督促管理システムの発注・外注は、回収業務を丸ごと任せることではなく、延滞発生から入金確認、督促停止、履歴保存までの業務ルールを整理し、必要な範囲を適切な方式と契約で委託することが重要です。
しかし、パッケージを導入するのか、既存システムに機能を追加するのか、スクラッチ開発を依頼するのかによって、費用も期間も発注者側の準備も大きく変わります。この記事では、督促管理システムの外注を検討する消費者金融、カード会社、信販会社、保証会社、サービサー、ローン事業者の担当者に向けて、発注形態の選び方、RFPと要件整理、契約形態、費用相場、委託先の選定、見積比較のポイントを順番に解説します。
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督促管理システムの発注・外注で最初に決めること

督促管理システムは、延滞債権の一覧を表示するだけのツールではありません。貸付・契約・顧客情報、入金データ、コールセンター、SMSやメール、帳票、外部サービサー、監査ログなどをつなぎ、延滞後の業務プロセスを動かす基盤です。発注前に対象範囲を曖昧にすると、開発会社は機能の追加を前提に見積もるか、逆に重要な運用を対象外にした低い金額を提示するため、後から追加費用と納期遅延が生じやすくなります。
発注の目的を回収率だけにしないことが大切です
最初に定めるべき目的は、回収率の向上だけではありません。入金済みの顧客に督促する行き違いを減らすこと、担当者が複数の台帳を確認する時間を短くすること、返済約束や苦情の履歴を引き継げるようにすること、監査や問い合わせに必要な記録をすぐ出せるようにすることも、重要な目的です。回収率だけをKPIにすると、強い督促を増やす方向に偏り、誤督促率や苦情率、1件当たり接触コストを見落とすおそれがあります。
たとえば、初期延滞ではSMSやメールで案内し、反応がない顧客だけを架電対象にする設計なら、担当者の処理時間と接触コストを抑えられます。一方で、支払済み、返済約束中、弁護士や司法書士の介入後、苦情対応中、本人確認未了などは、自動配信や自動架電から除外する制御が必要です。発注書やRFPでは「督促を自動化する」と書くのではなく、「どの状態で何を実行し、どの状態で止めるか」を明記します。
業務・法務・情シスを含む発注チームを作ります
発注担当を情シスだけにすると、画面や連携の要件は整っても、現場の例外処理や督促停止の判断が抜けることがあります。回収業務の責任者、コンタクトセンター、経理、法務・コンプライアンス、情報システム、個人情報管理の担当者を初期段階から参加させ、誰が何を決めるかを分担してください。ベンダーに業務整理を支援してもらう場合でも、社内の受入責任者まで委託することはできません。
特に、督促文面、連絡可能な時間帯、第三者への情報開示を避ける確認方法、委託先や再委託先が扱えるデータ、保存期間と削除方法は、発注者が判断する事項です。金融分野の個人情報保護ガイドラインでは、委託先の選定基準、契約上の監督・監査権限、再委託の条件、漏えい時の責任などを確認することが求められています(出典:個人情報保護委員会・金融庁「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」、2024年)。
督促管理システムの発注形態はどれを選びますか?

