契約更新管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

契約更新管理システムの費用は、初期費用が0〜100万円程度から4,000万円超まで幅があります。金額を左右するのは、導入方式と契約件数、移行量です。さらに、承認・連携の範囲も金額に関わります。

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契約更新管理システムの全体像

費用を見積もる前に、システムで管理する範囲を決めておく必要があります。管理対象が期限通知だけか、契約依頼から更新判断までの一連の業務かによって、必要な機能と費用が変わります。

期限を見逃すリスクを減らす仕組み

契約更新では、契約終了日と解約通知期限が別々に設定されるため、管理で抜けが生じやすくなります。たとえば、終了日の90日前までに解約通知が必要な契約でも、終了日だけをExcelに記録していると、自動更新される可能性があります。見逃しを防ぐため、台帳での管理、段階通知、通知後の判断記録を組み合わせます。

  • 契約台帳:開始日・終了日、自動更新の有無、解約予告日、担当者、相手先、金額を記録
  • 段階通知:90日前・60日前・30日前など、複数の時点で通知を出す
  • 判断記録:「更新」「条件変更」「解約」「要確認」の選択と、担当者・承認日時の保存

通知後の処理まで設計するかどうかが、単なるカレンダー連携との違いになります。

契約台帳から契約ライフサイクル管理まで

管理範囲を決める際は、契約更新管理と契約ライフサイクル管理(CLM)の違いを確かめておきます。

  • 契約更新管理:契約書の保管、更新日と解約通知期限、担当者への通知を扱う
  • CLM:契約依頼から審査、承認、締結、保管、変更、更新、解約まで扱う
  • 導入範囲:更新漏れだけか、法務への依頼や承認停滞も課題かで選ぶ
  • 基本機能:契約書と属性情報の一元管理、全文検索、部署・契約種別ごとの権限
  • 履歴・関連:変更履歴、版管理、親契約と覚書の関連付け

更新漏れだけが課題なら、SaaSの台帳機能で足りる場合があります。一方で、法務への依頼や承認の停滞も課題なら、ワークフローまで含めて選びます。

AIやOCRで相手先や期間、金額、自動更新条項を抽出する場合も、確認者と修正履歴が必要です。また、高機能にするほど初期費用が増えるため、期限管理と台帳から段階導入する方法が現実的です。

契約更新管理システムの費用相場

契約更新管理システムの4つの導入方式を、費用レンジの規模順に並べた図解。
導入範囲が広がるほど、費用帯も段階的に上がります。

費用相場は、導入方法によって大きく異なります。SaaSの小規模導入は、初期設定とデータ整備を含めて0〜100万円程度、月額は1万〜10万円程度が目安です。

部分開発や既存SaaSとの連携は300万〜1,500万円程度、複数部門向けの標準刷新は1,500万〜4,000万円程度です。大規模スクラッチでは、4,000万円を超えるケースもあります。この金額は、類似する業務システム刷新のデータに基づく推定レンジで、専用の公的価格表ではありません。

契約件数が数百件か数万件か、利用者が1部署か全社かによっても、工数は変わります。さらに、電子契約を新たに導入するか、既存サービスと連携するかも費用に影響します。

発注会社は、予算を中央値だけで決めず、自社条件を反映した総保有コスト(TCO)で比べます。

SaaS導入の初期費用と月額料金

SaaSの料金を比べる際は、利用料と導入時に必要な費用を分けて見ます。

  • 導入費:初期設定、ユーザー・権限設計、契約登録、操作研修、運用ルール整備
  • クラウドサイン:無料枠は月2件・1ユーザーまで、有料は送信1件220円
  • クラウドサインの月額:ライトは11,000円、Corporateは28,000円。移行や個別連携は別途見積もり
  • Hubble:初期費用0円を掲げ、台帳・OCR・期限通知・権限・関連契約の紐付けを案内
  • Hubbleの有料範囲:一覧化、ステータス管理、期限通知は有料プランで提供。プランや導入支援も併せて確認

