配電系統運用システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

配電系統運用システムの開発は、現状診断と要件定義から始めて、限定範囲のPoCで効果を確かめ、そのあとで設計・試験・切替を段階的に進めるのが基本です。この順に進めることが、安全な運用につながります。

全体の構成は、配電系統運用システム開発の完全ガイドもあわせてご覧ください。

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配電系統運用システムの全体像

配電系統運用システムの運用機能を4枚のカードで示した図解。
モデル管理、監視、事故対応、電圧制御が運用を支えます。

配電系統運用システムは、変電所から需要家までの配電線、変圧器、開閉器、センサー、需要家情報を系統モデルで捉え、監視・解析・操作を支援するミッションクリティカルなシステムです。

海外では、SCADA・OMS・GIS・DERMSなどを統合したものが、ADMSとして扱われる場合があります。なお、ADMSはAdvanced Distribution Management Systemの略称です。

管理・制御する機能の範囲

まず、系統モデルの管理や停電時の復旧支援、電圧制御など、運用上の役割に分けて必要な機能を見極めます。

  • 系統管理:系統モデルとトポロジーの管理。
  • 監視・解析:SCADAのリアルタイム監視、状態推定、潮流計算。
  • 事故復旧:事故検知、停電管理、FLISRによる復旧支援を行います。
  • 電圧・現場管理:電圧・無効電力制御と現場作業の支援。

事故復旧に出てくるFLISRは、Fault Location, Isolation and Service Restorationの略称です。

系統モデルとGISの情報がずれると、画面上の健全区間と実際の設備状態が一致しなくなります。データの整合性は、運用の安全に直結します。そのため、配電系統運用システムを単なる監視画面の開発として扱わないことが重要です。

構成を整理すると、責任分界と要件の抜け漏れを確認できます。現場にはセンサー、RTU、IEDがあり、自動開閉器も含まれます。各設備は通信ネットワークを介して制御センターにつながります。

センターには、SCADA・DMS・OMS・DERMSを配置します。業務連携の対象は、GISとMDMです。さらに、顧客情報と資産管理システムも連携先になります。また、認証、監視、ログ管理を担うセキュリティ基盤も整理します。

DMSとADMS、SCADA、OMS、DERMSの違い

連携する各システムの役割を区別しておくと、RFPに記す業務範囲と制御対象を具体的に示せます。

  • SCADA:設備の状態や計測値の収集、監視・操作。
  • OMS:停電の受付、影響範囲の把握、復旧作業の支援。
  • DMS:系統構造や電気的状態の解析、操作判断の支援。
  • DERMS:太陽光、蓄電池、EV充電器、需要応答などを系統制約の中で扱う。

ADMSは、これらを統合する考え方に近いものの、含まれるモジュールは製品ごとに異なります。

たとえばOracleは2025年3月、停電・配電・DER・SCADAを組み合わせるモジュール型構成を発表しました。BESSやEVSEのデータを使った最適化も示されています(出典:Oracle、2025年)。

RFPには、「ADMSを導入する」とだけ書かず、対象業務と制御対象を明記します。

ポイント

全体像の段階では、系統管理から電圧制御までのどの機能を対象にするかと、SCADAやDMSなどの役割を区別できているかが判断の目安になります。

配電系統運用システム開発の進め方

可視化、判断支援、制御の順に対象を広げる3段階の図解。
制御を後段に置くことで、適用範囲を順に拡張できます。

開発は、現状診断、要件定義、データ・インターフェース設計の順に進めます。次にPoCと設計・開発を行い、続いて総合試験を実施して、切替に進みます。切替のあとは、運用改善を行います。

制御機能を最初から本番系統に接続すると、リスクが高まります。そのため、可視化、判断支援、制御の順に対象を広げる計画が現実的です。

企画・現状診断と要件定義

まず発注側が、開発目的を経営KPIと運用KPIに分けます。投資効果を比べるには、目的を具体的な指標に置き換えておく必要があるからです。

  • 経営側:再生可能エネルギーの接続拡大と、停電時の顧客影響の低減。
  • 運用側:復旧判断までの時間、系統モデルの更新遅延、アラームの見逃し件数、現場出動の削減時間を指標にします。

