サイボウズのシステムは、業務アプリ、情報共有、共有メールに分けて押さえると、業務に合う製品を選びやすくなります。
できることや製品ごとの違い、導入と費用の見方を、順に説明します。各テーマの詳しい内容は、関連記事にまとめています。
▼関連記事一覧
・サイボウズのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・サイボウズのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・サイボウズのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・サイボウズのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
サイボウズのシステムの概要
サイボウズのシステムは、単一の製品名ではなく、複数のクラウドサービスとその上に作る業務アプリをまとめて指す言葉です。検索でも、そうした意味で使われることが多くあります。中心となるのは、業務データをためながらアプリを作れるkintoneです。
業務アプリ基盤と情報共有基盤の組み合わせ
各サービスは、扱う情報や業務の規模に応じて使い分けます。
- kintone:業務データをアプリで管理する中心のサービス。
- サイボウズ Office:日常の情報共有に向いたサービス。
- Garoon:大規模組織や複数拠点に適したサービス。
- メールワイズ:共有メールの対応履歴を管理するためのサービス。
kintoneでは、顧客や案件、問い合わせ、申請などを業務に合わせて管理できます。在庫や日報、工事・保守などにも使えます。
Officeは、スケジュールや掲示板、ワークフローの共有に使えます。Garoonは、ポータルや組織権限、多言語運用に対応できます。
導入前には、情報共有、業務データの一元管理、共有メールの処理のうち、どの課題を解決したいのかを分けておきます。なお、サイボウズの各サービスだけで、すべての業務を置き換えられるとは限りません。課題が複数あるときは、サービス同士や既存システムとの連携も検討しておきます。
開発の中心となるkintone
kintoneは、標準機能を土台にして、必要な範囲を拡張できます。
- 標準機能:フォーム、一覧、グラフ、プロセス管理の組み合わせ。
- 追加機能:プラグイン、JavaScript、API、帳票サービス、外部画面で拡張する部分。
フォームや一覧には項目を配置し、通知、コメント、アクセス権も設定できます。
複雑な会計計算や大量のトランザクション、厳密なリアルタイム処理は、kintone単体に集めないほうがよい場合があります。そこで、受付や承認はkintoneで行い、基幹システムやERPとは役割を分けて連携すると、将来の保守を抑えやすくなります。
サイボウズのシステムでできることと適した業務
サイボウズのシステムが得意なのは、業務の変化に合わせて入力項目や承認経路を変えながら、情報を一つの場所で共有することです。これまで紙やExcel、メール、個別のAccessファイルに分かれていた情報も、検索・集計・通知できる状態へ移しやすくなります。
顧客・案件・申請などの情報の一元管理
業務アプリでは、顧客や案件の状況、申請の履歴、現場の記録をまとめて管理できます。
- 顧客・案件:会社情報、商談履歴、進捗、見込金額を結び付けた管理。
- 申請:申請者、承認者、期限、添付書類、差し戻し理由の記録。
- 日報・点検:スマートフォンで登録し、上長が確認する形。
顧客管理では担当者や問い合わせ履歴を結び付けられ、案件管理では次回のアクションも見えるようにできます。
効果を測りやすいのは、転記や集計の回数が多い業務です。たとえば、紙の日報を毎日集計していた場合は、入力項目をそろえて一覧とグラフを作ることで、集計のための転記を減らせます。
また、官公庁向けの公式導入事例では、5,000枚を超える紙の日報を廃止し、3か月で電子化した例が紹介されています(出典:官公庁向け公式導入事例、2026年8月確認)。自社の効果指標を決めるときの参考になります。
通知・承認・検索で業務の流れをそろえる仕組み
プロセス管理、通知、検索を組み合わせると、担当者どうしで必要な情報を共有できます。
