C++のシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

C++のシステム開発を発注・外注するときは、C++を使うこと自体ではなく、機器制御・画像処理・高速計算・低遅延など、C++で解決したい業務上の要件を先に定義することが成功のポイントです。

本記事では、C++のシステムを依頼する際の発注形態の選び方、RFPと要件の整理、請負・準委任などの契約形態、費用相場、委託先の比較方法を順に解説します。既存のC++資産を残してWeb化・クラウド化したい場合や、製造・検査・医療・IoT・業務端末の開発会社を探している場合にも使える発注準備の考え方をまとめています。

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C++のシステム開発を発注するとき、何から始めますか?

C++のシステム開発を発注する準備をする担当者

結論からいうと、最初に作るべきものは機能一覧ではなく、「何を改善し、どの処理をC++で実装し、どこまでを委託するか」を整理した発注方針です。画面数だけを伝えて見積もりを依頼すると、機器接続、性能、データ移行、現地試験、運用保守が後から追加され、金額と納期がぶれやすくなります。

業務上の目的とC++を使う範囲を決めます

まず、受発注の入力時間を短縮したいのか、検査画像の処理時間を短くしたいのか、センサーやPLCと確実に連携したいのかを一文で表します。たとえば「検査画像を1件あたり3秒以内に処理し、判定結果と画像を保存する」「設備停止時は5秒以内に安全側へ移行する」のように、成果と測定方法まで書くと、C++が必要な範囲を判断しやすくなります。

C++は、画像・信号処理、数値計算、リアルタイム制御、機器との通信、既存ライブラリの活用などに向きます。一方、認証、一般的なワークフロー、帳票、マスタ管理、社内申請画面までC++だけで作る必要はありません。高速処理のコアをC++で実装し、API、Web画面、データベース、クラウド監視を別の技術で組み合わせる構成の方が、発注後の保守分担を明確にできます。

既存システムと現場の制約を棚卸しします

既存のC++システムを外注する場合は、ソースコードだけでなく、対象OS、コンパイラ、C++標準、CPU、ビルド手順、第三者ライブラリ、ライセンス、テストデータ、実機、障害履歴を一覧にします。MFCやQt、独自フレームワーク、C++11以前の資産では、コードを読めるだけでなく、当時のビルド環境と実機の挙動を再現できる会社かどうかが重要です。

同時に、現場担当者へ「例外時に何をしているか」「紙やExcelへ退避する場合は何を記録するか」「設備を止められる時間帯はいつか」を確認します。業務ルールを担当者の経験だけに依存すると、発注先が正しく実装できません。現場の協力者、受け入れ責任者、データを準備する担当者を発注前に決めることが、技術選定と同じくらい大切です。

性能・安全性・運用の目標を数値にします

「高速」「安定」「安全」といった表現は、会社ごとに解釈が変わります。処理時間、同時接続数、データ欠損の許容数、稼働率、復旧時間、ログ保存期間、バックアップの世代数など、受け入れテストで判定できる数値へ置き換えます。機器やネットワークが切断されたときの動作、停電後の再起動、通信遅延時の再送も、通常時とは別のシナリオとして記載します。

C++ではメモリ管理、未定義動作、データ競合、依存OSSの脆弱性が品質とセキュリティに影響します。2025年のCISA「Eliminating Buffer Overflow Vulnerabilities」も、バッファオーバーフローがデータ破壊、情報漏えい、クラッシュ、不正なコード実行につながり得ると注意喚起しています。静的解析、コンパイラ警告、サニタイザ、ファジング、依存ライブラリの脆弱性確認を、発注条件とテスト計画に含めます(出典: CISA「Secure by Design Alert: Eliminating Buffer Overflow Vulnerabilities」、2025年)。

C++のシステムはどの発注形態・外注方法が適していますか?

