労務管理システムの開発を外部に依頼しようとしたとき、どの開発会社を選べばよいか判断に迷う担当者は少なくありません。勤怠管理・給与計算・社会保険手続きなど、労務業務は法令への準拠が求められる複雑な領域であり、開発会社の選定ミスが後々の運用トラブルや追加コストに直結することもあります。信頼できるパートナーを見つけることが、プロジェクト成功の第一歩です。
この記事では、労務管理システムの開発実績を持つおすすめの開発会社・ベンダーを6社紹介し、発注前に確認すべきポイントや選び方のコツをわかりやすく解説します。自社の業務要件に合った開発パートナー選びの参考として、ぜひ最後までお読みください。
▼全体ガイドの記事
・労務管理システム開発の完全ガイド
労務管理システム開発パートナー選びの重要性

労務管理システムは、従業員の勤怠記録・給与計算・社会保険手続き・雇用契約管理など、企業運営の根幹を担う業務を支えるシステムです。開発会社の選択を誤ると、法令対応の漏れや仕様のミスマッチが生じ、後から多大な修正コストが発生するリスクがあります。最初のパートナー選定が、プロジェクト全体の品質と費用対効果を大きく左右します。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
労務管理システムの開発は、単なるWebシステム開発とは一線を画します。労働基準法や社会保険関連法令の知識が必要なうえ、年末調整や社会保険料の計算ロジックなど、業務に直結する複雑な要件を正確に実装しなければなりません。開発会社が労務領域の業務知識を持っていない場合、要件定義段階から認識のズレが生じやすく、手戻りが頻発するケースが多く報告されています。
また、労務管理システムは導入後も法改正への対応が継続的に求められます。育児・介護休業法の改正や最低賃金の変更、電子申請対応など、毎年のように関連法令が更新されるため、開発後の保守・運用体制も重要な選定基準となります。リリース後のサポートが手薄な会社を選ぶと、法改正のたびに多大なコストが発生する可能性があります。
発注前に確認すべきポイント
発注前には、以下の観点で候補会社を絞り込むことをおすすめします。第一に、労務管理システムや人事システムの開発実績があるかどうかを確認することが重要です。類似業種・業態の開発経験を持つ会社であれば、要件定義から設計までスムーズに進みやすくなります。第二に、法令対応の知識を社内に持っているかどうかも重要な判断基準です。社会保険労務士や人事コンサルタントとの連携体制が整っている会社は信頼度が高いと言えます。
第三に、プロジェクト管理体制の透明性も確認しておきましょう。進捗の共有方法・課題管理のプロセス・担当者の窓口が明確かどうかは、長期プロジェクトを円滑に進めるうえで不可欠な要素です。これらのポイントを踏まえながら、次のセクションで紹介する6社をご参考にしてください。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaの最大の強みは、「事業会社出身のコンサルタントが開発を主導する」点にあります。多くの開発会社は技術的な実装に特化していますが、riplaはビジネス要件の整理・業務フローの再設計・システム化の可否判断といった上流工程から一貫して関与します。労務管理システムの開発においても、単に仕様書通りに作るのではなく、現場の運用実態に合わせた柔軟な設計提案が可能です。
また、導入後の定着支援にも注力しており、システムが組織に根付くまでのサポートを手厚く行う点も評価されています。ツールを導入して終わりではなく、従業員が実際に活用できる状態まで伴走するスタイルは、労務管理システムのような全社員が日常的に使うシステムの開発において特に適しています。
得意領域・実績
riplaは、中小・中堅企業から大手企業まで幅広い規模の基幹システム開発・刷新プロジェクトを手がけてきました。人事・労務領域においては、勤怠管理・給与計算・社会保険手続きのシステム化を含む複合的な業務システムの構築実績があります。既製パッケージでは対応しきれない独自ルールや複雑な雇用形態を持つ企業でも、スクラッチ開発やカスタマイズ開発で柔軟に対応できる点が強みです。
さくら情報システム株式会社|50年以上の人事給与システム開発実績

