事業継続管理システムの会社は、業務範囲、復旧支援、既存システムとの連携で比べると、自社の不足を補いやすくなります。
まず株式会社riplaを、続けて実在する5社を取り上げます。各社の支援範囲と特徴、選ぶときの確認事項を見ていきます。全体像は事業継続管理システム開発の完全ガイドもご覧ください。
▼全体ガイドの記事
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事業継続管理システムのパートナー選びが重要な理由

事業継続管理システムは、平時に重要業務を定義してリスクと依存関係を整理し、訓練で課題を見つけて計画を更新する管理サイクルを支えます。災害時の連絡を自動化することは、その一部です。
2026年には内閣府が事業継続ガイドラインの改定を検討しています。改定では、南海トラフ地震や首都直下地震を想定し、経営中枢機能やサプライチェーン対策も踏まえる方向です。計画書の有無だけでなく、実効性と継続的な改善が重視される流れです。
6社を同じ製品として比べない点
同じ事業継続管理の領域でも、サービスや製品ごとに受け持つ範囲は異なります。支援の中身で分けると、比べるべき相手が見えてきます。
- BCM専用SaaS:重要事業や依存関係を管理する
- 安否確認サービス:社員の安否確認や一斉通報に強い
- インフラベンダー:バックアップやネットワークを担う
- HA・DR製品:基幹システムの冗長化を実装する
各社は競合する場合もありますが、実際には組み合わせて使うことも多くあります。
安否確認サービスだけではBCM全体を管理できないため、まず自社が解決したい範囲を決めてから、会社を比べます。
発注前に確かめるRTO・RPOと運用責任
復旧目標と運用責任を曖昧にしたまま発注すると、有事に誰が判断し、誰が手順を直すのかが分からなくなります。そこで、RTO・RPOの数値だけでなく、それを誰がどう守るかまで発注前に確かめておきます。
- 復旧目標:重要業務ごとのRTO(目標復旧時間)とRPO(目標復旧時点)
- 運用責任:情報登録、有事の判断、復旧手順の更新を誰が担うか
- 基盤と代替手段:データセンターの地域分散、バックアップの保管方法、認証基盤停止時の代替ログイン
- 障害・解約時:障害時の窓口、復旧演習の頻度、解約時のデータ返却条件
価格だけで選ぶと、導入後のデータ整備や訓練に費用がかかる場合があり、その結果、システムが使われなくなる可能性もあります。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaはコンサルティングから開発まで一気通貫で支援しています。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、成果の創出とシステムの定着を支えます。
営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築と導入の実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制です。
業務要件に合わせたBCMの範囲設計
安否確認や重要業務、拠点などを別々に導入すると、取引先や復旧手順も含めて情報が分散し、二重入力が起こりやすくなります。
riplaは、現行のBCP文書やExcelを整理し、人事・勤怠・グループウェア・基幹システムなどとの関係も含めて、必要な範囲を要件に落とし込む進め方を得意としています。
標準機能と、業務固有の連携やワークフロー開発を分けて考えます。そのため、過剰なカスタマイズを抑えやすく、実務に定着しやすい構成を目指せます。
向いている企業・相談時に整理したいこと
既製の安否確認サービスだけでは管理しにくい、重要業務の優先順位や取引先の停止影響まで扱いたい企業に向いています。また、業務フローに沿って段階的に整えたい企業にも適しています。
相談時には、従業員数・拠点数・重要事業数を整理します。既存の認証基盤や災害時の連絡経路も、あわせて整理しておくと話が早く進みます。RTO・RPOや訓練頻度も伝えると、現実的な初期範囲を検討しやすくなります。将来連携したいシステムがあれば、それも併せて示すと、連携の範囲を早めに検討できます。
アールシーソリューション株式会社|重要事業を中心に管理するBCM専用SaaS
アールシーソリューション株式会社は、BCP策定・運用を支援するリスク管理アプリ「BCP-PREP」を提供しています。
安否確認だけでなく、重要事業に関係する人・設備・取引先を紐づけ、災害時に停止しそうな業務を把握することを重視しています。
人・設備・取引先と重要事業の関係の見える化
BCP-PREPでは、ダッシュボードで被害状況や重要事業の復旧状況を俯瞰できます。