C++のシステムの発注形態を比較するイメージ

発注形態は、要件の確定度、技術的な不確実性、発注側の関与可能時間、既存資産の有無で選びます。すべてを一括で請け負ってもらう方法が常に最適とは限らず、先に調査やPoCを依頼し、その結果をもとに本開発へ進む方が、C++特有の実機リスクを抑えられる場合もあります。

要件が固まっているなら一括請負を検討します

業務フロー、対象機器、性能目標、納品物、検収条件が固まっている場合は、要件定義から設計・開発・試験・移行までを一括して請負契約にする方法があります。発注側の管理負担を抑えやすく、納品物と責任範囲を契約に書きやすい点がメリットです。製造ラインや医療機器など、切替日が明確な案件では、マイルストーンごとに成果物と検収条件を分けます。

ただし、要件が曖昧なまま一括請負へ進むと、会社側は不確実性を予備費に含めるか、対象外として扱います。その結果、発注側が期待した機能が見積もりに入っていなかったり、変更のたびに追加費用が生じたりします。請負に向くのは「確定した範囲」であり、調査が必要な範囲まで固定価格に押し込む発注ではありません。

技術リスクが高いならPoCや段階委託から始めます

画像処理の精度、センサーの通信、既存C++のビルド、リアルタイム性など、実際に動かさなければ判断できない事項がある場合は、PoCを先に発注します。PoCの成果物は、動くデモだけでなく、採用するライブラリ、測定結果、未解決の課題、量産・本番化に必要な工数、捨てるコードの範囲まで含めます。成功条件を決めずにPoCを始めると、試作が長期化して本開発へ進めなくなります。

既存システムの刷新では、いきなり全面置換せず、まずコードと実行環境を調査し、テストを追加してからAPI化する方法が現実的です。C++の処理エンジンを残し、Web画面や認証、帳票、データ管理を段階的に置き換えると、業務を止めずに移行しやすくなります。調査、PoC、本開発、保守を別の発注単位にすると、各段階の判断材料も明確になります。

内製と外注を分けるなら境界と責任者を決めます

発注側が業務知識や既存設備を持ち、外注先がC++・API・クラウドなどの技術を担う形もあります。内製と外注の境界は、画面とC++コアのような技術単位だけでなく、要件決定、テストデータ作成、実機の貸し出し、リリース判定、障害一次対応まで分けて書きます。境界が「連携部分は協力する」といった曖昧な表現だけだと、障害時に原因調査の担当が決まりません。

また、発注側のプロダクトオーナー、外注先のプロジェクトマネージャー、C++の技術責任者、現場の受け入れ責任者を置きます。週次の進捗確認だけでなく、仕様の決定期限、レビュー方法、課題管理ツール、緊急連絡先を決めることが必要です。部分委託であっても、ソースコード、設計書、CI設定、第三者ライセンス、運用手順を共有できる状態を納品条件にします。

C++のシステム発注でRFPと要件をどう整理しますか?

C++システムのRFPと要件を整理するイメージ

RFPは、開発会社へ提案と見積もりを依頼するための資料です。C++のシステムでは、一般的な機能一覧に加えて、対象機器、処理性能、OS・コンパイラ、通信、異常時の動作、試験、納品物を具体的に含めます。発注前に完璧な仕様書を作る必要はありませんが、未確定の事項を未確定として明示することが、見積もりの透明性を高めます。

背景・対象業務・必須機能を分けて書きます

RFPの冒頭には、現状の課題、開発の目的、対象部門、利用者数、拠点数、稼働予定日、予算の考え方を書きます。続いて、必須機能と将来機能を分け、受発注・在庫・品質・保守履歴などの業務データ、ユーザー権限、承認、帳票、外部API連携を整理します。機能ごとに「誰が、いつ、何を入力し、どの結果を確認するか」を記載すると、画面と業務ルールの抜けを発見できます。

既存C++を引き継ぐ場合は、全面改修、部分改修、API化、保守のみのいずれを期待するかを明示します。コードの行数だけでなく、実行頻度の高い処理、変更したい処理、絶対に挙動を変えてはいけない処理を分けます。過去の障害、性能測定、利用中の機器、サンプルデータ、現行マニュアルも共有すると、提案会社が調査範囲を見積もりやすくなります。

