API Gatewayのシステム開発会社は、知名度よりも「認証・認可、既存システム連携、監視、障害対応までを一つの設計として扱えるか」で選ぶことが重要です。
API Gatewayは、アプリや外部サービスから届くAPIリクエストを受け付け、適切なバックエンドへ振り分ける入口です。単なる中継機能だけでなく、OAuth 2.0やOIDCの認証、レート制限、ログ、APIのバージョン管理、開発者ポータルまで含めて設計する場合は、製品選定と同じくらい開発・運用パートナーの力量が問われます。本記事では、API Gatewayのシステム開発を依頼できる企業を、得意なクラウドやAPI管理の深さ、業務システムとの接続、保守体制の観点から6社に整理します。製品の利用料と受託開発費を分けた費用感、発注前に確認したい質問も紹介します。
▼全体ガイドの記事
・API Gatewayのシステム開発の完全ガイド
API Gatewayのシステム開発でパートナー選びが重要な理由は何ですか?

API Gatewayのシステム開発では、パートナー選びが成否を左右します。Gatewayだけを構築しても、バックエンドの認可や個人情報のマスキング、API利用状況の監視、障害時の切り分けが決まっていなければ、本番稼働後に運用負荷が膨らむためです。
製品を入れるだけでは業務APIは安全にならないためです
API Gatewayは、ブラウザ、スマートフォン、外部パートナー、社内システムなどからの通信を集約し、認証・認可、ルーティング、タイムアウト、リトライ、キャッシュ、監査ログを共通化できます。一方で、顧客IDや注文ID単位のオブジェクト認可までGatewayの設定だけに押し込むと、各業務サービスとの責任分界が曖昧になります。Gatewayは入口の共通ポリシーを担当し、業務上の権限判断はバックエンドサービスでも検証する、といった設計を実装できる会社が必要です。
発注前にクラウド、既存認証、運用の3点を確認します
候補会社には、Amazon API Gateway、Azure API Management、Google Cloud Apigee、IBM API Connect、Kong Gatewayなどの対応製品だけでなく、既存IdPとのOIDC連携、オンプレミス接続、WAF、ピーク時のRPS、ログの保管期間、24時間の障害対応を確認します。会社によって得意な構成が異なるため、製品名を並べた比較だけでは判断できません。API本数、利用者区分、データ分類、SLA、開発環境・検証環境・本番環境の分離を伝え、同じ前提で提案を比較することが大切です。
株式会社ripla|コンサルティングから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
API Gatewayの導入では、技術要件と業務要件を別々に決めると、現場で使われないAPIや過剰な機能が残りやすくなります。riplaは、業務の流れや部門ごとの権限を確認し、どのデータをどの利用者へ公開するかを整理したうえで、APIの設計・開発・導入を進める相談先です。Gatewayの入口設定だけでなく、既存の基幹システムとの接続、画面や業務プロセスへの定着、運用引き継ぎまで一つの計画にまとめたい企業に向いています。
得意領域・実績
営業、顧客、生産、販売管理などの基幹領域を含むシステム構築・導入を経験しているため、APIを作ること自体ではなく、APIを業務改善へつなげる視点を持ちやすい点が特徴です。たとえば、販売管理と在庫管理を接続する場合は、単にエンドポイントを増やすのではなく、在庫確保のタイミング、二重登録を防ぐ冪等性、障害時の再送、担当部門への通知まで整理します。要件定義から保守まで同じ会社に相談したい場合は、最初の候補に入れて比較するとよいでしょう。
Amazon Web Services(AWS)|AWSネイティブなサーバーレス構成