発注形態は、標準機能を利用するクラウド・SaaS、業界パッケージを導入して個別連携を加える方式、独自要件をスクラッチで開発する方式に大別できます。選択の基準は「自社に合わせてどこまで作れるか」だけではなく、法令や帳票の変更に誰が対応するか、既存の勘定系や入出金データをどこまで安全に連携できるか、5年間の運用体制を維持できるかです。
クラウド・SaaSは小さく始めたい場合に向いています
既存の債権台帳を大きく変えず、入金データの取込、SMSやメールの配信、コールリスト、履歴管理、簡易ダッシュボードから始めたい場合は、クラウドやSaaSが候補になります。初期投資を抑えやすく、インフラの冗長化やパッチ適用を自社だけで抱えにくい点が利点です。PoCや一部商品・一部拠点で効果を確認し、結果を見て機能を拡張する進め方にも適しています。
ただし、月額料金だけで判断してはいけません。顧客・債権データの保管場所、APIの上限、SMSや音声の従量課金、障害時の復旧目標、ログの保存期間、データを返却してもらう方法、解約後の消去証明、再委託先の所在を契約前に確認します。クラウド事業者の標準機能にない督促停止ルールを無理に運用で補うと、担当者の手作業が残るため、重要な制御が設定で実装できるかを確認します。
業界パッケージは共通業務と統制を重視する場合に向いています
債権台帳、延滞日数、入金消込、返済約束、催告書、代位弁済、償却、法定帳簿、監査ログなど、金融業務で共通する機能を短期間で揃えたい場合は、業界パッケージが有力です。業務知識を持つベンダーであれば、発注者が言語化できていない例外や帳票の前提を確認しながら要件を固められます。金融特化パッケージに、独自の回収シナリオやBIだけを追加する構成なら、スクラッチ開発より保守負担を抑えられる可能性があります。
一方で、標準機能と自社業務の差が大きい場合、アドオンが増えてバージョンアップのたびに回帰テストが必要になります。デモでは画面の見栄えだけでなく、当日入金を受けた顧客がコールリストから除外されるか、返済約束の変更が次回配信へ反映されるか、弁護士介入後に自動処理を止められるかを実データに近い条件で確認してください。
スクラッチ開発は独自業務と基幹連携が競争力に直結する場合に選びます
複数の商品・会社・拠点をまたぐ延滞ステージ、独自の回収スコア、特殊な返済条件、勘定系や収納代行との複雑な連携など、標準機能では競争力を出せない場合はスクラッチ開発を検討します。業務に合わせた画面や処理を作れる反面、法令改正、帳票改定、セキュリティパッチ、障害対応、開発者の交代まで発注者が長期的に管理する必要があります。
最初から全機能を作るのではなく、入金連携、督促停止、SMSやメール、コールリスト、交渉履歴をMVPとして稼働させる方法が現実的です。その後、IVR、音声AI、BI、サービサー委託管理などを段階的に追加します。スクラッチを選ぶときは、ソースコードや設計書の引き渡し、第三者保守の可否、契約終了時の移行支援までRFPに含め、ベンダー依存を抑える準備をします。
RFPと要件整理は督促業務の例外から始めます

RFPは、開発会社に機能一覧を渡して価格を聞くためだけの資料ではありません。なぜ作るのか、どの業務を対象にするのか、既存の何を残すのか、どの状態を異常とみなすのか、どこまでを今回の発注に含めるのかを同じ条件で比較するための資料です。督促管理では正常な架電フローよりも、支払済み、重複入金、配信失敗、連絡先不備、返済約束変更、法的手続き移行などの例外を先に整理すると、品質と費用の差が見えやすくなります。
RFPには業務・データ・連携・非機能の章を設けます
RFPの章立ては、背景と目的、対象業務、対象商品の範囲、現状業務フロー、課題、機能要件、データ要件、外部連携、非機能要件、移行、テスト、教育、運用保守、体制、スケジュール、見積条件とします。対象業務には、延滞の検知、優先順位付け、通知、架電、返済約束、入金取込、消込、督促停止、苦情、弁護士介入、代位弁済、償却、サービサーへの委託と返却を含めます。
データ要件には、顧客、契約、債権残高、利息、延滞日数、保証情報、連絡先、入金、交渉履歴、録音、返済約束、停止フラグの項目と履歴期間を記載します。連携要件は、APIかファイルかだけでなく、連携頻度、締め時刻、タイムアウト、再送、重複防止、照合、エラー通知、手動リカバリまで指定します。非機能要件では、ユーザー権限、MFA、暗号化、操作ログ、保存期間、バックアップ、RTO・RPO、監視、脆弱性対応、災害対策を明示します。