- 処理状況:登録から完了までの状態の設定。
- 通知・コメント:期限や条件に応じた知らせと、やりとりの記録。
- 検索・一覧:役割ごとの検索条件と一覧で、現場が必要な情報に絞って見られます。
処理状況やコメントの履歴は、メールだけで進める場合より追いやすくなります。
入力ルールや必須項目、状態の定義は、機能の設計と同時に決めておきます。決めないまま始めると、顧客や商品が別名で登録され、集計できないことがあります。マスタの管理者も、同じ時期に決めておきます。
kintone・Office・Garoon・メールワイズの違いと選び方

製品は会社の規模だけでなく、管理するデータと業務の流れを見て選びます。
業務アプリならkintoneが候補になります。日常の情報共有ならサイボウズ Office、複雑な組織運営ならGaroon、共有メールならメールワイズが候補です。
業務アプリを作るならkintone
営業案件や問い合わせ、工事台帳などのように、組織独自の項目や状態を持つ業務を変えたいときは、kintoneが候補になります。
標準機能だけで試しながら、利用者の声を反映してアプリを育てられます。そのため、要件が固まりきっていない業務に向いています。ただし、外部連携やプラグインを使う場合は、スタンダード以上が必要です。
情報共有ならOffice、複雑な組織運営ならGaroon
OfficeとGaroonは、組織運営で必要な機能と規模をもとに選びます。
- サイボウズ Office:スケジュール、掲示板、施設予約、ワークフローを共有する用途。
- Garoon:複数拠点、組織権限、部門ポータル、多言語運用を重視する組織向け。
Officeは、日常の情報共有を短期間で整えたい組織に向いています。業務ごとのデータベースを作るより共有を優先するなら、kintoneより合うこともあります。
Garoonのパッケージ版を使っているなら、販売・サポートの終了予定から、クラウド版への移行期間を逆算します。
公式案内では、ライセンス販売は2027年10月から順次終了し、サポートは2033年1月末に終了する予定です(出典:公式製品案内、2026年8月確認)。そのため、移行計画は早めに立てておく必要があります。
共有メールの処理が中心ならメールワイズ
複数人で受け付ける問い合わせ窓口や代表メール、サポート窓口で、対応状況や過去の返信を共有したいときは、メールワイズが候補になります。
メール処理の履歴を管理しながら、業務データをアプリにしたい場合は、メールワイズとkintoneの役割を分けて連携する方法もあります。
サイボウズのシステムの料金と開発費用相場

サイボウズのシステムの費用は、月額ライセンスと、導入・開発・移行・教育・保守の費用に分けて考えます。
ライセンスが安く見えても、既存データの整理や外部連携が必要になれば開発費は大きくなります。そのため、見積書は項目を分けて比べることが大切です。
▶ 詳細はこちら:サイボウズのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
kintoneの公式料金プラン
料金プランは、月額単価と最低契約人数、追加オプションを合わせて確認します。
- ライト:月額1,000円、最低10ユーザーから契約。
- スタンダード:月額1,800円、最低10ユーザーから契約。
- ワイド:月額3,000円、最低1,000ユーザーから契約。
2026年8月確認時点では、初期費用は無料で、各料金は税抜きです。
年額契約では、1ユーザーあたりライト12,000円、スタンダード21,600円、ワイド36,000円です(出典:kintone公式料金ページ、2026年8月確認)。契約前に、最新の料金表を確かめておきます。
たとえば、10人でスタンダードを1年間使う場合は21万6,000円、100人なら216万円です。加えて、セキュアアクセスは月額250円、ディスク増設は月額1,000円あたり10GBです。
ゲストユーザーや外部連携を使うと、費用はさらに変わります。30日間の無料お試しでは、実データに近いサンプルを使って、操作性と権限を確かめられます。
要件で変わる開発費の目安
開発費と期間の目安は、アプリ数や導入範囲によって変わります。