非機能要件と開発環境を数値で指定します

最低限、応答時間、スループット、同時接続数、稼働時間、復旧時間、バックアップ、データ保持期間、ログ、監視、権限、暗号化、対応OS、CPUアーキテクチャ、ネットワーク切断時の動作を記載します。機器連携では、通信プロトコル、データ形式、タイムアウト、再送、重複受信、機器交換時の手順まで確認します。現場で電波が不安定だったり、装置の停止が難しかったりする場合は、オフライン動作と復旧シナリオを必須要件にします。

開発環境では、C++23を採用するのか、既存資産との互換性からC++17やC++20にするのかを決めます。ISO C++の現行標準はC++23で、C++26の作業も進行中ですが、コンパイラや標準ライブラリの実装状況は機能ごとに異なります(出典: Standard C++「The Standard」「Current Status」、2026年確認)。GCC、Clang、MSVC、CMake、パッケージ管理、警告レベル、ABI、コンテナの組み合わせをRFPに書き、将来の環境更新を誰が検証するかも決めます。

テストと納品物を発注条件に含めます

納品物は実行ファイルだけでは不十分です。ソースコード、基本設計書・詳細設計書、API仕様、データ定義、テスト仕様書と結果、性能測定結果、既知の不具合、ビルド手順、CI/CD設定、第三者ライセンス、運用監視の手順、障害復旧手順、教育資料まで、必要な範囲を一覧化します。ソースコードを納品しても、特定の担当者しかビルドできない状態では、保守の引き継ぎに使えません。

試験は単体、結合、システム、性能、負荷、実機、ユーザー受け入れの順に整理し、各試験の合格条件を決めます。C++ではAddressSanitizer、UndefinedBehaviorSanitizer、ThreadSanitizer、静的解析、ファジングをどの範囲で実行するか、依存OSSのSBOMとCVE確認を誰が担当するかを確認します。安全性が重要な設備や医療関連では、正常系だけでなく、異常入力、通信断、電源断、機器交換を受け入れテストに入れます。

C++のシステム開発では契約形態をどう選びますか?

C++システム開発の契約形態を確認するイメージ

契約形態は、責任範囲と変更の扱いを決めるための重要な発注条件です。請負、準委任、保守契約を一つにまとめるのではなく、調査・要件定義・本開発・運用保守で適した形を組み合わせます。法務や契約の最終判断は自社の担当者と専門家へ確認し、ここではC++案件で起こりやすい実務上の違いを整理します。

成果物と完成責任を明確にできる範囲は請負にします

請負契約は、合意した成果物を完成させ、検収を受ける範囲を明確にしやすい契約です。要件、設計、実装、試験、納品物、検収方法、瑕疵や不具合への対応を工程ごとに記載します。C++のシステムでは「性能目標を満たすこと」「特定の機器で動作すること」「指定した異常系試験に合格すること」など、完成を判断する条件を曖昧にしないことが重要です。

一方で、既存コードの解析や未知の機器との接続など、発注時点で作業量を確定しにくい範囲を請負金額へ無理に含めると、会社側の前提条件が多くなります。調査フェーズを別契約にし、調査結果をもとに本開発の請負範囲を再定義する方が、見積もりの根拠を説明しやすくなります。

調査・伴走・アジャイル開発は準委任も候補にします

準委任契約は、一定期間の専門的な業務を遂行してもらう形で、要件調査、技術支援、既存C++の解析、プロトタイプ、発注側との共同設計などに向きます。作業時間や体制を基準に費用を整理しやすく、途中で得られた知見を次の設計へ反映できます。機器仕様が未確定で、検証結果を見ながら進めたい場合の選択肢になります。

ただし、準委任だからといって成果物や報告を曖昧にしてはいけません。期間、担当者、作業内容、レビュー頻度、成果物の粒度、作業時間の報告、意思決定者、知的財産の扱いを合意します。アジャイルで進める場合も、スプリントごとの受け入れ基準と、次の開発へ進む判断条件を置くと、作業が無制限に広がりにくくなります。

