清掃業向けスタッフシフト管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

清掃業向けスタッフシフト管理システムの費用は、既製SaaSか個別開発か、現場数や勤務形態、連携範囲で大きく変わります。SaaSの公開例は月額5,000円〜20,000円程度、個別開発は300万〜4,000万円程度です。

全体像は、清掃業向けスタッフシフト管理システム開発の完全ガイドでも確認できます。

▼全体ガイドの記事
・清掃業向けスタッフシフト管理システム開発の完全ガイド

清掃業向けスタッフシフト管理システムの概要

清掃業向けスタッフシフト管理システムは、現場の契約条件とスタッフの勤務条件を結び付け、シフト作成、欠員対応、勤怠集計を一つのシステムで扱う仕組みです。店舗向けの一般的なシフト表と異なり、清掃業では「どの現場で、何曜日の何時から、何人で、何の作業をするか」が先に決まっています。

契約ベースの固定シフトの管理

契約シフトでは、現場ごとに作業時間や例外条件が異なります。そのため、登録内容と割当条件をまとめて管理する必要があります。

  • 作業枠:月・水・金の10時から16時は現場A、毎週火曜の夜は現場B
  • 現場条件:祝日、休館日、臨時休業、必要人数、資格、鍵、入館方法
  • 登録と配置:現場、顧客、契約、清掃メニュー、必要人数を登録し、スタッフを割り当てる

Paintnote株式会社のサポシフは、日常清掃で数十〜数百の現場ごとに異なるシフトパターンや曜日の例外がある点を課題に挙げています。なお、スタッフの希望時間だけを集める一般的な飲食店向けシステムでは、契約枠の未充足や重複配置を見つけにくい点に注意が必要です。

現場・スタッフ・勤怠・作業報告の連携

欠勤時の代務まで扱うには、現場とスタッフの属性、シフト状況、打刻手段を結び付ける必要があります。

  • 現場マスタ:住所、作業時間、顧客、鍵、休館日、清掃内容
  • スタッフマスタ:雇用区分、希望曜日、勤務可能時間、移動エリア、資格、時給、手当、スマートフォン利用可否
  • シフト画面:固定・パターンシフトと希望休を扱い、未割当、重複配置、欠員を一目で分かるように示す
  • 欠勤対応:勤務可能時間、資格、エリア、移動時間で代務候補を絞り、履歴を残して本人へ通知
  • 出退勤:スマートフォン、共有タブレット、ICカード、電話音声、紙の代理入力

導入後に定着するかどうかは、現場に合う入力方法を残せるかで決まります。定着しなければ、費用対効果も出にくくなります。

清掃業向けスタッフシフト管理システムの費用相場

個別開発の検証段階から大規模構成まで、費用と期間の目安を4枚のパネルで示した図。
構成が大きくなるにつれて、費用と期間のレンジも広がります。

費用相場は、既製SaaS、業界特化SaaS、個別開発のどれを選ぶかで大きく変わります。予定共有だけであれば、月額数千円から始められます。

一方で、勤怠やGPS、給与連携を含める場合は、月額料金や初期設定費に加えて開発費も必要になります。複数法人や請求・原価分析まで含めると、その分の開発も増えます。

SaaSの公開料金例(月額5,000円〜20,000円程度)

清掃業向けツール「シェリング」の公開料金例は、次のとおりです(出典: Sherring「清掃業向けスケジュール管理ツール」、2026年確認)。

  • ライト:月額5,000円、管理者1名・スタッフ5名まで
  • スタンダード:月額10,000円、管理者3名・スタッフ20名まで
  • プレミアム:月額20,000円、管理者・スタッフとも無制限
  • 試用・導入:14日間無料、最短1週間で運用開始の目安

勤怠料金は、単体で利用する場合も基本プランに追加する場合も、1人月額300円の例があります。

公開料金は、スケジュールと勤怠の標準機能を使う場合の目安です。そのため、給与ソフト連携、GPS、写真報告が含まれるかを、契約前に確かめる必要があります。特殊な手当、初期データ登録、現場別権限についても、含まれるかを確かめます。

