ビジネスチャット開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ビジネスチャットの発注は、業務と利用者の整理、RFPでの条件の明確化、PoCと委託先の比較の順で進めます。この順で進めると、過剰な開発や運用負担を抑えられます。

全体像は、ビジネスチャット開発の完全ガイドもあわせてご覧ください。

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ビジネスチャットの発注・外注の始め方

最初に、解決したい業務と利用者、扱うデータ、必要な連携を整理しておきます。製品名や開発会社を先に決めてしまうと、必要な範囲を見誤ることがあります。

目的と利用者の一覧

改善したい業務は、社内相談と顧客・取引先との連絡、問い合わせのエスカレーションに分けて考えます。加えて、緊急連絡やナレッジ共有の用途も書き出します。

利用者は、情シスやコンタクトセンター、営業、協力会社といった立場ごとに、どの場面で使うかを洗い出します。

20〜300人規模の企業では、全社導入の前に、問い合わせ担当や特定のプロジェクトでPoCを行います。期間は2〜4週間を目安とし、そのなかで通知量やチャンネル設計の問題を確かめます。

チャットとチケット管理の境界

チャットだけで問い合わせを処理すると、担当者や期限、対応状況が流れてしまいます。SLAや回答履歴も、あわせて追えなくなります。そこで、相談や通知はチャットに、正式な案件記録はチケット管理やCRMに分けます。

RFPには、相談の開始から条件に応じたチケット化、完了番号のチャットへの返却までの流れを書きます。そうすると、必要なAPI連携と画面を、委託先が見積もりやすくなります。

発注形態の選び方

標準機能、設定、API連携、独自開発の順に並ぶ不足機能の対応区分を示した尺度図。
左から確認すると、追加対応の範囲を段階的に見極められます。

発注形態は、既製SaaS、SaaSへの連携・設定の追加、専用環境や独自チャットの三つから選びます。判断の基準は、業務固有の権限やデータ、ワークフロー、連携を標準機能で満たせるかどうかです。

標準機能で解決できる範囲までスクラッチ開発すると、費用と保守の負担が大きくなります。そこで、不足機能を4段階に分けて整理します。

  • 標準機能:追加設定なしで利用できる機能
  • 設定:製品内の設定で補える機能
  • API連携:外部サービスとの接続が必要な機能
  • 独自開発:標準機能や設定、連携で満たせない機能

既製SaaSをそのまま導入する場合

社内連絡や協力会社との日常的なやり取りには、Chatwork、LINE WORKS、Microsoft Teams、Slackなどが候補です。

初期費用と期間を抑えやすいのが特徴です。また、可用性や更新も提供者に任せられます。

一方で、業務を標準機能に合わせる必要があります。たとえば無料プランでは、履歴閲覧期間やストレージ、管理機能が制限されることがあります。外部ユーザーや監査ログも、制限の対象になる場合があります。

連携・設定を外注する場合

SaaSを選んだあとは、必要な連携と設定をSIerや導入支援会社へ依頼します。見積では、標準機能とAPIの範囲を分けて示してもらいます。

  • 連携先:ID基盤、CRM、FAQ、チケット管理、CTI、グループウェア
  • 自動化:SSO、SCIM、チャンネル作成、問い合わせ起票、障害通知
  • 料金:Microsoft 365 Business Basicは年契約換算899円/ユーザー/月。
  • 料金:Slackのプロは年払いで1ユーザー月額US$7.25。

上記の料金例は、Microsoft 365公式料金ページとSlack公式料金ページで、2026年8月に確認した内容です。

監査や保持、AIは、別ライセンスや上位プランの対象になる場合があります。電話やストレージも、別ライセンスや上位プランになることがあります。そのため、製品料金だけでは導入の可否を決められません。

専用環境・独自開発を選ぶ場合

複雑な顧客・案件権限や閉域網、専用のデータ配置、基幹システムとの深い連携が必要で、SaaSの制約が事業上受け入れられないときに検討します。

  • 認証・配信:ログイン、チャンネル、リアルタイム配信の設計と実装
  • 情報利用:検索、ファイル、通知の仕組み
  • 継続運用:監査ログ、バックアップ、災害復旧の仕組み