クラウドサインの掲載額は、公式料金ページに基づいています(出典: クラウドサイン公式料金ページ、2026年)。

Hubbleは企業規模や課題に応じた料金提案が前提のため、必要機能を含むプラン、過去契約書のアップロード費、導入・定着化支援の有無を確かめます(出典: Hubble公式料金ページ、2026年)。

部分開発・スクラッチ開発の費用レンジ

開発範囲ごとの費用レンジを並べて見ると、必要な投資規模を把握できます。

  • 部分開発:承認ルート、通知ロジック、基幹連携などを対象に、300万〜1,500万円程度
  • 複数部門向け刷新:契約業務全体をまとめて扱う場合で、1,500万〜4,000万円程度
  • 大規模スクラッチ:4,000万円超で、期間は9〜18か月以上になる可能性
  • 費用増要因:海外拠点、多言語、複雑な料金改定、数万件の移行、基幹との双方向連携

複数部門向けでは、契約依頼から解約までの業務を、一つの仕組みでまとめて扱います。法務審査や承認、締結などの工程も、この範囲に入ります。大規模スクラッチの費用は確定額ではありません。要件、データ量、品質基準を確認したうえで、正式見積もりを取ります。

部分開発に電子署名や購買・会計・販売管理とのAPI連携を加えると、データ項目とテストケースが増えます。さらに、部署ごとの権限や限定的な申請ワークフローを追加すると、費用が上振れしやすくなります。

費用を抑えるには、標準機能と重なる部分を作り込まないことが大切です。

ポイント

費用は導入方式で大きく変わるため、まず自社がSaaS、部分開発、標準刷新、スクラッチのどれに近いかを想定します。金額は推定の幅なので、契約件数や利用者数、連携範囲を入れて自社条件で比べます。

開発費用・コストの内訳

人件費、既存契約書の移行費、連携や保守運用の費用を3層に分けた図解。
機能開発以外に、契約データの整備や運用費も総額を形づくります。

見積書では、工程ごとに費用を分けて確認します。工程には、要件定義から開発、テストまでに加えて、データ移行、導入支援、保守運用が含まれます。機能開発だけでなく、契約書を確認して正しい台帳へ変換する作業も費用に影響します。

要件定義・設計・開発・テストの人件費

人件費は、工程ごとの工数配分と担当者の構成を分けて見積もります。

  • 工程別配分:要件定義約10%、設計10〜20%、開発40〜60%、テスト10〜20%
  • 開発者単価の例:月額80万〜120万円程度の例
  • 見積もり項目:担当ロール、月数、成果物、レビュー回数を確認する

工程別の配分は、案件によって変動する一般的な目安で、確定価格ではありません。検索項目や通知ルールが曖昧なまま進むと、設計変更と再テストが発生し、開発費が増えやすくなります。

単価は、人数と期間を合わせて総額で比べます。法務に詳しいプロジェクトマネージャーや移行担当者、セキュリティ・連携を確認する技術者が必要になると、人数と期間が増えます。

既存契約書の移行・OCR・データ整備費

移行費を見積もる際は、契約書の保管場所、データの状態、移行の進め方を整理しておきます。

  • 保管場所と件数:共有フォルダ、紙、PDF、複数の電子契約サービス
  • データ整備:ファイル名、契約書と覚書の関係、終了済み契約、期間・金額、重複
  • 優先移行:更新が近い契約、金額が大きい契約、重要取引先の契約

OCRやAIで抽出する場合は、人が結果を確認するサンプル率と、その責任者を決めておく必要があります。確認の方法が曖昧だと、誤った期限通知につながります。

移行を一度に全件実施すると、データ整理の負荷が重なり、導入時期が延びることがあります。一方、段階移行なら初期費用を抑えられるうえ、通知や権限を実データで確かめてから全社へ展開でき、手戻りも減らせます。

連携・セキュリティ・保守運用のランニングコスト

ランニングコストは、従量料金、保守運用、セキュリティ要件に分けて確認します。

  • 従量料金:ユーザー、容量、OCR、AI、API、電子署名の送信、追加サポート
  • 保守運用:障害対応、更新、法令対応、設定変更、バックアップ、問い合わせ
  • セキュリティ:SSO、多要素認証、操作ログ、暗号化、データ返却・削除