個別開発の費用レンジ(300万円〜4,000万円程度)

小規模な検証から複数拠点の基幹刷新まで、実装する範囲に応じて開発額と期間が広がります。

  • 検証段階:要件整理、画面試作、既存SaaS連携の検証に100万〜300万円、1〜2か月程度
  • 小規模MVP:300万〜800万円、2〜4か月程度。マスタ、シフト、欠員表示、通知、CSV出力、権限を含む
  • 標準構成:800万〜1,500万円、4〜8か月程度。複数打刻、GPSまたはQR、勤怠承認、給与CSV、作業報告を含む
  • 大規模構成:1,500万〜4,000万円、6〜12か月以上。複数拠点・法人、請求・原価管理、API、高度な代務候補の絞り込み、基幹刷新を含む場合

小規模MVPの額は、可能性を示す推定にとどまります。これらの数値は、清掃業だけを対象にした公的統計ではなく、類似する人事・労務・給与システムの工数情報を読み替えたものです(出典: NotebookLM「人事・労務・給与」Q&A、2026年確認)。

対象範囲と品質要件が異なるため、金額は断定額ではなく、見積もりを比べるためのレンジとして扱います。

ポイント

金額はSaaSか個別開発かで桁が変わるため、まず必要な機能の範囲を決めてから比べます。公開料金は標準機能の目安にすぎず、給与連携やGPSが含まれるかで総額は大きく変わります。

清掃業向けスタッフシフト管理システムの費用内訳

総額だけでは、費用がどこから生じ、どこを削れるのかが分かりません。そこで、費目を開発の段階ごとに分けて確認します。中心になるのは要件定義・設計と、機能開発・連携の費用です。テスト、教育、保守は、データ移行と合わせて後の見出しで示します。

費目ごとに分けておくと、どの投資が必要で、どの機能を後回しにできるかを見極めやすくなります。

要件定義・画面設計・業務整理の費用

現場タイプや契約時間、必要人数を要件定義で明確にしておくと、後から業務例外が増えにくくなります。

  • 現場タイプ:日常清掃、定期清掃、巡回、夜間清掃、ホテル・民泊
  • 作業条件:枠の固定度、夜勤の日跨ぎ、必要人数、資格、応援、緊急出勤手当、休憩、契約・実労働時間
  • 閲覧・操作範囲:現場責任者、本社、人事、顧客、スタッフごとに設定

項目を整理しないまま画面を作ると、後から業務例外が加わり、費用が膨らみます。検証段階の要件定義、現場ヒアリング、画面試作は、100万〜300万円程度の推定レンジに含まれる場合があります。さらに、拠点数や関係者数が増えるほど、期間と工数も増えます。

機能開発・外部連携・端末対応の費用

開発費は、機能の範囲と端末対応、外部連携によって変わります。データ保護の範囲も含めて見積もる必要があります。下の項目ごとに作るものをそろえておくと、各社の金額を同じ条件で比べられます。

  • 管理機能:現場・スタッフマスタ、カレンダー、シフト作成、欠員一覧、変更承認、通知
  • スタッフ機能:予定確認、打刻、休暇申請
  • 端末:スマートフォン、共有タブレット、ICカード、電話音声、紙の代理入力。加えて、認証と通信障害時の再送も設計
  • 外部連携:給与・会計・請求・原価管理へのCSV出力、またはAPI連携。コード変換やエラー時の再送で工数が変わる
  • GPS・写真:取得時期、保存期間、閲覧権限、説明と同意、退職者データの扱い

データ移行・テスト・教育・保守の費用

導入費を見積もるときは、データ整備に加えて、現場シナリオのテストや利用者教育も対象に含めます。

  • 移行データ:現場住所、契約曜日・時間帯、必要人数、雇用区分、資格、時給、手当
  • データ整備:表記ゆれ、退職者、重複スタッフ、廃止現場、古い電話番号。誰が整理するかで導入費が変わる
  • テスト:通常シフト、欠勤、代務確定、本人通知、夜勤の日跨ぎ、通信断を検証
  • 締め処理:打刻修正、給与CSV出力までを一連のシナリオで確認
  • 教育:本社・現場スタッフ向けに分け、紙を残す期間、窓口、操作マニュアルを見積もる