標準機能で足りない理由を機能ごとに説明できなければ、先にSaaSのPoCを行います。

ポイント

判断の目安は、不足機能を標準機能、設定、API連携、独自開発の順に当てはめ、どこまでで満たせるかです。独自開発は、そこまでで満たせない場合だけに絞ります。

RFPと要件整理の進め方

RFPは、機能一覧だけでなく、業務背景や現状の課題、対象範囲を伝える書類です。また、制約や期待する成果、提案依頼も示します。発注者が決めることと委託先に提案を求めることを分けておくと、見積の条件をそろえて比べられます。

業務フローと成功条件の書き方

導入背景と対象業務を書いたうえで、「メールを減らしたい」といった目的だけでなく、測定できる成功条件を定めます。たとえば、問い合わせの担当チームへの通知を5分以内に行うことが、その一つになります。

このほか、社外ゲストの契約終了日にアクセスを停止することや、過去の対応会話を権限の範囲内で検索できることも、条件に含まれます。

導入後の指標には、アクティブ利用率や問い合わせの初回振り分け時間、チケット化漏れがあります。ほかに、検索成功率や退職者アカウントの停止時間も挙げられます。

機能・連携・非機能要件の分け方

RFPでは要件を機能、連携、非機能の三つに分けて記載します。

  • 機能:チャット、検索、ファイル共有、通話、タスク、ゲスト、管理画面
  • 連携:接続先、データの向き、同期頻度、失敗時の再送
  • 非機能:可用性、性能、復旧、監査、保持、暗号化、サポート、所在地

機能要件には、1対1とグループのチャットや、公開・非公開のチャンネルを含めます。スレッドやメンションも、機能要件に入れます。

連携先には、Microsoft Entra ID、Google Workspace、Salesforceがあります。CRMやFAQ、チケット管理も連携先に含まれます。さらに、CTIや監視ツールも対象です。

非機能要件には、可用性や同時接続数、検索応答を含めます。バックアップや復旧目標に加えて、監査ログやデータ保持、暗号化も定めます。サポート時間やデータ所在地も、あわせて決めておきます。

データ分類とAI利用条件の決め方

データの保存先とAIの利用可否を整理し、RFPと受入基準に反映します。

  • 情報分類:顧客名、問い合わせ履歴、契約・障害情報、認証情報
  • 記録先:チャット、チケット、AIに入力できる情報の区分
  • AI制御:学習利用、RAGの権限範囲、部署単位での停止可否

IPAの「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」では、クラウドAIに営業秘密を教えないことが挙げられています。また、RAGで情報を混在させないことも注意点とされています(出典: IPA、2026年4月公開)。

事前に条件を定めておくと、デモだけで判断するリスクを抑えられます。

ポイント

RFPに書く内容は、発注者が決めることと委託先に提案を求めることを分けられているかで判断します。どちらかが曖昧だと、見積の条件がそろわず比較しにくくなります。

契約形態と責任分界の決め方

要件定義や設計・開発では、適した契約が異なることがあります。企画や移行・教育、運用保守も、工程ごとに向く契約の形が変わります。そのため、成果物や作業範囲、変更手続きを契約に明記しておきます。検収や障害対応、再委託、データ返却も、明記の対象です。

請負契約の範囲と検収条件

請負契約は、合意した成果物を完成させて検収する工程に向いています。管理画面やSSO連携、チケット起票API、検索機能のように、完成物と受入条件を決められる場合が当てはまります。

発注後に画面を追加したり権限を変えたりすると、追加費用や納期の変更につながります。そこで、変更の受付期限や再見積もり、優先順位の変え方を、変更管理票で運用します。

準委任・ラボ型と要件変更への対応

準委任契約は、専門家の作業や技術支援を一定期間受ける形です。要件が変わりやすいPoCやアジャイル開発、運用改善で使われます。

ラボ型では、月ごとのチーム体制や稼働時間、優先順位を合意しておきます。そのうえで、成果物だけでなくレビューや品質管理の方法も確かめます。

作業時間だけでは進捗を判断しにくいため、成果を確かめる単位を決めておきます。スプリントごとのデモと課題一覧、テスト結果、次回計画が、その単位になります。

発注者と委託先の責任分界の契約条件

データ移行では、作業範囲と担当者を契約前に決めておきます。

  • 抽出:旧チャットやExcelから何を移すか
  • データ整理:表記揺れの修正と不要情報の削除を、誰が担うか
  • 移行確認:投入後のデータを、誰が見届けるか
  • 役割分担:発注者は顧客・権限マスタを確認し、委託先は変換・投入・検証を担うのが一般的です。