Amazon Web Servicesは、Amazon API Gatewayを中心に、Lambda、EKS、Cognito、AWS WAF、CloudWatchなどを組み合わせた構成を作りやすい企業です。AWSをすでに利用している企業であれば、IAMやVPC、監視、デプロイの運用ルールを既存のクラウド基盤に寄せやすくなります。AWSは製品ベンダーであるため、実際の要件定義・移行・保守を依頼する場合は、AWSのパートナー企業やSI会社と役割分担を確認します。
特徴と強み
API呼び出し数に応じて支払う従量課金と、Lambdaなどのマネージドサービスを組み合わせられるため、変動トラフィックや小さく始めるPoCと相性があります。AWS公式の料金例では、REST APIの500万回の呼び出しは17.50米ドル、HTTP APIは最初の3億回まで100万回あたり1米ドルという計算例が示されています(出典:Amazon API Gateway公式料金ページ、2026年8月確認)。ただし、データ転送、Lambda、CloudWatch、WAF、PrivateLinkなどは別料金となるため、Gatewayの単価だけで月額を判断してはいけません。
得意領域・実績
サーバーレスのモバイルバックエンド、社内データ連携、イベント駆動の業務処理、短期間でのAPI公開に向いています。AWS公式のTapestry事例では、1,500店舗と18の配送センターへデータを届ける基盤でAmazon API Gatewayを利用し、平均で1日50万回、繁忙期には1日150万回、ピーク時には毎分1万回のAPI呼び出しを処理しています(出典:AWS公式Tapestry事例、2026年8月確認)。同じ規模になるとは限らないため、提案時にはピークRPS、レスポンスサイズ、バックエンドの処理時間、マルチリージョンの要否を分けて確認します。
Microsoft|AzureとMicrosoft Entra IDを活用したAPI管理

Microsoftは、Azure API Managementを提供し、API Gateway、ポリシー管理、開発者ポータル、分析をまとめて扱える選択肢です。Microsoft 365やAzure、Microsoft Entra IDを利用している企業では、既存のID管理やネットワーク、Azure Functions、AKSとの接続方針を揃えやすくなります。オンプレミスや複数クラウドのAPIをAzure側から管理したい場合は、自ホストGatewayを含めたハイブリッド構成も検討できます。
特徴と強み
Azure API Managementでは、APIキー、JWT、証明書などを検証し、利用量のクォータやレート制限、リクエスト・レスポンス変換、キャッシュ、ログ・メトリクス・トレースをGatewayで適用できます(出典:Microsoft Learn「API gateway in Azure API Management」、2026年8月確認)。APIを社外へ公開する場合も、製品単位でAPIを束ね、購読や開発者ポータルにつなげる設計が可能です。Microsoft中心の社内統制と、外部利用者向けの公開管理を同じ基盤で扱いたい企業に適しています。
得意領域・実績
社内ポータル、業務アプリ、Azure FunctionsやAKS上のマイクロサービス、既存データセンターの基幹APIを組み合わせる案件に向いています。Microsoft公式の費用説明では、Consumptionは固定費がなくAPIリクエスト数を基準に課金され、Developer、Basic、Standard、Premiumなどはユニット数や自ホストGatewayなどに応じて月額が変わります(出典:Microsoft Learn「Plan and manage costs for API Management」、2026年8月確認)。単純なリクエスト単価では比較できないため、必要な機能と環境数を先に洗い出します。
Google Cloud|ApigeeでAPIを製品として運用

Google CloudのApigeeは、APIプロキシの実行だけでなく、API製品、開発者ポータル、分析、収益化、ライフサイクル管理までを意識したAPI管理基盤です。社内サービスの入口として使うだけでなく、販売パートナーや開発者にAPIを公開し、利用状況を見ながら契約やプランを管理したい企業で候補になります。Google Cloud側のデータ分析や機械学習基盤とAPI利用データを結びつけたい場合にも検討しやすい製品です。
特徴と強み
Apigeeは、APIを作って終わりにせず、誰がどのAPIをどれだけ利用しているかを分析し、APIを社内外のプロダクトとして育てる場合に力を発揮します。Google Cloud公式料金ページでは、Standard API Proxyは5,000万回まで100万回あたり20米ドル、Base環境は1リージョンあたり月365米ドル、Intermediate環境は月1,460米ドルという従量課金の例が示されています(出典:Google Cloud「Apigee API Management pricing」、2026年8月確認)。環境料金、プロキシ種別、分析や高度なセキュリティ、ネットワーク費用が合算される点に注意します。
得意領域・実績
外部開発者向けAPI、パートナー連携、決済や物流などのエコシステム、APIの利用分析を重視する大規模案件に向いています。多数のAPIを部署ごとに管理すると、命名規則や認証方式、廃止期限がばらばらになりがちですが、API製品とポータルを設計に組み込めば、利用者のオンボーディングとガバナンスをそろえやすくなります。導入会社には、単なるプロキシ設定ではなく、APIカタログ、利用規約、利用量の計測、バージョン移行まで提案できるかを確認します。
TIS株式会社|API連携と業務データ連携を国内SIで支援

