自動車部品製造業向け生産管理システム開発の完全ガイド

自動車部品製造業向け生産管理システムは、受注、計画・調達、製造・品質・出荷をつなぎ、納期・品質・コストを安定させるための基盤です。

業務の全体像から選定の注意点まで、発注する側の視点で順に説明します。各テーマの詳細は、下の関連記事で確認できます。

▼関連記事一覧
・自動車部品製造業向け生産管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・自動車部品製造業向け生産管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・自動車部品製造業向け生産管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・自動車部品製造業向け生産管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

自動車部品製造業向け生産管理システムの全体像

このシステムは、受注情報を起点に計画までを動かす仕組みです。受注数量を書き留めるだけの仕組みとは違い、顧客情報を品目・納期・納入先へ変換して、材料と能力を計算します。

現場の実績や品質結果を戻して、出荷と原価まで整合させる業務基盤です。自動車部品では受注の変動が前提になるため、データもその前提で扱う必要があります。

受注から出荷までをつなぐ仕組み

受注情報を起点に、計画、現場実績、出荷の処理を順につなぎます。

  1. 内示・確定注文・納入指示を取り込み、生産計画と所要量計算に渡します。
  2. 計画から、製造指示、購買発注、外注手配を作成します。
  3. 現場からは、作業開始、完成、不良、手直し、設備停止などの実績が届きます。
  4. 実績を在庫、品質、原価、出荷に反映し、別表での照合作業を減らします。
  5. 納入数が急増したときは、受注の差分を確認します。
  6. 同じ画面や連携データで、材料不足、設備能力、外注納期、出荷便を見比べられます。
  7. 生産数を増やすだけでなく、ボトルネック工程と影響ロットまで把握します。

目的は納期・品質・コストの同時安定

効果は、「DXを進める」といった抽象的な目標より、測定できる指標で確かめるほうが分かりやすくなります。

  • 在庫と納期:納期を優先して余分な在庫を抱えると、その分の資金が固定されます。
  • 品質と出荷:作業を急ぐと品質がばらつき、誤出荷も起きやすくなります。
  • 利益分析:材料費、加工時間、外注費、不良、手直しを製品・製番・ロットに結び付けて見ます。
  • 計画・納期:計画立案時間、納期遵守率、欠品件数、在庫日数を指標として使います。
  • 品質・原価:出荷照合エラー、ロット検索時間、製品別の原価差異も指標に含められます。

まず現状値を測り、導入後の目標を置いておくと、投資判断と改善活動がつながります。白書の中小製造業の事例は、2017年と2021年を比べています。

公的な事例では、受注・工程・実績を同じデータで確認できるように整え、運用を改善した結果も示されています。

生産管理ソフトを全面的に導入した同じ事例では、社員一人当たりの売上高が8.6%増え、労働時間は15.9%減りました(出典: 中小企業庁、2025年版中小企業白書)。

企業規模や製品が違うため、同じ効果を保証する数字ではありません。ただし、KPIを導入前後で測ることの必要性を示す参考にはなります。

ポイント

受注の変化が計画、現場実績、出荷まで伝わるかを、導入の判断材料にします。納期・品質・コストの指標は、導入前の現状値と比べて測ると分かりやすくなります。

自動車部品製造業ならではの要件

内示差分、ロット追跡、かんばん、混流ラインの要件を4枚のカードで示した図解
顧客の指示は、計画から出荷まで複数の条件に関わります。

自動車部品では、一般的な受注・在庫・工程管理の要件に加えて、特有の条件を確認する必要があります。具体的には、顧客情報の形式、納入頻度、かんばん、ロット、検査、出荷ラベルまでが対象になります。