目的を「最新システムにする」にとどめると、必要な機能と投資効果を比べられなくなります。

現状診断では、設備台帳と単線結線図、GISを洗い出します。続けて、SCADA・OMS・MDMも洗い出します。さらに、通信網、資産管理、作業員の運用も確かめます。

台帳の対象は、変電所とフィーダーです。加えて、開閉器とセンサーも含めます。

そのうえで、設備番号の重複や廃止設備の残存、GISと単線結線図の不一致を確認します。また、古い通信プロトコルと欠測値の扱いも調べます。

要件定義書には、機能要件に加えて、制御遅延と画面応答を記載します。可用性やRTO・RPO、時刻同期も盛り込みます。さらに、操作権限と監査ログも定めておきます。

あわせて、バックアップと災害時の切替も決めておきます。

系統モデルとインターフェースの整備とPoC

配電系統運用システムでは、画面より先にデータとインターフェースを設計します。そのため、相互接続の仕様もRFPで具体化します。

IEC 61968-11は、配電管理向けに共通情報モデル(CIM)を拡張する標準です。線路、変圧器、開閉器などの情報交換を扱います。加えて、センサーや単線結線図の情報交換も含みます(出典:IEC、IEC 61968-11:2013)。

仕様を定めるには、CIM準拠を掲げるだけでなく、実装するプロファイルとメッセージを書く必要があります。加えて、APIと変換処理もRFPに記載します。

PoCでは、数フィーダーまたは限定地域を対象に、解析機能の精度と操作性を検証します。画面表示の確認にとどめず、確認する機能と成功条件を先に決めておきます。

  • 検証機能:状態推定、潮流計算、停電範囲推定、復旧候補の提示、VVO。
  • 成功条件:計算時間、誤検出率、データ欠損時の挙動、復旧時間の短縮。
  • 運用確認:操作者が候補を確認し、安全に承認できること。

実データを匿名化した訓練環境を用意しておくと、本番設備へ接続せずに運用シナリオを確認できます。

設計・開発からテスト・切替まで

設計では、現場機器、通信、データ連携を一つの構成図にまとめます。加えて、アプリケーション、運用端末、セキュリティ境界も同じ図に入れます。また、採用方式に応じて、開発範囲も整理します。

  • パッケージ:標準機能、設定で対応する範囲、追加開発、対象外に分ける。
  • スクラッチ開発:独自制御を作り込めますが、保守要員、仕様変更、ベンダーロックイン、技術更新は発注者が管理します。

試験は、単体、連携、系統モデルに分けます。そのうえで、性能、障害、セキュリティを対象に試験します。加えて、現地受入も試験の一つに含めます。

通常時以外の動作は、次のシナリオで確認します。

  1. 通信断、欠測値、誤った設備状態の想定。
  2. サーバー障害、センター切替、同時多発停電の試験。
  3. 手動復旧への移行の確認。

現地試験では、操作権限と承認フローを含めて、誤操作が起きないことを運用者が確認します。

切替時は、既存システムとの並行運用、夜間や休日の切替、ロールバック条件を決めておきます。あわせて、バックアップセンターへの切替と緊急連絡網も準備します。

九州電力の配電ITシステム事例では、24時間365日の利用を前提に、約2,800名が使っています。さらに、2008年の試験運用から2009年の全社展開へと、段階的に広げました(出典:株式会社日立製作所「九州電力 配電ITシステム事例」)。

このように、大規模な案件ほど一度に全域へ切り替えず、検証できる単位に区切ることが安全です。

ポイント

進め方では、制御機能を最初から本番系統に接続せず、可視化、判断支援、制御の順に対象を広げられる計画かどうかが判断の目安になります。

配電系統運用システムの費用相場と内訳

DMS単体には、全国共通の定価や公的な相場表がほとんどありません。そのため、以下の金額は対象範囲によって変わる概算です。稟議では、同じ前提条件のレンジとして示します。

金額は、対象設備数、連携範囲、冗長化によって変わります。機器・通信、データ整備、セキュリティも、金額に影響します。加えて、教育と保守も金額の変動要因です。

導入パターン別の費用目安

導入範囲ごとに、費用目安には幅があります。以下のレンジは、機能や連携範囲を含めた推定です。

  • 調査・PoC・限定フィーダーの可視化:3,000万円から1.5億円程度。
  • パッケージまたはADMSの一部導入:2億円から10億円程度。
  • 既存SCADA・GIS・OMS連携を含む中規模更改:5億円から20億円程度。
  • 広域・フルスクラッチ:10億円から50億円超となるケースがあります。