類似システムの保守・運用は、初期費用の5%〜15%程度が目安となる場合があります。見積もりでは、料金が月額か年額か、クラウド費はどうかを確認します。法改正対応や障害対応の有無も、あわせて確認します(出典: NotebookLM「人事・労務・給与」Q&A、2026年確認)。

ポイント

総額だけでは費用の理由が見えないため、要件定義から保守までの費目に分けて比べます。費目ごとに、必要な投資と後回しにできる機能を切り分けると判断の材料がそろいます。

清掃業向けスタッフシフト管理システムの価格を左右する要因

現場やスタッフの規模、打刻方法、外部連携、セキュリティ要件を費用に関わる観点として示した図。
見積もりでは、規模と運用条件をそろえて各観点を確認します。

5名で数現場の予定を共有する場合と、数百現場・複数拠点の欠員を毎日調整する場合では、必要なデータ量と運用が異なります。そのため、価格を比べるときは対象規模と例外処理の深さをそろえます。

現場数・スタッフ数・勤務形態による費用差

現場数とスタッフ数が増えると、マスタ登録や権限、検索の設計が増えます。さらに、通知や同時アクセス、テストケースも増えます。固定シフトだけなら、ルールは比較的まとめやすいです。

たとえば、夜勤の日跨ぎや応援勤務を扱うと、配置条件と賃金計算の組み合わせが増えます。緊急出勤や資格者限定の作業も加わると、その組み合わせはさらに広がります。定期清掃や巡回の作業を含める場合も、現場ごとの条件を登録する項目が増えます。

移動時間や同日重複を確認する場合は、住所データや地図情報も必要です。現場1〜3か所、スタッフを限定したPoCで未割当の発見や代務候補検索の効果を確かめると、全社展開前の過剰投資を抑えられます。

打刻方法・GPS・紙併用の有無による費用差

スマートフォンを持たないスタッフへの対応や、GPSの取得範囲によって、必要な端末とプライバシー設計が変わります。

  • 入力端末:アプリのみなら画面数を抑えられる一方、共有端末、電話音声、ICカード、紙の代理入力が定着につながる場合がある
  • 端末前提:高齢者や個人の機器を持たないスタッフには、個人スマホ以外の入力手段も用意する
  • 打刻方式:ShiftMAXはICカード、音声ガイダンス、指静脈、スマートフォン・タブレットと打刻時GPSを案内
  • 位置情報:打刻時のみか常時かで説明が変わる。目的、取得範囲、保存期間、閲覧権限、退職時の削除を定める

Paintnoteの公開情報では、日常清掃業務に従事する60歳以上の割合は46.7%です。そのため、全員へ個人スマートフォンの利用を強制できるとは限りません(出典: Paintnote株式会社「サポシフ提供開始」、ビルメンテナンス情報年鑑2023)。また、位置情報を使う場合は、必要以上に監視する設計を避けます。

給与・請求連携とセキュリティ要件の影響

給与や請求との連携方式、分析に使うデータ、情報保護の対策は、いずれも設計と開発の量に影響します。連携を一度に全部つなぐか、段階に分けるかでも、見積もりは変わります。

  • 連携方式:勤務実績の月1回CSVか、給与・会計・請求・原価への日次APIかで開発量が異なる
  • 分析データ:現場別人件費、契約単価、粗利、欠員率を扱うには、契約・売上・請求のデータモデルも必要
  • 段階導入:すべてを一度につなげず、給与連携を第2段階に分ける方法もある
  • 情報保護:多要素認証、最小権限、暗号化、バックアップ、監査ログ、脆弱性対応、退職者アカウントの即時無効化

IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版は、バックアップ、クラウドの安全な利用、インシデント対応などを扱っています(出典: IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」、2025年5月改訂)。なお、要件を削りすぎると、稼働後に追加改修が生じやすくなります。