計画だけを新しくしても、一連の要件として確認していなければ、現場の手作業が残ります。

内示・確定注文・EDIの差分管理

受注情報では、数量と納期の差分に加えて、顧客固有のEDIや納入条件も扱います。

  • 内示と確定注文:数量や納期は一致するとは限らないため、差分を日別・週別・品目別に追います。
  • 計画への影響:計画、材料手配、仕入先への提示に、どの程度影響するかを追います。
  • EDI変換:顧客ごとの形式やコードを変換し、取込エラーと再送の履歴を残します。
  • 納入条件・補正:納入先、便、荷姿、容器、ラベル、受入時刻を扱い、未確定項目と補正の履歴を記録します。

取込時点で確定できない項目は保留として表示し、未確認のデータを残さない設計にします。

ロット・製番・品質履歴の逆引き

前後の追跡で対象範囲を正確に絞り込めれば、調査と顧客への説明を早められます。

  • 前方追跡:原材料ロットから工程、設備、作業者、検査、仕掛、完成品、出荷先を追います。
  • 逆引き:完成品や出荷先から、材料ロットや外注工程へさかのぼります。
  • 設計変更:変更前後のBOM、適用開始日、対象製番、旧在庫をまとめて管理します。
  • 品質記録:検査値、不良理由、設備・金型・治具を関連付け、同じ条件での再発分析に使います。

IATF 16949などの品質要求には、必要な記録を一貫して残せる基盤が要ります。ただし、認証の取得は、システムの導入とは別の取り組みも必要になります。

かんばん・短納期・混流生産への対応

短納期や混流に対応するには、計画と補充の調整条件を確かめる必要があります。

  • 計画単位:量産でも、品目や顧客ごとに納入日、数量、荷姿、検査条件が異なる場合があるため、日次・週次・月次を使い分けます。
  • 生産順序:能力、段取り、設備停止、材料入荷を見て、並びを調整します。
  • 混流ライン:製品の切り替え時間や治具の制約を、あらかじめ確かめます。
  • かんばん:補充の起点と確定数量、空容器の回収、納入便、棚番をデータで扱います。
  • 紙の運用:紙のかんばんを残す場合でも、読み取りや実績登録で在庫と補充指示をつなぎます。

倉庫、購買、製造、品質、出荷の担当者が、同じ状態を見られることが欠かせません。

ポイント

自動車部品では、内示と確定注文の差、ロット追跡、かんばん、混流ラインの条件を、要件として先に洗い出します。一般的な生産管理の要件だけで進めると、現場の手作業が残ります。

業務別に見る必要な主な機能

自社に必要な範囲は、機能の一覧からでは決めにくいことがあります。そこで、受注の変化がどの業務に伝わり、現場実績がどの情報に戻るかで整理します。

データの流れを追うと、標準機能と追加開発の境界が見えやすくなります。

生産計画・MRP・負荷の管理

計画機能は、必要量を算出し、現場の能力に沿って調整します。

  • 生産計画:受注、内示、在庫、安全在庫、リードタイム、設備能力、稼働日から時期と数量を決めます。
  • MRP:BOM、在庫、発注残、製造リードタイムから部品・材料の必要量を計算します。
  • 再計算:自動計算に加えて、急な内示変動や設備停止のときにどう再計算するかを確かめます。
  • 負荷管理:工程別・設備別・担当者別に予定と能力を比べ、段取り、休憩、保全、外注戻り日を含めます。
  • 調整記録:シミュレーション、計画版、変更理由を残しておくと、会議での調整を進めやすくなります。

BOM・購買・外注・在庫の連携

部品構成から購買・外注、在庫までを、業務の流れに沿って管理します。

  • BOM・工程:部品、材料、数量、代替品、適用期間を、工程順や設備、治具、標準時間と合わせて管理します。
  • 変更管理:所要量・原価計算や設計変更の影響確認に使い、登録者、承認者、履歴を残します。
  • 購買・外注:発注、納期回答、分納、受入、検収、支給品、進捗を記録し、遅延時には計画への影響と代替手配を確かめます。
  • 在庫:原材料、仕掛、完成品を場所・ロット・数量・状態別に扱い、棚卸差異と入出庫を追跡します。