さくら情報システム株式会社は、1972年の創業と同時に人事・給与システムの提供を開始した、この分野における老舗の専門企業です。半世紀以上にわたり人事給与関連サービスを提供し続けており、現在は1,600社・130万名を超える利用実績を持ちます。金融業・製造業・サービス業など幅広い業界で採用されており、大企業から中堅企業まで豊富な導入事例があります。
特徴と強み
さくら情報システムの最大の特長は、国産の人事・給与パッケージ「Generalist(R)」をベースとした高い業務適合率にあります。95%以上の業務適合率を誇り、企業固有の人事制度や給与規定にも対応したカスタマイズが可能です。従業員情報管理・組織管理・採用・教育・考課など、人事業務全般をカバーする統合的なシステム構成が特徴です。
また、銀行が求めるセキュリティ基準に沿った運用環境を提供しており、金融機関レベルのデータ保護が実現されています。ASPIC認定のクラウド環境も整備されており、セキュリティに厳しい大企業でも安心して導入できる体制が整っています。法改正への対応もタイムリーに行われるため、システム改修の都度コストをかける必要がない点も評価されています。
得意領域・実績
さくら情報システムは、人事・給与・勤怠管理のBPO(業務プロセスアウトソーシング)と組み合わせたサービス提供にも対応しており、システム導入だけでなく業務運用ごとアウトソースしたい企業にとって有力な選択肢となります。日比谷花壇のように、既存の人事給与システムをクラウド化した事例も豊富であり、オンプレミスからクラウドへの移行プロジェクトにも実績があります。労務管理クラウドサービス「XOLOGY労務」も提供しており、入社手続きや書類配付・電子署名など、デジタル化ニーズにも対応しています。
日本システムランド株式会社|1983年創業の老舗業務システム開発会社

日本システムランド株式会社は、1983年に設立された東京都中央区に本社を置く業務システム開発会社です。40年以上にわたりソフトウェア受託開発を手がけており、銀行・建設・製造など多様な業種の企業に向けてシステム開発を提供してきました。勤怠管理システムをはじめとした業務システムの開発においても豊富な経験を持ちます。
特徴と強み
日本システムランドは、長年の受託開発経験から業務システムへの深い理解を持っており、顧客の業務フローに合わせたオーダーメイド開発が得意です。労務管理システムの開発においても、企業固有の就業規則や雇用形態に対応した細やかな要件定義と設計を行い、現場での使い勝手を重視したシステムを提供します。
パッケージ製品では実現できない複雑な業務ルールや独自の承認フロー、既存システムとの連携要件にも対応できる技術力が評価されています。コンサルテーション機能も持ち合わせており、要件が曖昧な段階からプロジェクトをサポートすることで、発注企業の担当者が抱える「何から始めればよいかわからない」という課題にも応えています。
得意領域・実績
日本システムランドは、金融機関向けの業務システムや製造業の生産管理システム開発で培ったノウハウを、労務管理システム開発にも応用しています。勤怠管理・人事管理・給与計算といった人事労務の基幹業務をカバーするシステムの設計・開発から、リリース後の保守・改修対応まで一貫して対応できる体制を整えている点が強みです。中小企業から大手企業まで幅広い規模の発注に応じており、予算や規模感に合わせた柔軟な提案が可能です。
日立ソリューションズ株式会社|30年超の就業管理ソリューション実績

日立ソリューションズ株式会社は、日立製作所グループのSI企業として、企業向け業務システムの開発・導入を長年にわたり手がけてきました。同社が提供する「人事総合ソリューション リシテア」シリーズは、就業管理・人事管理を中核とした統合型ソリューションとして高い評価を受けており、2025年3月末時点で1,780社・249万名を超える企業・従業員に利用されています。30年以上の提供実績を誇る、日本でも有数の労務管理ソリューションです。
特徴と強み
日立ソリューションズの最大の強みは、就業管理分野における30年以上の専門知識と豊富な導入実績です。「リシテア」シリーズは業種・規模を問わず導入でき、多様な雇用形態(正社員・契約社員・パート・アルバイト・派遣社員など)や複雑な勤務形態(フレックスタイム・シフト制・裁量労働制など)にも柔軟に対応できる設計が特長です。
日立グループならではの強固なセキュリティ基盤とシステム運用ノウハウも評価されており、大企業・官公庁向けの大規模な労務管理システム刷新プロジェクトにも対応できます。また、法改正への対応が迅速であり、関連する法令変更があった際もタイムリーにシステムアップデートが行われる体制が整っています。
得意領域・実績
日立ソリューションズは、大手製造業・金融機関・小売業・医療機関など幅広い業種での導入実績を持ちます。特に大企業・グループ企業の労務管理統合プロジェクトにおいて強みを発揮しており、グループ全体で異なる就業規則や人事制度を持つ企業でも、統一的な管理基盤を構築した実績があります。クラウド型・オンプレミス型の両方に対応しており、自社のセキュリティポリシーや既存システムの状況に応じた最適な構成を選択できます。
株式会社アクシア|500社超の開発実績を持つ業務システム専門会社

