経営計画システム開発の完全ガイド

経営計画システムは、管理する計画の粒度、意思決定の流れ、実績データとの連携方法を整理すると、予算から見込やKPIまで一貫して管理できます。

機能、導入方式と進め方、費用、選定時の確認点を一通り扱います。各テーマの詳しい内容は、関連記事もご覧ください。

▼関連記事一覧
・経営計画システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・経営計画システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・経営計画システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・経営計画システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

経営計画システムの定義と役割

経営計画システムを中心に、各部門の計画と実績を比べて次の見込や施策につなぐ関係図。
計画と実績の照合が、次の見込や施策へつながる構造です。

経営計画システムは、経営企画部門や各事業部の計画を集め、会計などの実績と比べる仕組みです。

比べた結果を次の見込や施策に反映させ、「これからどうするか」という管理会計・経営管理を支えます。一方で、単に仕訳を記録する財務会計システムとは、目的が異なります。

中長期計画から日々の見込更新までの範囲

管理の対象は、3年から5年程度の中期経営計画だけではありません。年度予算や部門別の売上・利益計画、人員・投資・資金計画も管理できます。

  • 月次の着地見込み:実績を見ながら、将来の見込を更新する業務です。
  • 製品・プロジェクト単位のKPI:意思決定に使う計画数値の管理です。

計画作成、実績取込、差異確認、見込更新の流れを繰り返せる設計かどうかが大切です。

サービス名は、経営管理システム、EPM、FP&A、予算管理システム、管理会計システム、経営ダッシュボードなどさまざまです。

サービスを比較する前に、管理したい計画の粒度と意思決定の流れを決めておきます。

予算管理・ERP・BIとの役割の違い

それぞれの役割は、対象とする管理業務ごとに比べると見えてきます。

  • 予算管理システム:年度予算の入力、承認、集計、予実比較が中心です。
  • 経営計画システム:中期計画、ローリングフォーキャスト、非財務KPI、複数シナリオ、資源配分も扱います。
  • ERP:会計、販売、購買、在庫、人事などの基幹データをまとめて管理する仕組みです。
  • BI:複数のデータを見える形にして、分析する役割です。

予算管理が必要な場合でも、初めから高度なEPM機能をすべて入れる必要はありません。

経営計画システムは、ERPや会計から受け取った実績をもとに、予算や見込、業務上の前提を経営判断に使える形に整えます。

三者は競合するものではなく、連携して使う関係です。

ポイント

経営計画システムかどうかは、計画と実績を比べ、その結果を次の見込や施策に反映できるかで見分けます。予算入力だけを担うツールか、見込や施策まで回す仕組みかを並べると、候補を絞りやすくなります。

経営計画システムの主な機能

計画作成、実績取込、差異確認、見込更新を循環で示した図。
差異の確認結果を次の見込へ反映する循環です。

主な機能は、数値の入力に加えて、提出者・基準・期限を管理し、実績と結び付けて差異を見つけ、施策の結果を次の計画に反映するところまでを含みます。

予算編成とワークフローの一元化

入力フォームの配布や期限通知、差し戻し、承認は、システムで管理できます。確定版の保存もシステムで管理できます。一方、メールで別々のExcelを回収する運用では、版の取り違えや計算式の変更、未提出の見落としが起こりやすくなります。

  • 入力基準:項目、単位、期間、勘定科目の決まりです。
  • 管理単位:部門や製品などの切り口の統一です。

基準がそろっていると、回収後の整形作業も減らせます。

2026年には、Excelのフォーマットを画面で設計・割り当てし、入力済みのファイルを取り込む機能が発表されています(出典:国内クラウド経営管理サービスの機能発表、2026年)。