現場が古いBOMのまま作業しないように、変更履歴を管理する仕組みを整えます。

現場実績・品質・出荷の記録

現場で得た情報は、品質記録と出荷照合までつなげて扱います。共通の履歴があれば、紙の帳票を探す時間も減らせます。

  • 現場実績:開始・完了、良品・不良数、手直し、停止、材料消費、作業者、検査結果を登録します。
  • 入力方法:バーコード、ハンディ、タブレット、設備信号を使い、通信断時は一時保存と再送で対応します。
  • 品質管理:検査項目、規格値、測定値、判定、異常処置、是正、承認を、ロット・製番に紐付けます。
  • 出荷照合:顧客・社内ラベル、出荷指示、在庫ロットを照合し、誤品や数量違いを防ぎます。

通信が不安定な工場では、重複登録も防げます。

クラウド・パッケージ・スクラッチの使い分け

標準業務はパッケージやクラウドで整え、顧客固有のEDI、特殊な設備連携、競争力に直結する工程だけを追加開発する進め方もあります。

適切な構成は、工場の通信、既存設備、海外拠点、社内の保守体制によって変わります。

クラウド型の拠点展開と運用負担

クラウド型では、運用面の利点と接続条件、費用を合わせて検討します。

  • 運用負担:サーバー調達、バックアップ、監視、更新を抱えにくく、複数拠点や外出先から同じデータを見る場合に適しています。
  • 継続性と契約:接続の可否、通信断時の作業、保管場所、復旧目標、終了時の返却形式を確かめます。
  • ネットワーク:設備網を公開せず、工場内と基幹・クラウドの間にゲートウェイやDMZを設けます。
  • 総額・運用:回線、端末、API、保守、データ出力を含めて総額を見るとともに、許可通信、認証、ログ、更新手順を比べます。

標準化できる企業に向くパッケージ型

選定では、標準業務に合わせられる範囲と、変更に伴う負担を見ます。

  • 共通業務:受注、MRP、製番、在庫、原価、購買を、短期間で始めやすい方式です。
  • 標準化:業務を標準に合わせるほど、要件定義、テスト、更新の負担を抑えられ、工場間の共通ルールも作れます。
  • 変更判断:法規制、顧客要件、品質保証、設備制約を分け、設定・運用変更・周辺アプリ・追加開発の順に検討します。
  • カスタマイズ:標準外の手順を全て変えると、費用が増えるうえ、将来の更新も難しくなります。
  • 保守:責任範囲と保守料金は、見積書で確かめます。

独自要件の強さで分けるスクラッチとハイブリッド

独自要件に対応するときは、自由度、長期運用、連携の責任を合わせて見ます。

  • スクラッチの適用:標準製品で要件を満たせない場合に、独自方式、複雑な既存環境、特殊設備通信、高度な計画に対応します。
  • 長期責任:移行、テスト、脆弱性、OS・DB更新、保守の担い手を、あらかじめ決めておきます。
  • ハイブリッド:基幹・会計はパッケージ、現場入力はタブレットやMES、設備データはIoTゲートウェイ、分析はクラウドに分けます。
  • 連携管理:品目コード、BOM、ロット、単位、時刻、エラー処理をそろえ、担当と障害時の切り分けも決めます。

ポイント

標準業務はパッケージやクラウドで整え、顧客固有の連携や特殊な設備接続だけを追加開発する考え方があります。工場の通信や既存設備、保守体制によって、適切な組み合わせは変わります。

開発・導入の進め方

現状業務とKPI、RFP、データ移行とPoCの確認項目を3つのパネルで示した図解
各段階で確認する対象を分けると、導入準備を進めやすくなります。

製品を比べる前に、業務の事実、目標、データ、連携、運用体制をそろえます。

中規模の導入では、要件定義から移行・教育・切替までが6〜12か月の目安です。期間は、拠点数、顧客EDI数、設備連携、データ品質によって変わります。

▶ 詳細はこちら:自動車部品製造業向け生産管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

1. 現状業務とKPIの整理

現状把握では、日々の業務と、改善効果を測る指標を整理します。

  • 業務の可視化:受注から会計までを、業務イベント単位で描きます。
  • 例外の把握:内示変更、欠品、不良、設備停止時の更新データと判断者を記録します。
  • 現行作業:Excel修正、紙への転記、口頭連絡、担当者だけの補助表も洗い出します。
  • KPI候補:納期、計画時間、在庫、欠品、仕掛、稼働率、歩留まり、出荷ミス、検索時間、原価差異から選びます。