変更管理・知的財産・保守範囲を契約に書きます

変更依頼が出たときは、追加費用と納期への影響を評価し、承認してから着手する手順を決めます。仕様凍結後の機能追加、対応OSや機器の追加、性能目標の変更、データ移行範囲の増加は、金額だけでなく試験計画も変えます。変更依頼書、影響範囲、見積もり、承認者、反映時期を記録する運用にします。

ソースコード、設計書、テスト結果、CI設定、開発環境、第三者ライセンス、生成物の権利、再委託の可否、秘密情報の管理、契約終了時の引き継ぎも確認します。特定の会社や担当者がいなければ保守できない状態を避けるため、リポジトリの管理者、アクセス権、バックアップ、脆弱性対応の期限、OS・コンパイラ更新の費用負担を決めておくことが大切です。

C++のシステム開発を発注・外注する費用相場はいくらですか?

C++のシステム開発費用を検討するイメージ

C++のシステム開発費用は、PoC・小改修で100万〜400万円程度、小規模な実用システムで400万〜1,500万円程度、中規模の業務・検査システムで1,500万〜6,000万円程度、大規模・複数拠点展開で5,000万〜2億円以上が目安です。これらはC++専用の公的な相場ではなく、一般的な業務システムの公開相場とC++人材の掲載単価、機器・試験・移行の工数を組み合わせた実務上の推定レンジです。

規模別の費用と期間はレンジで把握します

PoCや既存C++の小改修は、センサー1種類との接続、性能測定、API試作などを含み、1〜3か月程度を見込みます。C++の処理エンジンにデータベース、API、簡易画面を組み合わせた小規模な実用システムは、3〜6か月程度が目安です。機器が増えるほど、通信仕様の確認、実機の準備、異常系試験、現地調整が追加されます。

複数機器、画像・計測、権限、帳票、外部システム連携、実機試験まで含める中規模案件では、6〜12か月程度を見込みます。複数拠点、既存資産移行、冗長化、24時間運用、現地教育まで含む場合は、12〜24か月以上になる可能性があります。機器納期、現場を止められる日、データ移行の品質、受け入れ担当者の稼働も、開発会社の作業期間に影響します。

見積もりは工程・人員・機器・試験に分解します

株式会社riplaの業務システム開発情報では、費用の目安として業務系エンジニアが月60万〜100万円、上流コンサルタントやアーキテクトが月100万〜200万円程度、保守費用が初期開発費の15〜20%程度と整理されています(出典: 株式会社ripla「システム開発の完全ガイド」、2026年確認)。C++のフリーランス案件では、テックタレントの2026年8月6日時点の掲載情報で平均単価72万円、70万〜80万円の案件が48件、直近の月額推移が76万円とされています(出典: テックタレント「C++のフリーランス案件・求人一覧」、2026年8月6日)。いずれも請負価格そのものではないため、専門人材の工数を考える参考値として使います。

見積書では、要件定義、既存資産調査、基本設計、詳細設計、C++実装、API・画面・DB、機器接続、単体・結合・実機・性能試験、データ移行、教育、リリース支援を分けます。さらに、機器や開発ツールの購入、クラウド・監視、現地訪問、第三者ライセンス、予備工数を別項目で確認します。一般的な業務システムでは人件費が費用の大部分を占めますが、C++案件は実機・検証環境・専門ライブラリの条件によって構成が変わります。

初期費用だけでなく3〜5年のTCOを比較します

発注金額が安くても、リリース後に保守担当者が見つからない、ビルド環境が再現できない、OSやコンパイラの更新に対応できない場合は、長期費用が膨らみます。年間保守、クラウドや監視、コンパイラ・開発ツール、機器交換、脆弱性対応、現地訪問、追加OS対応、問い合わせ窓口を含め、3〜5年のTCOで比較します。保守費用を初期開発費の15〜20%程度と仮置きする場合も、対応範囲をそろえて比較することが必要です。

費用を抑えるなら、品質を削るのではなく、C++に置く処理を絞り、標準化できる認証・帳票・ワークフローはパッケージやSaaSへ寄せます。既存のテスト済み部品を再利用し、対象機器とOSを先に固定し、未確定機能を第二段階へ分ける方法も有効です。反対に、メモリ安全性、データ整合性、障害時の安全動作、最低限の性能試験を削ると、障害対応や改修で費用が増えるため注意します。

C++の委託先選定と見積比較では何を確認しますか?