自動化する処理と人が承認する処理を分けます
自動化の対象は、条件が明確で、誤実行しても止められる処理から選びます。たとえば、入金データの取込、定型文の配信、対象者の抽出、コールリスト作成、履歴の記録は自動化しやすい領域です。一方、督促の継続可否、返済条件の変更、苦情への回答、法的回収への移行、本人確認が不十分な場合の対応は、担当者の承認や二者確認を必須にする設計が適しています。
要件表には、処理のトリガー、参照するデータ、実行するアクション、除外条件、承認者、失敗時の通知、操作ログ、切り戻し方法を一行ずつ書きます。音声AIや自動架電を採用する場合も、AIに督促可否を全面的に委ねるのではなく、説明可能な条件、有人への引き継ぎ、録音・文字起こしの保存、禁止語や危険な応答の検知を仕様に含めます。
金融分野ではAIの活用自体を止めるのではなく、利用目的、モデルの評価、モニタリング、説明、責任者を含むガバナンスと一体で進める流れが強まっています。金融庁は2026年3月に「AIディスカッションペーパー(第1.1版)」を公表し、2025年に開催したAI官民フォーラムの知見を踏まえて論点を更新しています(出典:金融庁「AIディスカッションペーパー(第1.1版)」、2026年)。発注時にはAI機能の精度だけでなく、学習データの扱い、評価記録、誤応答時の停止、有人確認、継続的なモニタリングを提案範囲に含めてください。
受入基準を発注前に決めておきます
受入基準を「担当者が使えること」とだけ書くと、検収時に判断が分かれます。支払済みの顧客が次回の配信対象から除外されること、当日入金が一定時間内に画面へ反映されること、返済約束の変更履歴が残ること、指定した保存期間まで録音や操作ログを検索できることなど、確認可能な条件へ変換します。業務部門が実際に使う帳票や画面は、受入テストのシナリオと一緒に作成してください。
テストは、正常系、異常系、権限別、性能、セキュリティ、移行、障害復旧に分けます。特に、当日入金、二重入金、部分入金、配信失敗、外部連携の遅延、連絡先変更、営業時間外、弁護士介入、苦情対応中、返済約束の期限切れを実データに近い条件で試します。検収を開発会社任せにせず、発注者側の業務担当が合否を判断することが、稼働後の事故を減らします。
契約形態とプロジェクトの進め方を決めます

督促管理システムの外注では、契約形態を開発会社に任せきりにせず、要件の確定度と成果物の評価方法に合わせて選びます。企画や要件整理の段階では準委任契約、仕様と納品物が固まった開発では請負契約、クラウドや保守では利用契約・保守契約を組み合わせる方法が一般的です。ひとつの契約にすべてを詰め込むより、工程ごとの責任と検収条件を分けたほうが管理しやすい場合があります。
要件定義は準委任、確定した開発は請負を検討します
準委任契約は、発注者と開発会社が一定の時間や役割で業務を進める形で、現状分析、業務フロー、RFP作成支援、要件定義、プロトタイプ検証など、途中で確認しながら内容が変わる工程に向いています。成果物の完成を一律に保証する契約ではないため、稼働時間、担当者、会議体、作成資料、報告方法、品質管理、秘密保持、データ取扱いを具体的に定めます。
請負契約は、合意した仕様に基づくシステムや設計書、テスト結果、移行ツールなどの完成を発注する形です。納品物、完成の定義、検収期間、契約不適合への対応、仕様変更の手続き、遅延時の扱い、知的財産権、ソースコードの利用権を契約書に明記します。要件が固まっていないまま全工程を請負にすると、開発会社がリスクを織り込んで高く見積もるか、変更のたびに追加請求になりやすいため注意が必要です。
個人データ・再委託・インシデントの条件を契約に入れます
督促管理システムでは、氏名、住所、電話番号、返済状況、交渉記録、録音などの個人データを扱う可能性があります。契約では、利用目的、取扱データの項目、アクセスできる担当者、保管場所、暗号化、ログの取得、持ち出し禁止、データ返却、消去、監査、教育、脆弱性対応、事故発生時の第一報と詳細報告の期限を定めます。クラウド、SMS、IVR、音声認識など複数のサービスを使う場合は、それぞれの事業者とデータの流れを一覧化します。