現場に慣れたExcelを残しながら、入力の型と回収・集計を標準化する考え方です。

予実管理・KPI分析・シミュレーション

実績と計画を照らし合わせ、差異や将来の見込みを複数の観点から捉えます。

  • 予実比較:会計や販売管理の実績を、予算、着地見込、前年数値と並べて見る機能です。
  • 差異分析:数量、単価、顧客、製品、拠点、部門まで掘り下げ、差異を次の行動につなげます。
  • ローリングフォーキャスト:月次または四半期ごとの将来期間の更新です。
  • KPI連携:人員数、採用、稼働率、顧客数、案件数などを、売上・利益・キャッシュフローと組み合わせます。
  • シナリオ比較:価格変更、採用増、投資延期などの前提を比べ、計画の妥当性と資源配分を検討します。

AI分析機能は、要因の探索や資料作成を補助します。

最終判断は人が行う設計にしておく必要があります。

Excel運用から経営計画システムへ移行するメリット

Excelは柔軟で、少人数の計画管理や試算に向いています。一方、部門や計画の切り口が増えると、配布・回収・転記・統合に時間がかかり、計算式の属人化や版管理の問題も起こります。

システム化の狙いは、数字の定義、権限、承認、データ連携を共通ルールとして運用することです。Excelを使えなくすることが目的ではありません。

集計と会議資料作成の時間短縮

計画と実績を同じデータ構造で管理すると、月次集計や会議資料の作成を自動化しやすくなります。そのうえで、導入前と導入後で効果を比べる指標を、あらかじめ決めておきます。

  • 作業時間:入力依頼から回収完了までの時間。
  • 報告日数:締め日から経営会議までの日数。
  • 差異確認:差異理由の特定にかかる時間。
  • 処理件数:未提出や差し戻しの件数。

「便利になった」という感想だけでなく、数値で効果を測っておくと、次の改善投資を判断する材料になります。

差異の原因と次の打ち手の共有

経営会議では、結果だけでなく、計画との差が出た理由や、差異が一時的か継続するかを同じ数字で議論します。施策への配分も、同じ場で検討します。

部門別の見込と実績を同じ定義で確認できると、次の効果が得られます。

  • 資料作成:資料の作り直しを減らせます。
  • 原因と対策:その検討に時間を使えます。

システムを入れるだけで、意思決定の質が上がるとは限りません。

売上の定義や利益の配賦ルールが曖昧なままだと、システム上でも数字はそろいません。予算責任者や見込更新期限が曖昧な場合も同じです。そのため、導入の前に業務ルールを整理し、運用を標準化しておきます。

経営計画システムの種類と選び方

方式は、クラウド型、パッケージ型、スクラッチ開発、ハイブリッド型から選びます。選ぶ際は規模だけでなく、計画ロジックと既存連携も比べます。子会社・拠点数、運用人員、許容期間も判断材料になります。

クラウド・SaaS型の特徴と向く場面

クラウド型は、サーバーの調達や大規模な保守を自社で抱えにくい方式です。標準機能で短期間に始めやすく、共通性の高い業務から導入する場合に向いています。

  • 実績取込:会計データなどを取り込む。
  • 予算管理:予算の入力と承認を行う。
  • 予実比較:予算と実績を比べる。

料金は、月額だけでなく、初期設定、ユーザー追加、データ連携まで含めて確認します。

帳票追加、導入支援、解約時のデータ出力も、料金の確認対象に入ります。

パッケージ・EPM型の対応範囲

パッケージやEPM型は、連結や配賦、管理会計の機能を持つことが多い方式です。

グループ会社の予算管理や複数シナリオも、機能として含まれる場合が多くあります。

大規模組織や複数通貨・複数基準を扱う企業では、候補に入ります。ただし、標準機能と追加開発の境界が曖昧だと、費用や期間が膨らみます。そのため、将来の更新後も維持できる設定かどうかを確かめます。

スクラッチ・ハイブリッド型の位置づけ

独自の要件が強い場合は、スクラッチやハイブリッド型が選択肢になります。

  • 対象:業界固有の収益計算、独自配賦、複雑な人員計画、既存基幹との深い連携(いずれも競争力に直結する場合)。
  • 開発の進め方:自由度は高い一方、要件が曖昧だと変更や手戻り、納期遅延が起きやすいため、小さなMVP(Minimum Viable Product)から作る。
  • 検証方法:1事業部・1つの予算サイクルで試し、検証後に広げる。入力フォームや部門別帳票だけをローコードで追加する方法もある。
  • 運用条件:会計連携やデータ基盤に既存資産を使う場合でも、権限、監査ログ、性能、保守、終了時の移行性を見る。

