経営計画システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

経営計画システム開発は、要件整理から運用ルールの定着まで、段階を追って進めます。なかでも、製品・開発会社の選定と、データ・画面の設計・開発は、始める前に判断の時期とデータを決めておく必要があります。この順で進めると、予算・実績・見込を意思決定につなげられます。

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経営計画システム開発の全体像

経営計画システムは、予算入力だけでなく、中期計画と年度予算の作成まで受け持ちます。予実管理と見込更新も対象に入り、さらに事業計画、KPI管理、シナリオ分析にも対応します。この分野の製品は、経営管理システム、EPM、FP&A、予算管理システム、管理会計システムと呼ばれることもあります。

経営計画システムの役割

経営計画システムは、将来の売上、利益、投資、人員、資金を計画し、その計画を実績と比べながら見込や施策を検討する仕組みです。財務会計システムは取引を正しく記録することが主な目的です。一方、経営計画システムは「これからどうするか」を考える情報を整えます。

  • 計画対象:売上、利益、投資、人員、資金。
  • 業務の流れ:計画、承認、実績取込、予実比較、差異確認、見込更新、資源配分。
  • 非財務KPI:受注件数、案件単価、稼働人数、採用数、在庫、解約率。

非財務KPIを組み合わせると、差異が生じた理由を説明しやすくなります。

Excel運用からの変化

経営企画部門は、各部門のExcelを集め、転記し、数式を確認して差し戻す作業を担っています。経営計画システムを使うと、この作業そのものが変わります。

  • 集計作業:Excelの回収、転記、数式確認、差し戻しの手間を減らせます。
  • 入力の標準化:項目、組織、科目、期間、単位、版をそろえた入力。

2026年5月、ログラスは予算・見込の入力用Excelフォーマットを画面上で設計・管理する機能を発表しました。現場からExcelを完全に取り上げず、入力の型と回収の流れを標準化する方向性です(出典: 株式会社ログラス「計画フォーマット管理機能」、2026年)。

Excel入力を続ける場合も、配布・回収・版管理を統一できます。製品を選ぶ際は、各部門が締め日までに同じ定義で入力できるかを確認します。

ポイント

Excelを残すか置き換えるかで迷ったときは、予算・実績・見込を同じ定義で扱えるかを基準にすると判断しやすくなります。製品の名称より、この基準で候補を比べます。

経営計画システム開発の進め方・6つのフェーズ

経営計画システムの設計要素として、データ定義、画面と帳票、連携と修正、アクセス管理を並べた図。
設計の抜けを防ぐには、データからアクセス管理までを一緒に確認します。

製品選定や画面作成に入る前に、どの判断をいつ行い、どのデータを使うかを決めておく必要があります。各段階に完了条件を設けておくと、要件が膨らんだまま次の段階へ進むのを防げます。

  1. 要件整理・企画
  2. 製品・開発会社の選定
  3. データ・画面の設計と開発
  4. 単体・連携・業務テスト
  5. 段階的な稼働
  6. 運用ルールの整備と定着

フェーズ1:要件整理・企画

部門によって売上の定義や計上月が違うと、システムで扱う数字がそろいません。そのため、要件整理の段階で業務ルールを統一しておきます。

現行の業務は、担当者、入力時期と内容、承認者、利用する会議まで書き出します。これを欠くと、要件に抜けが出るおそれがあります。Excelの数式や参照元、手入力、例外処理、期限、差し戻し方法も確認対象です。

  • 業務確認:担当、入力、承認、会議と、現行Excelの処理を洗い出す。
  • 優先度:必須のMUST、希望のSHOULD、将来のWANTに分ける。
  • 完了条件:対象業務・組織、指標、連携、権限、移行、成功指標の一覧。

MUSTには、予算入力、承認、予実比較、見込更新、権限、会計連携などを含めます。一方、AI予測や複雑なシナリオ分析は、元データと運用責任者を決めてから優先度を判断します。

