バックアップシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

バックアップシステムの発注は、対象と復旧目標を定め、RFPを作り、委託先を選ぶ流れで進みます。復元テストで運用を確かめると、必要な時間内の業務再開につながります。

全体像については、バックアップシステム開発の完全ガイドもご覧ください。

▼全体ガイドの記事
・バックアップシステム開発の完全ガイド

バックアップシステムを発注・外注する前に知るべき全体像

バックアップシステムを中心に、対象、取得頻度、保存世代、保管場所を示す図。
保護対象と保存方法を一体で考える構成です。

バックアップシステムは、ファイルを複製するだけの仕組みではありません。保護対象ごとに取得頻度と保存世代を決め、保管場所や暗号化、復元手順まで一体で設計します。さらに、監視や障害時の連絡体制も含めて組み立てる、業務基盤です。

発注時は、成功通知が届くかだけでなく、決めた時間内にデータの整合性を保てるか、誰が復旧できるかも確認します。

対象資産の洗い出しと発注範囲の決定

まず保護するシステムとサービスを一覧にし、対象資産を洗い出します。

  • 対象資産:ファイル・物理サーバー、仮想マシン、DB、業務アプリ、クラウド、Microsoft 365やGoogle WorkspaceなどのSaaS
  • 記録項目:容量、1か月あたりの増加量、更新頻度、保存期間、個人情報の有無、現行方式、復元実績
  • 業務別の復旧目標:販売・受注管理はRPO1時間・RTO4時間、部門共有ファイルはRPO24時間・RTO翌営業日

SaaSは可用性が確保されていても、誤削除や退職者によるデータ消失を、それだけで復元できるとは限りません。そのため、SaaSを保護対象に含めるかを明確にします。

RPOは復元するデータの時点、RTOは障害から業務を再開するまでの時間を示します。

RPOとRTOの数値を決めないまま製品を選ぶと、構成が過剰になったり、目標を満たせなかったりします。

バックアップとDRを分けた要件定義

要件は、データ保護と災害後の業務再開に分けて定義します。

委託する範囲によって、費用と契約上の責任範囲は大きく変わります。

  • バックアップ:データやシステムを保存し、必要な時点へ戻せるようにする
  • DR:代替環境、ネットワーク切り替え、再開手順、連絡体制を含む災害復旧
  • 委託範囲:データ保管までか、代替環境の起動や復旧作業まで含むかを決めておく
  • 攻撃対策:権限、認証情報、ネットワークを分離し、攻撃者による削除を防ぐ
  • 安全確認:世代判定、復元テスト、鍵管理、監視、事故時の連絡をRFPに盛り込む

イミュータブル保管は一定期間の改ざんや削除を防ぎます。ただし、それだけで安全が確定するわけではありません。

IPAの「情報セキュリティ白書2025」は、2024年度以降も脅威が続き、攻撃手法が巧妙化していると整理しています(出典:IPA「情報セキュリティ白書2025」、2025年)。

バックアップシステムの発注形態の選び方

発注形態は、SaaS、パッケージやアプライアンス、マネージド、独自開発を組み合わせて選びます。

情シスの人数や既存環境に加えて、保管地域、RPO・RTO、社内の運用範囲も判断材料になります。

独自エンジンをゼロから開発するよりも、実績ある製品やAPIを使い、業務連携と運用設計に費用を配分するほうが現実的な場合が多くあります。

SaaS型の特徴と向いている企業

SaaS型は、自社でサーバーやストレージを構築せず、サービスの料金で利用する形です。

  • 導入:初期費用を抑え、容量を段階的に増やせる
  • 対象例:ファイルサーバーや仮想サーバーから始められ、Microsoft 365やGoogle Workspace対応サービスもある
  • 確認項目:対象アプリ、復元単位、保存世代、データ所在地、API制限

ただし、サービスによっては、大規模復元の際に計算資源や通信量の追加料金がかかります。そのため、通常月の料金だけでなく、大規模復元時の料金も尋ねておきます。

たとえば、IIJシンプルバックアップサービスは、初期費用0円、月額基本料21,000円で500GBを含みます。超過分は42円/GBです(出典:IIJシンプルバックアップサービス公式料金、2026年8月確認)。

