工事管理システム開発の完全ガイド

工事管理システムの開発は、現状分析と課題整理から始まり、要件定義・設計・開発・テスト・リリースの順に進みます。費用は規模や機能によって大きく変わり、開発会社の選び方と発注の進め方によって、開発の成否が分かれます。

▼関連記事一覧

・工事管理システム開発の進め方|工程・手順・流れを徹底解説
・工事管理システム開発でおすすめの開発会社6選|選び方も解説
・工事管理システム開発の費用相場|価格を左右する要因と節約法
・工事管理システム開発の発注方法|失敗しない外注のポイント

工事管理システムとは|基本概念と導入メリット

工事管理システムは、建設プロジェクトの計画から施工、竣工、引き渡しまでの全工程を効率よく管理するための情報システムです。工程・安全・品質の管理を中心に、原価や書類、写真までを含め、建設現場で発生するあらゆる業務をひとつのシステムで一元的に管理します。

工事管理システム導入の主なメリット

①書類作成・管理業務の大幅な削減(現場での直接入力、ペーパーレス化)。
②複数現場の進捗をリアルタイムで一元的に把握。
③工程の遅れや安全上の問題を早く見つけ、すぐ対応。
④過去の工事記録や写真を効率よく検索、活用。
⑤協力業者との連絡・指示の効率化。
⑥原価の見える化と収益性の向上。
⑦建設業の働き方改革と残業削減への貢献。

これらにより、生産性の向上、コストの削減、品質の向上につながります。

▶ 詳細はこちら:工事管理システム開発の進め方

ポイント

導入を検討するときは、書類作業や進捗把握など、いま現場で最も手間がかかっている業務から効果を見積もると判断しやすくなります。

工事管理システム開発の進め方

モバイルファースト設計、オフライン機能、写真管理機能、工程表のビジュアル表示を4枚のカードで示した図
現場の利用環境に合わせた機能が並びます。

工事管理システムの開発は、現状分析と課題整理から始まります。その後は、要件定義・設計・開発・テスト・リリースという流れで進みます。成功の鍵となるのは、建設業特有の業務要件を正確に把握することです。

開発の基本ステップ

①現場担当者や管理者へのヒアリングによる課題整理。
②必要機能の洗い出しと優先順位付け。
③開発会社への要件定義・RFP作成。
④設計(モバイルファースト・オフライン対応設計)。
⑤段階的な開発・テスト(現場環境でのテスト含む)。
⑥段階的にリリースし、継続的に改善していきます。

技術的なポイント

現場で使い続けられるかは、技術面の作り込みに左右されます。
・建設現場での利用を考慮したモバイルファースト設計。
・電波不安定環境でも使えるオフライン機能。
・大量の現場写真を効率よく管理する写真管理機能。
・工程表のビジュアル表示(ガントチャート等)。
・GPS位置情報と連携します。

▶ 進め方の詳しい流れはこちら:工事管理システム開発の進め方

ポイント

進め方で迷ったら、要件定義の段階で現場担当者の声をどこまで集めたかを基準にすると、後の設計や開発での手戻りを減らしやすくなります。

工事管理システム開発の費用相場

小規模、中規模、大規模の開発費目安と、月額保守費用の年間割合を4つのパネルで示した図
規模が大きくなるにつれて費用目安も上がります。

開発費用は、システムの規模や機能、対応するプラットフォームによって大きく変わります。

規模別の費用目安

規模別の費用の目安は、次のとおりです。
小規模(〜20現場・基本機能):100〜500万円程度。
中規模(20〜100現場・統合機能・モバイル対応):500〜2000万円程度。
大規模(100現場以上・AI機能・既存システム連携):2000万円以上。

月額保守費用(開発費の10〜15%/年)も、予算計画に含めておく必要があります。

費用を左右する主要因

費用を左右するのは、対応プラットフォーム(PC・スマートフォン・ネイティブアプリ)と外部システムとの連携数です。さらに、写真管理のスケールやオフライン機能の実装レベルも効いてきます。AIによる工程最適化や危険予測などの高度な機能も、費用に関わる要素です。

▶ 詳細はこちら:工事管理システム開発の費用相場

ポイント

予算を考えるときは、まず規模で費用の範囲を決め、連携数や写真管理の規模、AI機能の有無で上下を見積もると判断しやすくなります。

工事管理システム開発のおすすめ会社

工事管理システムの開発を成功させるには、建設業の業務知識とモバイル開発技術の両方を持つ会社を選ぶことが欠かせません。

会社選びの重要基準

会社を選ぶときの重要な基準は、次のとおりです。
・建設業向けシステムの開発実績。
・モバイルアプリ(iOS/Android)の開発技術力。
・現場環境(オフライン・不安定通信)への対応実績。
・写真・図面管理システムの構築経験。
・現場導入の支援が充実していること。