TIS株式会社は、APIプラットフォームサービスを通じて、API連携のアセスメント、開発、基盤構築、運用・保守までを支援する国内SI企業です。公式サービスページでは、EDIとAPIの融合、システム乱立の解消、産業界のデータ流通を支援する方向性が示されています。既存の企業間連携や業務データを活かしながら、APIを新しい接続方法として組み込みたい企業に向いています。
特徴と強み
TISの公式情報では、APIプラットフォームにIdP連携、認証・認可、流量制限、経路制御、モニタリング、APIカタログ、プラグイン拡張、データ変換、データブローカー、データストアなどを組み込める構成が紹介されています(出典:TIS株式会社「APIプラットフォームサービス」、2026年8月確認)。API Gatewayを単独で置くのではなく、既存のEDI、EAI、基幹データ、企業間接続と一体で考えられる点が、クラウド製品だけを比較する場合との違いです。
得意領域・実績
製造、流通、金融など、企業間のデータ交換やサプライチェーン連携を含むシステムで候補になります。APIを外部へ公開する際は、接続先ごとの認証方式、利用規約、監査ログ、データ変換、障害時の再送を整理しなければなりません。TISのような国内SIを比較する際は、製品の機能だけでなく、現行EDIや業務システムを理解する担当者が要件定義から参加するか、運用保守の窓口が一本化されるかを確認します。
Kong Inc.|OSSとクラウドを組み合わせたマルチクラウド構成

Kong Inc.は、Kong GatewayとKonnectを提供するAPI接続基盤の企業です。Kong公式ドキュメントでは、Kong Gatewayをハイブリッド・マルチクラウドやマイクロサービス向けのAPI Gatewayと説明し、セルフホスト、Konnectのマネージドなコントロールプレーン、Kubernetesなど複数の配置方式を案内しています。自社データプレーンを保持しながら中央で設定や監視を管理したい企業にとって、比較対象になりやすい製品です。
特徴と強み
認証、レート制限、ルーティング、ロードバランシング、監視などをプラグインや宣言的な設定で拡張しやすく、Kubernetesやマイクロサービスの構成と組み合わせやすい点が強みです。公式ドキュメントには、Terraform、decK、Kubernetes Ingress Controllerなどを使ったInfrastructure as Codeの運用も案内されています。2026年7月2日にはKong Gateway Enterprise 3.15.0.0がリリースされており、採用時は利用する版のサポート期間と脆弱性対応の手順まで確認します(出典:Kong公式Gateway更新履歴、2026年8月確認)。
得意領域・実績
複数クラウドにまたがるマイクロサービス、オンプレミスとクラウドの混在、クラウドロックインを抑えたい企業に向いています。導入には、Kongの設定を作る技術だけでなく、クラスタの可用性、コントロールプレーン停止時のデータプレーン動作、Admin APIの保護、ログへの個人情報混入防止を設計できる会社が必要です。OSS版、Enterprise版、Konnectのどこまでを採用するかでライセンスや運用負担が変わるため、ライセンス費用と構築・保守費を分けた提案を依頼します。
API Gatewayのシステム開発会社を選ぶポイントは何ですか?

API Gatewayのシステム開発会社は、製品の機能数ではなく、自社のAPIを安全に運用できる設計力と、導入後に改善を続けられる体制で選びます。次の3点を同じRFPに入れて比較すると、提案内容と見積もりの差が見えやすくなります。
実績と経験の確認方法
「API Gatewayを導入した実績がある」という説明だけでなく、API本数、ピーク時のRPS、認証方式、バックエンドの種類、外部公開の有無、移行期間を聞きます。可能であれば、匿名化した構成図、OpenAPI定義、監視画面の例、障害報告書のサンプルを見せてもらいます。類似業界の事例がなくても、個人情報を扱う業務APIや既存基幹連携の経験があれば、要件の共通点を説明できるか確認します。
技術力と専門性の評価
OpenAPIを先に定義し、認証・認可、エラー形式、タイムアウト、冪等性、ページング、レート制限、ログ項目、互換性を合意できるかを見ます。OWASP API Security Top 10 2023では、トップ5のうち3項目が認可に関係すると説明され、オブジェクト単位の認可検証や、機微な業務フローへの無制限アクセスが重要な論点になっています(出典:OWASP API Security Top 10 2023、2026年8月確認)。個人情報を扱う場合は、アクセス権限、マスキング、保存期間、削除、委託先管理をRFPに入れます。
プロジェクト管理体制の確認
要件定義、設計、実装、負荷試験、セキュリティ診断、リリース、保守の責任者を明確にします。特に、バックエンド障害時の再試行で二重処理が起きた場合、Gatewayの設定不備なのか業務APIの設計なのかを誰が切り分けるかが重要です。ソースコード、IaC、Gateway設定、OpenAPI定義、テスト仕様書を引き渡すか、ログを何日保管するか、脆弱性修正の期限、別ベンダーへ移行する場合の協力範囲も契約に記載します。
よくある質問(FAQ)