この公開料金は、初期費用や転送料、インスタンス課金、オプション料金を比べるための一例で、市場平均ではありません。

マネージドサービスの特徴と向いている企業

委託先に任せる運用の範囲と、自社の対応体制を照らし合わせて選びます。

  • 委託できる作業:設定、ジョブ・容量監視、失敗時の一次対応、定期レポート、復元支援
  • 契約確認:通知だけか、原因調査、再実行、復元判断、代替環境の起動まで含むか

担当者が少ない企業や、夜間・休日に自社で異常を確認しにくい企業に向いています。

「運用込み」の中身は、仕様とSLAで確かめる必要があります。

オンプレミスの基幹系を国内で分散保管する場合は、専用環境も候補になります。

SCSKは、2026年6月30日開始の「オンプレバックアップ」を、初期構築30万円以上、月額40万円以上で公開しています。

「オンプレバックアップ on USiZE」は、初期60万円以上、月額70万円以上です(出典:SCSK公式プレスリリース、2026年7月)。

価格は容量によって変わります。

公開例は、国内・分散保管、イミュータブル、復元支援を含む構成の比較材料であり、自社の相場とは限りません。

パッケージ導入と独自開発の判断基準

方式は、既製の機能で要件を満たせるか、固有の要件があるかで選びます。

  • パッケージ・機器:仮想マシン、DB、複数拠点、クラウド対応機能を使えるが、ライセンスと製品スキルが必要
  • 機器購入:設置場所、電源、回線、保守、更新、予備機、遠隔地への二次保管を総額に含める
  • 独自開発:複雑な業務、特殊な監査、深い既存連携など、既製品で満たせない要件が明確な場合に検討

機器代だけで比べると、数年後の更新費用や運用の人件費を見落としかねません。

独自開発では、取得や世代削除、暗号化、権限分離まで設計の対象になります。さらに、監査ログや復元の整合性、代替手順も設計に含めます。

要件が固まっていない場合は、まず現状調査とPoCを委託し、実測の結果を見てから本構築の契約へ進むと安全です。

ポイント

情シスの人数や既存環境、RPO・RTO、社内で運用できる範囲から発注形態を選びます。独自開発は、既製品で満たせない要件が明確な場合に限って検討します。

RFPと要件整理の進め方

RFPの要件を対象一覧、復旧目標、保管ポリシー、運用要求の4領域に分けた図。
記載範囲をそろえると、提案内容を横並びで確認できます。

RFPは、候補企業に製品名を指定する文書ではありません。課題と対象範囲、制約を示し、期待成果や提案形式、評価基準を同じ条件で伝えるためのものです。

容量だけを示すと、各社が異なる保存世代や復元方式を想定してしまい、金額や性能を比べられません。そのため、業務シナリオと検収条件をそろえて伝えます。

RFPに記載する対象・復旧目標・保管ポリシー

RFPには、対象、復旧目標、保管・運用条件を分けて記載します。

  • 対象一覧:サーバー・サービス名、台数、容量、増加率、DB、仮想化基盤、拠点、ネットワーク帯域
  • 復旧目標:業務別RPO・RTO、優先順位、許容停止時間、復元先
  • 保管ポリシー:フル・増分・差分、日次・週次・月次の世代、保存期間、二次保管、イミュータブル期間、鍵管理者
  • 運用要求:失敗通知先、再実行担当、容量しきい値、月次テスト、四半期または半期のDR訓練、休日連絡、報告形式

個人情報を含む場合は、保管地域や再委託先、アクセス権、操作ログに加えて、契約終了時の返却・消去と消去証明も必須項目になります。

ランサムウェア対策と非機能要件の確認項目

候補企業には、権限分離や保護対象の扱いを質問し、対策が実際に効くかを確かめます。

  • 権限分離:管理者認証情報を業務環境から分け、管理者でも削除できない期間を設定できるか
  • 侵害世代:侵害を検知した世代を復元対象から外せるか
  • 復元単位:ファイル、データベース、仮想マシン、システムイメージのどこまで対応するか
  • 非機能要件:暗号化、鍵の保管場所、所在地、可用性、帯域、初回取得時間、最大復元性能、ログ保存期間

イミュータブルかどうかは名称だけでは分からないため、権限別に禁止操作と期間を確認します。また、通則ガイドラインは安全管理措置を求めており、ランサムウェアで復元できない場合も毀損の例に示しています(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、2026年確認)。

