化学物質管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

化学物質管理システムの開発会社は、管理対象、法規制対応、既存システムとの連携の3点で比べると、自社の業務に合う会社を選びやすくなります。

選定が重要な理由と6社の特徴、比べるときの確認点を順に説明します。全体像は化学物質管理システム開発の完全ガイドをご覧ください。

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・化学物質管理システム開発の完全ガイド

化学物質管理システムのパートナー選びが重要な理由

職場の化学品、製品含有物質、PRTRを3枚のカードで示す図。
対象領域によって、必要なマスタと業務フローが変わります。

化学物質管理システムは、化学物質、製品、工程をつなぐ仕組みです。単なるPDFの保管庫ではなく、情報どうしの関係を扱い、ほかに次の対象も結び付けます。

  • 原料
  • 部品
  • 拠点
  • 取引先
  • 法規制

また、いつ、どの情報に基づいて判断したかを追跡する仕組みでもあります。選定時は、画面の使いやすさに加えて、データモデルと法規制情報の更新体制も確認します。

管理対象を決めずに選ぶと生じる機能の過不足

「化学物質管理」は、少なくとも3つの領域に分かれます。職場の化学品、製品含有物質、PRTRがそれにあたります。領域ごとに必要なマスタと業務フローが異なるため、どの領域を対象にするかで、必要な機能も変わります。

  • 職場の化学品:台帳、SDS、ラベル、GHS分類、リスクアセスメントなど。
  • 製品含有物質:BOMと物質のひも付け、chemSHERPA、RoHS、REACH、顧客独自基準による判定。
  • PRTR:事業所・工程・年度ごとの使用量、排出量、移動量の集計。

職場の化学品管理では、教育や保護具、ばく露結果も対象になります。

たとえば、SDS検索が目的の企業がBOM管理に強い製品を選ぶと、運用が複雑になることがあります。また、文書保管が中心の製品では、仕入先調査の進捗を追えない可能性もあります。

まず、対象領域を決め、その領域で導入実績のある会社を比べることが大切です。

発注前に確認する法規制・データ・連携の責任範囲

職場の化学物質管理に関する制度も更新されており、厚生労働省によると、2026年4月にはリスクアセスメント対象物質が約2,900物質まで拡大されました。

2025年公布の改正法には、SDS通知義務違反の罰則や、2026年10月からの個人ばく露測定に関する規定が示されています(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく化学物質管理に関する説明会」、2026年)。

導入時の対応状況に加えて、法規制マスタを誰がいつ更新するかも、契約前に確認しておきます。

  • 法規制の更新責任:更新担当者と時期の取り決め。
  • 既存データ:取り込み形式とデータ品質。
  • 依頼範囲:移行や連携などの費用を分けた見積もりの範囲。

既存のデータをどの形式で取り込めるかも重要です。Excelや紙のSDS、PDFに加えて、ERPやPDM、購買システムのデータも取り込みの対象になります。CAS番号の揺れや旧版SDSが残っていると、検索や判定の信頼性が上がりにくくなります。

含有率が分からない原料や重複した部品番号も、データ品質を下げる要因になります。そこで、見積書ではデータ移行、名寄せ、API・CSV連携の費用を分けて確認します。教育や保守の費用も、同じ考え方で分けておくと比べやすくなります。

ポイント

対象領域と法規制の更新責任を先に決めておくと、各社の提案を同じ条件で比べられ、自社業務に合うかどうかを判断できます。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

株式会社riplaは、コンサルティングから開発まで一貫して支援する企業です。IT事業会社として社内DXを推進した経験を活かして、ビジネス成果とシステム定着の両面から支えます。

営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があります。そのうえで、企業ごとの業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

化学物質管理では、業務部門の台帳と情報システム部門の基幹データをつなぐ設計が欠かせません。そのため、riplaは製品を先に固定せず、現行業務や管理対象を整理します。

