開発は、要件整理、サービス選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6フェーズで区切ると、抜け漏れを管理しやすくなります。各フェーズの終了条件を決め、次の工程へ急いで進む前に、業務担当者、アプリ担当者、インフラ担当者、セキュリティ担当者が確認します。

フェーズ1:要件整理で業務と非機能要件を決めます

最初に、何をコンテナ化するかを決めます。アプリケーション一覧、サービス間の依存関係、使用言語、データベース、ファイル保存、外部API、バッチの実行時間、ピークアクセス、個人情報の有無を棚卸しします。オンプレミスや仮想マシンから移行する場合は、OSに依存した処理、固定IP、ローカルディスク、手作業のリリース手順も確認します。

次に、可用性や性能を数値化します。たとえば「月間稼働率を何%にするか」「障害発生から何分以内に検知するか」「RTOを何時間、RPOを何分にするか」「通常時とピーク時の同時接続数はいくつか」を合意します。セキュリティでは、保存地域、暗号化、監査ログの保存期間、管理者の多要素認証、開発環境から本番環境へのアクセス経路を決めます。ここで業務側の意思決定を先送りすると、後工程で作り直しが発生します。

要件整理の完了条件は、システム構成図だけではありません。サービス一覧、データ分類、SLO、RTOとRPO、運用時間帯、オンコールの担当、受け入れテストの合格条件、移行対象と移行しない対象を文書化し、発注者が承認できる状態にします。

フェーズ2:EKSの利用方式と周辺サービスを選定します

EKSを使うと決めた後も、EC2マネージドノードグループ、Fargate、EKS Auto Mode、必要に応じたProvisioned Control Planeを使い分けます。DaemonSetやGPU、特殊なネットワーク設定、ノードへのカスタムソフトウェアが必要なら、制約を確認してEC2方式を候補にします。ノード管理を減らし、標準的なコンテナワークロードを運用したい場合はAuto Modeを比較します。短時間の処理や常時稼働しないPodではFargateを検討します。

周辺サービスは、ECR、ALBまたはNLB、EBSまたはEFS、RDSやDynamoDB、CloudWatch、CloudTrail、Secrets Managerを候補にします。CI/CDはGitHub Actions、AWS CodePipeline、Argo CDなど、Infrastructure as CodeはTerraform、AWS CDK、CloudFormation、eksctlなどから、既存の社内標準と運用可能性を基準に選びます。ツールを増やすこと自体が目的にならないよう、誰が更新し、障害時にどのログを見て、どの手順でロールバックするかまで比較します。

2026年はEKS CapabilitiesとしてArgo CD、AWS Controllers for Kubernetes、Kubernetes Resource Orchestratorなどのマネージド機能も選択肢になっています。導入時には、従来のアドオンを自社で管理する場合との料金、権限、障害切り分け、将来の移行性を確認します。また、大規模AIやHPCなどでコントロールプレーン性能がボトルネックになる場合は、Provisioned Control Planeのスケーリング階層を比較します。2026年3月にAWSは、Provisioned Control Planeで99.99%のSLAと8XL階層を発表しましたが、一般的な業務システムに必要とは限らないため、負荷試験の結果で採否を決めます。出典はAWS「Amazon EKS announces 99.99% Service Level Agreement and new 8XL scaling tier」で、2026年3月に確認した情報です。

フェーズ3:ネットワークからアプリまで設計・開発します

基本設計では、複数のアベイラビリティゾーンにまたがるVPC、パブリックサブネットとプライベートサブネット、NAT Gateway、セキュリティグループ、ルートテーブル、クラスターエンドポイントの公開範囲を決めます。本番データベースをプライベートサブネットに置き、ALBだけを外部公開する構成が一般的ですが、社内向けシステムや閉域接続がある場合は利用者の経路を含めて設計します。