委託する場合は、委託先の安全管理と事故時の報告経路も要件に含めます。

復元を基準にした検収条件

検収では、取得結果だけでなく、業務を再開できるところまで確認できる条件を定めます。

  • 販売管理:指定時点へ戻し、整合性確認に合格し、RTO4時間以内にログインできる
  • 共有ファイル:別環境へ復元し、権限と更新日時が保たれる
  • 参加者:自社の業務担当者もテストに加わり、マスタ、帳票、連携処理を確認する
  • 記録:復元時間、エラー、通信量、欠落設定、判断、改善期限を残して手順書に反映する

IT担当者が復元できたとしても、現場で必要なデータや処理が戻らなければ、業務は再開できません。

ポイント

RFPには対象や復旧目標、保管、運用の条件をそろえて示すと、候補企業の提案を横並びで比べられます。検収条件も復元を基準にすると、提案の差が見えやすくなります。

契約形態と発注後の進め方の設計

発注後の進め方を、調査、PoC、本番展開、定着支援の順につないだ図。
小さく検証してから対象を広げる流れです。

要件が固まった作業と、調査しながら決める作業は、契約を分けて考えます。調査・要件整理・PoC・運用設計は準委任とし、合意済みの設定・開発・移行・テストは請負、稼働後は保守・運用契約にします。

準委任・請負・保守契約の使い分け

作業の成果や確定度に応じて契約を使い分けます。

  • 準委任:調査・設計・支援に対して報酬を払い、対象資産や方式を検討する段階に適する
  • 請負:設定、移行プログラム、連携機能、テスト報告書など、完成条件を定められる作業に適する
  • 保守:稼働後の監視や問い合わせを担う。上流を準委任、本構築を請負とする構成もある

契約書では、成果物と検収、変更、再委託を定めます。秘密保持や個人情報、知的財産、脆弱性対応も、あわせて盛り込みます。

責任分界やSLA、サポート時間、終了時の返却・消去も、契約で取り決める項目です。

特に「復元できない場合」の責任は、曖昧なままにせず、取得失敗、通知漏れ、復元遅延、データ不整合のそれぞれについて役割を明記します。

調査・PoC・本番展開・定着支援の段階

発注後は、調査から展開へと段階を追って進めます。

  1. 調査:対象資産と既存ジョブを棚卸しし、復旧優先順位とネットワーク帯域を確認する
  2. PoC:代表的なファイル、DB、仮想マシンで取得・復元を試す
  3. 本番展開:重要業務から対象を増やし、旧環境との並行稼働期間を設ける
  4. 定着支援:定例会で対象一覧、連絡先、復旧手順を更新する

PoCでは、取得時間や容量、負荷、復元時間、復元後の整合性を測ります。成功画面を見るだけでなく、障害を想定した復元シナリオも検証します。

運用後は、日次の失敗通知の確認、週次の容量確認、月次の復元テストを行います。さらに、四半期または半期のDR訓練も運用カレンダーに入れておきます。

仕様変更と追加容量の事前取り決め

変更時の料金と、契約終了後のデータ移行条件は、事前に決めておきます。

  • 変更料金:対象追加、容量超過、世代変更、復元先追加、緊急対応の単価
  • 容量算定:平均値基準か最大値基準かを確認する
  • 退出条件:標準形式での取り出し、返却期間と費用、削除証明、移行支援

ロックインを避けるために、年1回程度は別環境へサンプル復元を行い、移行できるかを検証します。

ポイント

作業の確定度に応じて契約を分けると、調査段階の不確かさを請負の範囲に持ち込まずに済みます。仕様変更や追加容量の料金も、着手前に決めておきます。

バックアップシステムの費用相場とコストの内訳

一律の市場平均を示す公開情報は多くありません。費用は、容量や増加率、世代数、台数に加えて、RPO・RTO、保管地域、監視、復元支援、DRの有無で変わります。

次に示すのは、2026年時点の公開料金とリサーチノートをもとに整理した予算レンジです。個別企業の見積額を保証するものではなく、同じ条件で比べるための目安です。

クラウド型の費用目安:初期0万〜30万円、月額2万〜15万円程度

小規模なクラウド・SaaS型では、次の料金例が予算の出発点になります。

  • 予算目安:初期0円〜30万円程度、月額2万〜15万円程度
  • 公開料金例:IIJは500GB込みで月額21,000円
  • AGS参考価格:1台・月300GBで約4.5万円、約7.0万円、約13.2万円の各プラン

これらは、公開料金のある小規模サービスや、標準設定・簡易な運用支援を前提にした推定です(出典:IIJ公式料金、AGS「スマート・セキュアバックアップ for AWS」公式資料、いずれも2026年確認)。