  • 段階的なシステム化:必要な範囲から着手する進め方。
  • 複数システムとの連携:基幹データをつなぐ設計。
  • 定着を見据えた運用:権限と変更履歴の設計。

riplaは、データ項目や画面、権限、通知を設計します。SDS、製品含有、PRTRのどこから始めるかが決まっていなくても、業務課題を要件に落とし込めます。

販売・生産管理、購買、顧客管理などと連携させ、化学物質管理だけを切り離さずに進めます。また、登録者、承認者、閲覧者を分け、現場が日常業務で情報を更新できる運用を目指します。

得意領域・実績

riplaは、業務要件に合うシステム開発・導入を検討している企業に向いています。

  • 業務要件に応じた開発:専用パッケージに限定しません。
  • 外部データとの連携:外部情報をどこまで使うか。
  • 運用・更新範囲:必要な管理領域に応じた確認。

化学物質データベースや法規制情報、chemSHERPAなどを利用して、自社の製品・原料・拠点データと連携する場合は、要件定義の段階で対応範囲を確かめます。

専用製品の標準機能や法規制データの提供範囲、個別の導入実績は、対象業務と規模によって異なります。

SDS台帳だけにするか、含有化学物質の判定やPRTR集計まで含めるかを伝えたうえで、外部データ連携、運用保守、法改正時の更新方法を確認してください。

株式会社日立製作所|SDS・PRTR・法規制の統合管理

株式会社日立製作所は、EcoAssistシリーズとして化学物質統合管理ソリューションを提供しています。

公式サイトでは、Chemilution-Pro、Chemilution、PRTR-WORLDを掲載しています。

REACH規制、GHS、PRTR制度、グリーン調達の情報を一元管理するソリューションで、大規模製造業や複数拠点の企業が、製品・環境・安全衛生の情報を横断して管理する候補になります。

特徴と強み

日立のChemilutionは、法規制やグリーン調達情報の収集、管理、開示を支援します。製品の情報を規制や数量と結び付けて扱える点が、特徴の一つです。

  • 業務機能:SDS・ラベル作成、規制判定、PRTR集計、リスク評価。
  • 情報の関連付け:組成、SDS、GHS、法規制、数量。
  • 統合管理:環境法規制と製品情報を同じ基盤で扱う。

職場の事前評価と、環境・品質保証部門の承認を一体で運用したい企業に適しています。

経済産業省は、化管法について、PRTR制度とSDS制度を柱に自主的な化学物質管理を促す法律と説明しています(出典:経済産業省「化学物質排出把握管理促進法」、2026年)。

PRTRの排出量や移動量を拠点や工程ごとに集計する場合は、数量データの履歴と集計ロジックが重要です。

得意領域・実績

日立にはプライムポリマーの導入事例があります。分散していた原料・製品・MSDS情報をまとめ、文書管理や規制チェックと連係させた事例です。複数部門の情報を統合する考え方を知る材料にもなります。

  • 導入事例の確認:事例の内容と掲載時期。
  • 対象企業との適合:数量管理や複数拠点の要件に合うか。
  • 見積もり条件:対象規模と運用要件を具体化する。

掲載時期の古い事例も含まれているため、導入事例は掲載時期と現行の提供範囲を照合します。現在の提供形態やサポート範囲は、提案の時点で確認してください。

化学品・素材メーカーや複数拠点の企業、PRTR・化審法の数量管理を重視する企業に向いています。

見積もりでは、拠点数や製品・原料の点数、基幹システム連携を確認します。SDSの多言語化や法規制データの更新費、ユーザー権限と監査ログの範囲も、あわせて確かめます。

ポイント

機能の広さと導入事例の新しさを両方見て、PRTRの集計や複数拠点の要件に合うかを判断するのが、日立を比べる要点です。

日本電気株式会社(NEC)|BOMと含有化学物質をつなぐPLM連携

日本電気株式会社(NEC)は、PLM・PDMシステムObbligatoの含有化学物質管理ソリューションを提供しています。このソリューションは、製品構成、つまりBOMを取り込む仕組みです。

