業務アプリ開発プラットフォーム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

業務アプリ開発プラットフォームの費用は、初期30万〜150万円から1,000万〜4,000万円超まで幅があります。

その幅は、利用者数、連携先、データ移行、権限・監査、運用支援の範囲によって決まります。

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業務アプリ開発プラットフォームの概要と費用の考え方

業務アプリ開発プラットフォームは、汎用部品と設定、少量のコードを使って業務アプリを作成・運用するための基盤です。販売管理や申請・承認などに使えるほか、次の業務にも使えます。

  • 案件管理:案件の進捗や担当を管理する業務。
  • 点検:設備や機器の点検を管理する業務。
  • 在庫:在庫数や入出庫を管理する業務。
  • 顧客台帳:取引先や顧客の情報を管理する業務。

既製SaaSでは業務に合わず、フルスクラッチでは費用や保守の負担が大きくなる場合の、中間の選択肢です。

費用を比べる前に、何を作るのか、標準機能でどこまで対応できるのかを整理しておくと、見積もりの前提がそろいます。

ノーコードとローコードの自由度の違い

ノーコードは、画面、項目、データ、ワークフローを主に設定で作る方式です。プログラミング経験が少ない業務担当者でも始めやすく、申請フォームや日報、案件台帳などの定型業務に向いています。

ローコードは、設定に加えてAPI連携、条件分岐、独自計算、外部サービスとの接続などをコードで補う方式です。高度な要件に対応しやすい一方で、開発者や管理者の人件費が増えやすく、同じ基盤でも費用帯が上がります。

フォーム・データ・承認・連携を一つの基盤で扱う機能

代表的な機能には、フォームや一覧、検索があり、そのほかに次のような機能もあります。

  • ダッシュボード:業務の状況を一画面にまとめて見る画面。
  • データベース:業務データを蓄積して管理する仕組み。
  • マスタ管理:顧客や商品などの基礎データを管理する機能。
  • 申請・承認:申請から承認までの流れを設定する機能。
  • 通知:入力や承認の状況を関係者に知らせる機能。

組織やロールごとの権限、スマートフォン対応、外部API・CSV連携も含まれます。また、監査ログやバックアップ、バージョン管理の機能も含まれます。

さらに近年は、AIによるアプリ作成の補助や、文章の要約・分類、入力支援も加わっています。

機能一覧に記載があっても、自社で安全に運用できるとは限らないため、利用者増加時の性能、アプリの洗い出し、管理者の引き継ぎ、データのエクスポート条件も確かめておきます。

製品料金と開発会社への委託費の分け方

見積もりでは、プラットフォームの利用料と、導入・開発・運用を支援する人件費を分けて考えます。月額ライセンスが安くても、要件定義や権限設計、データのクレンジングを委託すれば初期費用がかかります。連携や研修を委託する場合も、その分が初期費用に加わります。

社内で作れる場合でも、管理者教育やバックアップ、監査を怠ると、改修や事故対応の費用が発生します。アプリの整理を怠った場合も、同じように費用が膨らみます。そこで、初年度だけでなく、3〜5年の総保有コストを同じ条件で比べます。

業務アプリ開発プラットフォームの費用相場の目安

PoC・1業務から独自開発まで、導入範囲ごとの初期費用を横棒で比べた図。
導入範囲が広がるほど、初期費用の想定幅も大きくなります。

1業務のPoCや小規模導入は初期30万〜150万円程度、部門導入は150万〜500万円程度、全社展開は500万〜1,500万円程度が目安です。

独自ロジックや、プラットフォーム外の画面・API・バッチ開発を含めると、1,000万〜4,000万円超になる可能性があります。

費用の幅は製品の定価ではなく、リサーチノートの一次Q&Aにある業務システムの費用帯、期間、エンジニア単価と導入工程をもとに整理した編集部推定です。

PoC・1業務導入の初期費用は30万〜150万円程度

申請・承認、日報、案件台帳、点検記録などを1〜3アプリで試す場合、初期30万〜150万円程度、期間2〜6週間が目安です。

想定するのは、画面と項目の設定や権限設定、簡単な通知です。CSVの初期登録と利用者への短時間研修も含みます。自社で設定すれば委託費を抑えられますが、業務フローの整理や権限設計には社内の工数が必要です。