SaaSの対象数や保存世代、専用接続、初回転送、監視、復元支援を加えると、この範囲の上限を超える場合があります。また、AGS資料には、一般的な機器の初期300万円以上、月額4万円以上という比較例もあります。

公開価格は構成や為替によって変わります。そのため、機器購入型とクラウド型の優劣を断定せず、3年から5年の総額で比べます。

中堅・大規模のマネージド構成の費用目安:初期30万〜60万円以上、月額40万〜70万円以上

構成に含める範囲が広がるほど、費用は上がります。

  • 公開価格帯:初期30万円から60万円以上、月額40万円から70万円以上
  • 想定構成:複数拠点、オンプレミスとクラウドの分散、イミュータブル、国内データ主権、24時間監視、復元支援
  • 費用内訳:調査、要件定義、設計、ライセンス、機器、ネットワーク、移行、連携、テスト、教育、監視、保守、訓練

公開価格はSCSKのサービス例に基づき、容量や範囲で増減します。中堅企業の標準的な相場ではなく、高い復旧要件や運用委託を含む構成の参考値です。

独自の画面や複雑なDB連携を含む場合は、一般業務システムの参考額があります。小規模刷新は数百万円から1,500万円程度、複数領域は1,500万円から4,000万円程度です。

これは、バックアップ専用の相場ではありません(出典:NotebookLMの業務システム横断調査、2026年)。そのため、これらの参考額をバックアップの見積もりにそのまま当てはめず、開発範囲を切り分けて考えます。

月額以外のランニングコストを含めた総額

総額を比べるときは、月額以外の費用と、復旧できるかどうかを一緒に確認します。

  • 追加料金:容量超過、世代追加、転送、復元用環境、休日対応、電話通知、専用回線、鍵管理、ログ、機器更新
  • 見積条件:通常月、容量20%増加月、大規模復元月の3パターン
  • 費用区分:初年度の移行・教育費と、毎年の保守・訓練費を分ける
  • 削減策:容量最適化、重複排除、保存期間見直し、段階導入を検討し、復元可能性を保つ

保存世代や復旧目標を一律に削るのは危険です。そこで、重要度の低いデータは日次、重要データは短い間隔にするなど、業務への影響に応じて設定します。

ポイント

費用は容量や世代数、RPO・RTO、保管地域、復元支援で大きく変わるため、公開料金は同じ条件で比べる目安として使います。総額は3年から5年で見ます。

委託先の選定と見積比較で確認するポイント

委託先は、製品を扱えるかだけでなく、自社の業務と復旧責任を理解し、稼働後も運用できるかで選びます。対象環境、容量、RPO・RTOへの対応を確認します。加えて、復元テストの実績と復旧経験、担当体制も見ておきます。

社名や導入件数、提案書の見栄え、初期価格だけでは、障害時の対応力を判断できません。

対応環境・復旧実績・運用体制の評価

同じ質問票を使い、対応範囲や復旧実績、連絡体制、保管条件を各社で評価します。

  • 対応範囲:物理・仮想サーバー、主要DB、クラウド、SaaS、認証、監視ツール
  • 運用実績:復元テストの担当者、頻度、報告方法
  • 障害窓口:24時間365日対応の範囲、昼夜休日の窓口、重大障害時の連絡時間
  • 保管と退出:再委託先、データ・鍵・ログの所在地、返却形式・料金、削除証明、移行支援

24時間365日対応といっても、一次受付だけなのか、原因調査や復元操作まで含むのかを明確にしておきます。

国内企業かどうかだけでなく、実データや暗号鍵、管理ログの保管場所も確かめます。加えて、バックアップ製品のメーカーサポートも確認します。

同じ前提と3年総額による見積比較

各社に同じ前提を渡し、費用項目と作業範囲をそろえて比べます。

  • 共通条件:対象、容量、増加率、世代数、RPO・RTO、保管地域、監視時間、復元テスト
  • 費用項目:初期、ライセンス・月額、保管、回線、設定・移行、連携、教育、保守、復元、更新
  • 3年総額:初期費用と36か月分に容量増加、年次保守、更新、復元テスト、訓練、専用回線を加える
  • 機器購入型:保守終了後の更新、予備機、設置場所、電源、廃棄費も含める