- 小規模:1〜3アプリ、20万〜80万円程度、2週間〜1.5か月。
- 部門導入:3〜10アプリ、100万〜500万円程度、1〜3か月。
- 複数部門:10〜30アプリ、300万〜1,000万円程度、3〜6か月。
- 全社展開:1,000万円超、6〜12か月以上となる可能性があります。
開発費について、公式に一律の価格は定められていません。業務範囲やアプリ数、権限で大きく変わり、データ移行や連携に加え、教育や保守体制によっても決まります。
上の目安は、公開されている導入期間の例と業務システム一般の費用感を組み合わせた推定レンジです。特定の案件で確定した価格ではありません。
小規模構築は、標準機能とテンプレート中心で、少量のCSVを移行する想定です。部門導入には、承認フローや帳票、権限のほか、初期移行も含まれます。
複数部門導入には、会計・販売管理との連携や教育が含まれます。全社展開では、大量移行や監査要件が加わり、複数のAPI連携や周辺システムの改修も条件になります。規模の異なる案件を同じ単価で比べないようにします。
保守・改善費と移行費の別枠
初期開発のあとの保守とデータ移行は、対応範囲に応じて別に見積もります。
- 保守・改善:利用者や組織、項目の変更、プラグインの更新、API障害、問い合わせへの対応。
- データ移行:CSV出力の可否、重複削除、コード変換、日付形式、添付、過去履歴の保存方法の確認。
月次の相談だけなら、小さく始められます。一方、障害対応や定期改善に加えて、データ棚卸しや管理者教育まで含めるなら、月額の保守契約が必要になります。
保守費の目安は、初期開発費の年15〜25%、または月15万〜80万円程度です。ただし、内容に応じた推定として見積もります。
移行対象を増やすほど、テストも増えていきます。そのため、最初は現行1年分だけにするなど、必要な範囲から始めると、費用と期間を抑えやすくなります。
サイボウズのシステム開発・導入の進め方

開発を成功させる鍵は、最初から全社の完成形を作ろうとせず、効果を測りやすい業務で小さく試してから、運用を確かめて広げることです。
作業は、企画から定着までの流れを段階ごとに区切ります。そのうえで、各段階の成果物を残していきます。
▶ 詳細はこちら:サイボウズのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
現状整理と要件定義による対象業務の絞り込み
要件定義では、業務の現状と必要な情報、導入後の評価方法を整理します。
- 業務フロー:誰がいつ入力し、誰が承認し、どの帳票や集計を出すかの確認。
- 既存資産:Excel、メール、紙、システムを、残す・移す・廃止するかの決定。
- 要件と指標:利用条件、業務目的、評価指標の決定と、完成後の効果の検証。
要件には利用者数に加え、同時利用や権限、データ保持期間まで含めます。外部公開の有無も、あわせて確認します。
画面の希望だけでなく、現場がどんな判断に使う情報なのかを確かめます。項目が多いと現場が登録しなくなるため、必須項目は絞り、あとから追加できる設計にします。
MVPやPoCによる画面・権限・運用の検証
MVP(Minimum Viable Product)やPoCでは、対象業務を絞った試作で検証します。
- 試す業務:問い合わせ、案件、申請、日報などからの選定。
- 操作確認:入力、一覧、通知、承認、スマートフォン表示の試行。
- データ設計:顧客・商品・部署マスタを分けるか共通化するか、過去データの移行範囲の決定。
利用者が多く、改善効果を測りやすい業務を選びます。「この項目はいらない」「この人にも見せたい」といった現場の意見は、試作の段階なら低コストで設計に反映できます。
公開されている支援例では、テンプレート活用は約1か月、個別要件の多い構築は約3か月とされています(出典:公開導入支援情報、2026年8月確認)。データ整理や社内調整を含めると、期間は変わります。
開発・テスト・リリースを分けた品質確認
設計・開発、テスト、リリース後の支援を、段階ごとに確かめます。
- 構成・権限・連携・命名の設計と、環境・変更履歴・リリース手順の管理。
- 正常系に加えて、権限・差し戻し・重複・API失敗時の再処理・移行データのテスト。
- リリース後1〜2週間の問い合わせ窓口と改善項目の管理。