仕入先へ部品の化学物質調査を依頼し、回答を登録して、製品単位の含有量を集計します。設計・生産の情報と環境コンプライアンスを結び付けたい製造業に向いています。

特徴と強み

ObbligatoはchemSHERPAの成分・遵法判断情報を積み上げて集計し、RoHS指令やREACH規則などの判定を支援します。

  • 調査形式:複数様式の回答情報に対応。
  • 利用形態:導入型とSaaSから検討できます。
  • 個別要件:再判定や連携の範囲。

JAPIAシート、AIS、JGPSSIは、対象として案内されています。MSDSplusや独自フォーマット、CMRTも、対象として挙げられています。

導入型パッケージに加えて、Obbligato for SaaSも案内されています。環境法規制や調査様式の変更に対応しやすいクラウド利用を検討できます。

運用負担を抑えたい場合でも、BOM構造や製品バリエーション、設計変更時の再判定が必要なら、SaaSの標準範囲と、個別に連携する部分を分けて確認します。

得意領域・実績

NECは、電子機器や精密機器、自動車部品など、設計BOMと購買・生産BOMの関係が複雑な企業の候補になります。

設計の段階で含有情報を参照しておけば、規制に適合しない部品を量産後に見つける手戻りを抑えられます。

  • PLMの適合性:導入範囲が業務規模に合うかどうか。
  • 製品・設計の条件:構成点数と変更頻度の整理。
  • 調査と連携:仕入先数、回答率、既存PLM・ERPとの関係。

アルパインなどの導入事例も公開されています。製品技術情報の一元管理と含有化学物質管理を、あわせて検討できます。

SDSの作成や配布から始めたい企業には、PLMの導入範囲が大きく感じられることがあります。そのため、整理した条件をもとに相談すると、必要な機能と費用を分けて考えやすくなります。

ポイント

PLMやBOMとの連携を求める製造業は、NECを比べる候補になります。SaaSと導入型のどちらで進めるかは、BOM構造や設計変更時の再判定の範囲で判断します。

日本ケミカルデータベース株式会社(JCDB)|SDS作成と法規制判定の効率化

日本ケミカルデータベース株式会社(JCDB)は、化学物質データと法規制情報を基盤に、SDSの作成と管理を支援しています。クラウド型ツールとして、ezSDSを提供しています。

ezSDSは、NITEのGHS分類データや化学物質・法規データを利用します。

JIS Z 7252・JIS Z 7253に沿ったSDS・ラベル原案やGHS自動類推を案内しています。さらに、法規制判定や配合分解、外部データの取り込みにも触れています。

特徴と強み

JCDBは、化学物質データと法規制チェックの両面からSDS作成を支援します。原料や製品の組成入力、海外向け文書、多数製品の版管理を効率化したい企業が検討できます。

  • SDS作成:作成時に使う機能の範囲。
  • データ化サービス:別サービスとして案内される機能。
  • 導入前の確認:自社の様式と件数での検証。

SDSの成分や危険有害性、ばく露防止、適用法令などを、再利用できるデータとして管理できます。

別サービスでは、SDSをまとめてアップロードし、AIで項目を読み取って、ExcelやJSONに出力するデータ化も案内されています。

公式サイトは、対象項目の処理が10分以内、従来比でのコスト削減が約60%と掲載しています。

公式サイトの数値は、特定サービスの案内値であり、すべての企業に同じ結果が出るとは限りません(出典:日本ケミカルデータベース株式会社「SDSデータ化サービス」、2026年)。

得意領域・実績

JCDBは、化学メーカーや商社、塗料・接着剤・インキ関連など、原料や混合物のSDSを継続して発行する企業に向いています。大和化学工業、四国化成工業、築港などの導入例も、公式サイトで紹介されています。

  • 作成・管理の要件:言語と利用の範囲。
  • 既存データとの連携:原料マスタや外部システムの確認。
  • 将来の拡張:広げる業務に応じた対応範囲。

名称の揺れや法規制区分の確認を人手で行っている企業は、SDS作成時間やレビュー回数、改訂漏れを指標にすると、導入効果を判断しやすくなります。

法規制データの対象国や、作成者・承認者の権限も確認します。

旧版の保存やラベル作成、外部の製品管理システムとの連携も確認します。将来、職場のリスクアセスメントや製品含有管理へ広げる場合は、データのエクスポート形式も確かめてください。