個人情報を扱う場合は、再委託先や保存場所、アクセス権を確認します。ログと事故報告の期限、契約終了後の消去証明も、あわせて確かめます。

個人情報保護委員会は「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」を公表しており、同ガイドラインでは、委託先の安全管理措置を確認することが望ましいとされています。また、再委託先の監督を確認することも望ましいとされています。

ポイント

工程ごとに、完成物を検収で区切れるかと、変更を前提に作業を任せるかを見分けるのが目安です。どちらの契約でも、変更の手続きと責任の範囲は必ず書いておきます。

ビジネスチャット開発・導入の費用相場

導入範囲別の推定初期費用を、SaaS小規模導入から大規模・高セキュリティ等まで5本の横棒で比較した図。
対応範囲が広がるほど、見積もりの幅も大きくなります。

SaaSの月額料金は、無料から1ユーザー月額数千円程度です。ただし、発注・外注では、初期設定やSSOの連携、移行に加えて、教育や運用保守まで含めて考えます。

ここで示す金額は、一律の市場価格ではありません。リサーチノートの類似業務システム相場と、必要な工程から算出した編集部の推定レンジです。

金額は、ユーザー数や既存環境、要件の確定度、セキュリティ要件によって変わります。そのため、予算計画の初期目安として使ってください。

ライセンス費と無料枠の境界

ライセンスの料金例と無料枠の条件を、先に確認しておきます。

  • Chatwork:フリー0円、旧ビジネスのスタンダードは年契約で1ユーザー月額700円、月契約で840円
  • LINE WORKS:フリーは30人まで0円、スタンダードは年額契約450円、月額契約540円

Chatworkは2026年8月4日に有料プラン名を変更しました。なお、告知では機能、料金、契約条件に変更はないとされています。

上記の料金は、Chatwork公式料金ページと料金名称変更のお知らせ、LINE WORKS公式料金ページで、2026年8月に確認した内容です。

無料枠はPoCに使いやすい一方で、履歴の閲覧や管理者機能、ストレージの条件は有料プランと比べて確かめます。SLAや監査、アーカイブの条件も、有料プランと並べて比べます。

導入・連携・独自開発の工程別の目安

費用と期間は、導入範囲に応じて変わります。ここに挙げる金額と期間は、推定の目安です。

  • SaaS小規模導入:初期0〜30万円程度、2〜6週間
  • 連携・ID接続:100〜500万円程度、1〜3か月
  • サポート・コンタクトセンター向け:300〜1,500万円程度、3〜6か月
  • 独自チャットMVP・スクラッチ:1,000〜5,000万円程度、6〜12か月
  • 大規模・高セキュリティ等:5,000万円〜数億円以上、1年以上の可能性

この目安は、SSOやID連携に加えて、既存のグループウェアやCRM、チケット管理との2〜4個の接続を想定しています。

小規模導入には、利用ルールや管理設定、短時間の研修が含まれます。

連携費は、API仕様や認証によって左右されます。エラー処理やログ、テストデータの準備も、費用の大きさに関わります。

サポート向けの範囲には、起票や顧客・案件情報の表示、履歴連携を含みます。加えて、監査・保持や移行、教育も範囲に入ります。独自チャットの場合は、MVP(Minimum Viable Product)を想定します。

大規模の想定には、複数拠点の冗長化や24時間運用を含みます。各金額はベンダーの定価ではなく、要件に基づく推定です。そのため、見積書にも推定であることを明記してもらいます。

5年TCOの比較項目

5年TCO(総所有コスト)は、ライセンス以外の費用も含めて比べます。

  • 利用料:ライセンス費×利用人数×60か月
  • 導入・運用:初期設定・連携、移行・教育、運用・保守
  • 追加費用:ストレージ、アーカイブ、AI、解約・乗り換え時のデータ出力
  • 独自開発の保守:初期開発費の年10〜20%程度