PoCの目的は、現場が使うか、入力時間が減るか、次の連携へ進めるかを確かめることにあります。

部門導入の初期費用は150万〜500万円程度

3〜10アプリを部門へ展開する場合、初期150万〜500万円程度が目安です。Excelからの移行、簡易APIまたはCSV連携、承認ルートを含み、通知と研修も加えると、期間は2〜4か月です。

費用の差は、データ量だけでなく、重複や表記揺れの整理、連携先の仕様を確認する作業、例外処理の作り込みで生じます。

複数部署が関わる場合は、会議と受入テスト、マニュアルも見積もりに含めます。稼働後の問い合わせ対応も、忘れずに含めておきます。

全社展開の初期費用は500万〜1,500万円程度

10〜30アプリを複数部門や全社へ展開する場合、初期500万〜1,500万円程度が目安です。

SSO・MFA、組織別権限、監査ログに加えて、複数連携や移行リハーサルを含めます。教育や運用ルールまで含めると、期間は4〜9か月です。

全社導入では、承認者、テスト環境、不要アプリの廃止時期も決めます。管理者育成やガバナンスを後回しにすると、似たアプリが乱立し、保守費が増えます。

独自開発を多く含む場合の1,000万〜4,000万円超の費用

独自画面や複雑な計算、外部向けポータルを作る場合、1,000万〜4,000万円超になる可能性があります。また、リアルタイム連携やバッチ、基幹システムとの双方向連携を作る場合も、同じ金額帯に入ることがあります。

リサーチノートでは、エンジニア単価を月額80万〜120万円程度、他システムと連動させる開発を数十万〜100万円程度、期間を1〜3か月と整理しています。案件の体制や契約条件によって変わる目安です。

ローコードでも基幹業務に及ぶ要件になると、開発の規模がスクラッチ開発に近づきます。設計やテスト、移行、障害対応の工数が増えるためです。

ポイント

予算は、導入範囲と独自開発の有無で分けて考えます。独自開発を多く含むと、1,000万〜4,000万円超になる可能性があります。

ライセンス料金と初期費用の内訳

月額・年額ライセンスを含む、導入時に確認する費用項目を積み重ねて示した図。
ライセンスの外側にある作業費や社内工数も、見積もりに加わります。

見積書は、初期費用の一式と月額利用料だけでなく、作業と責任の単位で確認します。設定・移行・連携・教育を外部に頼めば、初期費用が増えます。

社内で導入すれば現金の支出は減りますが、担当者の工数と運用責任が残ります。そこで、金額と作業範囲を同じ表で管理すると、比べやすくなります。

プラットフォームの月額・年額ライセンス料金

料金は、次の3つに分けて見ます。

  • 基本額:月額または年額で決まる製品料金。
  • 利用人数:契約ユーザー数に応じて決まる総額。
  • 追加条件:最低契約数、プラグイン、導入支援の料金。

2026年8月に公式料金を確認できる例では、kintoneのスタンダードコースは月額1,800円、年額契約で1ユーザー21,600円です。

最低契約ユーザー数、追加プラグイン、導入支援は別途確認します(出典: サイボウズ株式会社「kintone料金」、2026年確認)。

30人の場合、基本料金は月額5万4,000円、年額64万8,000円です。いずれも税抜きの金額です。

一方で、Power Apps Premiumは年払いで1ユーザー月額相当2,998円です。30人の場合は約9万円相当になります(出典: Microsoft「Power Appsのライセンスと価格」、2026年確認)。

ユーザー数・利用形態・オプションによる月額の違い

AppSheetでは、プランごとの基本料金と利用条件を合わせて確認します。

  • Starter:1ユーザー月額5米ドル。
  • Core:1ユーザー月額10米ドル。
  • Enterprise Plus:1ユーザー月額20米ドル。

AppSheetは10ユーザーまで無料でテストできると案内されています。

本番で使う場合は、プランとユーザー種別、外部利用者の扱いを確認します。Google Workspaceとの契約関係も、あわせて確かめます(出典: Google Cloud「Google AppSheet Pricing」、2026年確認)。