沖電気工業株式会社(OKI)|製品含有化学物質の調査・判定

沖電気工業株式会社(OKI)は、製品含有化学物質管理パッケージCOINServ-COSMOS-R/Rを提供しています。REACH規則やRoHS指令に対応しています。

仕入先への調査依頼や回答の収集・評価・報告、含有量の計算と判定を支援します。そのほか、履歴管理やchemSHERPA入出力も支援します。部品・材料情報を集め、出荷判定や顧客回答につなげたい企業に適しています。

特徴と強み

OKI公式サイトは、COINServ-COSMOS-R/Rについて20年以上の自社利用と90社以上の実績を掲げています(出典:沖電気工業株式会社「COINServ-COSMOS-R/R」、2026年)。

  • 調査様式:chemSHERPA-AI・CIに標準対応。
  • 製品判定:SVHC計算やRoHS・REACH判定の支援。
  • 進捗・証明書:依頼状況と証明書類の管理。

調査依頼の重複防止や、未回答・納期の進捗監視にも対応しています。

分析証明書・不使用証明書の管理も案内されています。回答を保存するだけでなく、部品の組成を製品構成に積み上げて扱うことが重要です。

設計や仕入先が変わったときには再計算し、出荷時点の判定根拠を残します。収集・評価・報告を一連で扱う製品は、調査依頼が多い製造業にとって検討する価値があります。

得意領域・実績

OKIは、電子機器や機械、部品メーカーなど、複数のサプライヤーから情報を集めて顧客へ報告する企業に向いています。

  • 部門利用:管理体系とアクセス権。
  • 独自形式の取り扱い:標準の範囲に入るかどうか。
  • 一連の業務検証:業務の流れを通しで確かめる。

公式サイトでは、ユーザー数無制限のWebシステムや、ERP・生産管理・PDM・設計管理との連携にも触れています。

顧客独自フォーマット、過去のJGPSSI・AIS・MSDSplusデータ、紛争鉱物を扱う場合は、標準対応と個別対応を区別します。

代表製品を選び、部品表や仕入先回答、判定結果、顧客提出ファイルまで試すと、追加開発の有無を把握できます。

ポイント

製品含有の調査から判定、報告までを一連で扱えるかを、依頼の進捗や追加開発の有無も含めて代表製品で試すと、OKIの適合を判断しやすくなります。

株式会社日立ハイテク|chemNEXT-PLUSで調査業務をクラウド化

株式会社日立ハイテクと株式会社日立ハイテクネクサスが、chemNEXT-PLUSを提供します。製品含有化学物質の調査や回答データの保管を、クラウドで支援します。

chemSHERPAによる情報伝達や、RoHS・REACH・SVHCの調査に対応します。PFASやSCIPなど、顧客や海外規制からの要求が増えている企業にとって、比較しやすい候補になります。

特徴と強み

公式案内では、進捗や回答データ、調査履歴の一元管理に加えて、蓄積したデータを使った出荷判定やファイル作成も支援しています。

  • クラウド導入:初期費用なしの月額ライセンス。
  • 料金確認:オプションや契約条件の見積もり。
  • 業務・データ連携:運用課題と入出力の確認。

クラウドサービスなので、新規開発と比べて立ち上げやすいとされています。

調査業務では、未回答や期限超過、重複依頼、旧版データが負担になります。そのため、短期間で標準化したい企業や、新規開発の前にクラウドで始めたい企業に向いています。

実際の料金は、オプションや利用範囲、契約条件によって変わるため、個別の見積もりが必要です。

ERPやPLMから連携するデータと、出荷判定や顧客回答へ戻す方法を確認してください。

得意領域・実績

日立ハイテクはchemSHERPAを、サプライチェーン全体で製品含有化学物質情報を伝達・管理する共通スキームと説明しています。

  • 回答・進捗の集約:メールやExcelでの追跡負担の軽減。
  • 用途の確認:製品含有管理と、SDS・PRTRの切り分け。
  • 契約条件:終了時の出力、API、バックアップ、復旧目標、窓口。