入力者と承認者の数、組織階層、更新頻度は、事前に確認しておきます。PL・BS・CFと非財務KPIの範囲は、どこまで扱うかを先に定めます。連携元、移行年数、会議資料の作成時間が曖昧なままだと、見積金額だけを比べても前提がそろいません。

フェーズ2:製品・開発会社の選定

選定では、まず実現方式を決めます。候補は、クラウド、パッケージ、スクラッチ、ハイブリッドです。

1〜3部門の予実管理であれば、標準機能が多いクラウドで早く効果を測れます。ただし、連結、複雑な配賦、多通貨が必要な場合や、独自の収益ロジック、複数基幹との深い連携が競争力に直結する場合は、EPMやSI会社も比べます。

  • 方式と拡張性:要件に応じたクラウド、EPM、SIなどの比較。
  • 同条件のデモ:同じRFPと自社のサンプルデータを候補会社に渡す。
  • 提案内容:標準設定、追加開発、運用回避の範囲を分けて確認する。
  • 契約と体制:機能、連携、支援、保守、価格、将来性の確認。

デモでは、部門別売上や案件別原価、人数などの自社データを使い、差異分析から会議資料作成までを見ます。前年実績、当初予算、最新見込も含めます。提案の範囲が分かれていると、追加費用の見通しが立ちます。

製品ベンダーには、導入パートナーの実績と保守の主体を尋ねます。一方、受託開発会社には、会計や管理会計の知識と、自社で設定変更できる範囲を確認します。

契約期間やユーザー課金については、質問しておきます。加えて、データ出力、解約時の返却、障害復旧目標も聞いておきます。

フェーズ3:データ・画面の設計と開発

設計では、画面より先にデータの定義をそろえておきます。たとえば、売上が受注、出荷、会計計上のどの基準かを明記しないと、差異分析の議論がまとまりません。

マスタは、組織、勘定科目、事業、製品、拠点、顧客を中心に扱います。通貨、期間、シナリオ、バージョンのコードも、そろえておく必要があります。

  • データ定義:各マスタのコード、名称、階層、責任者、更新条件を決める。
  • 画面と帳票:入力、承認、予実、見込、シナリオ、ダッシュボードの設計。
  • 連携と修正:連携方法、頻度、キー、再送、締め後の修正を定める。
  • アクセス管理:認証、権限、閲覧制御、ログ、バックアップを設計する。

入力項目は、締め日までに提出できる最小限に絞ります。一方、詳細な分析は、会計・販売データと連携して後の段階で行う設計が実務的です。

連携頻度は、CSVなら月次、APIなら日次といったように選びます。仕訳を修正したとき、過去予実を上書きするか、修正履歴を残すかも決めておきます。

SSO、多要素認証、役割別権限は、設計書に具体的に記します。組織や会社単位の閲覧制御、操作ログ、バックアップと復旧テストも、同じ設計書に含めます。

フェーズ4:単体・連携・業務テスト

テストでは、画面の見た目だけでなく、計算や権限、データの受け渡しまで確かめておく必要があります。

  • 単体テスト:計算式、権限、入力制御、帳票の確認。
  • 連携テスト:取込データの件数、金額、期間、コード変換の照合。
  • 業務テスト:予算承認から会議資料作成まで、担当者が実行。

業務テストには、実績取込、差異理由入力、見込更新も含めます。テストデータには、通常のケースに加えて、部門追加、組織変更、勘定科目変更の場合も入れます。

数値面では、赤字、ゼロ、マイナスの扱いを確認します。運用面では、未提出、差し戻し、過去月修正、年度切替、権限外の閲覧を確認します。

テストの結果は、合格、条件付き合格、不合格に分けます。そのうえで、不具合には、発見日、再現手順、影響範囲、担当者、再テスト日を記録します。

重大な不具合を残す場合は、経営責任者がリスクと暫定対応を承認します。あわせて、受入基準は事前に数値で決めておきます。

たとえば、前年実績との差をゼロにする、資料完成を従来の5営業日から2営業日以内にする、未提出件数を一定以下にする、といった基準が考えられます。基準がないと、効果の測定が感想で終わってしまいます。