アクセス管理では、管理者、開発者、運用担当、CI/CDのサービスアカウントを分離します。新規クラスターでは、従来のaws-auth ConfigMapに依存せず、EKS access entriesとIAMロールを使ったアクセス管理を検討します。PodがS3やSQSなどのAWSサービスを呼び出す場合は、ノードの権限を流用せず、KubernetesのサービスアカウントにEKS Pod Identityで必要最小限のIAMロールを関連付けます。EKS Pod Identityはサービスアカウント単位で権限を分け、CloudTrailによる監査にもつなげられます。出典はAWS「Learn how EKS Pod Identity grants pods access to AWS services」で、2026年8月に確認した情報です。

開発では、Dockerfileを軽量化し、ECRへイメージを登録し、マニフェストやHelmチャートをGitで管理します。IaCで開発、ステージング、本番の差分を明示し、手動でAWSコンソールを変更しないルールを設けます。リリース方式は一括切り替えだけでなく、ブルー/グリーンやカナリアを比較し、ロールバック条件を先に定めます。設計書、IaCコード、マニフェスト、監視定義、Runbookを納品物として扱うと、開発会社から運用チームへ引き継ぎやすくなります。

フェーズ4:機能・性能・障害・セキュリティをテストします

機能テストでは、正常系だけでなく、Pod再起動、ノード入れ替え、依存サービスのタイムアウト、メッセージ重複、データベース接続数の上限を確認します。性能テストは通常負荷だけでなく、ピーク時、急激なアクセス増、スケールイン時、複数AZの一部停止を再現します。HPAやCluster Autoscaler、Karpenter、Auto Modeのノード追加が、設定したSLOの時間内に完了するかを測定します。

障害訓練では、ALBの異常、コンテナイメージの誤配布、IAM権限不足、ノード障害、AZ障害、データベースの復元を題材にします。検知から一次判断、エスカレーション、ロールバック、利用者への告知、復旧確認までをRunbookに沿って実施します。復旧できたかだけでなく、誰が何を見て判断したかを記録すると、定着フェーズの教育教材になります。

セキュリティテストでは、IAMの過剰権限、クラスターAPIへの経路、Security Group、ネットワークポリシー、Secretの扱い、ECRイメージの脆弱性、Pod Security Admission、CloudTrailとコントロールプレーン監査ログを確認します。AWSのEKSセキュリティガイドでも、IAM、Pod、ランタイム、ネットワーク、イメージ、暗号化、インシデント対応を分けて評価する考え方が示されています。出典はAWS「Best Practices for Security – Amazon EKS」で、2026年8月に確認した情報です。

フェーズ5:移行計画を実行して本番稼働します

既存システムからの移行では、データを一度に移すか、旧環境と新環境を並行稼働させるかを決めます。データ量、更新頻度、停止可能時間、外部連携の切り替え順を確認し、初回移行、差分同期、切り替え、整合性確認、旧環境への戻し方を時系列で書きます。マスタや設定値を開発会社に丸投げすると、移行後に業務が動かない問題が起きるため、業務部門が確認する項目と承認者を明確にします。

本番稼働前には、変更凍結の期間、リリース担当、監視開始時刻、問い合わせ窓口、障害時の意思決定者を決めます。ブルー/グリーン方式を採用する場合は、切り替え後に見るメトリクス、エラー率、レイテンシー、キュー滞留、データ更新件数を定義し、数値が基準を超えたら旧環境へ戻す手順を確認します。公開事例では、AdaがEKS上でブルー/グリーン戦略を使い、クラスター更新を最大5か月から5日へ短縮し、コンピュートコストを15%削減したと報告しています。ただし、同社は最大700ノードのクラスターを運用しており、その数値を小規模案件の成果として約束してはいけません。出典はAWS「Achieving Near-Zero Downtime and Powering Generative AI Using Amazon EKS with Ada」で、2024年に公開された事例です。

フェーズ6:運用を定着させて継続改善します

稼働後は、クラスターの稼働確認だけでなく、アプリのSLO、エラーバジェット、デプロイ頻度、平均復旧時間、AWS利用料を定例で確認します。コンテナイメージの脆弱性、Kubernetesのバージョン、EKSアドオン、ノードの更新計画を月次または四半期で見直します。標準サポートが終了したバージョンは拡張サポート料金が発生するため、アップグレードを先送りしない年間計画が必要です。