株式会社アクシアは、東京都千代田区に本社を置く業務システム・Webシステム開発会社です。これまでに500社以上のWebシステム開発実績を持ち、完全オーダーメイド型の受託開発を得意としています。要件定義から設計・開発・リリース・運用保守まで、すべての工程を自社内で一貫して担当する体制を取っており、多重下請け構造による品質低下や情報伝達の遅れが生じにくい点が特徴です。
特徴と強み
アクシアの強みは、業務フロー分析の高い専門性にあります。同社は自社の業務効率化を日々実践しており、2012年から残業ゼロ・2019年から有給消化率100%を継続しているという実績が示すように、業務改善に対する深い知見を持っています。この経験を顧客の業務システム開発にも応用しており、単にシステムを作るだけでなく、業務フロー自体の最適化を提案できる点が他社との差別化ポイントです。
労務管理システムの開発においても、現行の業務フローをヒアリングしたうえで、非効率な部分を整理・改善した状態でシステム化する提案が可能です。既存の複雑な業務プロセスをそのままシステム化するのではなく、本質的な業務効率化を実現するシステム設計を志向する会社を探している企業にとって、有力な選択肢となります。
得意領域・実績
アクシアは、業務システム・Webシステム・スマートフォンアプリの受託開発を幅広く手がけており、中小企業から上場企業まで多様なクライアントとの取引実績があります。人事管理・勤怠管理といった労務系システムの開発においても、複数企業の要件を経験してきた知見を持ちます。特に、既製パッケージとのAPI連携や、Excelによる手作業業務のシステム置き換えといった、中小・中堅企業に多いニーズへの対応が得意です。初回の相談から丁寧なヒアリングを行い、予算感に合わせた現実的な提案を行うスタイルも好評です。
株式会社GeNEE|NTTデータ・DeNA出身エンジニアが手がける基幹システム開発

株式会社GeNEE(ジーン)は、東京都港区六本木に本社を置くシステム開発・スマートフォンアプリ開発会社です。NTTデータやDeNAなど大手IT企業で実務経験を積んだエンジニアが立ち上げた会社であり、高い技術力と大規模システム開発のノウハウを持ちます。東証プライム上場企業(パナソニックグループ・ベネッセグループなど)や東京大学・慶應義塾大学といった大手クライアントとの直接取引実績があり、信頼性の高さが際立ちます。
特徴と強み
GeNEEの最大の特徴は、ほぼすべてのプロジェクトをプライム契約(クライアントとの直接契約)で受注し、要件定義からサービスローンチ・保守運用まで一貫して担当する体制です。多重下請けを挟まないため、クライアントの意図が正確に開発チームに伝わり、仕様のズレや品質低下が起きにくいという利点があります。労務管理システムのような業務知識が必要なシステムでは、この直接対話による開発スタイルが特に効果を発揮します。
また、GeNEEはDXコンサルティング・MVPプロダクト開発・AI開発・脆弱性診断など多様なサービスを展開しており、労務管理システムの開発と合わせてセキュリティ診断やAI機能の組み込みも同社に依頼できる点は、ワンストップで開発を進めたい企業にとって大きなメリットです。
得意領域・実績
GeNEEは、基幹システム開発・業務システム開発(生産管理・購買管理・在庫管理・販売管理・顧客管理など)に加え、Webシステム・スマートフォンアプリの開発実績を幅広く持ちます。人事・労務管理領域においては、勤怠管理システムのSaaS型プロダクト「ケンスマ勤怠」を自社で開発・提供している点も特筆すべき実績です。自社プロダクトの開発で得た労務管理業務への深い理解を活かし、クライアントの労務管理システム受託開発でも高品質な成果物を提供できます。
労務管理システム開発パートナー選びのポイント