API Gatewayのシステム開発では、製品選定、受託費、運用分担を同じタイミングで確認することが大切です。ここでは、発注前によく聞かれる質問に直接回答します。
API Gatewayのシステム開発費用はいくらですか?
PoCは50万〜150万円、2〜6週間、小規模な本番導入は150万〜500万円、1〜3か月が一つの目安です。複数バックエンド、既存IdP、監査ログ、障害試験を含む標準的な業務連携は500万〜1,500万円、オンプレミス・複数クラウド・24時間運用まで含むエンタープライズ案件は1,500万〜5,000万円以上になることがあります。これらはAPI本数、ピークRPS、環境数、SLAなどを前提にした受託開発費の推定であり、製品利用料、WAF、監視、データ転送、保守費は別に見積もります。
製品ベンダーと開発会社はどちらに依頼すべきですか?
製品ベンダーはサービスのロードマップ、料金、公式サポート、製品仕様を確認する相手で、開発会社は要件定義、実装、既存システムとの接続、移行、運用を依頼する相手です。自社で設計・運用できる場合は製品ベンダーの支援だけで足りますが、業務要件や既存基幹との接続が複雑なら、導入実績のあるSI会社やriplaのような一気通貫型の開発会社を含めて比較します。
API Gatewayだけでセキュリティ対策は完了しますか?
完了しません。API Gatewayは認証情報の検証、レート制限、IP制御、TLS終端、ログなどの共通対策に役立ちますが、顧客IDや注文IDに対するオブジェクト認可、入力値検証、業務フローの不正利用、バックエンドの権限判断は各サービス側でも実装が必要です。OWASPの指摘をRFPのテスト項目へ落とし込み、期限切れトークン、権限不足、過大ペイロード、リプレイ、バックエンド停止を含む試験を行います。
まとめ

API Gatewayのシステム開発会社は、利用するクラウドや製品名だけでなく、既存認証、基幹システム、APIの利用者、データの機密性、ピーク時のトラフィック、運用体制まで含めて選びます。AWSはAWSネイティブなサーバーレス、MicrosoftはAzureとEntra ID、Google CloudはAPI製品化と分析、TISは国内の業務データ連携、KongはOSS・マルチクラウドに強みがあります。riplaは、コンサルティングから開発、導入後の定着支援まで一気通貫で相談したい企業に適しています。
6社は得意な構成と支援範囲で比較します
クラウドをすでに使っている企業は、既存のID管理、ネットワーク、監視、デプロイ手順を活かせる会社から比較します。APIを外部へ公開して利用状況を分析したい場合はApigee、企業間データ連携を重視する場合はTIS、マルチクラウドやKubernetesを重視する場合はKongが候補になります。業務の整理から開発・定着まで任せたい場合はriplaを含め、製品ベンダーとSI会社の役割をそろえて確認します。
発注前に費用と運用の責任分界をそろえます
発注時は、API本数とピークRPSだけでなく、認証・認可方式、WAF、レート制限、ログ保存、個人情報のマスキング、障害時の復旧、IaCとソースコードの引き渡し、追加費用の条件をRFPへ記載します。製品の月額料金と開発会社への受託費を分けて比較し、安さだけではなく、運用開始後に安全に変更できるかまで確認することが、API Gatewayを長く使うための近道です。
▼全体ガイドの記事
・API Gatewayのシステム開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