総額は、外部ユーザーをゲストとして扱えるか、社外ゲストにもライセンスが必要か、休眠ユーザーの課金を止められるかによって変わります。

リサーチノートにある一般的な保守費の目安は、初期開発費の年15〜20%程度です。

たとえば、3,000万円の開発なら、推定で年450〜600万円、月37.5〜50万円程度です。保守の範囲や稼働時間で金額は変わるため、障害・脆弱性対応やOS・ブラウザ更新と、窓口や追加開発を分けて確認します。

ポイント

費用は、ユーザー数や既存環境、要件の確定度で動くため、幅で見て判断します。見積の前提と除外条件がそろって初めて、金額を比べられます。

委託先の選定と見積比較の観点

見積書を比較する際の工程内訳、費用前提、除外・追加条件の3観点をチェックカードで示した図。
三つの観点を同じ条件でそろえると、金額の差を読み解きやすくなります。

委託先は、SaaSベンダー、導入・連携を担うSIer、独自開発会社に分けて比較します。移行や現場定着の支援力は、知名度とは別に確かめる必要があります。

提案書では、現状の理解やPoCの進め方を確認します。あわせて、役割分担や成果物、運用体制、見積前提も見ておきます。

似た業務の実績と担当体制

実績は、納品件数よりも自社に近い業務かどうかで見ます。

  • 類似業務:問い合わせ起票、社外ゲスト管理、顧客情報の権限設計
  • 連携・移行:履歴移行、Microsoft 365やSalesforceとの連携
  • 事例情報:導入効果、対象ユーザー数、期間、利用範囲、運用保守体制の公開状況
  • 担当体制:営業担当、要件定義責任者、プロジェクトマネージャー、連携・移行担当、運用窓口
  • 再委託条件:各社のデータアクセス、発注者の承認要否、事故時の連絡先

見積書の作業量・前提・除外項目のそろえ方

合計金額だけを見ると、移行やテストの抜けを見落とします。そこで、工程や費用の前提、除外条件をそろえて比べます。

  • 工程内訳:要件定義、基本設計、画面開発、API連携、権限設定、テスト、移行、教育、リリース支援、運用引き継ぎ
  • 費用前提:工数、単価、期間、成果物、設定費、追加開発費、クラウド料金、保守費
  • 除外・追加条件:移行別途、API未確定、ユーザー増加、上位プランのSLA・監査ログ

必須の作業と任意のオプションも分けておきます。RFPと同じサンプルデータやユースケースでデモを依頼すると、検索や権限の境界、ゲスト停止、チケット化失敗時の処理を見られます。そうすると、価格以外の差も見えてきます。

受入テストと運用引き継ぎの選定条件

受入テストと運用引き継ぎは、選定の条件として確認します。

  • 利用者・権限:一般ユーザーの送信、退職者の無効化、異動時の権限変更、ゲスト期限切れ
  • 記録・連携:検索のアクセス制御、ファイル削除、監査ログ、通知再送
  • 問い合わせ連携:チケットの二重登録・担当漏れ、CRM情報の閲覧制御
  • 設計・検証成果物:要件定義書、基本設計書、連携仕様、テスト仕様書と結果
  • 移行・運用成果物:移行結果、権限一覧、運用手順、障害連絡網、管理者教育資料

稼働後に利用率や検索率、チケット化漏れを測る方法も確かめます。測定の方法まで提案できる会社であれば、「使われないチャット」になるリスクを抑えられます。

ポイント

委託先は、似た業務の実績と担当体制、見積の前提がそろっているかで比べるのが目安です。価格が安くても、除外条件が多い見積は、後から費用が増えやすくなります。

発注・外注で起きやすい失敗と対策

導入後は利用者が増え、業務ルールや連携先も変わります。そのため、発注者側に意思決定者と現場代表を置き、要件やデータ、通知、運用を定例会で確かめます。

現場の声を段階展開に反映し、開発会社に任せきりにしない体制を作ります。

過剰カスタマイズの防止

既存業務をすべてチャットへ移すと、要件も開発費も膨らみます。そこで、問い合わせの受付や担当者・期限・SLA、正式な回答は、チケット管理やCRMに記録します。

チャットは相談や通知、一次連携に使うなど、業務ごとに記録先を決めます。

  • 標準機能:製品に備わる機能で足りる場合
  • 設定:製品内の設定で補える場合
  • API連携:外部サービスとの接続で補う場合
  • 独自開発:標準機能・設定・連携で満たせない場合