グループの分析サービスなど、関連するサービスも相談の材料になります。

契約を結ぶ前に、契約終了時のデータエクスポート、利用できるAPI、バックアップ、障害復旧目標、サポート窓口を、具体的に確認しておきます。

SDS作成や職場のリスクアセスメントが主な目的なら、別の製品や連携が必要になる場合があります。

化学物質管理システムのパートナー選びで確認すべきポイント

規制データ、連携・アクセス、情報保護を確認項目として並べたチェックリスト図。
3項目を横並びにすると、提案内容の確認漏れを見つけやすくなります。

6社は、それぞれ得意とする領域が異なります。そのため、同じ評価項目で提案を受け、会社名だけでなく自社業務との適合度を比べてください。

自社に近い業務での実績確認

実績は、導入社数や規模だけでなく、管理対象と業務フローで比べます。自社の業種に近い業務として、次のような例を確かめておくとよいでしょう。

  • 化学品メーカー:混合物の配合、SDS・ラベル改訂、各国向け文書。
  • 電機・機械メーカー:BOM、仕入先調査、chemSHERPA、出荷判定、設計変更時の再判定。
  • 環境部門:PRTRの取扱量、排出量、移動量、事業所別集計、届出データ作成。

可能なら、代表製品または原料を使ったデモやPoCを依頼します。実データを使えば、カタログでは見えにくい差を確認できます。

試すデータには、CAS番号のないデータや旧版SDSを含めておきます。同一部品を扱う複数の仕入先、含有率の範囲表記、未回答の取引先も対象にします。検索から帳票出力まで、一連の流れを確かめてください。

要件書への専門性と連携範囲の落とし込み

技術評価では、化学物質マスタの識別子や名称の別名、CAS番号を確認します。含有率や危険有害性、法規制区分も、同じ観点で見ておきます。さらに、製品・原料・部品の構成、文書の版、承認履歴の持ち方も確かめます。

  • 規制データ:対象や更新、過去判定の再現性。
  • 連携・アクセス:API・CSV、認証、権限、ログ。
  • 情報保護:データの所在、委託先、事故時の対応の取り決め。

法規制DBの対象国や法令、更新の頻度と責任、判定ロジックの説明方法は、会社ごとに異なります。改正された法令をもとに、過去の判定を見直せるかも確かめておくと安心です。

ERPや購買、PDM・PLMなど、既存システムとの接続方法も確かめます。SSOやMFAなどの認証、バックアップや障害復旧、データ出力も対象になります。

化学式や含有率、仕入先、出荷数量は、営業秘密になり得ます。そのため、クラウドかオンプレミスかに加えて、データの所在や暗号化、委託先も確認しておく必要があります。

インシデントの通知期限や、退職者の権限削除も要件に含めます。

導入後の運用と費用の比較

現場が入力しなければデータは更新されないため、要件定義から保守まで、データ移行や名寄せ、教育、並行稼働の担当を決めておきます。権限設計やテストも含めます。

  • 導入体制:工程ごとの登録者と承認者。
  • 初期・月額費用:管理範囲別の目安と条件。
  • 総保有費用:関連費用を含む5年間の総額。

化学物質管理者や環境・品質保証の担当者を中心に、購買、設計、生産、情報システムの代表者も巻き込みます。誰がいつ登録・承認するかは、あらかじめ決めておくとよいでしょう。

費用の目安として、SDS台帳や文書配布のクラウド利用は、初期0万〜100万円、月額3万〜20万円です。SDS作成やGHS分類は、初期30万〜300万円、月額5万〜30万円程度です。

PRTRや拠点・工程管理を含むパッケージは、初期300万〜1,000万円が目安です。また、BOM・chemSHERPA・ERP連携を含む中規模導入は、初期1,000万〜3,000万円程度です。