再委託は、契約上の承認や事前報告の有無、再委託先の所在地、担当範囲、アクセス権、監査方法を確認します。金融分野では、契約の形式や種類を問わず、個人データの取扱いを他者に行わせる契約が委託に含まれると整理されています(出典:個人情報保護委員会・金融庁「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」、2024年)。「有名なクラウドだから安全」と判断せず、委託先からさらに外部サービスへ流れる経路まで責任分界を確認してください。
要件定義から移行までを段階的に発注します
発注後は、現状分析と業務設計、要件定義、基本設計、詳細設計・開発、連携試験、受入テスト、移行、教育、稼働後支援の順で進めます。各工程の終わりに成果物レビューと判断会を置き、次工程へ進む条件を合意します。発注者側の意思決定者が不在のまま開発を進めると、課題が終盤に集中するため、週次の進捗会議、月次の経営報告、課題の期限と担当者を最初に決めます。
データ移行は、最後に一度だけ実施するのではなく、サンプル移行、リハーサル、段階移行、本番移行、切り戻し確認に分けます。旧システムと新システムの残高、延滞日数、入金、返済約束、停止フラグを照合し、差分があれば原因を追跡できるようにします。稼働後も、一定期間は旧システムを参照できるようにし、問い合わせや監査に必要な履歴を失わない計画を作ります。
督促管理システムの費用相場と見積内訳

督促管理システムの公開価格は少なく、費用は債権件数、商品数、既存システムとの連携、データ移行の難しさ、監査・セキュリティ要件、24時間運用の有無で大きく変わります。以下の金額は公開価格の断定ではなく、2026年時点の一般的な業務システム相場と、金融特有の連携・統制工数をもとにした発注時の推定レンジです。正式な予算は、同じRFPを2〜3社へ渡して確認してください。
方式別の初期費用と開発・導入期間の目安
既存業務へのクラウド・SaaS追加で、対象データの取込、SMSやメール、基本ダッシュボード、権限設定、最小限のAPI連携に絞る場合は、初期費用300万円〜1,500万円、期間2〜6か月程度が目安です。一般的な業務システムの費用は300万円〜1,500万円、期間4〜12か月という公開目安がありますが、これは金融特有の移行や監査を含まない場合があります(出典:モカモコ株式会社「システム開発の費用相場完全ガイド 2026」、2026年)。
業界パッケージの導入に設定、帳票、入金消込、コールリスト、監査ログ、勘定系・収納との連携を加える場合は、1,500万円〜8,000万円、期間6〜12か月程度が一つの目安です。中堅事業者向けに複数商品、複数会社、延滞ステージ別シナリオ、BI、冗長化、データ移行まで含めると、3,000万円〜1億5,000万円、9〜18か月程度になる可能性があります。大手の基幹刷新やスクラッチ開発は、1億円〜5億円以上、18〜36か月程度を見込むケースもあります。
小規模なPoCやSMS・IVR連携だけなら100万円〜500万円程度から始められる可能性がありますが、対象範囲が限定されるため、本番全体の費用とは分けて考えます。金融データの全件移行、複数経路の入金照合、法令・監査対応、災害対策を含む案件で、一般的な業務システムの下限だけを予算として採用すると、後から必要な作業が追加されるリスクが高くなります。
見積もりでは開発費以外のコストも分けて確認します
初期費用は、要件定義・業務設計、基本設計・詳細設計、開発・連携、テスト、プロジェクト管理、インフラ構築、データ移行、教育、稼働支援に分けて提示してもらいます。最初のチェック目安として、要件定義10〜15%、設計15〜25%、開発・連携35〜45%、テスト15〜25%、移行・教育・稼働支援10〜20%という配分を置けますが、これは統計的な標準値ではなく、見積項目の抜け漏れを確認するための参考値です。
別途、クラウド、監視、バックアップ、SMS送信、IVR、通話録音、文字起こし、本人認証、郵送、保守、法改正対応、脆弱性診断、障害対応、教育の費用が発生します。保守費を初期費用の年15〜25%程度とする見積慣行もありますが、休日対応や制度改正、従量課金の有無で変わります。初期価格だけでなく、5年間の利用料、保守費、追加開発費、移行費を合算したTCOで比較してください。
費用を押し上げる要因を先に洗い出します
費用が増えやすいのは、外部連携の数だけではありません。既存データの欠損やコード不統一、過去履歴の保存、日中入金の即時反映、複数拠点の権限分離、録音の長期保管、24時間運用、災害時の切り替え、監査向けの証跡、他社サービスへの再委託管理も工数を増やします。RFPでは、連携先の名称、データ量、頻度、許容遅延、停止時の代替手段を記載し、各社に同じ前提で積算してもらいます。