4段階に分けると、投資判断を説明しやすくなります。

通知過多と二重管理の防止

通知をすべてオンにすると、重要な依頼が埋もれます。そのため、チャンネルの命名規則やメンションの使い方、緊急度を決めます。返信期限や完了報告の形式も定め、通知ルールをそろえます。

メールやExcel、紙の日報を並行して使い続けると、正しい情報が分からなくなります。そこで、段階展開の終了日に廃止する業務を決めておきます。

外部ユーザー・保持・AIの管理漏れの防止

外部ユーザー、データ保持、AI利用の管理条件を、事前に定めておきます。

  • ゲスト管理:招待日、所属会社、利用目的、契約終了日、アクセス先を台帳管理
  • アカウント停止:退職者や異動者を、ID連携で止められるようにする
  • 保持・委託先:監査ログと保持期間を法務・情シス・現場責任者で合意
  • クラウド保護:個人情報を扱う場合の所在地、再委託、事故通知、契約後の消去
  • AI利用:機密入力、権限外検索、誤要約、入力区分、管理者制御、人の確認、プロンプトインジェクション対策

受入条件に先に入れておくと、あとで機能を追加する際に大幅な設計変更が起きる可能性を抑えられます。

よくある質問

製品選びや開発範囲、費用については、初めて外注する担当者が迷いやすい点に答えます。契約や運用の疑問も扱います。

ビジネスチャットはSaaSと独自開発のどちらがよいですか?

多くの企業では、既製SaaSをPoCで試したうえで、標準機能で足りない連携だけを外注する方法が現実的です。独自開発は、複雑な権限や閉域網、基幹連携などでSaaSの制約を受け入れられない場合に検討します。

小規模なビジネスチャット導入の予算はいくらですか?

SaaS導入の初期費用は0〜30万円程度で、ライセンスは無料から1ユーザー月額数千円程度です。いずれも、編集部が推定した初期の目安です。

SSOやCRM連携、移行、教育を含める場合は、100〜500万円程度です。さらに、問い合わせ業務との連携まで含める場合は、300〜1,500万円程度を見込みます。

発注側は、同じRFPで複数社に確かめます。

RFPはどの段階で開発会社へ渡せばよいですか?

候補会社へ相談する前に、目的や利用者、業務フロー、データ分類を整理します。加えて、連携先や期限、予算上限、運用体制もまとめておきます。

「提案してほしい範囲」と「発注者が決める範囲」を分けておくと、仕様をすべて確定していなくても公平に比べられます。

契約形態は請負と準委任のどちらを選びますか?

完成機能と検収条件を固められる工程では請負が、要件が変わるPoCやアジャイル開発、運用改善では準委任が候補になります。

要件定義は準委任、確定した開発は請負、稼働後は保守契約に分ける方法もあります。どの形でも、成果物や範囲、変更管理は契約に明記しておくことが大切です。障害対応や再委託、データ返却の扱いも、契約に定めておく必要があります。

まとめ

発注や外注では、製品や開発会社を選ぶ前に、業務の目的と記録の役割を整理します。

社内と社外の連絡はSaaSで、ID・CRM・チケットの接続は導入支援に分けて考えます。

SaaSで満たせない固有の要件は専用開発と分けて考えると、過剰な投資を防ぎやすくなります。

発注前に確認する項目

利用者数と外部ユーザー、チャットとチケットの役割を確認します。SSO・権限・保持期間や連携先、移行データも、発注前に確認すべき項目です。

PoCの対象と5年TCO、契約も確認します。成果物や運用窓口も、あわせて見ておきます。見積書は、合計だけでなく工程や前提を見て比べます。除外や追加条件、保守範囲をそろえることも大切です。

次に行うこと

対象部門の代表者とともに、メールやExcel、電話、既存チャットの流れを洗い出します。そのうえで、2〜4週間のPoCで標準機能の不足を確かめます。

不足機能と受入条件をRFPに反映し、同じ条件で複数社に提案と見積を依頼します。現場が使い続けられる運用まで含めて選ぶことが、成功への近道です。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。