クラウドサインでは、有料プランの送信費用が1件220円です。書類インポートが10,000書類を超える場合の保管費用も案内されています。

月間の締結件数と過去契約の登録件数をもとに、1年目と2年目以降を分けて計算します。

保守運用費は、初期開発費の年5〜15%程度を目安にする場合があります。ただし、SaaSの月額料金とは計算方法が異なります。また、安さだけでセキュリティ要件を省略しないよう注意が必要です。

ポイント

見積もりの総額は、機能開発に加えて、契約書の移行や連携、保守運用まで含めて捉えます。比べる際は、各費目が分けて書かれているかを先に見ておきます。

契約更新管理システムの費用が変動する要因

契約件数や利用者数、承認と通知のルール、外部システム連携を費用要因として並べた図解。
規模と業務ルール、接続先を同じ条件で整理すると見積もりを比べやすくなります。

同じ製品や開発会社でも、仕様の細かさによって見積もりは変わります。特に、日付の扱いや通知先、例外処理は費用に直結します。さらに、条件比較や更新判断後の申請も、金額を押し上げます。

金額が上がる理由を把握しておくと、必要な機能と後回しにできる機能を切り分けられます。

契約件数・利用者数・拠点数

規模に関わる費用要因は、契約件数、利用者・拠点の広がり、必要なアクセス制御です。

  • 契約件数:増えるほど保存容量と移行工数が増える
  • 利用者・拠点:増えるほど権限と運用ルールが複雑になる
  • アクセス制御:部署、契約種別、取引先、案件、地域で分けるケースがある

営業や法務など部署ごとに権限が異なる場合は、部署ごとの設計も必要になります。さらに、海外拠点を含めると、多言語表示、タイムゾーン、各国の保存要件が加わります。

ContractS CLMの公式事例では、130名規模から1,636名規模までの企業の課題として、分散検索や期限管理が紹介されています。プロセス構築や権限管理も、課題として挙げられています。

規模だけで費用が決まるわけではありません。ただし、利用者や関係部署が広がると、権限設計、移行、定着支援の工数が増えると考えられます(出典: ContractS CLM公式導入事例、2025年)。

承認ルート・例外処理・通知ルール

通知と承認の仕様は、固定ルール、条件分岐、例外時の処理に分けて整理します。

  • 固定通知:90日前に担当者、60日前に部門長、30日前に法務
  • 条件分岐:契約種別・金額・リスク判定によって通知先を変える
  • 例外処理:更新・条件変更・解約・要確認のほか、代理承認、期限超過時のエスカレーション、休日
  • 関連文書:契約書・覚書・発注書・料金表を親子で紐付け、現行条件を表示
  • AI検知:条項変更結果の確認者、誤検知の修正、確認履歴の扱い

例外処理は、事前に洗い出しておかないと、開発後の追加要望になりやすい領域です。また、AI機能の費用と品質も、条項変更の確認プロセスに左右されます。

電子契約・会計・購買システムとの連携

連携費用を見積もる際は、各システムの役割、データ連携の方法、運用費を確認します。

  • 連携対象:電子契約、会計、購買、販売管理
  • 役割:電子契約は締結の証拠、更新管理は締結後の期限・条件・責任者を受け持つ
  • 接続方法:APIや自動取込を確認し、難しければCSV運用も比較
  • 費用:初期の連携開発費と、API利用料・保守費を分けて見る

連携では、データ項目の対応表と同期の時期を決めておく必要があります。さらに、失敗時の再送や重複登録の防止、削除・更新の扱いも決めます。APIが有料オプションだったり、データ出力に制限があったりすると、長期のコストが上がる可能性があります。

ポイント

費用が膨らむのは、件数や利用者の広がり、例外処理、外部システムとの連携が増えたときです。必要な機能と後回しにできる機能を切り分け、どの要因が金額に効いているかを見極めます。