設計では、フィールドやプロセス、通知も定めておきます。プラグインやJavaScriptについては、製品の更新時の動作と、提供元による更新が続くかどうかも確認します。
移行データは、件数や合計金額を照合します。さらに、利用者テストで現場の操作も確かめます。
カスタマイズ・外部連携・スクラッチ開発の境界
kintoneの柔軟性を生かすには、機能をどこで実現するかを早めに判断します。標準機能で足りるか、プラグインやAPI、外部システムを使うかを、先に決めておきます。
便利そうな拡張は、先に足すより、業務上の重要度と保守性を比べて選びます。費用や将来の変更も、あわせて比べます。
標準機能を優先するFit to Standard
標準機能は、製品のアップデートに追従しやすく、開発費と障害リスクを抑えやすいという利点があります。そのため、入力や一覧、通知などの共通的な業務は、できるだけ標準に合わせます。コメントや承認といった業務についても、標準に合わせるのが基本です。
既存の紙やExcelの見た目を完全に再現することが目的になると、不要なカスタマイズが増えやすいため、注意が必要です。
API連携のデータ責任分界と失敗時の処理
API連携では、データの管理元と障害時の運用を決めておきます。
- データ管理:正とするシステム、連携頻度、登録・更新の向きの決定。
- 連携仕様:項目変換、認証情報、API制限、重複防止の決定。
- 障害対応:再送、監視、通知と業務継続方法の設計。
連携の対象は、会計や販売管理などの業務システムから、認証や帳票まで幅広くあります。連携が止まっても、現場が業務を続けられる設計が欠かせません。
kintoneをバックエンドにして、外部画面を作ることもできます。ただし、外部画面の認証や脆弱性対策、アクセス制限に加え、性能や保守費用も必要になります。
特殊な計算や大量処理は外部の専用システムに任せ、kintoneは受付や承認、状況の把握に使うハイブリッド構成もあります。役割分担を明確にできる場合があります。
AI機能の活用と利用ルールの設計
AIを使う用途に合わせて、情報の管理と生成結果の確認方法を決めておきます。
- 活用例:社内規程やマニュアルの検索、日報や商談履歴の要約。
- 利用ルール:入力してよい情報、権限ごとの参照範囲、外部送信の条件の決定。
- 結果確認:生成結果の確認者と誤回答の訂正方法の決定、業務責任者による承認。
2026年6月には、検証版だったkintone AIの検索AIやアプリ作成AIなどが正式に提供されました(出典:公式発表、2026年4月22日)。問い合わせ履歴の検索にも活用できます。
利用ログも確認しながら、AIが作ったアプリや文章は、検証せずに公開しない運用にします。
サイボウズのシステム開発会社・ベンダーの選び方
会社の知名度や見積額だけで決めないよう、業務理解とkintoneの技術力を確かめ、移行や連携、導入後の支援も同じ条件で比べます。公式パートナープログラムでは、認定資格者や大規模組織向けの支援体制を確認できます。
認定は、自社との適合度を見る材料の一つです。
同じ規模・業務・連携方式の実績
実績数だけでなく、利用者数や拠点数、アプリ数を確かめます。あわせて、権限の複雑さや既存システムとの連携方式も見ておきます。自社と似た業務の画面を見せてもらい、要件整理からテスト、教育、運用改善まで、誰が担当したかを聞いておきます。
実績を見せてもらえない場合は、匿名化したサンプルでもかまいません。要件に近いデモを依頼します。
同じRFPによる複数社の比較
相見積もりでは、同じ資料に条件を書いて各社に渡します。利用者数や対象業務、アプリ数、権限を明記します。既存データの件数や移行方法、外部連携も含めます。さらに、テストや教育、保守期間についても、同じ書き方にそろえます。
「一式」の金額だけでなく、要件定義、設計、構築の費用を分けてもらいます。移行やテスト、教育、管理者への引き継ぎも、別々に示してもらいます。前提条件と対象外を明示してもらうと、後から追加費用が発生する部分を把握できます。
納品物・保守・移管条件の契約への明記
契約では、納品物や継続利用の条件、担当変更や終了時の対応を確かめます。
- 納品物:アプリ設定、フィールド・権限一覧、連携・テスト仕様、マニュアル、変更履歴、バックアップ方法。