社員が無事でも、設備や物流、取引先が止まれば事業は再開できません。そこで業務の依存関係を登録し、こうした影響を把握できる設計になっています。Excelや紙の計画書を置き換えて、平時の準備から災害時の状況確認、訓練後の見直しまでを同じ情報基盤で行いたい企業に適しています。
公開料金と中堅企業向けの比較材料
公式の料金例では、従業員500名・1拠点・重要事業1つで月額59,000円です。
拠点10・重要事業2つでは月額110,000円、拠点10のまま重要事業5つでは月額185,000円です(出典:アールシーソリューション「BCP-PREP」料金表、2026年8月確認)。
実際の金額は契約条件で変わりますが、従業員数だけでなく拠点数や重要事業数も費用に影響します。安否確認だけでは足りず、大規模な個別開発は不要な企業の候補になります。
日本電気株式会社(NEC)|BCP策定からクラウド・DRまで広く支援

日本電気株式会社(NEC)は、BCP策定・運用のコンサルティングから、製品、ソリューション、クラウドサービスまでを組み合わせて提供する、大規模SI型の候補です。
業務継続からデータ保護、システム復旧、通信・クラウド基盤まで含めて設計したい企業に向いています。
大規模組織のBCP・DRの複数レイヤーでの設計
NECのBCPソリューションは、自然災害や停電、疫病などを想定しています。サプライチェーンの断絶も、想定の対象に含まれています。
BCP策定や訓練、見直しに加えて、重要業務の再開やデータ保護を整理しています。システム復旧や、クラウドを活用したDRなども含めています。
基幹システムやネットワーク、認証、バックアップを含めて全社構成を見直す場合、個別SaaSを単体で入れるより全体設計を相談しやすい点が強みです。
全社統合での担当の切り分けと段階導入
大規模な構成では、業務設計や安否確認、クラウド、バックアップなどを一社で完全に置き換えるとは限りません。そのため、NEC、既存ベンダー、自社の担当範囲をそれぞれ確かめておきます。
障害時の一次窓口と復旧責任は、RFPの段階で明確にしておきます。まず重要業務を数件に絞って復旧演習を行い、その結果をもとに対象の拠点やシステムを広げていくと、初期投資と運用負荷を管理しやすくなります。
富士通株式会社|BCP策定から運用改善まで伴走するBCM支援
富士通株式会社は、BCP策定から運用までの管理サイクル、情報システムの継続性強化、パンデミック対応などを支援します。
経営層・現場・情報システム部門の役割を整理し、訓練や演習で計画の実効性を高めたい企業に適しています。
BCMの計画・訓練・改善を業務に組み込む設計
富士通の事業継続マネジメントでは、BCP策定支援や演習を起点にした実効性向上支援が案内されています。BCP文書の評価とBCM運用改善も扱われています。
サイバー攻撃への対応体制を含むICT-BCPコンサルティングもあります。訓練課題を担当者と期限を定めて是正し、経営層のレビューにつなげたい企業に向く、伴走型の選択肢です。
複数部門・サプライチェーンを含める企業向け
製造や物流、金融、公共などの企業では、情報システムに加えて取引先や地域の機能まで影響が及ぶため、業務継続の体制設計を先に考えておく必要があります。
比較時には、ワークショップや演習の範囲、BCP文書の更新支援、ICT-BCPとセキュリティ対策の接続を見ておきます。システム開発・運用チームとの役割分担も、あわせて詰めておく必要があります。事業環境や拠点、人員が変わるたびに計画を見直せる体制を作りたい場合、検討しやすい候補です。
NTTドコモビジネス株式会社|安否確認と一斉通報から始める選択肢
NTTドコモビジネス株式会社は「Biz安否確認/一斉通報」を提供しています。地震時の安否確認を自動で配信・集計できるほか、手動の一斉通報や掲示板、設備確認も利用できます。
まずは緊急時のコミュニケーションを整えたい企業に向いています。
安否確認・一斉通報の初動の標準化
公式の料金ページでは、ライトプランの初期費用は0円です。10IDの場合は月額10,000円(税込11,000円)と案内されています。
通常プランは、初期費用200,000円(税込220,000円)、月額10,400円(税込11,440円)からの掲載例があります(出典:NTTドコモビジネス「Biz安否確認/一斉通報 プラン/料金」、2026年8月確認)。
金額は人数やプラン、機能によって変わります。そのため、設備確認や掲示板、音声通知の要否を含めて見積もる必要があります。
BCM全体との不足範囲の見極めと組み合わせ
安否確認サービスは、従業員の回答状況を早く集計し、一斉連絡を行う目的に適しています。一方で、重要業務のBIAや、取引先・設備の依存関係も管理できるかを確かめる必要があります。