費用を確定させる開発・導入の進め方

業務とデータを整理してから見積もりを依頼すると、精度を高められます。

期間の目安は、SaaSで数週間〜3か月、部分開発で3〜6か月、複数領域のスクラッチで半年〜1年以上です。データ移行と並行稼働テストには、別に期間を確保しておきます。

契約業務とデータの洗い出し

見積もりの前に、契約業務と保有データ全体を洗い出します。

  • 業務と件数:契約種類、年間締結・更新件数、通知ルール、担当部署、保存期間
  • 保管状況:Excel、共有フォルダ、紙、電子契約サービスごとの件数
  • 移行時の重要情報:欠けると効果を損なう自動更新条項、解約期限、金額、親契約との関係
  • 機能優先度:MUSTに当たるのは、台帳、複数段階の通知、検索、権限、変更履歴、更新判断の記録
  • 検証範囲:WANT機能の検証と、代表契約20〜50件でのPoC

WANTには、AIによる条項比較やチャット検索、予算連携などがあります。また、複雑な自動判定もWANTに含まれます。PoCでOCRの抽出精度、通知の分岐、関連契約の表示を確かめておくと、不要な作り込みを減らせます。

パッケージ・クラウド・スクラッチの選び方

導入方式は、費用・期間と業務への適合度を踏まえて選びます。

  • パッケージ・クラウド:短期で低い初期費用から始めやすく、法改正やセキュリティ更新を任せやすい
  • スクラッチ:独自の承認、複雑な料金改定、基幹連携、拠点別の権限に合わせやすい
  • ハイブリッド:台帳・通知・検索はSaaSで、特殊なワークフローや基幹連携はSI・開発会社が拡張する

パッケージやクラウドは、標準機能に業務を合わせる形で、更新管理を早く定着させたい企業に向いています。また、台帳移行や通知設定だけを支援会社へ依頼する方法もあります。

スクラッチ開発では、初期費用と法改正対応を発注会社が負担します。

小規模導入と運用KPIによる展開

まずは小規模に導入して効果を測り、運用を調整してから展開範囲を広げます。

  1. 法務や購買など更新件数の多い1部署から始め、通知対応率、期限超過件数、検索時間、入力漏れ、意思決定時間を測る
  2. 導入前の業務時間と導入後の差を比べ、効果を評価する
  3. 利用者が迷う箇所を見つけ、通知先や入力項目を直してから部署を増やす
  4. 導入支援を見積もりに含めるか、社内で担うかを決める

ContractS CLMの公式事例では、全研本社が年間約420時間の業務効率化に成功しています。ただし、自社で同じ効果が得られるとは限りません(出典: ContractS CLM公式導入事例、2023年)。

責任者や法務、情報システムの担当者が、KPIと問い合わせを定期的に確認します。このように確認すると、機能を追加する前に運用で解決できる課題も見つかります。

見積もりを取る際のポイント

複数社を比べるには、同じ条件を渡す必要があります。そのため、RFPには対象契約件数、利用者・拠点数、移行範囲を中心に記載します。通知ルールや連携先、セキュリティ要件、テスト方法、保守範囲も、同じ条件として書き込みます。

要件定義書での費用条件の具体化

要件定義書には、業務条件と非機能要件を具体的に記載します。

  • 通知仕様:「更新日を管理する」では不十分で、終了日と解約通知期限を別項目にし、90・60・30日前の通知先と通知後の状態を指定
  • 契約情報:通貨、税込・税抜、月額・年額、親契約・覚書、終了済み契約の検索可否
  • 認証・運用:SSO、多要素認証、部署・案件単位の権限、操作ログ、バックアップ、復旧目標
  • データ・連携:保存地域、API制限、データエクスポートと削除

要件が具体的であれば、各社は同じ前提で見積もれ、価格差の理由も説明しやすくなります。

IPAによると、「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版は2026年3月に公開され、同年7月にも更新されています(出典: IPA、2026年)。