30人の場合、プラン料金だけで月額150・300・600米ドルです。日本円の実額は、為替や契約形態によって変わり、連携や管理機能の有無でも差が出ます。

さらに、kintoneでもゲストユーザーやセキュアアクセスが追加料金になり得ます。ディスクの増設や連携コネクタも、追加料金の対象になる場合があります。

初期設定・データ移行・研修の費用

初期設定では、アプリの構成や入力項目、採番を決めます。さらに、通知と承認経路、組織と権限、スマートフォン表示も設定します。

Excelや旧システムから移す際は、重複や表記揺れ、不要項目を整理します。個人情報の扱いも整理したうえで、移行リハーサルと照合を行います。

研修では、操作方法に加えて正本データと入力ルールを伝えます。誤登録の訂正方法や問い合わせ先も、あわせて伝えます。これらを無償で済むと考えると、現場の負担を見誤ります。

API連携・セキュリティ・運用設計の確認項目

費用とリスクを把握するため、確認項目を分けて並べます。

  • 連携先:会計、販売管理、CRM、勤怠、ID管理、RPAなど。
  • 連携条件:項目定義、認証、エラー時の再送、頻度、手動処理、受入テスト。
  • 情報管理:権限、監査、暗号化、バックアップ、保管地域。
  • 終了時:AI学習への利用、データ削除・返却の扱い。

個人情報や機密情報を扱う場合は、情報管理の項目を見積もりの段階で確認しておく必要があります。SSO・MFAや最小権限も、この中に含めて確かめます。

個人情報保護委員会は、クラウド型人事労務サービスについて安全管理措置と委託先・再委託先の監督を確認するよう注意喚起しています(出典: 個人情報保護委員会、2024年12月公表)。

特に、セキュリティ要件を後付けにすると、再設計費用と稼働延期のリスクが高まります。

ポイント

ライセンス料金は利用人数やプランで決まり、初期費用は設定・移行・連携・研修の範囲で決まります。両方を同じ作業範囲で並べると、見積もりを比べやすくなります。

業務アプリ開発プラットフォーム開発の進め方

要件定義、1業務のPoC、設計からリリースまでを順につないだ図。
PoCで確認してから次の工程へ進む段階構成です。

使われるアプリを低い費用で作るには、最初から全社の業務を置き換えず、まず一部から始めます。現場へのヒアリングで業務と例外を洗い出し、MUSTとWANTを分けたうえで、1業務で検証します。

その後、標準機能で足りる範囲と、プラグインやAPI、個別開発で補う範囲を分けます。既存システムに残す範囲も決めたうえで、段階的に展開します。

要件定義でのMUST・WANTと業務の正本の決め方

現場や管理者、情報システムに加えて、経理や法務からも話を聞きます。入力や承認、検索、帳票について聞き取り、業務の流れを整理します。通知や例外、連携先の扱いも確かめ、利用者数や拠点数、繁忙期の負荷も把握します。

要望は、業務停止を防ぐMUST、効果を高めるWANT、将来の検討事項に分けます。顧客や商品マスタなど、どのシステムを正本にするかも決めておきます。

正本が曖昧なまま複数アプリに同じ情報を持つと、二重入力と不整合が生じ、後から連携費用が増えます。

1業務のPoCによる使いやすさと効果の検証

PoCは利用頻度が高く、失敗時の影響を限定しやすい業務を選び、次の順で使いやすさと効果を確かめます。

  1. 対象業務の選定:申請・承認、日報、案件台帳、点検、在庫など。
  2. 導入前後の比較:2〜6週間を目安に、入力時間、差し戻し、転記、承認滞留、問い合わせ。
  3. 未利用の場合の調査:機能、入力項目、スマートフォン操作、Excelとの二重入力。

評価基準を先に決めておくと、本導入へ進むかどうかを、感覚ではなく基準で判断できます。

設計・開発・テスト・リリースの段階化

PoCで固まった要件をもとに、画面とデータ構造を設計します。権限や通知、API、監査ログは、この段階で決めておきます。バックアップや障害時の手順も、あわせて設計します。