限定導入は、数フィーダーの現状調査と系統モデル整備を想定します。そのうえで、監視・解析と連携検証も含めます。

パッケージ等の導入には、ライセンスと設定が含まれます。さらに、移行と教育も含むため、12〜24か月ほどかかる場合があります。

広域・フルスクラッチのレンジは、一般送配電事業者向けのケースです。そこには、複数拠点、冗長化、現場機器連携が入ります。さらに、総合試験と運用設計も含みます。

これらは、電力系統周辺システムの公開契約実績とシステム範囲を基にした推定です。DMSの公定価格ではありません。

電力広域的運営推進機関の2024年度契約実績には、広域機関システムの基本設計として2億696万4,000円が掲載されています(出典:電力広域的運営推進機関、2024年度契約実績表)。サーバー基本設計は4億2,348万9,000円、再エネ業務統合システムの機能追加は1億191万5,000円などです(出典:電力広域的運営推進機関、2024年度契約実績表)。

この数字は、電力業務の設計・移行・連携が数千万円から数億円規模になることを把握する参考です。

費用の内訳項目

見積書では、初期構築と運用に関わる費用を分けて見ます。費用項目を同じ分け方でそろえておくと、会社ごとの提案内容を比べやすくなります。

  • システム・機器:設計・開発、パッケージのライセンスや利用料、サーバー・ストレージ・ネットワーク機器。
  • 現場・通信:現場機器、ゲートウェイ、通信回線。
  • データ・連携:台帳やGISのクレンジング、既存システム連携、CIM・プロトコル変換、過去データ移行。
  • 試験・導入:セキュリティ診断と脆弱性対応、性能・現地試験、訓練環境、教育(マニュアルを含む)、切替支援。
  • 運用・保守:24時間365日の保守、予備機、ライセンス更新。

保守契約では、障害の受付時間と現地駆け付けを確認します。さらに、復旧目標と部品供給期間も見ておきます。あわせて、製品サポート終了時の移行支援も比べます。

費用を押し上げる主な要因

費用は、設備規模と性能によって変わります。さらに、既存環境や制御対象によっても違いが出ます。見積もりでは、次の条件をそろえます。

  • 規模・性能:変電所・フィーダー・制御機器の数、リアルタイム性能。
  • 既存環境:設備の年式とプロトコル、GISの精度、停止できない時間帯。
  • 冗長化・制御範囲:バックアップ拠点の有無、DERを制御対象にする範囲。

太陽光の逆潮流、蓄電池、EV充電器を予測・制御する場合、データ整備と連携の工数が増えます。気象、需要、契約のほか、通信状態も扱うためです。

クラウドは、分析や計画、データ蓄積の初期投資を抑えやすいという利点があります。訓練環境の初期投資も抑えられます。一方で、リアルタイム制御系をそのまま接続できるとは限りません。

また、閉域網・エッジ・オンプレミス・クラウドの組み合わせを検討します。通信断やクラウド障害が起きたときに安全側へ移る設計も、見積条件に含めます。

ポイント

費用は導入範囲で幅が出るため、同じ前提条件のレンジで示されているか、金額を左右する範囲が明記されているかが判断の目安になります。

配電系統運用システムの見積もりを取る際のポイント

配電系統運用システムのベンダー比較軸を5項目のパネルで示した図解。
技術面から契約後の運用まで、確認点を横断して比べられます。

見積もりは、金額の安さだけでなく、同じ条件で比べられるかを見ることが大切です。そのため、提案に含むものと含まないものをそろえます。

RFPには、対象範囲、性能、障害時の動作を記載します。さらに、データの責任者と第三者機器の接続を書きます。試験方法と保守期間も、RFPに盛り込みます。

発注前に整理しておく情報

発注前には、対象地域と設備数、現在の系統モデルを整理します。既存システムとの連携方式も、あわせて押さえます。さらに、機器一覧があると、現地調査と接続見積もりの精度が上がります。

  • 対象設備:変電所、フィーダー、開閉器、センサーの数。
  • 既存情報:系統モデルと設備台帳、GIS・SCADA・OMS・MDM、資産管理との連携方式。
  • 機器一覧:メーカーと型式、通信プロトコルとファームウェア、更新期限と設置場所、遠隔操作の可否。