ローコードの追加は、短期検証の手段として使えます。ただし、試作の段階から、担当が代わった後の保守を含めて運用条件を確かめておきます。

ポイント

独自ロジックを持つ必要があるかを先に決めると、クラウド型、パッケージ型、スクラッチ開発のどこから候補を絞るかが決まります。

経営計画システム開発・導入の進め方

経営計画システム導入を要件定義、データ設計、運用検証、本稼働後の定着に分けた4段階の図。
前段階の成果を次の判断につなげながら進みます。

業務に製品を合わせる前に、計画サイクルを整理して方式と製品を選びます。

導入の流れは、要件定義とデータ設計から始め、設定・開発、テストとパイロットを経て、本稼働と定着化へ進みます。

各段階では、意思決定を担う人と、その段階で出す成果物を、先に明確にしておきます。

手順の詳細は、経営計画システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順で確認できます。

1. 現行業務の整理と要件定義

要件定義では、今の業務のやり方と、達成したい成果を明らかにします。

  • 業務の整理:作成者、承認者、実績の提供元、会議指標、締め日から報告までの期限。
  • 資料とルール:現行Excel、計算式、入力項目、帳票、配賦ルール、権限、移行する過去データの年数を一覧にする。
  • 優先順位:MUSTとWANTを分け、RFPにはセルが表す業務ルールも記載する。ファイルの添付だけでは、要件は伝わりません。
  • 成果目標:「AIで予測したい」は、月次見込を3営業日以内に更新、部門別の予算差異を5分以内に確認などの成果に置き換える。
  • 評価方法:会議資料の作成時間を現状の半分にする目標も例になります。成果で表すと、製品比較と導入後の評価を進めやすくなります。

2. データ連携とマスタの責任者

データ設計では、どのシステムを正とするかと、誰が管理の役割を担うかを決めます。

  • 連携元:会計、販売、人事、勤怠、CRM、DWHのうち、正とするシステム。
  • 連携とマスタ:連携の頻度(日次・月次)、コード変換や欠損値の確認担当、部門・勘定科目・製品・顧客・プロジェクト・通貨・期間それぞれの責任者。
  • 移行データ:分析に必要な期間と粒度を決め、重複、名称の揺れ、締め処理の違いを確認して、移行後の残高や集計値を照合する。
  • エラー対応:連携エラーの通知先と再処理期限を決め、本稼働後の混乱を抑える。

画面の使いやすさに加えて、正しいデータを安定して取り込めるかも成否を左右します。

過去の数値をすべて完璧に移すことが目的ではありません。

3. テストとパイロットによる運用の検証

テストでは、画面の動きだけでなく、実際の予算サイクルを再現して確かめます。

  • 業務シナリオ:入力、差し戻し、承認、実績取込、予実比較、差異分析、見込更新、帳票出力、閲覧権限。
  • 例外ケース:通常月に加えて、組織変更、勘定科目の追加、計画版の変更、連携遅延、入力期限超過も試す。
  • パイロット:全社展開の前に1事業部か1つの予算サイクルで行い、入力時間、回収遅延、差し戻し件数、資料作成時間、問い合わせを測る。
  • 調整:要望をすべて追加するのではなく、結果をもとに画面や業務ルールを直す。共通ルールと部門ごとの例外は分けて判断する。

4. 本稼働後の定着と改善の設計

マニュアルを渡すだけでは定着しにくいため、予算編成の前に研修を行い、入力期間中は問い合わせ窓口を設けます。承認者の確認手順や、月次の利用状況レビューも用意します。