フェーズ5:段階的な稼働

本番稼働は、全社一斉ではなく、1事業部、1拠点、または1回の予算サイクルから始めると安全です。

  • 試行範囲:小さな対象で稼働して、入力・承認・連携・帳票の課題を直す。
  • 切替準備:切替日、初期データの確定日、旧Excelの参照期間、窓口、障害連絡、復帰条件を決める。
  • 並行稼働:二重入力を終える照合項目を先に定める。
  • 情報保護:認証、保管、委託、返却・削除などの確認項目。

パイロットでは、入力者の迷い、承認の滞り、連携の遅れ、レポート不足を把握します。影響の小さい範囲で改善してから、子会社や他部門へ広げます。

締め日が近い企業は、繁忙期を避けて並行稼働します。財務・個人情報を扱う場合は、バックアップ、障害復旧、解約時の削除証明も確認します。

IPAは2026年3月、中小企業向け情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版を公開しました。クラウドで扱う情報と対策の確認方法を示しています(出典: IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」、2026年)。

認証規格を取得しているかだけでなく、自社とベンダーのどこまでを誰が受け持つかを、契約書で確認します。

フェーズ6:運用ルールの整備と定着

稼働後は、システムの操作方法と経営計画の作り方を標準化します。さらに、遅延が起きたときの責任者や、マスタ変更の担当も明確にしておきます。

  • 月次日程:締め、入力、承認、確認、会議の日を定める。
  • 変更管理:マスタ変更の申請者、承認者、反映日を決める。
  • 研修:管理者、経営企画、入力者、閲覧者に分けて実施する。
  • 定着測定:期限遵守や集計時間などを、3・6・12か月後に測る。

日程と変更管理を決めておくと、組織改編や新製品の追加があっても、レポートが壊れるリスクを抑えられます。入力者向けの研修では、自部門の例で前年実績を確認しながら予算を入力し、差し戻しに対応するところまで演習します。

経営層には、画面の見方、数字の定義、更新時期、未確定データの扱いを共有します。入力した数字が会議でどう使われるかを示すと、利用率を高めやすくなります。

定着を示す指標には、期限遵守率と差し戻し回数、集計・資料作成時間があります。さらに、差異特定の時間や、システム外のExcel数も使えます。測定後は、使われない帳票や項目を減らします。

2026年の経営管理ではAI分析や人員計画も進みますが、予測を人が検証し責任者が判断する運用を先に整えておきます。

ポイント

次の段階へ進むかは、各段階の完了条件を満たしているかで判断します。完了条件が曖昧なまま進むと、要件が膨らんだまま次の工程に入りやすくなります。

経営計画システムの費用相場とコストの内訳

小規模クラウド、複数部門クラウド、EPM・パッケージ、スクラッチの推定初期費用レンジを横棒で比較した図。
対象範囲が広くなる方式ほど、初期費用の上限も大きくなります。

費用を比べるには、製品の月額以外の要素も見る必要があります。費用が変わるのは、ユーザー数、部門・子会社数、フォーム、連携、過去データの移行などです。

帳票、権限、導入支援、研修、保守も、費用に影響します。費用は一律の価格ではなく、要件に応じて増える費目を積み上げて考えます。

導入パターン別の費用相場

下記は、リサーチノートに基づく2026年時点の推定レンジです。方式や対象範囲によって、費用と期間は異なります。

  • 小規模クラウド:初期20万〜100万円程度、月額3万〜15万円程度、1〜3か月。
  • 複数部門クラウド:初期100万〜500万円程度、月額10万〜50万円程度、2〜6か月程度。
  • EPM・パッケージ:初期500万〜2,000万円程度、3〜9か月程度。
  • スクラッチ:初期1,000万〜4,000万円以上、6〜18か月以上。