C++のシステム委託先と見積もりを比較するイメージ

委託先は「C++対応」と書いてあるかだけでなく、依頼する案件の種類と実績の相性で選びます。組み込みLinux、Windowsデスクトップ、MFC・Qt、リアルタイム制御、画像処理、医療・計測、POS・周辺機器、既存C++保守では必要な知識が異なります。3社以上へ同じRFPを提示し、価格だけでなく、前提条件・体制・テスト・保守・引き継ぎを同じ軸で比較します。

類似案件の実績と担当チームを確認します

実績確認では、会社案内の技術一覧だけでなく、同じ業界・機器・OS・通信方式・性能要件を扱った事例を聞きます。公開できない案件でも、NDA締結後に、担当した工程、実機試験の方法、障害対応、納品後の保守体制を説明できるかを確認します。単にC++を書ける人がいるだけでなく、業務設計、API・DB、クラウド、セキュリティ、現地調整まで必要な役割を誰が担うかを明確にします。

提案時には、実際のプロジェクトマネージャーとC++の技術責任者が参加しているか、契約後も同じ体制が続くかを確認します。再委託がある場合は、どの工程を誰が担当し、品質と情報管理を誰が統括するかを聞きます。担当者の退職や交代に備え、設計レビュー、コードレビュー、知識移管、複数人での保守が提案に含まれている会社は、長期運用の面でも評価しやすいです。

見積書の前提条件と除外項目を横並びにします

見積もりを比較するときは、合計金額を先に見ず、対象範囲をそろえます。要件定義は含まれるか、既存コードの調査時間は何人月か、機器は発注側が用意するか、現地試験は何日か、性能保証の条件は何か、データ移行や教育は含まれるかを確認します。特に「一式」「別途」「想定外」と書かれた項目は、何が起きたら追加費用になるのかを質問します。

比較表には、価格、期間、担当人数、C++標準とコンパイラ、対象OS・CPU、機器対応、API・クラウド、テスト範囲、セキュリティ対策、納品物、保守、再委託、変更単価を記録します。安い会社の見積もりが悪いとは限りませんが、テストや保守が除外されている、経験の浅い体制になっている、発注側の作業が多く見積もられている場合があります。金額差を工程と前提に分解して初めて、妥当性を判断できます。

提案面談では技術質問と運用質問を分けます

技術面談では、C++のバージョン、コンパイラ、メモリ安全性、スレッド処理、エラー処理、ログ、依存ライブラリ、性能測定の方法を聞きます。既存コードの場合は、最初の30日で何を調査し、どの状態なら改修・API化・全面刷新を判断するのかを確認します。具体的な測定方法やリスクを説明できる会社は、単に「対応可能」と答える会社より、見積もりの前提を共有しやすいです。

運用面談では、障害発生時の連絡経路、一次切り分け、復旧目標、休日対応、脆弱性情報の確認、OSやコンパイラの更新、機器交換、保守終了時の引き継ぎを確認します。発注前に聞くべき質問は、「納品後に誰がビルドできますか」「ソースと設計書はどの単位で引き渡されますか」「テスト結果と既知の課題を共有できますか」「担当者が変わった場合にどう知識を移管しますか」です。回答が契約や見積もりに反映されるかまで確認します。

よくある質問

C++のシステム発注に関するよくある質問

C++のシステムを発注するときは、技術選定だけでなく、既存資産、契約、費用、保守まで同時に考える必要があります。ここでは、発注・外注の前に多く寄せられる疑問へ、条件を分けて直接回答します。

C++のシステム開発を外注するといくらかかりますか?