運用担当者には、kubectlの操作だけでなく、ログの探し方、メトリクスの読み方、Podの再起動とロールバックの判断、権限申請、バックアップの復元、AWSサポートへの問い合わせ方法を教育します。現場が仕組みを理解しないまま高機能な基盤を導入すると、障害時にExcelや手作業へ戻ることがあります。開発会社からの引き継ぎを一回の説明会で終わらせず、実際の障害訓練と定期的なRunbook更新まで契約に含めると、利用部門に運用が定着しやすくなります。

Amazon EKSのシステム開発の費用相場とコストの内訳

Amazon EKSのシステム開発費用とAWS利用料

費用は、開発会社へ支払う初期開発費、AWSの月額利用料、稼働後の保守運用費に分けて考えます。EKSのクラスター料金だけで全体を見積もると、EC2またはFargate、EBS、ALBやNLB、NAT Gateway、パブリックIPv4、データ転送、CloudWatch、データベースの費用を見落とします。以下の金額は要件やリージョン、為替で変動する目安であり、正式な発注前にはAWS Pricing Calculatorと開発会社の詳細見積もりを併用します。

AWS利用料はクラスター以外の費用を分けて計算します

AWS公式料金では、標準サポート中のEKSクラスターは0.10 USD/クラスター時間、拡張サポート中は0.60 USD/クラスター時間です。730時間を1か月として、為替を1 USD=150円と仮置きすると、標準サポートは約1.1万円、拡張サポートは約6.6万円になります。これはコントロールプレーンの料金だけで、ノード、ストレージ、ロードバランサー、ネットワーク、ログは別途必要です。出典はAWS「Amazon EKS pricing」で、2026年8月に確認した情報です。

AWS公式のAuto Mode例では、米国西部オレゴンで複数種類のEC2を使う構成について、EC2料金が月1,046.82 USD、Auto Modeの管理料金が月125.62 USDと示されています。合計は約1,172 USDですが、標準のEKSクラスター料金やその他のAWSサービス料金は別に考えます。Auto Modeはノードのパッチや入れ替えの負担を減らせる一方、管理料金がゼロになる機能ではないため、手動管理にかかる人件費とAWS請求額を合算して比較します。

さらに、EKS Capabilitiesを使う場合は、Argo CD、ACK、KROなどの機能ごとの基本料金と管理対象リソースの時間料金が発生します。大規模クラスターでProvisioned Control Planeを使う場合も、選択した階層の料金が標準クラスター料金に加算されます。サービスを追加するたびに、料金、責任範囲、運用工数、停止時の影響を一覧で更新することが重要です。

初期開発費は規模と移行難易度で変わります

リサーチノートに基づく開発費の目安は、学習用または小規模PoCが100万〜300万円、期間1〜2か月です。単一サービス、開発用クラスター、最低限のCI/CDを想定し、本番SLAや高度な監視、データ移行は含めない前提です。標準的な本番基盤は500万〜1,500万円、期間3〜6か月が一つの目安です。2〜3AZ、IAMとRBAC、ECR、ALB、マネージドノード、ログとメトリクス、バックアップ、デプロイ手順を含む想定です。

既存システムのコンテナ化と移行まで行う場合は1,500万〜5,000万円、期間6〜12か月程度のレンジが目安です。複数サービス、データ移行、段階リリース、性能試験、障害訓練、運用引き継ぎが加わるためです。金融や医療に近い統制、マルチアカウント、マルチリージョン、数十サービス以上の大規模案件では5,000万円〜1.5億円以上となる可能性があります。これらはEKSの定価ではなく、クラウド基盤、アプリ改修、移行、テスト、教育を含む推定レンジです。

保守運用費とTCOを初期費用とは分けて見ます

稼働後の保守費は、開発費の10〜20%程度を仮置きする方法がありますが、24時間365日の監視、夜間オンコール、脆弱性対応、Kubernetesのアップグレード、性能改善、AWS請求の最適化を含むかで大きく変わります。AWS利用料と保守費は別の請求項目にし、開発会社の作業時間、対応時間帯、月次レポート、緊急対応の単価を確認します。