安い見積もりが出たときは、対象外になっている項目を確認します。要件定義、データクレンジング、移行リハーサル、受入テスト支援、教育、並行稼働、切り戻し、監査資料、脆弱性対応、SMSや電話の従量費が含まれていなければ、契約後に追加費用となります。見積もりの総額だけでなく、前提条件、成果物、除外項目、変更単価、支払条件を横並びにしてください。
委託先の選定と比較見積で確認するポイント

委託先は、会社の知名度や提案書のきれいさだけで決めません。金融特化パッケージに強い会社、基幹システムを統合できる大手SI、SMS・IVR・オートコールなどチャネルに強い会社、サービサーの回収業務知識を持つ会社など、得意領域が異なります。自社の課題が「延滞後の業務全体」なのか、「既存台帳に督促チャネルを追加すること」なのかを明確にし、適したタイプの会社へRFPを配布します。
金融・債権回収の実績を案件単位で確認します
実績を聞くときは、「金融業界に導入実績があります」という説明だけで終わらせません。債権の種類、延滞件数、既存システム、連携方式、移行範囲、導入期間、稼働後の体制、ベンダーが担った役割を確認します。可能であれば、同じ担当者が要件定義から稼働後保守まで参加するか、実際のデモや導入企業の評価を確認します。サービサーや保証会社向けの経験と、消費者金融・カード会社向けの経験が同じとは限らないため、業務の近さを見ます。
公開事例では、株式会社アイティフォーの千葉興業銀行向け債権管理システムで、催告書や代弁請求書の作成・送付を一括化し、日中入金がある顧客を表示してコール担当者の行き違いを防ぐ取り組みが紹介されています(出典:株式会社アイティフォー「千葉興業銀行様導入事例」、2025年)。このような事例から、会社名よりも、自社が解決したい「入金反映と督促停止」「帳票作成」「担当者の判断支援」が実際に実装されているかを確認する視点を持てます。
セキュリティと委託先管理を提案段階で見ます
提案依頼時には、権限設計、特権ID、MFA、通信・保存時の暗号化、操作ログ、ログの改ざん防止、脆弱性診断、バックアップ、復旧訓練、開発環境のデータマスキング、端末管理、従業者教育を質問します。クラウドの場合は、データ保管地域、障害時の復旧目標、サブプロセッサー、解約時のデータ消去、監査報告書の提供可否も確認します。秘密保持契約を結ぶ前に実データを渡さず、提案用の匿名化データやサンプル項目を準備することも大切です。
貸金業者や貸金業者から取立ての委託を受けた者には、私生活や業務の平穏を害する言動をしてはならないなどの規制があります(出典:e-Gov法令検索「貸金業法」第21条、2026年確認)。システムの仕様だけで法令順守が完了するわけではありませんが、連絡可能時間帯の制御、本人以外への情報開示を避ける確認、督促停止フラグ、文面の承認、通話記録の保存を組み込むことで、現場のミスを抑えられます。最終的な法的判断は、法務・コンプライアンス担当や専門家と行ってください。
比較見積は価格・範囲・体制を同じ表で比較します
比較表には、初期費用、月額費用、従量費、保守費、5年間のTCO、要件定義の範囲、標準機能、個別開発、連携、移行、テスト、教育、稼働支援、除外項目を並べます。さらに、プロジェクト責任者、金融業務の担当者、開発体制、再委託の有無、障害時の連絡経路、法改正時の対応、契約終了時の移行支援を記載します。金額が近くても、移行リハーサルや受入テスト支援が含まれるかで、発注者の負担は大きく違います。
提案書の評価は、価格30点、要件適合25点、金融・債権回収の実績15点、セキュリティ・委託管理15点、体制とプロジェクト管理10点、保守・将来拡張5点のように、社内で重み付けを決めておくと判断しやすくなります。点数配分は一例ですが、最安値だけで選ばないことが重要です。各社に同じ質問をし、回答の具体性、リスクの指摘、前提条件の明示、発注者への確認姿勢を比較してください。
督促管理システムの発注・外注でよくある質問

督促管理システムの発注では、費用だけでなく、社内の準備や法令・個人情報の扱いについても質問が寄せられます。ここでは、発注前に特に確認しておきたい内容を、直接回答の形で整理します。
督促管理システムの発注費用はどのくらいですか?