テストでは、正常な入力と無権限の閲覧、重複登録を確かめます。さらに、連携エラーや通信断、承認者不在の場合に加え、データ復旧や退職・異動者のアカウント停止も対象にします。

データ移行はテスト移行、照合、修正、本番移行の順に進めます。1部署や1拠点で試験稼働し、マニュアルと窓口を整えてから全社展開すると、手戻りと追加費用を抑えられます。

業務アプリ開発プラットフォームの費用が変動する要因

同じ製品でも、見積もりは企業ごとに異なります。価格を動かすのは、利用者数やアプリ数、連携です。そのほか、データとセキュリティ、業務ルールと契約、運用体制も見ておく要素です。

安い初期見積もりを選ぶ前に、含まれていない作業を確かめておきます。

利用者数・拠点数・アプリ数と月額・管理費の関係

必要なライセンス数を見積もるには、利用者の範囲を分けて考えます。

  • 社内の利用者:従業員全員か、申請者のみか。
  • 社外の利用者:取引先や協力会社などのゲスト利用者。

利用者が30人から100人に増えると、単純なユーザー課金でも約3.3倍になります。拠点ごとの権限や業務ルールがあると、アプリの複製や管理、テスト、問い合わせも増えます。

入退社や異動に伴うライセンス管理、未使用アカウントの停止時期も、年間費用に影響します。

連携先の数とAPIの有無による開発工数の違い

会計や販売管理、CRM、勤怠、在庫、ID管理などと連携する場合、項目対応や認証、通信方式、エラー処理が必要です。再送や監視、テストも見込んでおきます。

標準APIやコネクタは工数を抑えやすい一方、古いシステムや独自APIでは調査やベンダー調整が必要です。

CSV連携でも、出力時期や文字コード、必須項目を決める必要があります。重複登録や削除の扱いも含め、設計から障害対応までを見積もります。

独自ルールと例外処理の多さが標準機能に与える影響

標準的な申請・承認は、設定を中心に作れます。一方で、部署別の承認や金額・品目による分岐、締め日処理、複数通貨などを求めるほど、追加開発が増えます。特殊な在庫計算や細かな帳票も同様です。

独自仕様を残す理由と業務効果を確認します。そのうえで、例外の少ない業務は標準化し、差別化につながる処理だけを拡張すると、初期費用と将来の保守を管理しやすくなります。

契約方式と運用体制による費用とリスクの違い

請負契約は納品の責任と仕様を固めやすい反面、仕様変更のリスクが価格に反映されやすくなります。準委任契約は要件変更に対応しやすい一方で、発注側が優先順位と受入基準を管理する必要があります。

リサーチノートでは、請負契約は準委任より1.3〜1.5倍になり得ると整理されています。契約条件と責任分界によって変わる目安です。

社内に管理者を置けない場合、保守や改修、問い合わせ、障害対応の支援費が続きます。誰が作り、承認し、直すかを、見積もり段階で決めておきます。

ポイント

費用は利用者数、連携、業務ルール、契約方式、運用体制によって動きます。初期見積もりの安さだけで選ぶと、含まれない作業が後から費用になりやすくなります。

見積もりを取る際のポイント

機能一覧だけでは、各社が異なる前提で見積もるため、比較できません。そこで、相見積もりを取る前に、対象業務や利用者、拠点を同じ資料にまとめます。データや連携先、セキュリティ、納期、運用体制も、同じ資料に書いておきます。

前提がそろわないと比べられないため、概算と要件定義、本開発、保守を分けて見積もってもらいます。含む作業と含まない作業も、明記してもらいます。

要件と見積もりの前提を一枚にまとめる資料

RFPや要件メモには、対象業務と現状の課題、目標KPI、利用者・拠点・アプリ数を記載します。入力項目や承認ルート、帳票も記載します。そのほか、次の項目も書いておきます。

  • 通知:誰にどの場面で知らせるか。
  • 既存システム:今使っている仕組みとの関係。
  • API・CSV連携:外部とのデータのやり取りの方法。
  • 移行期間:既存データを移す期間。