合計だけでなく、含まれる作業と対象外の作業も横並びで比べます。クラウドの場合は、容量が増えたときの単価も確認します。そのうえで、価格差が小さければ、RTOの実測や復元支援、運用負荷、退出のしやすさで選びます。

安い提案と高い提案の理由

価格差の背景には、見積もりに含まれる作業や構成の違いがあります。

  • 安い提案:世代数、復元テスト、監視、休日対応、SaaS保護、初回移行が対象外の可能性
  • 高い提案:高性能ストレージ、二次拠点、24時間監視、専任担当、DR環境を含む可能性
  • 採用前の確認:復元テスト、障害窓口、イミュータブルの仕組み、終了時のデータ返却条件

提案書が成功率だけを強調していないか、障害時の連絡先が明確かも、あわせて確かめます。金額だけで優劣を決めないためにも、差額の理由は項目別に説明してもらいます。

採用前にはPoCかサンプル復元を行い、提案性能と実測値を比べます。取得・保管・監視・復元・訓練を一つの運用として任せられるかも、判断材料になります。

ポイント

委託先は、障害時に復元まで担えるかで判断します。社名や初期価格だけでは決めず、同じ前提の見積もりを3年総額で比べます。

よくある質問(FAQ)

発注では、費用だけでなく、復元の可否や契約責任、稼働後の運用も含めて判断します。

バックアップシステムの発注費用はどのくらいですか?

公開料金を基にすると、小規模なクラウド型は初期0万〜30万円程度、月額2万〜15万円程度から始まる目安です。

複数拠点、国内分散、イミュータブル、監視・復元支援を含む構成では、初期30万〜60万円以上、月額40万〜70万円以上の公開例があります。

費用は容量や世代数、RPO・RTO、復元支援によって変わるため、個別のRFPに基づく見積もりが必要です。

バックアップとDRは同じ委託先に依頼すべきですか?

同じ委託先にまとめる方法も、分ける方法もあります。どちらの場合も、データ保存、復元操作、代替環境の起動、業務再開の判断を誰が担うかを明記します。

一社にまとめる場合は、その委託先の管理基盤が使えないときに備えて、連絡経路と代替手段も確認します。

イミュータブルバックアップなら復元をテストしなくても大丈夫ですか?

いいえ、イミュータブルでも復元テストは必要です。改ざんや削除を防げても、復元先の容量や認証情報、アプリの整合性、手順の不足は解決しません。

そのため、月次のサンプル復元と、四半期または半期の業務復旧訓練を契約・運用に含めます。復元時間と課題も記録します。

小規模企業でもバックアップシステムを外注できますか?

外注できます。対象をファイルサーバーや主要SaaSに絞り、標準的なクラウド型から始めれば、初期費用と運用負荷を抑えられます。

まず、対象データ、保存期間、RPO・RTO、保管地域、テスト頻度を整理します。不要な高可用性や24時間対応は、最初から付けないことも大切です。

個人情報や受注データを扱う場合は、安全管理、再委託、事故報告、契約終了時の消去まで確認します。

まとめ

発注前には、対象資産や業務別のRPO・RTO、世代、保管場所、復旧優先順位を定めておきます。そのうえで、要件に応じてSaaS、パッケージ、機器、マネージド、独自開発から選びます。

製品名や月額だけでなく、監視や復元、訓練、データ返却まで含めた仕組みとして比べます。

発注前の復旧基準と比較条件のそろえ方

RFPには、復元テストやDR訓練、保管地域、再委託、終了時の返却・消去も記載し、発注前に条件をそろえます。

  • RFP:対象環境、容量、増加率、方式、保存期間、イミュータブル、暗号化、権限分離、監視、SLAの記載
  • 契約:調査・要件定義・PoC、本構築、保守運用に分ける構成と、仕様変更・追加容量の料金合意
  • 見積比較:初期費用や月額のほか、3年総額と大規模復元費の比較
  • 復元確認:成功通知だけで終わらせず、実際に戻せるかの定期確認
  • 委託先評価:復元実績、担当体制、連絡経路、国内保管やデータ主権、退出のしやすさの評価

発注前の復旧シナリオと責任分界の最終確認

障害シナリオを一つ選び、検知や復元判断、作業、業務再開の承認を誰が担うかを確認します。必要なアカウントや鍵、ネットワーク、連絡先もそろえます。

検証結果を契約範囲と手順書に反映すれば、「保存はされているが、戻す人や手順がない」という事態を防ぎやすくなります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。