ポイント

価格の差は、現場数や勤務形態、連携範囲がどこまで広がるかで生じます。まず自社の運用条件を書き出し、その範囲をそろえて各社の見積もりを比べます。

清掃業向けスタッフシフト管理システムの開発の進め方

現状棚卸しと小規模PoCから、シフト・欠員のMVP、全現場展開へ進む3段階を示した図。
小さく試した結果を次の機能追加と展開範囲に反映します。

費用を抑えて失敗を防ぐには、全現場の業務を最初から再現せず、効果を測れる範囲から始めます。企画からMVP、勤怠連携、全社展開へと段階を分けて進め、現場の利用状況と管理時間を確かめます。

第1段階の現状の洗い出しと1〜3現場のPoC

PoCでは、現場を絞って業務の流れを再現し、欠員対応が実際に使えるかを確かめます。

  1. 現場作成から当日変更、欠勤連絡、打刻までの流れと、月末締めから請求までの流れを図にし、情報がExcel、紙、LINE、電話に分かれる箇所を洗い出す。
  2. 現場・スタッフの管理、欠員の把握、紙・CSV出力に要件を絞り、異なる現場タイプから1〜3現場を選ぶ。
  3. 予定作成から欠勤、代務、打刻、月次集計まで試す。シェリングのように14日間の無料試用を提供するサービスもある。
  4. 公開トライアルやデモで現場名、契約曜日、紙掲示を再現し、欠員発生から通知までの時間を測る。

第2段階のシフト・欠員MVPと勤怠連携

第2段階では、シフト運用を固めてから勤怠を連携します。作業は次の順で進めます。

  1. MVPには、現場・顧客・スタッフのマスタとシフト作成に加え、未割当・欠員表示や変更履歴、通知、紙・CSV出力も含めます。
  2. AI自動配置や高度な配置提案は、契約条件、資格、希望休、移動時間のデータが整ってから加えると、誤提案を減らせる。
  3. シフトが定着してから、打刻、休憩、遅刻・早退、夜勤の日跨ぎ、応援勤務、緊急出勤手当、給与CSVを加える。
  4. 勤務実績と給与計算は一度に置き換えず、1回の締めを並行運用する。差異と修正件数が許容範囲に収まってから紙やExcelを縮小する。

第3段階の全現場展開とKPI改善

全社展開後に効果を判断できるよう、スタッフが使える体制とKPIをそろえておきます。

  • 利用準備:現場・スタッフ向け教育、紙を残す対象、端末貸与、通信障害時の処理、問い合わせ窓口
  • 現場支援:現場が分散する清掃業では、スタッフが電話・紙へ戻らないよう、現場ごとに導入担当を置く
  • 所要時間:シフト作成、欠員発見、代務確定、未出勤把握、月末締めにかかる時間
  • 運用結果:給与修正件数、紙の印刷枚数、削減できた管理工数
  • 投資回収:削減工数を月額料金や保守費と比べた3年総額

清掃業向けスタッフシフト管理システムの見積もりを取る際のポイント

見積もりの精度は、発注前に業務条件をどこまで具体化できるかで決まります。「清掃業向けシフト管理一式」とだけ伝えると、各社が想定する範囲に差が出ます。

価格だけで比べないよう、現場数やスタッフ数、勤務形態を同じ資料で示します。紙を残す範囲や外部連携、保守条件も、同じ資料に含めます。

RFPに載せる現場・スタッフ・契約条件

見積もりの条件をそろえるには、現場規模や勤務条件、必要な機能を候補各社へ共有します。

  • 規模:現場、顧客、拠点、スタッフ、月間シフト件数
  • 人員・勤務:雇用構成、スマートフォン保有率、夜勤、資格、移動時間
  • 現場条件:固定曜日、祝日・休館日、必要人数、契約時間、清掃メニューを数件共有
  • 機能候補:現場・スタッフマスタ、シフト、欠員検索、変更通知、打刻、紙・CSV出力、給与・請求連携、権限、監査ログ、GPS、写真報告