組織変更や指標追加に備えて、マスタ更新と権限変更の申請ルールを決めます。帳票追加や連携エラー対応についても、同じように決めておきます。

KPIとして見る場合は、ログイン数だけでは足りません。

  • 業務の速さ:予算作成のリードタイムと会議までの日数。
  • 更新の質:見込更新頻度と差異理由の記入率。
  • 利用状況:入力遅延とシステム外資料の数。

システム外のExcelが増えたときは、機能の不足に加えて、入力ルールや権限設計も調べます。

ポイント

各段階の成果を次の判断材料にできているかが、導入の進み具合を測る目安になります。製品の選定も、この流れの中で判断します。

経営計画システムの費用相場と開発期間

料金は、利用者数、部門・子会社数、KPI、連携本数で変わります。データ移行や導入支援、追加開発の有無も費用に影響します。そのため、最低料金ではなく、初期設定から運用までの総保有コストで比べます。

次に示す数字は、近接する予算管理・EPM市場と開発工数を踏まえた推定の目安です。個別案件の確定価格ではありません。

経営計画システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

経営計画システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

規模別の初期費用と月額の目安

費用と導入期間は、方式や機能、連携範囲によって変わります。

  • 小規模クラウド:1〜3部門、会計連携1〜2本、標準帳票中心なら、初期20万〜100万円、月額3万〜15万円程度。期間は1〜3か月。
  • 標準クラウド:複数部門のワークフロー、KPI、API連携、研修を含めると、初期100万〜500万円、月額10万〜50万円程度。期間は2〜6か月。
  • パッケージ・EPM:グループ予算、配賦、シナリオ分析、複数帳票、移行を含めると、初期500万〜2,000万円程度。期間は3〜9か月。
  • スクラッチ等:大規模開発や複数基幹連携では、初期1,000万〜4,000万円以上、期間6〜18か月以上になることがあります。

いずれも、要件と体制によって変わる推定値です。

見積のTCOと補助金の条件

見積は、初期費用と運用費用を分けて、利用期間全体で比べます。

  • 導入項目:ライセンス、月額、環境構築、初期設定、マスタ整備、移行、連携開発、帳票作成を見る。
  • 運用項目:テスト、研修、保守、サポート、追加ユーザー、将来の改修も見積に含める。
  • 契約期間:3年または5年の費用の合計。契約更新や解約時のデータ出力も含めて考える。
  • 補助額:2026年通常枠は、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下。補助率は原則2分の1以内。
  • 対象と条件:対象経費と申請要件。

補助金は条件を確かめてから扱い、値引きとして先に計算に入れないようにします。

対象になり得るのは、ソフト購入費と最大2年分のクラウド利用料です。導入設定、研修、保守なども、対象として含まれ得ます(出典:デジタル化・AI導入補助金2026通常枠、中小企業基盤整備機構、2026年)。

申請は、登録ITツールと支援事業者を通じて行うのが前提です。また、交付決定の前に発注しないなどの条件もあります。

ポイント

費用は、推定の金額だけで比べると後から追加費用が出るおそれがあります。利用者数や連携範囲、移行の有無をそろえた総額で比べることが、判断の目安になります。

データ連携・セキュリティ・法令対応の確認ポイント

経営計画には、利益見込みや投資、採用などの機密情報が含まれます。人件費や事業撤退に関する情報も、同じく機密です。

そのため、方式だけでなく閲覧者と変更履歴も確認します。障害時の復旧と契約終了時のデータ返却も、あわせて確かめます。

認証・権限・ログ・復旧の確認項目

認証規格を持つかどうかに加えて、認証から復旧まで、双方がどこを管理するかを確かめます。

  • アクセス:SSO、多要素認証、最小権限、部門・会社別の閲覧制御、IP制限の有無。
  • 記録と保護:暗号化、操作ログ、承認履歴、バックアップ、脆弱性への対応。
  • 障害・委託先:障害通知、復旧目標、再委託先の管理を見たうえで、双方の責任を契約書や運用資料で定める。
  • 指針とRFP:ガイドラインの内容を、RFPの要件に反映する。

中小企業向けの情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版は、2026年3月に公開されました。クラウド利用に関する付録もあります(出典:独立行政法人情報処理推進機構「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」、2026年)。