6社のご紹介を踏まえ、実際に開発会社を選定する際の具体的なポイントを整理します。労務管理システムは他の業務システムと比べて法令対応・セキュリティ・長期保守の観点から選定基準が多岐にわたるため、以下の3つの視点で各社を評価することをおすすめします。
実績と経験の確認方法
まず確認すべきは、労務管理・人事システムに関連した開発実績の有無と具体性です。単に「業務システムの開発実績あり」と記載されているだけでは不十分であり、勤怠管理・給与計算・社会保険手続きなど、具体的な業務領域での開発経験があるかどうかを確認する必要があります。商談や提案の場では「労務管理システムの開発事例を教えてください」と直接聞き、担当者がスムーズに事例を説明できるかどうかを確認することが有効です。
また、自社と近い業種・規模・雇用形態の企業への開発実績があるかどうかも重要です。たとえば、シフト制が多い小売業の企業と、裁量労働制を取り入れたIT企業とでは、勤怠管理の要件が大きく異なります。同様の業態での開発実績を持つ会社は、要件定義の段階から的確な提案が期待できます。
技術力と専門性の評価
技術力の評価においては、開発するシステムの技術スタックが現代的かつ保守性が高いかどうかを確認することが重要です。古い技術を用いたシステムは、法改正対応や機能追加の際に多大なコストがかかるリスクがあります。特に労務管理システムは長期にわたって使用されるケースが多いため、5年・10年後の保守を見据えた技術選定ができているかを確認してください。
また、セキュリティへの対応力も技術力評価の重要な要素です。労務管理システムには従業員の氏名・住所・給与・マイナンバーなどの機密性の高い個人情報が集中します。個人情報保護法や社会保険関連法令への準拠はもちろん、不正アクセス対策・データ暗号化・アクセス権限管理など、セキュリティ設計の方針について積極的に説明できる会社を選ぶことをおすすめします。
プロジェクト管理体制の確認
プロジェクト管理体制は、開発の成否を左右する重要な要素です。特に労務管理システムのような業務への影響が大きいシステムでは、開発中の進捗の透明性が保たれているかどうかが非常に重要になります。週次の進捗報告の有無・課題が発生した際のエスカレーション経路・テスト工程での品質確認のプロセスなど、プロジェクト管理の具体的な体制について提案時に確認しておきましょう。
また、担当窓口が明確に設定されているかどうかも重要です。開発が始まってから担当者が頻繁に変わるような体制では、業務知識の引き継ぎが不十分となりトラブルの原因になります。専任のプロジェクトマネージャーがいる会社や、担当者の継続性を明示的に保証している会社は、長期プロジェクトの信頼性が高いと言えます。発注後に「言った言わない」問題が起きないよう、議事録や仕様書の管理方針についても事前に確認することをおすすめします。
まとめ

この記事では、労務管理システム開発でおすすめの開発会社・ベンダー6社を紹介し、選び方のポイントについて解説しました。ripla・さくら情報システム・日本システムランド・日立ソリューションズ・アクシア・GeNEEはそれぞれ特徴が異なり、コンサルティング重視・大規模実績・長期保守対応・業務効率化提案・技術力など、自社が重視する軸によって最適な選択肢は変わります。
労務管理システムの開発は、単なるIT投資ではなく、企業の人事・労務業務全体を再設計する機会でもあります。開発会社の選定にあたっては、実績・技術力・プロジェクト管理体制の3点を軸に複数社を比較検討し、自社の業務要件や予算感に合ったパートナーを見つけることが重要です。まずは複数社に相談・見積もりを依頼し、提案内容や担当者の対応姿勢を確認することから始めてみてください。
▼全体ガイドの記事
・労務管理システム開発の完全ガイド
株式会社riplaでは、IT事業会社出身のプロフェッショナルが「Impact-Driven型支援」を通じて、プロダクトやシステムの納品・提供を目的とせず、お客様と同じ目線で、事業成果の達成をゴールとして、高品質なDX/開発支援をいたします。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