機能は「必須」「できれば」「将来」に分けて書くと、各社の見積もりを同じ土台で比べられます。複数の打刻方法のように必要な範囲も、あわせて明記します。

初期開発を必須機能に絞ると、300万〜800万円程度のMVPレンジに収まる可能性が高まります。ただし、実際の金額は要件とベンダーの体制で変わります。

料金表だけでなく3年総額と適合性による比較

比較候補は、清掃業の契約シフトや紙運用への適合性と、3年総額を見るため、次の形に分けます。

  • 一般的な人事労務SaaS
  • 清掃業・ビルメンテナンス特化SaaS
  • ローコード業務アプリ
  • 受託開発

月額料金が安くても、現場別の契約シフトや代務が足りないと、電話対応や転記の費用が残ります。紙併用や給与連携が不足した場合も、手作業の費用が残ります。

3年総額には、初期設定、月額利用料、データ移行の費用を含めます。スタッフ追加や端末、通信、外部連携の費用も、3年総額の中で見込みます。さらに、教育、保守、法改正対応、追加改修の費用も、同じ枠で見積もります。

候補会社には、欠勤から給与CSVまでを同じデモシナリオで実行してもらいます。料金表に出ない運用の差も、このデモで確認できます。

追加費用・データ返却・保守範囲の契約前の確認

クラウド利用後の費用や乗り換えやすさを見極めるため、費用内訳と運用条件を契約前に明記します。

  • 費用項目:要件定義、開発、テスト、移行、教育、導入支援、クラウド、サポート、障害対応、追加改修
  • 保守条件:「標準機能」と「追加開発」の境界、問い合わせ時間、対応時間帯、復旧目標、法改正の対応主体
  • 契約終了時:現場、スタッフ、シフト、勤怠、作業報告の返却形式、バックアップ保持期間、再委託先
  • データ出力:所有権、CSV出力の項目と頻度を契約書や仕様書に残す。条件は後から変えにくい場合がある

CSV出力の条件は後から変えにくいため、契約前に決めておくと、長期的なコストを抑えやすくなります。

ポイント

見積もりの差の多くは、各社が前提とした業務条件のずれから生じます。同じ資料で条件をそろえ、機能を必須と将来に分けて渡すと、金額の根拠を比べやすくなります。

清掃業向けスタッフシフト管理システムのコストを抑える方法

コストを抑えるには、最安のサービスを選ぶことだけでなく、使われない機能を作らず、転記や電話での調整を減らすことが欠かせません。さらに、将来の追加開発も抑えられるデータ構造を整えておく必要があります。料金の安さだけで選ぶと、その差は運用の手作業として後から表れます。

標準機能への業務の寄せ方と例外のみの追加開発

個別開発を抑えるには、標準化する情報と清掃業務で譲れない条件を先に決めておきます。

  • 標準化:自社の現在のExcelをそのまま再現せず、業務のどこを共通の型に寄せられるかを検討
  • 共通ルール:現場・スタッフコード、シフトパターン、欠勤理由、承認状態を統一し、例外は申請にする
  • 必須条件:契約枠、必要人数、資格、夜勤、スマホ非保有者の入力、紙掲示は削らない
  • 開発範囲:特化SaaSの標準機能と受託開発を分け、効果を測りやすい欠員対応・給与連携から追加

MVP・段階導入による初期投資と手戻りの抑制

MVPから後続機能へ進む時期を判断できるよう、試行の範囲と、段階ごとの完了条件を先に定めます。

  1. 現場・スタッフマスタ、シフト、欠員表示、通知、紙・CSV出力に絞って1〜3現場で試す。シフト作成時間、欠員の充足時間、未出勤発見時間を測る。
  2. 効果を確認後、打刻、給与連携、作業報告、原価管理、請求連携を順に追加し、不要な機能への投資を避ける。
  3. 現場責任者のシフト作成、スタッフの予定確認、欠勤の変更履歴、給与CSV差異が許容範囲に収まることなど、各段階の完了条件を決める。

期限や機能数だけで次へ進むと、手戻りが見えないまま費用が増える可能性があります。

現場教育とデータ管理による運用費の抑制

運用負担を抑えるには、入力方法、権限管理、マスタ点検を日常の手順に組み込みます。

  • 権限手順:アカウント発行、現場追加、退職者無効化、シフト変更承認、勤怠修正
  • 現場教育:スマートフォン、共有端末、管理者の代理入力に分け、現場に合う方法を教える
  • データ品質:マスタ重複や古い契約条件は誤配置や請求ミスを招き、人手の修正を増やす可能性がある
  • 定期確認:月1回のマスタ確認、権限レビュー、バックアップ復元テスト、監査ログ確認

