バックアップシステムの開発会社は、知名度や製品価格だけでなく、必要な時点へ確実に戻せる設計と運用支援まで含めて選ぶことが重要です。特にランサムウェアや災害への備えでは、バックアップを取得できることに加えて、攻撃者が削除できないこと、健全な世代を判定できること、実際に復元できることが選定の基準になります。
本記事では、バックアップシステムの開発・導入・運用を相談できる実在企業を、株式会社riplaを含めて6社紹介します。クラウド型を月数万円から始めたい企業、オンプレミスと別拠点を組み合わせたい企業、大規模な基幹システムやインシデント対応まで任せたい企業が、自社に合うパートナーを絞り込めるよう、方式、強み、公開料金、注意点を整理します。
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・バックアップシステム開発の完全ガイド
バックアップシステムのパートナー選びが重要な理由

バックアップは、導入した製品が毎晩動いていれば完了する仕組みではありません。業務ごとの許容データ損失と復旧時間を決め、保存先を分離し、復元テストと監視を続けて初めて、事業継続に役立つシステムになります。会社を選ぶときは、製品を販売できるかよりも、要件定義から運用設計、障害時の復旧まで責任を持てるかを確認します。
復旧要件を決めずに発注すると、比較できないためです
最初に確認するのは、RPOとRTOです。RPOは障害発生時にどの時点までのデータを戻せればよいか、RTOは何時間以内に業務を再開するかを示します。たとえば販売管理データはRPO1時間・RTO4時間、共有ファイルはRPO24時間・RTO翌営業日とするように、業務の重要度に応じて設定します。ここが曖昧なまま「毎日バックアップ」とだけ伝えると、各社が異なる前提で提案するため、価格も機能も正しく比較できません。
取得後の監視・復元テストまで契約に含めるためです
バックアップの成功通知だけでは、復旧できることの証明になりません。ファイル単位、データベース単位、仮想マシン単位で復元できるか、復元後にアプリケーションの整合性が保たれるかを確認する必要があります。月次の復元テスト、四半期または半期の災害復旧訓練、容量しきい値の通知、休日の障害連絡、担当者不在時のエスカレーションまで提案書に明記してもらうと、導入後の属人化を防ぎやすくなります。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
バックアップシステムを単独の製品導入として扱わず、業務プロセスや既存システムとの関係から整理できる点が特徴です。対象データの棚卸し、RPO・RTOの設定、クラウド・オンプレミス・ハイブリッドの比較、復元手順の設計まで、企業ごとの業務要件に合わせて検討できます。すでにファイルサーバーや基幹システムが動いていて、どのデータを優先して守るべきか整理できていない企業にも向いています。
得意領域・実績
営業・顧客・生産・販売管理など、複数の業務領域にまたがる基幹システムの構築・導入を検討している企業に適しています。既存の業務を止めずに段階導入したい場合や、バックアップ運用を担当者の経験だけに依存させたくない場合は、業務要件とシステム設計を一緒に見直せます。バックアップ製品の指定や構成が決まっていない段階でも、守る対象と復旧目標から相談を始められる点がメリットです。
SCSK株式会社|オンプレミスを残したまま分散保管へ移行

SCSK株式会社は、国産プライベートクラウド「USiZE」のオプションとして、オンプレミス環境のデータを保護する「オンプレバックアップ」を2026年6月30日に提供開始した企業です。既存のオンプレミス環境を活かしながら、バックアップを別拠点やクラウド側へ分散して保管したい企業に向く候補です。
特徴と強み
公式発表では、イミュータブルなバックアップ、オンプレミスと複数拠点への分散保管、国内データ主権、ファイル単位の復元などを特徴として示しています。業務環境とバックアップ環境を分け、攻撃者が同じ認証情報でバックアップを削除しにくい構成を検討しやすい点が強みです。オンプレバックアップの公開価格は初期構築30万円から・月額40万円から、「オンプレバックアップ on USiZE」は初期構築60万円から・月額70万円からとされますが、容量や構成で変動します(出典: SCSK公式発表、2026年)。
得意領域・実績
オンプレミスの基幹サーバーや拠点システムを残しつつ、ランサムウェアや災害に備えた分散保管を追加したい企業に適しています。見積もりでは、現在のデータ容量だけでなく、増加率、保存世代、復元先、回線、監視時間帯、復元テストの回数を確認します。月額だけで比較すると、将来の容量増加や復元時の計算資源が見えにくいため、3年程度の総額で確認すると安心です。
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)|小規模から始めやすいクラウド型