これらは、一般的な業務システムの相場と公開価格設計をもとにした概算で、公的統計に基づくものではありません。

海外のSDS Managerは、EHSプランを従業員1人あたり月額8.99ユーロ、SDS単位のプランを1件179ユーロと案内しています(出典:SDS Manager「料金プラン」、2026年)。

国内の料金とは異なるものの、ユーザー・SDS件数・拠点数など、複数の課金方式がある例です。データ移行や法規制DB、翻訳、APIに関する費用に加え、教育、保守、更新も含めて、5年間の総額で比べるとよいでしょう。

ポイント

実績、技術、運用の3点を同じ評価項目で揃えて提案を受け、代表データで試すと、会社ごとの得意不得意の差が見えてきます。

よくある質問

導入時には、管理範囲や費用、法規制対応、既存データの移行に関する質問が多く寄せられます。比較検討の初期に確認したい内容を、質問ごとに取り上げます。

化学物質管理システムはSDS管理だけに使えますか?

SDS管理に特化した製品もあれば、製品含有物質、PRTR、職場のリスクアセスメントまで扱う統合型もあります。

まず、SDSの版管理や配布を優先するのか、BOMや工程数量まで扱うのかを決めてから、製品や開発会社を選ぶとよいでしょう。

化学物質管理システムの開発費用はいくらですか?

小規模なSDS台帳・文書配布は、初期0万〜100万円、月額3万〜20万円程度が目安です。

PRTRや製品BOM、chemSHERPA、ERP連携に加えて、多拠点や多言語を含む導入は、初期1,000万〜3,000万円程度が目安です。その規模を超える場合は、個別見積もりになる可能性もあります。

比べる際は、データ移行や法規制の更新を含めた総額で見ます。

法規制マスタの対象国や法令、更新頻度、作業の責任は、契約によって異なります。そのため、更新通知の方法や判定ロジックの説明、過去判定の再現、更新費用を確かめるとよいでしょう。

職場のリスクアセスメント対象物質は、2026年4月に約2,900物質へ拡大されました。制度が更新される点も踏まえて確認します。

Excelや紙のSDSから移行できますか?

CSVやExcel、PDFなどの既存データを取り込める会社は多いものの、事前の名寄せと品質確認は欠かせません。

CAS番号や製品番号、旧版の扱いが名寄せの精度を左右するため、取り込み前に既存データのどこにばらつきがあるかを確かめ、代表データで移行テストを行います。ばらつきが出やすい箇所は、次の4点です。

  • 最新版
  • 含有率
  • 言語
  • 保管拠点

紙資料や画像PDFが多い場合は、OCRやデータ化サービスの精度、レビュー工程も見積もりに含めるとよいでしょう。

まとめ

おすすめの会社は、管理したい対象によって変わります。SDS・GHSやPRTRの統合であれば日立製作所、BOMと製品含有物質の連携であればNECが候補になります。

SDS作成や法規制判定ならJCDB、製品含有情報の収集・評価・報告ならOKIが候補です。クラウドで調査を始めたい場合は、日立ハイテクも比較対象になります。

業務要件に応じた個別開発や既存システム連携を重視する場合は、riplaも比べてみてください。

管理範囲と代表データの整理

まず、SDS、製品含有、PRTRのどれを優先するかを決めます。全社・全製品を一度に対象にせず、代表拠点や代表製品でPoCを行うと、失敗を抑えられます。

RFPには、法規制DBの更新責任、SDS旧版の扱い、chemSHERPA・IMDS、API・CSVなどを記載します。移行件数や月額以外の費用、障害復旧目標も含めます。同じ条件で提案を比べることが大切です。

導入後の運用まで含めた見積もり依頼

法規制の更新や製品の変更後も正しい情報を保てれば、システム導入の成果が出やすくなります。そのため、初期開発費だけでなく、データ名寄せや現場教育も見積もりに含めます。

法規制情報の更新や保守、バックアップ、セキュリティ監査を含む運用体制を確認して、自社に合うパートナーを選ぶとよいでしょう。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。