全部を同時に改めるのではなく、損失が大きく、データを取りやすいテーマから始めると、優先順位を決めやすくなります。

2. Fit to StandardとRFPの作成

候補製品を比べる前に、要件とデモで確かめる条件を具体的に決めます。

  • 優先度:要件を必須、望ましい、将来検討に分けます。
  • RFPの範囲:受注、内示差分、BOM、工程、ロット、品質、出荷、会計、EDI、WMS、MES、設備連携を記します。
  • 運用条件:権限、監査ログ、バックアップ、障害対応、画面、帳票、処理時間、復旧、受入条件を、具体的に書き出します。
  • 提案比較:標準、設定、開発、運用変更、対象外に分け、変更できない理由は現場と一緒に確かめます。
  • デモ検証:正常系に加え、急変、欠品、不良、停止、通信断、再発行、取消、再送を実際に試します。

3. データ移行・PoC・教育・段階展開

移行後のデータ品質と現場定着を確かめながら、導入範囲を広げます。

  1. 品目、顧客、仕入先、BOMを棚卸しします。工程、設備、場所、単位を洗い出します。在庫、ロット、価格、過去実績も確かめます。
  2. 重複、表記ゆれ、欠損、旧コードを整理し、抽出・変換・検証・差分確認を繰り返します。
  3. 移行対象期間と過去データの参照方法を決め、効果とリスクを測れる範囲でPoCを行います。
  4. 1工場、1ライン、1顧客、代表工程などで、入力時間、計画反映、実績精度、品質記録、出荷照合を確認します。
  5. KPIを達成してから展開し、マスタ責任者、異常連絡、再処理、端末故障、棚卸の教育を行います。

費用相場と総額の見方

4つの導入方式について、本文記載の初期費用の目安を横棒で比べた図解
連携範囲を含む方式ほど、初期費用の想定幅が大きくなります。

費用は、拠点数、利用者数、品目・BOM数によって変わります。さらに、顧客EDI接続先、ハンディ台数、設備連携も費用に響きます。製品価格は、その総額の一部です。

データ移行、帳票、教育、保守、セキュリティ要件も費用に影響します。ここで挙げる数字は、公開価格と製造業向け導入相場の目安です。

個別案件の見積額を保証するものではありません。費用の詳しい内容は、自動車部品製造業向け生産管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段についてで確認できます。

導入方式別の初期費用と期間の目安

方式ごとの機能範囲や連携条件が、初期費用と導入期間に影響します。

  • SaaS・クラウド標準:初期50万〜300万円、月額5万〜30万円、1〜3か月。小規模拠点の計画・在庫・進捗を追う用途に向いています。
  • パッケージ標準:設定と移行を含めて、初期300万〜1,000万円、3〜6か月が目安です。
  • 自動車部品向け連携:EDI、かんばん、品質、ロット、出荷、端末の連携で800万〜2,500万円、6〜12か月を想定します。
  • 基幹刷新:独自工程、複数拠点、旧基幹・設備連携を含む場合、2,000万〜1億円超、12〜24か月以上になることがあります。

公開価格の例では、製品本体が150万〜800万円、移行が50万円、EDI基本取込が20万円です。導入諸経費と保守は別途かかります(出典: 生産管理製品の公開価格、2026年3月時点)。