RFPには、扱う情報と利用者を具体的に書きます。運用ルールや事故時の連絡方法も、同じように具体化しておきます。

電子帳簿保存法との関係の切り分け

計画入力と取引記録は、連携データの扱いをそろえたうえで、保存要件と責任範囲を分けて考えます。

  • 計画入力:経営計画システムの入力画面に、電子帳簿保存法の要件が一律にかかるわけではありません。
  • 取引記録:電子取引の注文書・請求書、会計システムの仕訳・証憑は、別途保存要件を確認する。
  • 連携と履歴:保存対象、連携内容、訂正・削除履歴。

国税庁は、電子取引データの保存に関する案内と、2026年7月版のQ&Aを公開しています(出典:国税庁「電子取引関係」「電子帳簿保存法一問一答」、2026年)。

法務、経理、情報システムの各部門で、計画値と証憑・仕訳の責任範囲を混同しないように確かめます。

経営計画システムの開発会社・ベンダーの選び方

開発会社は、知名度や機能数だけでなく、計画サイクルを理解し、導入後の運用まで支援できるかで比べます。得意分野がクラウド、EPM・会計基盤、独自開発のどれかによって、費用や期間、契約後の責任範囲が異なります。

自社に近い業務・規模の実績

導入社数だけでなく、必要な業務の経験を確かめます。予算編成と予実管理、連結と配賦の経験に加えて、人員計画や非財務KPIも見ます。

事例は、事業部や子会社、入力者の数が近いものを聞きます。会計システムや海外拠点、Excelの残し方が近いかも確かめます。

期間や運用担当が近いかも確かめます。そのうえで、どこまでが標準機能で、どこから追加設定や開発が必要だったかも質問します。

提案内容と見積前提の比較方法

同じ要件と業務シナリオを使って、提案の前提と実際の操作を比べます。

  • 提案条件:同じ要件書を渡し、機能、方式、期間、体制、費用、保守範囲を同じ形式で出してもらう。
  • 見積範囲:安く見えても、移行、テスト、研修、連携、帳票、運用設計が別料金なら費用は増える。含む範囲、利用者作業、変更単価、納品後の保守を明記する。
  • 操作デモ:自社のExcelを使い、計画入力、承認、実績取込、差異分析、見込更新を再現して、入力者・承認者・経営者の操作を確かめる。
  • 帳票と権限:必要な帳票の作成手順や、権限変更後に見えなくなる情報を確かめ、導入後のギャップを減らす。

導入後の支援と契約条件

契約の前に、稼働後の運用支援と評価体制を確かめておきます。

  • 契約条件:設定変更の範囲、問い合わせ時間、障害連絡、復旧目標、更新の影響、追加開発、データ返却の形式。
  • 支援期間:年1回の予算編成だけでなく月次の見込にも使うため、導入支援が一度きりか、運用改善まで含むかを見る。
  • 評価表:機能、価格、期間、支援体制、セキュリティ、データ可搬性に重みを付ける。

評価項目では、予算編成への適合度、会計連携、KPI分析を見ます。さらに、現場の入力しやすさや設定変更のしやすさ、権限も加えます。また、保守費用と解約時の条件も含めます。

判断するときは、経営企画と経理の視点に、事業部、情報システム、監査・法務の視点も入れます。関連する会社選びの情報は、経営計画システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方で確認できます。

ポイント

提案の前提がそろっているかを先に見ると、価格差の理由が分かります。費用や期間だけでなく、導入後の運用支援まで比べると、契約後に困りにくくなります。

導入でよくある失敗と対策

失敗の原因は、機能の不足だけとは限りません。目的が曖昧な導入や、Excelの複雑な再現も挙げられます。加えて、現場への説明の遅れや、運用責任者の不在といった組織面の問題もあります。

既存Excelの再現にこだわりすぎる失敗

見た目や計算式を完全に再現しようとすると、標準機能で済む業務まで個別開発になり、保守が難しくなります。そのため、残すべきなのは見た目ではなく、経営判断に必要な計算ロジックと管理単位です。