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は、「IIJシンプルバックアップサービス」を提供しています。物理・仮想サーバーに加え、Microsoft 365やGoogle Workspaceのデータも保護対象にできるため、サーバーとSaaSのバックアップをまとめたい企業が比較しやすいサービスです。
特徴と強み
公式料金では、初期費用0円、500GB込みで月額21,000円、500GBを超えた分は42円/GBです。たとえば単純計算で平均1TBを保管する場合、基本料金と超過分を合わせて月額約42,000円が一つの目安になります。データ転送量課金やインスタンス課金がない点も、初期費用と月額を把握しやすい理由です。ただし、実際の請求は日々の保存容量を基に計算されるため、世代数や容量増加を含めて確認します(出典: IIJシンプルバックアップサービス公式料金、2026年)。
得意領域・実績
専任の情シス担当者が少ない中小企業や、サーバーとSaaSを別々に管理する負担を減らしたい企業に向いています。オンラインでイメージバックアップを取得し、イメージ単位とファイル・フォルダ単位で復元できるため、誤削除からの復旧とサーバー障害時の復旧を使い分けやすい構成です。大規模なDRサイトや複雑な業務アプリケーション連携が必要な場合は、標準機能の範囲と個別支援の範囲を先に確認します。
AGS株式会社|AWS上のバックアップ環境と運用監視を一体化

AGS株式会社は、AWS上にバックアップ環境を構築する「スマート・セキュアバックアップ for AWS」を提供しています。AWSを利用している企業が、バックアップの設計だけでなく、VPN接続、運用、監視まで含めて相談したいときの候補です。バックアップを自社で設計する場合と、運用を含むマネージド型で任せる場合を比較しやすい位置付けです。
特徴と強み
公式パンフレットの参考価格では、AWSの基本料金がエントリー月額26,000円、スタンダード45,000円、プレミアム107,000円です。接続元の機器1台、毎月300GBを保管する条件では、従量課金を含めて約4.5万円、約7.0万円、約13.2万円となる例が示されています。これは為替や機器数、通信量、容量、接続時間などで変動する参考値ですので、固定の相場ではなく、AWS利用料を含む見積もりの読み方として使います(出典: AGS「スマート・セキュアバックアップ for AWS」公式パンフレット、2026年)。
得意領域・実績
AWSに業務システムを集約している企業、クラウド移行後のバックアップを標準化したい企業、監視や障害時の一次対応を外部に任せたい企業に向いています。比較時は、バックアップ元がAWS上のワークロードだけか、オンプレミスのサーバーも対象にできるかを確認します。加えて、復元時に必要なAWSのコンピューティング資源、データ転送費、保存期間、バックアップデータの削除権限を見積書に分けて記載してもらうと、想定外の追加費用を防げます。
日本電気株式会社(NEC)|統合基盤とランサムウェア対策を重視

日本電気株式会社(NEC)は、NetBackupアプライアンスなどを活用した統合バックアップ基盤を提案しています。物理・仮想・クラウドが混在する環境をまとめて保護し、ランサムウェア対策、遠隔地複製、運用・保守まで一体で設計したい企業に適した候補です。
特徴と強み
NECの公式情報では、NetBackupアプライアンスにバックアップソフトウェア、デバイス、運用・保守サポートを統合し、暗号化通信、ID・アクセス管理、WORMによる改ざん・削除防止、遠隔地への複製を実現できると説明しています。バックアップ元へアクセスできる管理者と、バックアップを削除できる管理者を分離するようなゼロトラストの考え方を組み込みやすい点が特徴です。複数のワークロードを単一の基盤で管理したい場合にも検討しやすくなります(出典: NEC「セキュアな統合バックアップ基盤によるランサムウェア対策」、2026年閲覧)。
得意領域・実績
大規模な基幹系、複数拠点、Oracleなどの大容量データ、マルチクラウドを含む環境で、製品・設計・保守の窓口をまとめたい企業に向いています。見積もりを依頼する際は、アプライアンスの容量、ライセンス方式、重複排除、増設方法、WORM保持期間、マルウェア検出、復元訓練の範囲を確認します。価格は環境と製品構成で変わるため、公開料金のあるクラウド型と同じ単純な月額比較をしないことが大切です。
富士通株式会社|全国拠点や基幹系を含むインフラ運用を総合支援