非機能要件では、稼働時間と可用性、RTO・RPO、許容遅延を定めます。さらに、同時利用者数やデータ保持期間、監査ログも決めます。

認証方式やネットワーク分離、脆弱性対応も、要件に含めます。あわせて、バックアップと災害復旧も押さえます。

操作の承認者と緊急時の権限、手動運用へ戻る条件も、先に決めておきます。これにより、提案会社によって前提が違う状態で価格が出ることを防げます。

開発会社・ベンダーの比較軸

ベンダーは、実績、接続性、保守で比べます。加えて、セキュリティとデータの扱いも見ます。そのうえで、実際のデータを使ったデモやシナリオ試験で適合性を確認します。

  • 技術・実績:電力・OTの実績、既存機器との接続性、GIS・CIM・API対応。
  • 運用・拡張:制御ロジックの拡張性、24時間365日の保守体制、セキュリティ対応。
  • 契約・責任:データとソースの可搬性、責任分界。

「大手だから安心」「パッケージだから短期」と決めつける前に、実際のフィーダーや過去の障害データで確かめます。

メーカー系SIerは、OT機器や保護・監視装置、電力系統の知見を活かしやすい傾向があります。一方で、独立系SIerは複数製品や既存システムを組み合わせやすい傾向です。

海外ADMSベンダーは、標準化機能やDERMS統合に強みを持つ場合があります。ただし、国内の制度や設備、運用慣行に合っているかは、国内SIerとの共同体制で確認します。

セキュリティと契約条件で見落としやすい点

電力制御システムでは、導入後も脆弱性情報と再委託先、機器更新を管理します。さらに、保守用アカウントや遠隔接続、ログ保全も管理の対象になります。

提案と契約では、脆弱性対応、責任分界、データ移行の条件をそろえます。

  • 提案確認:手引きや自社基準に沿う質問票を配布し、提案時点で回答を求めます。
  • 脆弱性・委託:発見時の報告期限、パッチ適用の判断、再委託管理を契約に明記します。
  • 運用・契約:データ所有権、ログ保存場所、保守終了時の移行支援、障害時の責任分界を定めます。
  • データ可搬性:標準形式での出力、API仕様、第三者機器の接続条件を確認します。
  • 引き渡し:ソースコードや設定情報の範囲を定め、移行テストを受入条件に含めます。

あわせて、経済産業省は2025年6月、電気事業者向けのサプライチェーン・セキュリティ対策を支援する手引きを公表しました(出典:経済産業省・資源エネルギー庁、2025年)。また、IPAは2026年4月版の「制御システムのセキュリティリスク分析ガイド 第2版」を公開しました。資産ベースと事業被害ベースの分析やセキュリティテストを整理しています(出典:情報処理推進機構、2026年)。

保守会社の変更を想定してデータ移行テストを行うと、契約終了時の移行費用と停止リスクを抑えやすくなります。

ポイント

見積もりは金額の安さだけでなく、対象範囲や非機能要件、責任分界がそろっているかで比べます。提案会社の前提が違うと、価格を正しく比べられません。

よくある質問(FAQ)

導入を検討する担当者から寄せられやすい質問に回答します。一般送配電事業者や工場、データセンターでは、前提が異なります。自治体新電力やマイクログリッドでも、前提は変わります。

自社の対象範囲に置き換えて判断してください。

小規模な工場やマイクログリッドでも導入できますか?

導入できます。全機能を一括導入せず、自社の課題に近い機能から始めます。ただし、制御対象が少なくても、安全側動作や手動運用は要件に含めます。

  • 設備・監視:設備台帳とGISの整備、監視・アラームの統合。
  • 需給・制御:需要と発電の予測、蓄電池の計画制御。
  • 安全要件:通信断時の安全側動作、操作権限、バックアップ、現場での手動運用。

パッケージとスクラッチ開発はどちらが良いですか?