見積書の5つの費用区分

見積もりは導入費だけでなく、5年程度の総額と、契約終了時のデータ出力まで比べます。

  1. 製品・基盤:ライセンス、利用者、端末、サーバー、クラウド。
  2. 導入・開発:要件定義、設定、画面・帳票追加、連携開発、テスト。
  3. データ移行:品目、BOM、在庫、取引先、過去実績の整備。
  4. 教育・切替:現場教育、マニュアル、並行稼働、切替支援、問い合わせ窓口。
  5. 運用:保守、監視、バックアップ、パッチ、OS・DB更新、EDI変更、追加ユーザー、回線。

一般的な相場の整理では、クラウドは初期10万〜100万円・月額2万〜20万円、オンプレミス型は初期200万〜800万円、スクラッチは1,000万円以上とされています。

自動車部品では、EDI、かんばん、追跡、設備・倉庫連携が加わります。そのため、相場の下限だけを予算と考えないほうが安全です(出典: 生産管理システムの費用相場に関する公開解説、2025年)。

ポイント

費用は、EDI接続先や設備連携、拠点数などで変わり、製品価格は総額の一部です。導入費だけでなく、5年程度の総額と契約終了時のデータ出力まで比べて判断します。

開発会社/ベンダーの選び方

知名度や機能数だけでなく、受注形態、製造方式、品質要求、既存システム、現場での使いやすさに合うかを見ます。

自動車部品の導入経験に加えて、内示、EDI、かんばん、出荷照合、ロット逆引きを、自社と同じ粒度で確かめます。

自社に近い生産方式と顧客要件の確認

候補会社には、自社の生産形態や取引条件を具体的に伝えます。

  • 生産方式:量産、繰返、個別受注、少量多品種、混流、外注中心のどれに近いかを伝えます。
  • 顧客・拠点:顧客数、EDI先、納入便、かんばん、海外拠点を共有します。
  • 設備・データ:設備、品目・BOM数、ロット・製番の粒度を伝え、実コードと匿名受注でデモします。
  • 適合範囲:内示差し替えから出荷まで試し、標準・設定・開発・運用変更の境界を確かめます。

将来の更新や別拠点への展開を踏まえた提案だと、長期運用のリスクを抑えやすくなります。

導入体制・現場支援・保守の責任範囲

契約の前に、導入体制、稼働後の窓口、費用と責任の境界を確かめておきます。

  • 導入体制:責任者、業務リーダー、現場担当、移行・連携、品質・セキュリティ担当を確かめます。
  • 稼働後の窓口:提案担当の継続、問い合わせ先、障害の一次切り分け担当を体制図にします。
  • 海外支援:海外拠点がある場合は、言語、時差、現地パートナー、法令対応を確かめます。
  • 契約条件:成果物、検収、対象外、前提、変更単価、納期、再委託、知財、データ返却を見ます。
  • 保守・改善:保守時間、復旧目標、更新範囲、改善担当と契約を明確にします。

稼働後の改善の責任まで決めておくと、追加費用の判断で迷いにくくなります。

候補先への具体的な質問と比較

提案を比べるために、現場業務や運用上の疑問を具体的に尋ねます。

  • 内示と確定注文の差を日別に確認できますか。顧客別EDIの追加費用と期間はいくらですか。
  • かんばんと納入便の管理単位は何ですか。材料ロットから出荷先を逆引きする時間はどれくらいですか。
  • 通信断時に入力できますか。設備停止や不良は計画へ反映され、BOM承認履歴も残りますか。
  • 過去データをCSVで返せますか。工場のパッチ適用とインシデント対応は誰が担いますか。

回答が画面、運用、費用、責任者まで具体的かどうかを比べます。

▶ 詳細はこちら:自動車部品製造業向け生産管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

▶ 詳細はこちら:自動車部品製造業向け生産管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ポイント

開発会社は、知名度や機能数より、自社の生産方式と顧客要件に合うかで比べます。候補先には、EDI、かんばん、ロット逆引きを、実際のコードや匿名の受注データで試せるかを尋ねます。

セキュリティと失敗しやすい点

生産管理システムは、取引先、製品、設計、品質、在庫、設備の重要な情報を扱います。そのため、IT、製造、品質、設備保全、購買、経営層で、停止できない業務と復旧手順を共有しておく必要があります。