富士通株式会社は、リモートバックアップサービスやバックアップソフトウェア、サーバーを含むインフラ支援を展開しています。全国の拠点や大規模な基幹システムを対象に、既存ハードウェア、ネットワーク、運用保守までまとめて相談したい企業に向く候補です。
特徴と強み
バックアップ専用の機能だけでなく、ストレージ、ネットワーク、認証、監視、保守などの周辺インフラを含めて設計できる点が強みです。富士通の公式情報でも、3-2-1ルール、遠隔地ミラーリング、スナップショット、ランサムウェア検知などを組み合わせ、災害復旧とバックアップを強化する考え方が示されています。大切なのは機能名だけでなく、どの世代をクリーンと判断し、誰が復元を承認するかまで運用手順に落とし込むことです。
得意領域・実績
既存のデータセンターやサーバーを含む基幹系を長期運用している企業、全国拠点を持つ企業、保守窓口を一本化したい企業に適しています。個別のサービス名だけでなく、対象OS・データベース・仮想化基盤、バックアップウィンドウ、回線障害時の代替経路、遠隔地の保管場所を確認します。移行や機器更新の時期が近い場合は、導入費だけでなく更新費用と契約終了時のデータ返却条件も見積書に含めます。
JBCC株式会社|バックアップからインシデント対応まで相談

JBCC株式会社は、クラウド、セキュリティ、運用を一体で支援するITサービス企業です。バックアップ製品の導入だけでなく、ランサムウェア発生時の隔離、調査、インフラ再構築など、インシデント対応まで含めて相談したい企業に向いています。
特徴と強み
JBCCの公式情報では、一般的なインシデント対応で工程ごとに異なるパートナーが関わる課題に対し、複数の工程を自社で一貫して対応できることを示しています。バックアップを最後の復旧手段として用意するだけでなく、感染時の初動、証拠保全、復旧優先順位、再発防止までを含めた体制を整えやすい点が特徴です。
得意領域・実績
セキュリティ事故の際に社内だけで判断することが難しい企業、バックアップ・監視・セキュリティ運用をまとめたい企業に適しています。比較する際は、バックアップ製品の種類と対象環境、保持世代、イミュータブル保管の有無を確認したうえで、緊急時の受付時間、初動支援、復旧作業の責任範囲を分けて質問します。バックアップの価格だけでなく、事故が起きたときに誰が指揮を執るかを確認することが重要です。
バックアップシステムのパートナー選びで確認するポイント