権限や監査ログ、スマートフォン対応、サポート時間も明記します。既存のExcelをそのまま移すか、重複を整理して新しいマスタにするかで、工数は変わります。

差し戻しや異動、退職、連携エラー、権限変更、障害時の手動運用も、要件に含めます。

複数社を同じ評価軸で比べる方法

プラットフォーム提供会社と、要件定義や移行、研修、保守を担う導入パートナーは、分けて確認します。比較する対象には、標準機能やSSO・MFAのほか、API・コネクタ、権限・監査、データ出力も含みます。

導入実績や担当体制、初期費用のほか、次の項目も比べます。

  • 開発期間:稼働までにかかる期間。
  • 月額:毎月の利用料。
  • 追加変更単価:仕様を追加・変更するときの単価。
  • 障害時のSLA:障害時の対応や復旧の目安を定めた取り決め。

公式価格が公開されていても、支援費やプラグイン費は別になる場合があります。

価格だけでなく、3年または5年の総額と、解約・移行時の費用を比べます。

契約前に確認する追加費用とデータ所有権

仕様変更やユーザー追加、容量、API利用量の費用を確認します。さらに、追加環境や休日対応、再テスト、研修の追加、マニュアル改訂の費用も見ておきます。

契約終了時に、CSVやデータベース形式で全データを取得できるかを確かめます。添付ファイルや監査ログが返却されるか、返却の期限と費用はいくらかも確認します。

依存度が高いほど、乗り換え時のデータ整形や再構築に費用がかかります。そのため、導入時にエクスポート方法とデータ所有権を文書化しておきます。

ポイント

見積もりは、要件と前提を同じ資料にそろえてから依頼すると比べやすくなります。3年または5年の総額と、解約・移行時の費用も含めて比べます。

業務アプリ開発プラットフォームのコスト最適化ポイント

コストを抑えるには、安い製品を選ぶだけでなく、不要な機能を作らず、業務とデータを整理して移行し、標準機能と段階導入を優先します。

運用管理者を育てることは、長期の総額を下げることにもつながります。また、KPIで効果を測り、効果が出た業務から次の部門へ展開します。

標準機能とFit to Standardの優先検討

標準機能で解決できる業務に独自画面を加えると、初期費用だけでなく、更新時の検証や障害対応、担当者教育にも費用がかかります。

業務上必要な条件と、従来のやり方を続けたいという理由による条件を分けます。承認ルートや入力項目を標準化すると、追加開発が減り、他部署にも展開しやすくなります。

標準外の要件は、削減できる時間やミス件数と追加費用を並べて判断します。

1業務から始めて効果を確かめてから広げる進め方

全社の業務を一度に移すと、要件調整や移行、教育、権限設計が同時に発生します。そこで、申請や日報、案件管理など測定しやすい業務からPoCを行います。

入力時間や処理件数、転記ミス、承認の滞留を測ります。成果が出た設計をテンプレート化すると、毎回ゼロから作るより費用を抑えられます。

テンプレートを複製しすぎると、類似アプリが乱立します。そのため、命名規則や管理者、廃止基準を決めておきます。

市民開発のルールと再利用部品の整備

業務部門が自らアプリを作れるのは、大きな利点です。ただし、市民開発では、リスク対策と管理ルール、共通部品をそろえる必要があります。

  • リスク:アプリ乱立、過剰権限、個人情報の誤共有、退職者の管理者残存。
  • 管理:環境分離、レビュー、命名、所有者、権限、データ分類、ログ、バックアップ、廃止基準。
  • 再利用:フォーム、通知、権限、API接続を共通部品にし、開発費と品質のばらつきを抑えます。

スズキの事例では、約18,000名分のPower Apps Premiumを全社展開しました。

100名のエバンジェリストと600名超の開発者コミュニティがあり、10か月で約1,500本のアプリが作られたことも紹介されています。

出典はMicrosoft Customer Storiesです。記事名は「スズキが約18,000名分のPower Apps Premiumを購入し全社展開」で、2025年1月掲載です。

大規模化するほど、作る仕組みと管理する仕組みを合わせて設計します。

補助制度の対象経費と申請要件

中小企業や小規模事業者は、デジタル化・AI導入補助金2026の対象になる可能性があります。申請前に、通常枠の区分、対象経費、手続き要件を確認します。

  • 1プロセス以上:5万円以上150万円未満。
  • 4プロセス以上:150万円以上450万円以下。
  • 補助率:1/2以内または2/3以内。
  • 対象経費:クラウド利用料や導入関連費。
  • 手続き:登録ツール、支援事業者、GビズID、申請時期。