方式は、必要な機能と保守負担に応じて選びます。判断の軸は、標準機能を早期に導入するか、独自業務を作り込むかです。

  • パッケージ:標準的な監視、停電管理、系統解析、DER管理を早期導入し、将来の更新を受けたい場合に候補となります。
  • スクラッチ:独自の業務手順や制御ロジックを作り込む場合に候補ですが、長期保守、仕様変更、要員確保、第三者接続の管理負担が増えます。

実務では、パッケージを基盤に設定と必要最小限の追加開発を行い、既存設備との接続は国内SIerが担う構成も検討できます。

参照系をクラウド、制御系をエッジ・オンプレミスに置く構成も選択肢です。製品名だけで決めず、PoCで現場データや計算精度を比べます。加えて、操作性や障害時の動きも確かめます。

開発期間はどれくらいかかりますか?

開発期間は導入範囲によって異なります。パターンごとの期間目安を基に、試験や移行の計画を立てます。

  • 調査・PoC・限定フィーダーの可視化:3〜9か月。
  • パッケージやADMSの一部モジュール導入:12〜24か月。
  • 複数拠点や既存SCADA・GIS・OMSとの連携更改:18〜36か月。
  • 広域系統などを含む導入:3〜5年規模になる可能性があります。

広域系統の期間目安は、複数センターや現場機器を含む場合です。冗長化と段階移行も入ります。

期間を左右するのは、プログラムの行数より、系統モデルと設備データの品質です。そのほか、既存機器との接続や試験可能な時間帯も関係します。加えて、現場訓練と並行運用の長さも効いてきます。

そのため、要件定義の前にデータを洗い出し、PoCと本番移行の判定基準を決めておきます。判定基準を先に決めておくと、開発の途中で大幅な手戻りを防ぎやすくなります。

セキュリティ要件はいつ決めるべきですか?

セキュリティ要件は、企画・要件定義の段階で決めます。後から制約を加えると、構成変更と再試験で費用と期間が増えるためです。

要件定義では、制約やリスクに応じて、セキュリティの確認項目を整えます。

  • 設計条件:ネットワーク分離、冗長化、ログ保管、脆弱性診断、遠隔保守の制約を整理します。
  • リスク分析:資産、脅威、事業被害、復旧目標に基づいて確認項目を割り当てます。
  • 委託時の役割:特に外部委託や再委託がある場合、脆弱性情報の受領者、パッチ適用の判断者、現地作業の承認者を定めます。

確認項目は、設計、開発、受入、運用の各段階に割り当てます。

制御システムでは、ITの一般的な更新手順を適用できない場合があります。そのため、安全性と可用性を損なわない切替試験が必要です。

ポイント

前提は導入範囲や事業者によって変わるため、FAQの回答を自社の対象範囲に当てはめて判断します。安全要件やセキュリティ要件も、同じ前提で最初に決めておくことが欠かせません。

まとめ

開発では、設備台帳やGIS、既存のSCADA・OMS、通信網を洗い出し、投資目的を明確にします。系統モデルとデータ連携を整えたうえで、限定範囲のPoCで機能の効果を確認します。

PoCでは、状態推定と停電復旧支援、VVO、DER連携の効果を確認します。

成功しやすい導入順序

本番導入は、参照系の可視化、判断支援、制御系の順に段階を踏みます。現場訓練と受入試験は、一体で進めます。

試験では、通信断や欠測値、設備状態の不一致を含むシナリオを使います。さらに、センター切替や同時多発停電、手動復旧も扱います。

運用開始後は、復旧時間やデータ品質を測定して改善します。加えて、アラーム対応とDERの予測精度も測り、改善につなげます。

見積もりの範囲と責任分界の比較

費用は導入範囲によって異なり、次のレンジはいずれも推定値です。DMSの定価としては扱わず、見積条件をそろえて比べます。

  • PoC・限定導入:3,000万〜1.5億円。
  • パッケージやADMSの一部導入:2億〜10億円。
  • 中規模更改:5億〜20億円。
  • 広域・冗長化・OT連携を含むフルスクラッチ:10億〜50億円超。

金額は、機能や設備、データの範囲によって変わります。さらに、通信や試験の範囲でも変わります。教育と保守の範囲も、金額に関わります。

RFPでは、CIMやAPI、既存プロトコルを明記します。加えて、可用性とRTO・RPO、セキュリティ、受入試験も書きます。

さらに、データ所有権や脆弱性管理、再委託を含めます。保守終了時の移行条件も、RFPに入れます。

価格や機能に加えて、障害時に安全な運用へ戻せるか、現場が使い続けられるかも比べます。その比べ方が、長期的に安定した配電系統運用システムにつながります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。