6社は得意領域が異なるため、ランキングの順位より、自社の復旧要件と運用体制に合うかで選びます。問い合わせ時は、同じ条件のRFPを各社に渡し、対象資産、データ容量、増加率、保持期間、RPO、RTO、保管場所、監視時間、復元テストをそろえて提案を比較します。
実績と経験は、復旧実績まで確認します
「導入社数」や「対応製品数」だけでなく、似た環境からどの程度の時間で復元したかを確認します。ファイル、データベース、仮想マシン、SaaSでは復元方法が異なるため、自社と同じ対象を含む事例が必要です。可能であれば、バックアップ成功率、復元テストの頻度、障害発生時の平均的な一次回答時間、担当者の体制を匿名化された範囲で示してもらいます。実績を開示できない場合でも、PoCで自社データの復元を検証できるかが判断材料になります。
技術力は対象環境とセキュリティ設計で評価します
確認する技術項目は、フル・増分・差分の方式、暗号化、アクセス権分離、多要素認証、イミュータブルまたはWORM、オフライン保管、遠隔地複製、異常検知、マルウェア検査です。3-2-1は、データを3つ作成し、2種類の媒体に保存し、1つを別場所に置く実務上の考え方です。ただし、3-2-1を満たすだけで安全とは限らず、管理者権限やネットワークを分離し、復元前に世代の健全性を確認する設計が必要です。
プロジェクト管理と契約範囲を明確にします
バックアップは、対象資産の棚卸し、要件定義、設計、初回フルバックアップ、復元検証、運用引き継ぎの順に進めます。標準設定だけなら数日から1か月、物理・仮想・SaaSをまたぐ導入なら1〜3か月、別拠点DRや既存監視との連携を含む場合は3〜6か月が一つの目安です。独自の管理画面や複雑なDB連携を作り込む場合は6〜12か月以上かかることがありますが、バックアップエンジン自体をゼロから開発するより、実績ある製品やAPIを採用し、業務連携と復元検証に工数を配分する方が現実的です。
よくある質問

最後に、バックアップシステムの開発会社へ相談する前に多く寄せられる質問をまとめます。料金だけでは判断しにくい領域ですので、質問への回答をそのままRFPや契約条件に反映させることが大切です。
バックアップシステムの費用相場はいくらですか?
公開料金の事例では、小規模なクラウド型が初期0〜30万円、月額2〜15万円程度、中堅向けのマネージドまたは分散構成が初期30〜60万円以上、月額40〜70万円以上の目安になります。機器購入型や専用環境、DRまで含める場合は初期300万円以上になる例もあります。これらは市場全体の平均ではなく、IIJ、AGS、SCSKなどの公開料金から整理した参考レンジで、容量・世代・回線・復元支援によって変動します。
イミュータブルならランサムウェア対策は十分ですか?
十分とは限りません。イミュータブルは一定期間の改ざん・削除を防ぐ重要な機能ですが、感染済みのデータを保存してしまう可能性は残ります。アクセス権分離、別拠点またはオフライン保管、異常検知、クリーンな世代の確認、復元テストを組み合わせて、攻撃者が消せないだけでなく、戻せる状態を維持します。
Microsoft 365やGoogle Workspaceもバックアップが必要ですか?
必要になる場合があります。SaaS事業者はサービス基盤を提供しますが、自社の誤削除、退職者のアカウント削除、保持期間を超えたデータ、監査や復元単位まで自社要件どおりに戻す責任をすべて代行するとは限りません。メール、共有ファイル、チャット、グループ設定など、守る対象と保持期間を整理し、契約上の復元責任と外部バックアップの範囲を確認します。
バックアップとDRは何が違いますか?
バックアップは、データやシステムを保存して元の状態へ戻す仕組みです。DRは、代替環境、ネットワーク、復旧手順、体制まで含め、災害や大規模障害の後に業務を再開する仕組みです。ファイルの誤削除ならバックアップで足りますが、データセンター停止や大規模なランサムウェア被害では、別拠点での復旧や代替業務手順まで検討します。
まとめ

バックアップシステムの開発会社を選ぶときは、製品名や会社規模だけでなく、RPO・RTO、対象データ、保存世代、保管場所、ランサムウェア対策、復元テスト、運用窓口を同じ条件で比較します。月数万円から始めやすいIIJ、AWSを軸に運用まで任せやすいAGS、オンプレミスの分散保管を進めやすいSCSK、統合基盤を重視するNEC、基幹系インフラを総合的に任せやすい富士通、インシデント対応まで相談できるJBCC、業務要件からコンサルティングと開発を一気通貫で進めるriplaというように、目的に応じて候補を絞ります。
見積もりでは初期費用と月額費用だけでなく、容量超過、データ転送、復元先の計算資源、監視、保守、機器更新、契約終了時のデータ返却まで確認します。最後は代表的なデータを使った復元テストを行い、担当者が変わっても復旧できる手順として定着させることが、バックアップを事業継続につなげる最も重要なポイントです。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