PoC・小改修なら100万〜400万円程度、小規模な実用システムなら400万〜1,500万円程度が一つの目安です。複数機器、画像・計測、外部連携、実機試験を含む中規模案件では1,500万〜6,000万円程度、大規模案件では5,000万〜2億円以上になる可能性があります。C++専用の確定相場ではないため、対象機器、性能、試験、移行、保守をそろえた複数社の見積もりで判断します。

既存のC++システムをそのまま外注先へ引き継げますか?

引き継げますが、ソースコードだけでは不十分です。対象OS、コンパイラ、ビルド手順、第三者ライブラリ、実機、テストデータ、障害履歴、運用手順をそろえ、まず短期間のアセスメントやPoCで再現性とリスクを確認します。重要なC++コアを残してAPI化し、画面や周辺業務を段階的に刷新する方が、全面作り直しより安全なケースもあります。

請負契約と準委任契約はどちらを選べばよいですか?

成果物、検収条件、性能目標が固まっている本開発は請負、既存コード調査、技術検証、要件整理、共同設計など不確実性が高い業務は準委任が候補です。実際には、調査を準委任、本開発を請負、リリース後を保守契約に分ける方法もあります。契約名だけでなく、作業範囲、成果物、変更管理、知的財産、保守責任を契約書で確認します。

C++に対応できる開発会社はどのように選びますか?

言語名だけでなく、対象領域の実績で選びます。組み込み・制御、医療・計測、画像処理、既存MFC・Qt、業務系API、クラウド、実機試験、保守のどこに強い会社かを確認します。同じRFPを3社以上に提示し、見積もりの前提、担当チーム、テスト範囲、納品物、3〜5年の保守費用を比較すると、価格だけでは分からない差を評価できます。

C++23やC++26に合わせて今から作り直すべきですか?

必ずしも最新標準へ全面移行する必要はありません。C++23は現行のISO C++標準ですが、既存ライブラリ、コンパイラ、OS、第三者製品との互換性を優先し、C++17やC++20を採用する合理性もあります。C++26の機能を使う場合は、対象コンパイラと標準ライブラリで実装・運用できることを機能単位で検証し、将来更新の費用と担当者をRFPへ含めます。

まとめ

C++のシステム発注方法をまとめるイメージ

C++のシステムを発注・外注するときは、まず業務上の目的と、C++を使う処理の境界を決めます。機器制御、画像・信号処理、数値計算、低遅延処理、既存資産などはC++の候補ですが、認証、帳票、ワークフロー、データ管理はWeb・API・SaaSなどと組み合わせる方が、開発効率と保守性を両立しやすいです。

発注前にRFPへ書く内容をそろえます

RFPには、背景・目的、利用者と拠点、機能、既存資産、対象機器、OS・コンパイラ、性能・可用性・安全性、試験、データ移行、納品物、保守、予算と期限を記載します。未確定の事項は仮置きとして分け、PoCや調査で決める項目を明示します。発注側の現場担当者、受け入れ責任者、データ準備担当者の稼働も、見積もり前提として共有します。

金額よりも前提・品質・保守をそろえて比較します

費用は、PoC・小改修で100万〜400万円程度、小規模な実用システムで400万〜1,500万円程度、中規模で1,500万〜6,000万円程度、大規模で5,000万〜2億円以上というレンジを起点にします。ただし、これは条件付きの推定であり、機器、性能、試験、既存資産、現地展開、契約形態で変わります。3〜5年のTCOと、ソース・設計・テスト・運用手順の引き渡しまで含めて委託先を比較することが大切です。

最初から全面刷新を決めず、既存C++の調査、PoC、API化、段階移行を選択肢に入れます。実装力だけでなく、業務理解、実機試験、セキュリティ、変更管理、保守体制を確認し、契約と見積もりに反映できる会社へ相談します。要件と前提をそろえて発注すれば、C++の強みを生かしながら、長く運用できるシステムを構築しやすくなります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。