小規模クラウドは、1〜3部門、会計連携1〜2本、標準帳票を前提にします。複数部門クラウドは、これに複数部門のワークフロー、KPI、API連携、研修を加えた構成です。

EPM・パッケージは、グループ予算、複雑な配賦、シナリオ、移行、レポートを含みます。スクラッチは、独自ロジック、複数基幹システム、子会社・海外拠点、厳格な統制を含む場合です。

連携の本数とテストの範囲が増えると、画面数以上に工数が増えます。比較記事には、初期15万円、年間10万円という最低料金の例もあります(出典:BOXIL「予算管理システムの費用相場」、2025年調査掲載)。

この例は最低料金であり、支援、移行、連携開発、研修を含む総額とは限りません。比べるときは、利用人数と導入作業の範囲をそろえます。

初期費用とランニングコストの内訳

初期費用と継続費用は分けて考えます。見積書では、作業範囲と納品物、契約条件を確認します。

  • 初期費用:要件定義、環境、マスタ、画面、連携、移行、テスト、研修。
  • 継続費用:基本料、ライセンス、クラウド、保守、サポート、更新、変更。
  • 補助金:対象要件、補助率、発注時期、登録事業者の確認。

初期作業には、組織・勘定科目マスタの整備やAPI・CSV連携、過去データの移行も含まれ、見積もりの範囲に入るかを確認します。さらに、追加のストレージやデータ連携基盤も、ランニング費用に含まれます。

見積書の「連携一式」に、項目定義、変換、エラー処理、監視、再送、テストが含まれるかも確認します。

Manageboardの公式料金ページは、初期のアカウント開設・環境構築費と基本料金を分けて示しています。また、ライセンス費用は、ユーザー数に応じて案内されています(出典: Manageboard公式料金ページ、2026年確認)。

契約期間や途中解約金も含めて、3年TCOを試算します。補助金を使う場合は、交付決定の前に発注・契約できるかも確認します。

デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠では、1プロセス以上の場合は5万円以上150万円未満です。4プロセス以上の場合は、150万円以上450万円以下です。補助率は1/2以内で、条件により2/3以内です。

対象になり得るのは、ソフト購入、最大2年分のクラウド、設定、研修、保守です。ただし、登録ITツールと支援事業者が前提になります(出典: 中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠」、2026年)。なお、スクラッチ開発費が自動的に対象になる制度ではありません。

導入期間と効果の測定

導入期間は、小規模クラウドの1〜3か月から、大規模スクラッチや複数基幹連携の6〜18か月以上まで幅があります。ただし、要件が複雑な場合でも、最初から全社を対象にする必要はありません。

  • 小さく導入:1事業部の予算・実績、会計連携1本、標準レポートから始める。
  • 効果測定:指標を決めて、導入前後の数字を比べる。

費用対効果は、集計時間だけでなく、会議までの期間、差異原因の特定時間、予算の修正回数で測ります。未提出や転記ミスの件数、施策判断の速さも指標に含めます。

測った結果を使うと、投資判断がしやすくなります。資料作成が月5営業日から2営業日に短縮できれば、経営企画の工数が減り、会議前に分析や対策を考える時間も増えます。

ポイント

見積金額を比べる前に、初期費用と継続費用、補助金の対象範囲をそろえているかを見ると、費用の判断を誤りにくくなります。

見積もりを取る際のポイントとチェックリスト

見積書で確認する要件定義、設計開発、変更管理の3項目を番号付きパネルに分けた図。
作業と変更の境界が明確だと、追加費用の発生条件も比べやすくなります。

見積もりは、金額より前提条件を比べます。そのために、RFPには現行業務、対象組織、利用者、データ、連携、帳票を書きます。さらに、権限、移行、研修、保守、納期、成功指標も記載します。