さらに、復旧手順の版管理や訓練後の是正措置も、確かめておく必要があります。安否確認から始めて、BCM専用SaaSや基幹・認証システムと連携させれば、効果を見ながら範囲を広げていけます。
東日本電信電話株式会社(NTT東日本)|通信・クラウドバックアップで復旧基盤を整備
東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は、通信とネットワークのサービスを組み合わせます。クラウドストレージやバックアップ、セキュリティも含め、業務データと通信の復旧基盤を整える候補です。
BCM計画・訓練の専用画面よりも、本社が止まった場合に拠点やクラウドから重要データへアクセスできる環境を作りたい企業に適しています。
バックアップと通信の一体的な見直し
本社のサーバーやNASだけにデータを置いていると、浸水や火災、電源喪失の際に、データと通信機器を同時に失う可能性があります。
遠隔地のクラウドへバックアップを取り、拠点間通信やVPN、代替の連絡手段を組み合わせれば、復旧の選択肢を増やせます。
見積時には、バックアップ対象や世代数を確かめます。復旧方法と復旧先端末に加え、通信が使えない場合の手順と復旧支援の範囲も見ておきます。
浸水後3日でのデータ復旧の公式事例
NTT東日本の岡田陸運株式会社の導入事例では、台風第19号で本社が地上1.8メートルまで浸水しました。
通信機器、ストレージ、紙帳票は全損しました。一方で、クラウドバックアップから3日後に重要データを復旧したと紹介されています(出典:NTT東日本「岡田陸運のクラウドバックアップBCP導入事例」、更新日2026年3月4日)。
この事例は、サービス単体の効果を保証するものではありません。むしろ、バックアップを遠隔地に置き、復旧手順と支援体制を事前に整えることの意味を示しています。
事業継続管理システムのパートナー選びのポイント

知名度や機能数で順位を付けるより、自社で不足しているレイヤーに合うかどうかで判断します。安否確認と重要業務の継続、データ復旧、基幹システムの冗長化は、目的がそれぞれ異なります。
必要な会社は一社に限らず、役割分担を含めて設計するのが現実的です。判断材料は、復旧実績、技術・専門性、プロジェクト管理と費用の3点です。
導入社数より復旧シナリオで見る実績
自社に近い業種や拠点数、重要業務の条件で、想定したシナリオと復旧内容を確かめます。地震や水害に加えて、ランサムウェアや認証基盤停止の訓練事例も聞いておくと役立ちます。
サプライヤーの操業停止や通信断、担当者不在も、想定に含めて考えます。事例では、導入目的と対象範囲、構成を見ます。さらに、訓練方法や復旧結果、導入後の改善も確かめます。
連携・復旧・セキュリティで見る技術力と専門性
連携面では、人事・勤怠・拠点マスタの自動連携や、SAMLやOIDCなどの認証、CSVやAPIでのデータ取得を見ておきます。
有事には、通常の認証基盤や社内ネットワークが使えない可能性があります。そこで、管理者を複数人にし、別の通信経路を用意する方法を確かめておきます。
バックアップは、同じ地域や認証環境に集めないようにします。個人情報を扱うため、暗号化やアクセス権、操作ログ、脆弱性対応などを確かめます。委託先の管理や、データの削除・返却条件も合わせて確認します。
プロジェクト管理と3年総額での比較
要件定義、データ移行、初期設定を誰が担当するかを確かめておきます。既存システムとの連携も、担当を明確にしておく必要があります。訓練やマニュアル作成、運用開始後の問い合わせ対応も、誰が担うかを確かめておきます。
費用は、初期費用と月額だけでなく3年総額で比べます。たとえば、BCP-PREPは構成により月額59,000円から185,000円です。
NTTドコモビジネスのBiz安否確認は、ライトプランが初期費用0円で、通常プランは初期費用税込220,000円です(出典:各社公式料金ページ、2026年8月確認)。
この差は、機能の優劣ではなく、管理範囲と支援内容の違いから生じるものです。そのため、RFPには比較に必要な項目を次のとおり含めておきます。
- 復旧目標:RTO・RPOの実現方法、稼働実績または復旧演習
- 基盤と連携:データセンター、バックアップ地域、認証停止時の代替手順、既存システム連携
- 運用と費用:訓練・是正支援、障害時の連絡、データ返却、初期・月額・従量料金を含む3年総額
各社の回答を同じ項目で並べると、会社の規模や提案資料の見栄えに左右されず比べられます。
よくある質問(FAQ)
事業継続管理システムの会社選びでよくある疑問を、導入範囲、費用、開発方式の順に答えます。分けて考えると、自社の優先順位を決めやすくなります。
事業継続管理システムと安否確認システムは何が違いますか?