おすすめ開発会社

おすすめの開発会社と特徴は、次のとおりです。

①ripla(リプラ):建設業務の理解とモバイル開発に強み。
②株式会社インフォマティクス:建設業特化、CAD/GIS連携に強み。
③株式会社インテック:大手建設会社の大規模システムに実績。
④株式会社OBC:工事管理と会計の密接な連携が強み。
⑤株式会社アイサンテクノロジー:ICT建機・3D計測との連携に先進技術。
⑥株式会社建設システム:中小建設会社向けの導入実績が豊富です。

▶ 詳細はこちら:工事管理システム開発でおすすめの開発会社

ポイント

会社を比べるときは、建設業の業務知識と、モバイルやオフラインへの対応実績の両方を備えているかを確かめると、候補を絞りやすくなります。

工事管理システム開発の発注方法

発注を成功させるには、現場の声を要件定義に反映することと、適切な開発会社を選ぶことが欠かせません。

発注の基本ステップ

発注は、次の手順で進めます。
①現場担当者へのヒアリングと課題整理。
②機能要件の優先順位付け。
③既存システム連携要件の確認。
④RFP(提案依頼書)の作成・候補3〜5社への送付。
⑤提案書・見積書の比較評価。
⑥現場担当者同席のデモ・ヒアリング。
⑦会社選定・契約締結。
⑧段階的なリリース計画を確認します。

失敗しないための注意点

発注で特に押さえたい点は、次のとおりです。
・現場環境(電波不安定・様々な端末)でのテスト実施を契約に盛り込む。
・著作権は発注者帰属にする。
・段階的なリリース計画を策定する。

また、現場に導入したあとのサポート体制(操作説明・ヘルプデスク)も、事前に確かめておく必要があります。

▶ 詳細はこちら:工事管理システム開発の発注方法

ポイント

発注では、RFPに現場数や必要機能、連携先を具体的に書けるかどうかが、比較できる提案を集める分かれ目になります。現場の声を要件に入れておくと、提案の差も見えやすくなります。

工事管理システム開発の最新トレンド

工事管理システムの周囲にBIM/CIM連携、IoT・ドローンとのデータ連携、AI活用による工程最適化・危険予測を配置した図
設計情報、現場データ、AI活用が連携領域として広がります。

建設業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進むなか、工事管理システムも進化しています。最新の動向を押さえておくと、将来を見据えた開発計画を立てられます。

BIM/CIM連携の普及

BIM(Building Information Modeling)とCIM(Construction Information Modeling)は、3次元モデルに工期、コスト、材料などの情報をまとめる技術です。

国土交通省がBIM/CIMの推進方針を示していることもあり、工事管理システムとBIM/CIMデータの連携が広がっています。これにより、設計から施工、維持管理まで一貫してデジタルデータを活用できるようになります。

IoT・ドローンとのデータ連携

建設現場では、IoTセンサー(温度・湿度・傾斜・振動等)の設置や、ドローン測量との連携が進んでいます。現場のデータをリアルタイムでシステムに自動で取り込み、安全管理や品質管理、進捗管理に生かす取り組みも増えています。将来の工事管理システムには、こうしたデータを統合・分析する機能が標準になっていくと考えられます。

AI活用による工程最適化・危険予測

AIを活用した機能の実用化も進みつつあります。たとえば、過去データをもとに最適な工程計画を提案する工程最適化や、カメラ映像からヒヤリハット事例を自動で集めて分析する危険箇所の自動検出があります。

また、天気や気象データを考慮して工程を自動で調整する機能もあります。中長期の開発計画では、こうした機能を取り込むことも検討できます。

まとめ

導入効果から費用、会社選び、発注、技術まで、ここまでの内容を次の5点にまとめました。

  • 工事管理システムは、工程から写真までの管理を一元化し、書類作業の削減、リアルタイムの進捗把握、工期遵守率の向上を実現する
  • 開発費用は規模によって異なり、小規模100〜500万円・中規模500〜2000万円・大規模2000万円以上が目安
  • 会社選びでは、建設業の業務知識とモバイル開発技術の両方を備えた企業を選ぶことが重要
  • 発注時は、RFPに管理現場数、必要機能、外部システム連携、インフラ方針を具体的に記載し、複数社の提案を比較する
  • 技術面では、モバイルファースト設計・オフライン機能・写真管理・GPS連携が要点で、中長期的にはAIによる工程最適化や危険予測も見据えて設計する

予算には、月額保守費用(年間で開発費の10〜15%)も含めておく必要があります。開発の進め方や費用について不明な点があれば、実績のある開発会社に相談するとよいでしょう。要件を整理したうえで複数社から提案を受け、自社に合うパートナーを選びましょう。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。