RFPの作成が難しい場合は、現行Excelと月次締めの手順書を渡して、ベンダーに不明点を挙げてもらいます。

見積書での要件と納品物の明記

見積書には、要件定義と設計開発の範囲、作業の単位、納品物を具体的に書きます。

  • 要件定義:ヒアリング、対象部門、業務フロー、要件一覧、RFP、基本設計。
  • 設計開発:画面、フォーム、承認、帳票、計算、マスタ、連携、権限、ログ。
  • 変更管理:追加費用の条件と、変更要求の承認手順。

要件定義では、ヒアリングの回数、ワークショップ、Excel分析、業務フロー、テスト仕様書を、納品物として明記します。

設計開発の納品物には、画面数、計算ロジック、API・CSV、テスト仕様書などを含めます。「設計書一式」とだけ書かれていると、納品内容を判断できません。

追加費用の条件と単価には、利用者や子会社の数、連携項目、帳票の追加、組織変更、移行年数を入れます。さらに、現場要望、法改正、時間外サポートも含めます。

変更要求は、受付、影響分析、承認、納期と費用の更新という手順で扱い、口頭の依頼だけで開発が進まないようにします。

複数社の同一シナリオでの比較

候補会社は3社以上を目安に、同じサンプルデータと業務シナリオでデモを依頼します。

  • 比較項目:要件適合度、標準機能、連携、設定変更、期間、初期費用、3年TCO、支援、保守、安全性、担当者の理解度。
  • 選定根拠:各社の専門性と、自社に近い導入実績の確認。

各項目を5点満点などで採点する場合も、低い得点がどの業務リスクにつながるかを記録します。

候補は、予実管理ならクラウド製品、連結・配賦ならEPM、ERP一体化なら大手SI、独自ロジックなら受託開発会社です。

会社の規模や知名度だけでなく、自社に近い組織数、データ量、運用頻度の事例を確認します。

セキュリティと契約条件の確認

財務計画には、業績、投資、人件費、顧客別収益などの機密情報が含まれます。そのため、セキュリティと契約条件を確認します。

  • アクセスと保護:SSO、多要素認証、IP制限、権限、操作・承認ログ、暗号化、脆弱性対応。
  • データ管理:保管場所、管理者権限、返却形式、保存元、検索性、監査時の出力方法。
  • 契約条件:SLA、保守時間、復旧目標、障害連絡、再委託、終了通知、返却、設定引継ぎ、削除証明、賠償範囲。

電子帳簿保存法やインボイス制度の要件が、計画画面に一律で適用されるとは限りません。そこで、取引データや証憑、仕訳の保存・処理先を、会計担当者と決めておきます。

国税庁が示す電子取引の情報を確認し、保存元、検索性、改ざん防止、監査時の出力方法を整理します。自社で変更する設定と、ベンダーへ依頼する変更を分けておくと、運用費用と対応速度を見積もれます。

ポイント

見積もりを比べるときは、金額の大小より前提条件と作業範囲がそろっているかを先に見ます。そろっていなければ、比較の前に条件をそろえ直します。

経営計画システム開発でよくある質問

適した進め方は、会社の規模だけでなく、計画の複雑さ、部門数、Excelへの依存度、連携、経営会議に必要な速さによって変わります。

Excelを残したまま経営計画システムを導入できますか?

導入できます。Excelに慣れた入力者がいる場合は、配布・回収・版管理をシステムで標準化し、実績をひとつの場所で管理する段階的な方法があります。

Excelを残す範囲と、システムを正本にする範囲を決めないと、二重管理が続いてしまいます。対象部門と期間を区切って集計結果の差を検証してから、広げます。

クラウドとスクラッチ開発はどちらを選ぶべきですか?

