受託開発の費用は、100万円から数億円まで幅があります。その幅は、開発規模と技術難易度のほか、開発期間とチーム規模によって生まれます。
費用の内訳と規模別の相場、費用を抑える方法を順に説明します。
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受託開発費用の内訳

見積書の金額が妥当かどうかは、費用の内訳を知らなければ判断できません。まずは主な項目を押さえておくと、見積書を読み比べやすくなります。
人件費(最大のコスト要素)
人件費は、受託開発の費用を大きく左右します。割合と担当者ごとの単価、人月の見方を押さえておきましょう。
- 割合:受託開発費用の70〜80%を占めます。
- フロントエンド:エンジニアの単価は月60〜120万円です。
- バックエンド:エンジニアの単価は月70〜130万円です。
- プロジェクトマネージャー:単価は月80〜150万円程度です。
費用は、エンジニアやデザイナー、プロジェクトマネージャーなどの工数に単価を掛けて算出します。さらに、シニアエンジニアや特定技術のスペシャリストは、単価が高くなります。工数は「人月(ひとつき)」で表し、1人月は、1人が1ヶ月フルタイムで作業する量です。
見積書には、各担当者の役割、人月、単価が記載されているはずです。そのため、受け取った見積書では、この3つを必ず確認しましょう。
設計費・管理費・テスト費・インフラ費
人件費以外にも、設計・管理・テスト・インフラの4つの費用がかかります。どれも開発費の一部なので、項目ごとに中身を押さえておくと、見積書の内容を比べやすくなります。
- 設計費:要件定義・基本設計・詳細設計の工数を含みます。
- 管理費:プロジェクト管理・品質管理・進捗報告の費用です。
- テスト費:品質保証(QA)担当者の工数にかかる費用です。
- インフラ費:環境構築費に加え、クラウド利用料が継続します。
設計費は開発費全体の15〜20%程度です。また、管理費は5〜10%程度、テスト費は5〜15%程度を占めます。設計費・管理費・テスト費は工数に応じて増えるため、見積もりの総額に直接響きます。
インフラ費の中身は、サーバー・データベース・ネットワーク環境の構築です。特に、AWS・GCP・Azureなどのクラウドを使う場合は、月額利用料が毎月かかります。
このほか、ライセンス料や外部API利用料、セキュリティ診断費などが追加で発生する場合もあります。
受託開発費用の相場・目安(規模別)

プロジェクト規模によって費用の目安は大きく変わります。そのため、自社の案件がどのカテゴリに当てはまるかを、まず確認しておきましょう。
小規模:100〜500万円
小規模プロジェクトの目安は100〜500万円で、開発期間は2〜6ヶ月程度です。機能が限定的かつ仕様が明確な案件に、この規模は向いています。
- LP・企業サイト:リニューアル費用は50〜200万円です。
- Webアプリ・CRM:シンプルなものは200〜500万円です。
- スマホアプリ:MVP(最小限の機能のみ)開発は200〜500万円です。
費用を抑えたい場合は、全機能を最初から開発しない選択肢があります。特に、コア機能に絞ったMVP開発から始める進め方がおすすめです。
中規模:500〜3,000万円
中規模プロジェクトの目安は500〜3,000万円で、開発期間は6ヶ月〜1年程度です。
- 業務システム:受注管理、在庫管理、勤怠管理などが該当します。
- EC・ポータルサイト:複数機能を持つ大規模開発です。
- SaaS型Webアプリ:複数の機能を持つサービスです。
複数のエンジニアがチームを組むため、プロジェクト管理の重要性が高まります。
仕様が曖昧なまま残ると、追加費用が大幅に膨らむリスクがあります。そのため、要件定義を丁寧に行い、仕様の曖昧さを減らしておくことが大切です。
大規模:3,000万円〜
大規模プロジェクトは3,000万円以上で、数億円に達するケースも珍しくありません。また、開発期間は1〜3年以上になることもあります。
- 基幹システム:ERP・SCM・CRMの刷新が該当します。
- プラットフォーム:大規模な開発です。
- 高信頼性システム:金融・医療・公共系の案件です。
さらに、高セキュリティ・高可用性が求められる案件も、このカテゴリに含まれます。大手SIerや信頼性の高い中堅SIerへの発注が一般的です。
なお、ガバナンス体制や品質管理、リスク管理の観点から、発注者側にも専任のPMO(プロジェクト管理オフィス)を置くことが推奨されます。
費用を左右する要因
同じような機能のシステムでも、開発会社や条件によって費用は変わります。このため、見積もりを比べる前に、差が生まれる要因を確認しておきましょう。
開発規模・技術難易度・開発期間・チーム規模
費用の差を生む要因は4つあります。機能と技術、納期と体制の面から、順に見ていきます。
- 開発規模:機能数が多いほど工数が増え、費用も上がります。
- 技術難易度:特殊な技術を使うと専門人材の費用が加算されます。
- 開発期間:短納期では同時に多くの人材が必要になります。
- チーム規模:大人数を長期間維持すると管理費が増えます。
技術難易度が上がる例には、AI・機械学習・ブロックチェーン・高度なセキュリティ要件があります。
要件定義で機能を絞り込むことが、コスト管理の基本です。そのうえで、余裕のあるスケジュールを組めば、コストの抑制につながります。さらに、必要な時期に必要なリソースを投入するメリハリも大切です。
費用を抑えるポイント

限られた予算で質の高いシステムをつくるには、進め方と体制の選び方が欠かせません。そこで、予算と品質のバランスを取りながら、費用を抑える方法を見ていきます。
要件定義の精度向上・アジャイル活用・オフショア併用
費用を抑える方法は、手戻り、機能の優先順位、開発体制の3方向から検討できます。
- 要件定義:開発前に仕様を固めます。
- アジャイル:優先度の高い機能から段階的にリリースします。
- オフショア併用:国内外で工程を分担し、人件費を抑えます。
手戻りは追加工数・費用の主因です。そのため、要件定義を丁寧に行うことが、開発フェーズの手戻りを減らすことにつながります。
アジャイル開発では、準委任契約(タイムアンドマテリアル型)も選択肢になります。予算を使い切ったタイミングで追加開発を判断できるため、スコープを柔軟にコントロールできます。
オフショア開発では、設計・要件定義を国内、実装・テストをベトナムやインドのチームに委託します。その結果、品質を維持しながら人件費を30〜50%削減できるケースがあります。
まとめ
受託開発の費用は、小規模Webアプリで100〜500万円、業務システムで500〜3,000万円、大規模基幹システムで3,000万円〜数億円が目安です。また、費用の大半は人件費で、70〜80%を占めます。
費用は、開発規模や技術難易度、開発期間、チーム規模によって変動します。そのため、費用を抑えるには、要件定義の精度を高めて手戻りを減らすことが有効です。加えて、アジャイル開発やオフショア開発の活用も選択肢になります。
まずは複数の開発会社に見積もりを依頼しましょう。そのうえで、費用の根拠と内訳を比較検討することが重要です。
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会社紹介
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