- 保守条件:ライセンス、更新主体、脆弱性対応、障害窓口、再委託範囲、復旧目標。
- 移管・終了:担当者変更時の引き継ぎ、移管への協力、データの返却と消去の明記。
プラグインやJavaScriptについては、契約が終わったあとの利用可否も確かめておきます。
最初から内製化するか、数か月後に社内の管理者へ移すかを決めておくと、外注への依存を避けやすくなります。
▶ 詳細はこちら:サイボウズのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
▶ 詳細はこちら:サイボウズのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
セキュリティ・法務で確認すべきポイント
サービスの認証やセキュリティ機能に加えて、自社の規程や個人情報の扱い、委託先の管理も確かめます。アクセス権限やログの保存、データの削除も、設計の対象になります。サービス側の対策と利用者側の運用は、別々の責任範囲です。
暗号化・アクセス制御・バックアップの確認
サービスの安全対策と、自社で決める運用の両方を点検します。
- サービス対策:通信・保存データの暗号化、アクセス制御、脆弱性試験の確認。
- 基盤と復旧:データセンターの冗長化、バックアップ、復旧手順と時間の確認。
- 自社運用:管理者の付与先、退職者アカウントの停止時期、社外アクセスの可否、機密度別のアプリ分けの決定。
kintoneなどの対象サービスでは、稼働率99.99%を目標とするSLOが示されています(出典:クラウド基盤のSLO・セキュリティ情報、2026年8月確認)。自社の要求水準と照らし合わせます。
バックアップは、取得状況の確認だけでなく、復旧手順と復旧時間も定期的に試します。
委託契約とデータの権利
委託契約では、成果物の権利と終了時のデータ取扱いを明確にします。
- 権利と責任:アプリ設定、設計書、プログラム、帳票、連携仕様、テスト成果物について、権利と利用範囲の確認。
- 終了時の対応:CSVや添付の返却形式と期限、バックアップの消去、アカウント停止、ログ保存期間の決定。
再委託の有無や、障害・情報漏えい時の責任分界も確認します。支払いが済んだあとも、改修や第三者への保守移管が自由にできるとは限りません。そのため、契約書と成果物一覧を照らし合わせます。
終了時の出口をあらかじめ決めておくと、特定のサービスに依存しすぎない設計につながります。
よくある失敗と導入後の運用方法
低コストで始められるのは強みですが、自由度が高いからこそ、アプリが増えすぎたり、権限が複雑になったりします。そこで、開発の前に運用責任者を決め、リリース後も定期的にアプリと権限を見直します。
アプリの作りすぎと現場の置き去り
アプリが増えすぎることや、現場に合わない入力設計を防ぐ仕組みが必要です。
- 乱立防止:作成の申請、命名規則、共通マスタ、管理者、廃止基準の決定。
- 現場確認:利用者と試作しながら、入力時間や通知頻度を調整する。
- 効果測定:転記時間、処理日数、差し戻し件数、問い合わせ対応時間での評価。
部門ごとに似たアプリがあると、顧客名や商品コードがそろわず、全社の集計が難しくなります。そのため、作成の前に既存アプリを検索するルールも設けておくとよいでしょう。管理部門だけで設計すると、現場が入力しない画面になりがちです。
内製と外注を分けた改善の進め方
社内で担う日常の変更と、外部支援に頼る専門的な作業を分けておきます。
- 社内管理者:項目、一覧、簡単な通知の変更。
- 外部支援:要件整理、複雑な権限、移行、API、JavaScript、障害調査を担う役割。
- 定期確認:未使用アプリ、権限、プラグイン、連携エラー、問い合わせ内容の点検。
社内の管理者には、アプリ作成だけでなく、データ設計や権限、テスト、変更管理も学んでもらいます。
確認は月次か四半期ごとに行います。改善を続けて、業務の変化に合わせて小さく更新すると、サイボウズのシステムを長く使い続けやすくなります。
よくある質問(FAQ)
導入前によく寄せられる疑問に答えます。費用や期間は業務範囲によって変わるため、ここに示す数字は、判断の起点として見てください。
サイボウズのシステムは無料で使えますか?