安否確認システムは、従業員の安全状況を集めて、緊急連絡や一斉通報を行うことが中心です。事業継続管理システムは、重要業務やRTO・RPOを管理します。拠点・設備・取引先の依存関係や、対応計画、訓練、是正措置も対象に含まれます。安否確認はBCMの一部として組み合わせることが多く、どちらか一方だけで自社の事業継続要件を満たせるとは限りません。
事業継続管理システムの費用相場はいくらですか?
公開料金のあるSaaSでは、安否確認を中心としたサービスが月額1万円前後からです。一方で、BCM専用SaaSは、従業員数や拠点数、重要事業数に応じて、月額5万9,000円から18万5,000円という例があります。
個別開発や複数システムとの連携では、データ移行や要件定義に加えて、訓練、保守、クラウド冗長化などが加わります。そのため、公開料金だけでは判断できません。初期費用と月額に加えて、連携費や訓練費、運用保守費を含む3年総額で見積もる必要があります。
パッケージと個別開発はどちらを選ぶべきですか?
安否確認や重要事業の管理が標準機能に近い場合、SaaSやパッケージは導入期間と初期費用を抑えやすくなります。
複数の基幹システムや特殊な復旧判断、サプライチェーン固有の依存関係を扱う場合は、標準サービスに設定、API連携、個別開発を組み合わせる方法が適しています。最初から全面的にスクラッチ開発するより、重要業務を対象にMVPと訓練を行い、不足する機能だけを段階的に追加する進め方が安全です。
まとめ
会社選びでは、開発会社やSaaS、インフラベンダーを同じ基準で並べるより、自社の不足を見極めて選ぶことになります。riplaは、業務要件の整理から開発・導入まで相談したい企業に適しています。
アールシーソリューションは、重要事業と依存関係を管理するBCM専用SaaSを探す企業の候補です。NECは、大規模なBCP・DRを統合したい企業の候補になります。
富士通は計画・訓練・改善の運用設計を、NTTドコモビジネスは安否確認と一斉通報を、NTT東日本は通信とクラウドバックアップを整えたい企業に向いています。
重要業務と復旧目標の1枚への整理
問い合わせの前に、止められない業務と許容停止時間、必要な人員や設備、データ、取引先を一覧にしておきます。代替拠点や連絡経路、RTO・RPOも、同じ一覧に加えておくと話が早く進みます。
そのうえで、安否確認だけで足りるのか、BCM専用SaaSが必要なのか、基幹システムやクラウド基盤まで含む設計が要るのかを切り分けます。
候補企業には同じ要件書を渡し、3年総額と訓練・復旧支援まで比べることをおすすめします。
導入後の訓練と見直しまで含めた成功の考え方
事業継続管理は、システム導入の後も継続して取り組む必要があります。
- 情報更新:異動・退職・拠点変更に伴うマスタの更新
- 訓練と是正:半年から年1回程度の頻度で行い、見つかった課題への対応を確かめる
- 経営層の見直し:計画の再検討を運用の流れに組み込む
システムが有事に使えて、担当者が迷わず判断でき、計画が最新の事業実態と合っているとき、導入の効果を実感できます。
▼全体ガイドの記事
・事業継続管理システム開発の完全ガイド
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・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