費用を抑えるには、不要なクラスターを作らない、開発環境を夜間停止する、適切なリソース要求を設定する、ログの保存期間を定める、SpotやSavings Plansを要件に合わせて検討する方法があります。ただし、コスト削減のために冗長化やバックアップを削ると、障害時の損失が増えます。月額の安さだけではなく、復旧時間、開発者の運用時間、障害による機会損失まで含めたTCOで比較します。

Amazon EKSのシステム開発で見積もりを取る際のポイント

Amazon EKSのシステム開発見積もりの確認ポイント

EKSの見積もりは、クラスター構築費だけを比較すると判断を誤ります。要件定義、アプリのコンテナ化、AWS基盤、CI/CD、監視、データ移行、テスト、教育、保守を工程ごとに分け、前提条件と対象外を明示してもらいます。見積書を読んだ段階で、金額の差が技術力の差なのか、作業範囲の差なのかを説明できる状態にすることが大切です。

見積もり前にサービス数と非機能要件を渡します

開発会社へは、既存システムの構成図、サービスとリポジトリの一覧、利用言語、データベース、外部連携、ピーク負荷、想定ユーザー数、データ量、環境数を渡します。あわせて、個人情報や機密データの種類、希望リージョン、RTOとRPO、稼働時間、許容停止時間、監査ログの保存期間、社内の承認フローを提示します。

特に見積もりがぶれやすいのは、移行対象の範囲と運用の時間帯です。「既存アプリをそのままコンテナ化する」のか、「マイクロサービスへ分割する」のかで、アプリ改修費が変わります。「監視する」だけでも、平日日中の通知確認なのか、24時間365日の一次対応と復旧支援なのかで作業量が異なります。曖昧な言葉を使わず、成果物、対応時間、完了条件をそれぞれ書面にします。

複数社は同じ前提で比較し運用実績を確認します

複数社へ相見積もりを依頼する場合は、同じ要件テンプレートを渡し、EKS構築、アプリ移行、テスト、運用、教育を同じ分類で回答してもらいます。確認する項目は、EKSまたはKubernetesの構築経験、AWSネットワークとIAM、アップグレード、可観測性、セキュリティ、FinOps、障害時の体制、内製化支援の6領域です。AWS認定や会社規模だけでなく、今回のサービス数や業務特性に近い事例を確認します。

提案時には、クラスターを作る担当とアプリを改修する担当が同じ会社か、別会社の場合の責任分界を確認します。PoCを提案する会社なら、成功条件、期間、商用化した場合に再利用できる成果物、PoC後の追加費用を確認します。AWS公式のMiro事例では、EKS移行に加えてInfrastructure as Code、Karpenter、KEDA、Secrets Managerなどを組み合わせ、運用のセルフサービス化まで進めています。構築後に誰が使い続けるのかまで提案できる会社かを判断する材料になります。出典はAWS「Miro Accelerates Hypergrowth with Amazon EKS」で、2026年8月に確認した情報です。

リスクと対象外を見積もりに明記します

追加費用につながりやすい項目は、サービス数の増加、既存アプリの改修、データ品質のばらつき、外部APIの仕様変更、性能不足による再設計、監査指摘への対応です。これらを「状況により別途」とだけ書かず、何を前提にし、どの条件で追加見積もりになるかを示してもらいます。要件変更の承認者と、変更時の納期・費用の扱いも契約前に決めます。

納品範囲には、設計書、TerraformやCDKなどのIaC、Dockerfile、Kubernetesマニフェスト、CI/CD設定、監視ダッシュボード、アラート定義、バックアップと復元手順、障害対応Runbook、教育資料を含めます。ソースコードだけを納品しても、運用担当者が復旧できなければ定着とはいえません。AWSアカウントやリポジトリの所有者、アクセス権の返却、契約終了時の引き継ぎ方法も確認します。

Amazon EKSのシステム開発でよくある質問

Amazon EKSのシステム開発に関するよくある質問

最後に、Amazon EKSのシステム開発を検討する企業から寄せられやすい質問へ回答します。採用判断、期間、AWS利用料と保守の関係を先に確認すると、社内稟議や開発会社への相談が進めやすくなります。

ECSやLambdaではなくAmazon EKSを選ぶべきですか?