小規模なクラウド追加やPoCは100万円〜500万円程度、既存業務へクラウド・SaaSを追加する場合は300万円〜1,500万円程度、業界パッケージ導入は1,500万円〜8,000万円程度が推定レンジです。複数商品・複数会社・基幹連携・移行・監査を含むと3,000万円〜1億5,000万円以上、大規模な基幹刷新やスクラッチでは1億円〜5億円以上になる可能性があります。公開価格ではなく、対象範囲による推定なので、同じRFPで複数社へ見積もりを依頼してください。
督促管理システムはパッケージとスクラッチのどちらがよいですか?
共通する債権管理、入金消込、帳票、監査ログを早く整えたい場合はパッケージが向いており、独自の回収戦略や複雑な基幹連携を競争力にしたい場合はスクラッチが候補です。実際には、金融特化パッケージを中心に、独自のシナリオやデータ分析だけを追加するハイブリッド方式も選べます。標準機能との差分、アドオン率、法改正対応、5年間のTCOを比較して判断してください。
RFPには何を書けば委託先から比較できる提案が出ますか?
背景と目的、対象業務、現状フロー、対象データ、延滞ステージ、入金・収納・CRM・CTIなどの連携、機能要件、督促停止条件、非機能要件、移行、テスト、教育、保守、体制、スケジュール、見積条件を記載します。特に、当日入金、返済約束、弁護士介入、配信失敗、権限違反などの例外シナリオと受入基準を入れると、各社が同じ前提で提案しやすくなります。
督促管理システムの外注契約で注意する点は何ですか?
要件定義や業務整理は準委任、仕様が固まった開発は請負、クラウド利用や保守は利用契約・保守契約というように、工程と責任を分けて検討します。個人データの取扱い、再委託、監査、漏えい時の報告、データ返却・消去、知的財産権、検収、仕様変更、契約終了時の移行支援を契約に入れます。実際の契約条件は、法務担当や専門家の確認を受けてください。
まとめ:督促管理システムは業務ルールを決めてから発注します

督促管理システムの発注・外注を成功させるには、先に製品名や開発会社を決めるのではなく、延滞発生から入金、督促停止、履歴保存までの業務と例外を整理することが出発点です。回収率だけでなく、誤督促率、苦情率、接触コスト、担当者の処理時間、監査対応時間もKPIに置くと、システム投資の効果を正しく評価しやすくなります。
発注前に確認する5つの要点です
第一に、クラウド・パッケージ・スクラッチのどの方式が業務と将来計画に合うかを比較します。第二に、RFPへ対象業務、データ、連携、非機能、移行、受入基準を記載します。第三に、準委任と請負を工程の確定度に合わせ、検収・変更・保守の条件を分けます。第四に、初期費用だけでなく、従量費、保守、追加開発、5年間のTCOを確認します。第五に、金融・債権回収の実績、セキュリティ、再委託、障害時の責任分界を同じ評価表で比べます。
最初の一歩は現状フローと例外シナリオの棚卸しです
まずは、延滞の検知、対象者の抽出、通知、架電、返済約束、入金確認、督促停止、苦情、法的回収、委託・返却の流れを1枚に描き、手作業と事故の発生箇所を洗い出してください。そのうえで、入金連携と督促停止など効果と安全性の高い領域からMVPを作り、段階的に拡張する方法を開発会社へ相談します。業務を理解し、リスクと除外項目まで説明できる委託先を選ぶことが、長く使えるシステムにつながります。
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・督促管理システム開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