機密情報を扱うため、機能の安さだけでなく、管理体制と安全利用の条件も評価します。

複数社のTCOによる比較

見積もりを比べる際は、総額、事業者ごとの役割、連携範囲を同じ条件で確認します。

  • 基本費目:初期費用、月額基本料、ユーザー・容量・送信件数の従量費
  • 追加費目:初期設定、過去契約移行、OCR、API、研修、保守、法令対応
  • 比較期間:1年目に加えて、3年程度の利用総額を見る
  • 役割分担:製品・電子契約ベンダーとSI・開発会社、それぞれの担当範囲
  • 連携確認:対象、費用、同期データの範囲を契約前に確かめる

月額が低くても、移行や連携を個別に開発すると、総額が逆転する場合があります。なお、Hubbleはクラウドサイン、DocuSign、GMOサインなどとの連携を案内しています。

追加費用と導入後のリスク

見積もりの金額だけでなく、移行・AI利用・電子取引データの扱いに伴うリスクを確認します。

  • 導入リスク:移行漏れ、直せない通知誤り、粗い権限による機密条項の過剰閲覧、API障害による停止
  • AI利用条件:学習利用、保存地域、再委託先、ログ保持期間、削除方法
  • 電子取引データ:改ざん防止、日付・金額・取引先検索、表示・DL、概要書備付け

国税庁が2026年6月に公開した資料「電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?」(出典: 国税庁、2026年)と、Q&Aを確認します。制度の解釈は、税務担当者や専門家にも尋ねます。

電子取引データでは、訂正・削除履歴による改ざん防止、取引年月日・金額・取引先での検索を要件に含めます。さらに、画面表示やダウンロード、システム概要書の備付けも、要件に入れます。

ポイント

複数社の見積もりを同じ前提で比べるため、要件定義書には業務条件と非機能要件を具体的に書きます。総額は1年目だけでなく、3年程度のTCOで比べます。

契約更新管理システムのコスト最適化ポイント

費用を抑えるには、安い製品を選ぶだけでなく、更新漏れや不要な自動更新を減らし、使われる範囲に投資を集中させることが大切です。

期限通知と台帳の先行整備

初期段階では、まず管理する機能を絞ります。

  • 台帳と検索:契約情報を整理し、必要な書類を探せるようにする
  • 更新・解約通知:担当者、ステータス、操作ログと合わせて、期限を管理する

AI分析やチャット検索は、台帳の入力品質と運用ルールが整ってから追加します。そのうえで、重要な契約20〜50件で試し、通知が正しく届くか、担当者が更新判断を登録できるかを確認します。

この順序であれば、初期のSaaS導入や小規模開発を0〜100万円程度で検討し、効果を確かめてから連携開発を追加できます。4,000万円超のスクラッチを最初から目指すより、業務リスクの高い箇所から投資する方が、予算と効果を説明できます。

移行対象の選定とデータ整備の分割

全契約を同じ精度で移行しなくてもよい場合は、更新が近い契約や高額契約を優先します。自動更新条項のある契約や、法務・購買がよく参照する契約も対象に入れます。また、終了済み契約は保存要件を確認したうえで、検索対象を分ける方法もあります。

件数を段階に分けると、初期のOCR・入力確認費を抑えられ、導入時期も短縮できます。ただし、重要契約の移行を省くことが最適とは限りません。

契約書と覚書が別々の場所にあると、関係を整理しないままでは更新条件を取り違えることがあります。そのため、見積もりには対象件数や紙の有無を明記し、OCR確認方法と重複除外基準も書き込みます。さらに、移行後のサンプル検査を納品条件に含めます。

SaaSと連携開発の組み合わせ

ハイブリッド構成では、SaaSに任せる機能と個別開発する範囲を分けて設計します。

  • SaaS:標準化できる契約台帳や期限通知を利用する
  • 個別開発:独自性の高い承認ルートや基幹連携を追加する
  • データと機能:自社保有分とサービスに任せる範囲を分ける

API利用料やデータ同期の条件、障害時の切り分けを確認します。さらに、サービス終了時にデータを返却してもらえるかも確かめます。

データを持ち出せない、連携仕様が非公開、保守の受け持ち範囲が曖昧といった場合は、後から移行費が発生する可能性があります。

契約前にエクスポート形式と移行支援の条件を確かめておくと、製品を変えるときや追加開発を行うときにも対応できます。

ポイント

費用を抑える中心は、更新漏れや不要な自動更新を減らし、使われる範囲に投資を集めることです。台帳と期限通知から始め、効果を見てからAIや連携開発を追加すると、予算と効果を説明できます。

よくある質問(FAQ)

費用と導入方法についての質問に答えます。公開されている料金は変わることがあるため、各サービスの公式見積もりを、自社の契約件数・利用者数・連携範囲と照らし合わせます。

契約更新管理システムは月額いくらかかりますか?