複数のマイクロサービス、Kubernetes標準の運用、既存Kubernetes資産、高度なスケジューリングなどが必要ならEKSが候補になります。単純なコンテナ実行やイベント処理だけなら、ECSやLambdaの方が運用負荷と費用を抑えられる場合があります。代表サービスのPoCでデプロイ、スケール、障害復旧、権限、月額費用を測り、EKSでなければ解決できない課題を明確にしてから決めます。

Amazon EKSのシステム開発にはどのくらいの期間がかかりますか?

小規模な学習用またはPoCなら1〜2か月、標準的な本番基盤なら3〜6か月、既存システムのコンテナ化と移行まで含めるなら6〜12か月が目安です。金融や医療に近い統制、マルチリージョン、数十サービス以上の規模では12〜24か月以上になる可能性があります。アプリ改修、データ移行、性能試験、利用部門の受け入れ、セキュリティ審査の有無で変わるため、工程ごとの完了条件で計画を作ります。

EKS Auto Modeなら運用担当者は不要になりますか?

不要にはなりません。Auto Modeはノードの作成、パッチ、スケール、ロードバランサーやストレージなどのインフラ管理をAWSへ委譲できますが、アプリの可用性、コンテナイメージ、権限、監視、ネットワーク、データ保護、障害時の業務判断は利用企業に残ります。自社の運用チームが担う範囲と、開発会社やAWSへ依頼する範囲を責任分界表に記載します。

Amazon EKSならセキュリティ監査にも自動で対応できますか?

EKSを採用しただけで自社システムの監査対応が完了するわけではありません。IAM最小権限、アクセスエントリ、Pod Identity、ネットワーク分離、イメージスキャン、Secretの暗号化、監査ログ、バックアップ、脆弱性対応、インシデント手順を、自社のデータ分類と規程へ結び付ける必要があります。監査で求められる証跡、保存期間、レビュー担当を要件整理の段階から定義し、テストで実際にログを取得できることを確認します。

既存のオンプレミスや仮想マシンからEKSへ移行できますか?

移行できますが、アプリがOS、固定IP、ローカルファイル、特定のミドルウェア、長時間のセッションに依存していないかを調査する必要があります。コンテナ化、データ同期、外部連携の切り替え、性能試験、ロールバックを段階的に計画し、すべてを一度に変更しない方法が安全です。移行前に代表的な一つのサービスをPoCし、移行できない依存関係を先に洗い出します。

まとめ:Amazon EKSのシステム開発は運用定着まで設計します

Amazon EKSのシステム開発のまとめ

Amazon EKSのシステム開発は、EKSを導入すること自体ではなく、業務課題を解決しながら安全に運用し続ける仕組みを作るプロジェクトです。まず要件整理でサービス、データ、SLO、RTOとRPO、責任分界を決め、ECSやLambdaと比較してEKSを選ぶ理由を明確にします。その後、方式選定、ネットワークと権限の設計、アプリ開発、性能・障害・セキュリティテスト、段階移行、教育へ進みます。

採用判断は技術名ではなく成果指標で行います

費用は、PoCで100万〜300万円、本番基盤で500万〜1,500万円、既存システムの移行で1,500万〜5,000万円という目安がありますが、アプリの改修範囲、サービス数、データ移行、統制、運用時間によって変わります。AWS利用料もEKSクラスターだけでなく、ノード、ストレージ、ロードバランサー、NAT Gateway、ログ、データ転送、データベースまで含めて見積もります。初期費用の安さだけでなく、デプロイ頻度、復旧時間、運用担当者の作業時間、月額TCOで採用効果を評価します。

発注前は6フェーズと成果物をチェックします

開発会社へ相談する前に、要件整理、選定、設計開発、テスト、稼働、定着の各フェーズについて、担当者、成果物、完了条件、対象外、追加費用の条件を整理します。特に、IAMとアクセス管理、バックアップと復元、監視とオンコール、Kubernetesのアップグレード、データ移行、障害訓練、運用チームへの教育を見積もりから外さないことが重要です。EKSの柔軟性を活かしながら、自社の現場が使い続けられるシステムを目指します。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。