kintoneには30日間の無料お試しがあります。ただし、本運用のライセンスは有料です。ライトは月額1,000円、スタンダードは月額1,800円からで、最低契約ユーザー数やオプションもあります。
無料期間中に、実際の権限やデータ量、連携の可否を確かめておくと、契約後の想定外を減らせます。
kintoneは何人から契約できますか?
ライトとスタンダードは10ユーザーから、ワイドは1,000ユーザーから契約できます。たとえば、スタンダードを10人で年額契約すると、ライセンスだけで年間21万6,000円です。
ゲストユーザーやセキュアアクセス、ディスク増設などを使う場合は、別途費用が加わります。
Excelからサイボウズのシステムへ移行できますか?
CSVで移行できるデータはあります。ただし、そのまま取り込めば終わるとは限りません。重複やコード体系、日付形式を整えます。添付ファイルや過去履歴、不要な項目も整理し、件数や金額を照合する必要があります。
最初は対象期間や業務を絞り、移行後に現場で確認してから範囲を広げると安全です。
個人情報や機密情報を扱えますか?
扱えるかどうかは、サービスの対策に加えて、自社の規程や業界ガイドラインで判断します。さらに、データ分類や権限、委託先管理も判断の材料になります。
通信・保存時の暗号化やアクセス制御などの公式情報を確認します。管理者権限やログ、保存期間に加えて、外部連携や退職者のアカウント停止も運用に落とし込みます。
機密性の高い業務では、責任分界を法務や情報システム部門と確かめてください。
内製と外注はどのように分ければよいですか?
簡単な項目変更や一覧変更は社内で行い、要件定義や複雑な権限、データ移行は外部支援を使います。API連携やJavaScript、テスト設計も外部支援で行う分け方が一般的です。
最初から全てを外注する場合でも、アプリ設定や仕様書を受け取り、社内の管理者が運用を理解できる状態にしておきます。将来の改善を誰が担当するかは、契約の前に決めておくことが大切です。
まとめ
サイボウズのシステムを検討するときは、まず解決したい業務を定めます。そのうえで、製品ごとの役割を分けて考えます。
開発の中心となるkintoneは、標準機能から始めて必要な範囲だけを拡張し、既存システムとは役割を分けて連携することが、成功につながります。
ライセンスと開発費を分けた判断
kintoneの料金は月額1,000円からですが、開発・移行・教育・保守を含めた総額は要件によって大きく変わります。
標準構築なら数十万円から、部門導入なら100万〜500万円程度です。連携や全社展開まで含めると、1,000万円以上になる可能性があります。推定レンジとして比べ、同じRFPで複数の見積もりを取ります。
小さく始める運用とガバナンスの育成
業務フローや権限、データ、連携を整理し、テストや納品物、契約終了時の移行条件も決めておきます。そのうえで、現場を含めて試作します。公開後は、アプリや権限を見直し、入力時間や処理日数などの指標で効果を確かめます。
AI機能を使う場合も、データの扱いと人による確認を先に決めておくと、安全に改善を続けられます。
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・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