標準的な予算・予実管理を早く始めるならクラウド、独自ロジックや複雑な連携が欠かせないならスクラッチやEPMが候補になります。

また、クラウドやパッケージでMVP(Minimum Viable Product)を作り、不足する部分だけを追加開発する方法もあります。判断では、機能数よりも、3年後の運用や変更、データの返却、導入効果を測れるかを重視します。

経営計画システムの開発期間はどのくらいですか?

小規模クラウドは1〜3か月、複数部門の承認や会計連携を含む導入は2〜6か月、EPMや大規模連携は3〜9か月が推定の目安です。独自開発を含む場合は、6〜18か月以上になります。

期間は、要件の複雑さ、データ品質、意思決定の速さ、テスト担当者の確保によって変わります。期間を短くするには、MUSTを絞り、Excelとマスタを早く整理し、パイロットの合格基準を先に決めます。

機密性の高い経営データをクラウドに置いても安全ですか?

安全性は、クラウドかどうかだけでなく、認証、権限、暗号化、ログといった仕組みの組み合わせで判断します。バックアップや復旧、委託先、自社運用も見る必要があります。

契約前には、保管場所と再委託の扱いを確認します。障害通知と復旧目標、解約時の返却・削除は、契約書の条文で見ます。管理者権限の分担も、契約前に決めておきます。

IPAの第4.0版ガイドラインも参照しながら、セキュリティ、法務、経理の各部門と確認項目を合意します。

開発会社へ相談する前に何を準備すればよいですか?

予算・見込・実績のExcelと、月次締めの手順を準備します。組織図や勘定科目、KPIの一覧も、そろえておきます。会計・販売・人事の連携元も、あわせて用意します。

利用者と承認者、経営会議の資料、困っている作業、目標も、まとめておきます。RFPが完成していなくても、実際のファイルと業務の流れから確認事項を具体化できます。

予算策定日、希望時期、初期費用と月額の許容範囲、社内責任者を決めておくと、提案を比べやすくなります。

ポイント

進め方に迷ったら、計画の複雑さと経営会議に必要な速さを先に決めておくと、クラウドかスクラッチかの選択で迷いにくくなります。

経営計画システム開発の進め方まとめ

経営計画システム開発は、製品を入れるだけでなく、計画、実績、見込、KPIを同じ定義で扱い、経営会議の判断につなげる業務改善です。

要件整理、選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6段階で進めます。その際、要件、データ定義、連携、権限、成功指標をそろえておきます。

着手前のチェックポイント

着手前には、予算・実績・見込の定義と、対象部門、利用者を確認します。KPIと連携元、承認の流れも、この段階で押さえておきます。さらに、移行、セキュリティ、責任者、締め日の扱いも確かめます。

選定の際は、同じデータを使って標準機能と追加開発を分けたうえで、3年TCOで比べます。3年TCOには、初期費用、月額、連携、移行、研修、保守を含めます。

費用は、小規模クラウドの初期20万〜100万円程度から、スクラッチ・大規模連携の初期1,000万〜4,000万円以上まで幅があります。見積の根拠と前提は残しておきます。

小さく始めて効果を測ってから広げる進め方

全社最適を最初から目指すと、マスタの統合や例外要件の調整に時間がかかります。その結果、現場が使い始める前に、プロジェクトが疲弊することもあります。

  • 試行単位:1事業部または1予算サイクルから始める。
  • 測定項目:集計時間、報告日数、差異特定時間、未提出件数を測る。
  • 展開判断:標準機能と追加開発の範囲を見直して広げる。

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・経営計画システム開発の完全ガイド

試行の結果を見て、標準機能で続ける業務と追加開発する業務を分けたうえで、段階的に広げます。

成功させるには、数字の定義と責任者を決め、入力から意思決定までの流れを保つことが欠かせません。

自社のExcel、会計データ、経営会議資料を基にした業務シナリオを、候補会社に示します。

要件、費用、リスク、定着条件を同じ資料で比べると、納得できる開発計画を組み立てやすくなります。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。