入力項目を標準化したうえで、差別化につながる部分だけを追加開発します。

現場が使わずシステム外の資料が増える失敗

入力者の手間が増えると、締切直前の入力や、別のExcelからの転記が起きます。そのため、導入の前に現場の入力負担を測っておきます。

入力項目を絞り、前年実績や予算を見ながら入力できる設計にします。

研修では、機能の説明よりも、実際の予算作成を一緒に行います。

運用責任者が決まらない失敗

部門や勘定科目が変わるたびに、マスタの更新、計画版の管理、入力期限の調整が必要になります。

本稼働の後に業務ルールとデータ品質を管理する責任者を決めておきます。

そのうえで、経営企画、経理、情報システムの役割をRACIなどで整理しておくと、問い合わせや変更依頼が滞るのを防げます。

よくある質問

適した導入方法は、会社の規模や既存業務によって変わります。導入前によく寄せられる質問を、順に取り上げます。

経営計画システムはどのような会社に必要ですか?

部門別Excelの回収や手作業の集計に毎月時間がかかり、予算と実績の差異理由をすぐに確かめられない会社に向いています。

従業員数が少なくても、複数の事業や拠点があり、プロジェクト別の採算や人員計画が複雑な場合は、部分導入の効果を検討できます。

Excelを完全にやめる必要はありますか?

Excelを完全にやめる必要はありません。既存の入力習慣を活かして、Excelを取り込むこともできます。入力の型、承認、回収、集計、権限はシステムで標準化できます。

ただし、重要な計算式や確定値を個人のファイルに残すと、版管理や転記の問題が再び起こります。そこで、システム上の正データを決めておきます。

導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

標準機能が中心の小規模クラウドは1〜3か月、複数部門の連携や研修を含む場合は2〜6か月程度が推定の目安です。

EPMや複数基幹との連携、独自ロジック開発を含む場合は3〜9か月、スクラッチ開発は6〜18か月以上かかることがあります。

データ整理や社内の決定が遅れると、期間も延びます。そのため、製品の設定期間だけで計画を立てないことが大切です。

AIで経営計画を自動作成できますか?

AIは、過去データの傾向分析、差異要因の候補、シナリオ作成を補助できます。会議資料の下書きも補助できます。ただし、将来計画を無条件に正しく作れるものではありません。

勘定科目や組織マスタが不統一だと、分析の前提が崩れます。そこで、予測の根拠と利用データ、誤差の確認方法を決めておきます。最終承認者を定め、人がレビューします。

財務データをクラウドに置いても安全ですか?

安全性は、クラウドか自社運用かだけでは決まりません。確認するのは、多要素認証、最小権限、暗号化などです。さらに、操作ログやバックアップ、復旧目標も見ておきます。

委託先の管理や契約終了時のデータ返却も評価します。自社側のアカウント管理と権限も、洗い出して評価します。また、機密情報の扱いと、事故時の連絡・復旧手順は、事前に文書にまとめておきます。

まとめ

経営計画システムは、予算の入力だけでなく、中長期計画や年度予算、実績をつないで経営判断を支えます。見込、KPI、シナリオも同じ仕組みで扱えます。Excelそのものを問題にするより、集計の時間や数字の定義など、負担のある場所を明らかにします。

自社の課題と規模に合う方式の選び方

標準的な予算・予実管理を早く始めるならクラウドを、連結や配賦が必要ならパッケージ・EPMを検討します。独自ロジックが競争力に直結する場合は、スクラッチやハイブリッドが候補になります。

費用は、初期料金や月額だけでなく、連携、移行、研修、保守、データ返却まで含めた総額で比べます。

最初の対象は1事業部・1予算サイクル

全社の要件を初めから盛り込むと、費用と期間が増え、利用の開始も遅れます。そこで、1事業部または1つの予算サイクルから着手します。

入力回収時間、報告までの日数を測り、効果を確かめてから対象を広げます。差異理由の特定時間と利用率も、あわせて見ておきます。

業務ルールとマスタの責任者を決め、セキュリティと運用まで計画しておくことが、定着につながります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。