定期確認を運用に組み込むと、障害や情報漏えい時の損失も抑えやすくなります。

ポイント

コストを抑えるには、標準機能で足りる業務は標準機能に合わせ、例外だけを追加開発するのが基本です。料金の安さだけで選ぶと、手作業や追加改修の費用が後から残るため、運用後の総額で判断します。

清掃業向けスタッフシフト管理システムのよくある質問

導入前に相談されやすい費用、運用、機能の疑問に回答します。自社の現場数やスタッフ構成に当てはめて確認します。紙を残す範囲や給与連携の有無も、あわせて確かめます。

清掃業向けスタッフシフト管理システムは月額いくらから使えますか?

公開料金の例では、スケジュール管理は月額5,000円、10,000円、20,000円のプランがあります。勤怠は1人月額300円の例です。

総額は、スタッフ数や管理者数、現場数で変わります。初期設定や給与連携、サポート範囲でも差が出ます。そのため、月額だけでなく3年総額で比べます。

スマートフォンを持たない清掃スタッフがいても導入できますか?

導入はできますが、スマートフォンアプリだけを前提にしない設計が必要です。紙掲示や共有タブレット、電話音声を組み合わせます。ICカードや管理者による代理入力も、選択肢になります。

本人が予定確認や打刻をできない場合の代替手順と、代理入力の監査ログも用意します。

GPSや給与連携は必ず付ける必要がありますか?

必須ではありません。GPSは現場確認や不正打刻対策に役立ちますが、打刻時のみか常時かによって、説明の内容と管理コストが変わります。

給与連携は、まずCSVで月次の差異を確認できます。運用が固まってからAPI連携へ進めると、初期費用を抑えながら導入できます。

SaaS導入と個別開発はどちらが安いですか?

短期間で標準機能を使うなら、初期投資と導入期間を抑えやすいSaaSが有力です。

一方で、契約ベースの固定シフトや複雑な代務が競争力に直結する場合は、特化SaaSや個別開発の方が、運用工数を含めた総額で有利になる可能性があります。紙併用や独自の給与・請求連携も、競争力に直結する場合があります。

自社業務をどこまで標準化できるか、先に確認します。

まとめ

公開SaaSは月額5,000円〜20,000円程度、小規模MVPは300万〜800万円、標準構成は800万〜1,500万円が相場の例です。複数拠点や基幹連携まで含む個別開発は、1,500万〜4,000万円程度の推定レンジです。

いずれも固定価格ではなく、現場数やスタッフ数で変わります。打刻方法や給与・請求連携の範囲も関係します。さらに、データ移行、教育、保守の範囲でも金額が変わります。

月額ではなく現場運用を含む総額での判断

ライセンス料金だけでなく、電話での代務手配や紙からExcelへの転記、月末の給与確認にかかる時間も含めます。未出勤の発見の遅れや請求修正の手間も、同じ枠で見ます。3年総額と投資回収で比較します。

契約枠や高齢スタッフへの対応、紙併用を要件に含めると、導入後の追加費用を抑えやすくなります。GPSのプライバシーやシフト制の労務管理も、同じ要件として扱います。

現場を限定したPoCと同条件の見積もり

費用と定着を両立するには、現場が使える範囲から試して効果を確かめます。次の順で進めます。

  1. 現場、スタッフ、契約条件を洗い出し、1〜3現場でシフト作成、欠員対応、通知、打刻、紙・CSV出力を試す。
  2. 同じ要件書を複数のSaaS提供会社や開発会社へ渡し、初期費用と月額、連携、移行に分けて見積もってもらう。教育、保守、データ返却も同じ形式で出してもらう。
  3. 効果を測りながら給与・請求・原価管理へ広げる。

▼全体ガイドの記事
・清掃業向けスタッフシフト管理システム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。