SaaSの小規模導入では、月額1万〜10万円程度が目安です。ただし、ユーザー数や容量で金額が変わります。OCR・AI、送信件数、サポートの有無も影響します。

クラウドサインでは、ライトプランが月額11,000円、Corporateプランが月額28,000円です。送信1件ごとの費用も案内されています。

自社の利用量と必要な機能を踏まえ、初期設定や移行費を含めた1年目の総額で比べます。

スクラッチ開発とSaaS導入はどちらが安いですか?

短期導入と基本的な台帳・更新通知が目的であれば、一般的にはSaaSの方が初期費用を抑えやすいです。一方で、独自の承認、複雑な条件、基幹連携が重要であれば、連携開発やスクラッチが業務に合う場合があります。

初期価格に加えて、3年程度の利用料、移行、保守を含むTCOで判断します。法令対応や将来の変更費も、同じ条件で比べます。

既存のExcelやPDFの契約書は移行できますか?

移行の可否は、取込形式、PDFの状態、台帳の必要項目に加えて、OCRの確認方法で決まります。紙やスキャンPDFはOCR後に人が確認し、契約書と覚書の関連付けや重複除外も行います。

更新が近い契約や重要契約から段階移行すると、費用と導入期間を管理しやすくなります。

電子契約システムがあれば契約更新管理システムは不要ですか?

電子契約システムは締結の証拠を残す仕組みです。一方、契約更新管理システムは締結後の期限と条件、責任者を管理し、更新・解約の判断も扱います。

電子契約サービスに書類管理や更新通知が含まれる場合もあります。既存契約の台帳化、複数サービスの横断検索、法務・購買の承認が必要なら、電子契約サービスの機能で足りるかを確認します。

両者をAPIや取込機能で連携できれば、再入力を減らしながら役割を分けられます。

まとめ

SaaSの小規模導入は、初期費用0〜100万円程度、月額1万〜10万円程度が目安です。部分開発や既存SaaSとの連携は300万〜1,500万円程度、複数部門向けの標準刷新は1,500万〜4,000万円程度です。

大規模スクラッチは4,000万円超も想定されます。いずれも推定レンジで、契約件数、移行量、利用者数によって変動します。さらに、通知・承認ルール、外部連携、セキュリティ要件も費用に影響します。

費用相場を判断する際の要点

SaaSは、月額基本料と従量費を、初期設定から保守までの費用と分けて確認します。計算は、1年目と2年目以降に分けて行います。

受託開発では、要件定義からテストまでの工数を確認します。そのうえで、移行、導入支援、保守の範囲も確かめます。

価格だけでなく、更新漏れを減らせるか、条件確認の証跡を残せるかという成果に照らして比べます。

導入前に決めるべき次の一歩

導入前の準備から方式比較、検証、拡張までを順に進めます。

  1. 契約件数、通知ルール、利用部署、保管場所、連携先を洗い出す
  2. 代表契約20〜50件で検証し、結果をRFPにまとめて方式を比べる
  3. 責任者とKPIを決め、初期費用、データ移行、OCR確認、API、ユーザー・容量・送信件数、導入支援、保守運用を分けて比較する
  4. 台帳・期限通知・検索・権限・ログから始め、効果を見てAIや基幹連携を広げる
  5. 通知後の判断者、承認ルート、条件確認、更新・解約記録を運用に定着させる

導入後の責任者とKPIを決め、複数の製品ベンダーや開発会社に同じ条件で相談します。3年程度のTCOと運用体制を含めて選定すると、費用を成果につなげやすくなります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。