OTとITの境界の分け方

2026年4月に公開された自動車業界の工場領域版ガイドラインは、設備のパッチやインシデント体制など、OT固有の対策を示しています(出典: 日本自動車工業会・日本自動車部品工業会、自動車産業サイバーセキュリティガイドライン、2026年)。

  • 選定時:ID、多要素認証、権限分離、操作ログ、バックアップ、脆弱性、委託先接続、復旧訓練を確認します。
  • ネットワーク:設備を直接クラウドへつながず、分離して必要な通信だけを許可します。
  • アカウント:共有を避け、退職・異動時に無効化します。特権操作、媒体、遠隔保守も管理します。
  • リスク分析:IPAの2026年4月版ガイドも踏まえ、導入と分析を同じ計画で進めます。

よくある失敗:要件・データ・現場の不足

導入で起きやすい失敗は、要件検証、データ整備、現場参加、段階切替が足りないことによるものです。

  • 例外処理の未検証:取消、分納、欠品、設備停止、返品、ラベル再発行を試します。
  • 移行データの未整備:BOMや品目コードを整え、MRP・原価・在庫の信頼を保ちます。
  • 現場参加の不足:入力項目を減らし、バーコードや設備連携を使い、キーユーザーが受入テストに参加します。
  • 一斉切替の準備不足:範囲を絞り、並行稼働と切戻し条件を決め、障害時の手作業や旧システム参照手順を用意します。

自動車部品製造業向け生産管理システムのよくある質問

導入前によくある疑問を、費用、既存システム、AI活用の観点でまとめます。答えは、拠点数、顧客要件、データ量、設備構成によって変わります。

一般論を予算や仕様にそのまま当てはめず、RFPの確認項目に落とし込んで考えます。

小規模な工場でも導入できますか?

導入は可能です。ERP、MES、WMS、品質、設備を一度に統合せず、1工場の受注・計画・在庫・進捗から始める方法があります。

標準パッケージやクラウドを使い、マスタ整備と現場教育を含めて1〜3か月程度の導入を検討します。KPIを確かめてから、範囲を広げていきます。

古い基幹システムやExcelから移行できますか?

移行できる可能性はありますが、形式の変換だけでは足りず、中身の確認も要ります。品目、顧客、仕入先、BOMの重複や欠損を確認します。工程、在庫、ロットも確かめ、単位と過去実績まで見ます。

現行コードと新コードの対応表、移行対象の期間、参照専用データの扱いを決めます。法令、監査、顧客対応に必要な履歴だけを別に保管する方法もあります。

AIやIoTを最初から導入した方がよいですか?

AIやIoTは、最初から必須ではありません。AI需要予測やスケジューリングには、品目コード、過去の受注・実績、設備能力、停止理由の蓄積が前提になります。

まず受注、計画、実績、在庫、品質の定義をそろえ、データを継続して取れる状態を作ります。

予測精度や計画作成時間を比較できる小さな検証から始めます。

自動車部品製造業向け生産管理システムのまとめ

業務のつながりで見る要件の整理

受注・内示・EDI・かんばんの取り込みから始め、BOM・工程・MRPで計画と調達を組み立てます。購買・外注から現場実績、品質・ロット、出荷・原価までを、一つの業務フローとして整理します。

機能数や価格だけでなく、顧客要件、混流や短納期、設備接続、通信断時の運用、データ移行の難しさを比べます。

小さく検証してから段階的に展開

導入範囲と費用を踏まえ、小さく確かめてから展開する計画を立てます。

  1. 標準クラウドから、EDI・品質・設備・複数拠点を含む刷新まで費用幅を見込みます。
  2. 業務とKPIを整理し、機能、設定、開発、移行、教育、保守を分けたRFPを作ります。
  3. 1工場や1ラインで現場利用とデータ精度を確認してから展開し、遅延や過剰開発のリスクを抑えます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。