この区分と補助率は、デジタル化・AI導入補助金2026「通常枠」の案内に基づきます(2026年確認)。

クラウド利用料は、最大2年分が対象になる場合があります。ただし、補助金に合わせて仕様を膨らませないようにし、対象経費や自己負担、交付決定前の契約の可否、対象外の開発費を予算計画に反映します。

よくある質問

費用は製品の定価だけでなく、利用人数や導入範囲、連携、移行、保守を含めて判断します。導入前によくある質問を取り上げます。

業務アプリ開発プラットフォームは100万円以下で導入できますか?

1業務、少数アプリ、標準機能中心で既存データが整理済みなら、PoCや初期設定を30万〜150万円程度にできる可能性があります。

ライセンスや移行、API連携、研修、保守を含むかどうかで変わります。100万円以下という金額だけでなく、対象ユーザーやアプリ、納品物、稼働後の支援範囲を確認します。

SaaSの月額料金と開発会社への依頼費用は何が違いますか?

SaaSの月額料金は、プラットフォームやアプリを使う基本料金です。一方、開発会社への依頼費は、業務整理や設定、独自開発などの作業費です。次の作業も含まれます。

  • 連携:会計や販売管理などとのデータのつなぎ込み。
  • 移行:既存データを新しい基盤へ移す作業。
  • テスト:稼働前に動作や権限を確かめる作業。
  • 研修:利用者への操作説明。
  • 保守:稼働後の修正や問い合わせへの対応。

自社で設定する場合も、担当者の工数や運用管理、教育、監査を含めた総コストで比べます。

業務アプリ開発プラットフォームの開発期間はどれくらいですか?

1業務のPoCは2〜6週間、部門導入は2〜4か月、全社展開は4〜9か月程度が目安です。

期間は、利用者数やアプリ数、要件定義によって変わります。データ移行や連携先、受入テスト、意思決定の速度も影響します。権限やバックアップ、エラー処理、データ出力を省くと、再設計費が発生しやすくなります。

業務アプリ開発プラットフォームはセキュリティ面で安全ですか?

安全性は製品名だけでなく、契約プラン、設定、権限、運用体制、委託先管理によって変わります。

SSO・MFAや最小権限、監査ログ、暗号化を確認します。バックアップや脆弱性対応、保管地域、障害時の連絡先、契約終了時の削除・返却も、あわせて見ておきます。

個人情報を扱う場合は、委託先と再委託先の監督や事故報告、監査の範囲を契約書に記載します。導入後も、アプリと権限を定期的に見直します。

まとめ

初期費用はPoCで30万〜150万円程度、部門導入で150万〜500万円程度、全社展開で500万〜1,500万円程度が目安です。

独自ロジックや基幹連携、厳格なセキュリティ、複雑な移行を含めると、1,000万〜4,000万円超になる可能性があります。これは、範囲と前提に応じた予算検討用の幅です。

ライセンス以外の費用を含めた総額の比較

月額・年額ライセンス、初期設定、要件定義、画面・ワークフロー構築は、分けて確認します。

移行、API・CSV連携、テスト、研修、保守も、同じ表に並べます。バックアップやセキュリティ、終了時のデータ返却も、あわせて確かめます。

30人分のライセンス料だけでなく、3〜5年の費用と社内工数を合算して比べます。見積もりの対象外となる作業と、追加変更単価が明確なら、導入後の予算超過を防ぎやすくなります。

最初の1業務の検証と段階的な拡大

まず小さく検証し、効果と運用条件を確かめてから、対象を広げます。

  1. 業務フローの整理と、MUSTとWANTの切り分け。
  2. 1業務での2〜6週間程度の検証と、標準機能の優先。
  3. 効果と費用の比較、権限・データ・ガバナンスの設計。

継続的に改善する業務基盤として運用すれば、Excelや紙の転記、属人化、部署間のデータ分断を減らせます。効果を確かめながら、少しずつ拡張することもできます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。