DR開発会社は、復旧目標、既存環境、業務範囲、運用体制の4つで比べると選びやすくなります。自社に合う支援先を選ぶことが、業務再開につながります。
以下で紹介する6社は、クラウド中心、Microsoft環境、大規模SIなど得意分野がそれぞれ異なります。
▼全体ガイドの記事
・災害復旧システム(DR)開発の完全ガイド
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災害復旧システム(DR)のパートナー選びが重要な理由

DRは、業務の再開順序、戻すデータの時点、切替の判断者を関係者が合意して初めて機能します。バックアップ製品を入れたこと自体は、この合意の代わりにはなりません。その合意には、経営層と業務部門、情報システム部門が参加し、ベンダーも加わります。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
パートナー選びでは、サーバー単位ではなく、業務サービス同士の依存関係を把握できるかを確認します。たとえば、販売管理を復旧しても、認証基盤や在庫データ、決済APIに加えて、ネットワークDNSが戻らなければ、現場は受注を再開できません。
そのため、業務サービス間の依存関係を調査し、縮退運転も含む復旧シナリオを設計できる会社を選ぶ必要があります。DRの成否を決めるのは、目標どおりに業務を再開できるかどうかです。
RTOは目標復旧時間、RPOは目標復旧時点です。業務影響分析(BIA)をもとに、業務ごとの目標値を決められる会社を選びます。
- 短いRTO・RPO:RTOが1時間、RPOが15分の場合、夜間に1回だけのバックアップでは要件を満たせません。
- 数日以内の復旧:復旧までに数日かかっても許される業務に常時二重化を使うと、必要以上の費用が発生します。
発注前に確認すべきポイント
提案依頼書には、要件の範囲と復旧後の確認事項を書いておきます。フェールオーバーに加えて、フェールバック、復旧データのマルウェア検査、認証情報の復旧も要求します。
- 対象と規模:対象業務、サーバー台数、データ量、日次の変更率
- 目標と制約:目標RTO/RPO、許容停止時間、データ所在地、訓練回数
- 復旧後の確認:外部サービスとの接続と、業務部門の受入れ確認
見積もりは、初期構築費と、クラウドやデータセンターの月額費に分けて確認します。回線費、監視費、保守費に加えて、復旧訓練費も見積もりに入れます。なお、公開料金は基盤の一部で、開発総額ではありません。
開発総額には、要件定義や設計、移行の工程に加えて、テストと運用設計も関わります。そのため、料金表の金額だけで判断せず、依頼範囲をそろえて比較します。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発まで一貫して支援しています。IT事業会社として社内DXを進めてきた経験を活かし、ビジネスの成果とシステムの定着を支えます。
さらに、営業・顧客・生産のほか、販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があります。加えて、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制です。
特徴と強み
riplaは、DRをインフラだけの課題とはせず、業務改善やシステムの定着と合わせて検討します。受発注システムの場合は、サーバーだけでなく業務フロー全体を復旧の対象として整理できます。
具体的には、受注受付の代替手順、在庫の更新、取引先への連絡を業務フローに含めます。さらに、復旧後のデータ突合まで対象に入れます。
得意領域・実績
営業、顧客、生産のほか、販売管理など複数の基幹領域をまたぐ企業では、業務部門の優先順位を要件に落とし込むことが課題になります。
riplaは、業務を理解する段階から導入後の定着まで相談したい企業に向いています。
DRでは、対象業務を洗い出してRTO/RPOを合意し、復旧手順を文書にまとめて、訓練後に改善するところまで依頼範囲に含めると、同社の強みを活かしやすくなります。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社|クラウド中心で柔軟に拡張
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社は、AWSの基盤や各種サービスでDRを設計したい企業が候補になります。
設計・構築・運用は、AWS自身だけでなく、AWS認定パートナーなどと一緒に進める場合もあります。そのため、提案時にはAWS自身とパートナーのどちらが何を担当するかを確認します。
特徴と強み
AWS Elastic Disaster Recoveryの課金対象は、AWSへアクティブにレプリケートするソースサーバーです。料金は1台・1時間あたり0.028米ドルです(出典: AWS公式「AWS Elastic Disaster Recoveryの料金」、2026年確認)。
料金の説明には、継続レプリケーションやテスト起動、リカバリ起動のほか、ポイントインタイムリカバリも含まれます。一方で、EBSやEC2、スナップショットのほか、データ転送などは別途かかります。
得意領域・実績
AWSとの適合性は、自社の移行計画や運用方針に照らして確認します。
- 段階的な移行:サーバーを順次クラウドへ移す計画の企業
- 復旧手順の自動化:IaCやAPIで手順を自動化したい企業
- 保護対象の調整:対象サーバーを増減させたい企業も候補にできます
AWS公式の例は、100台・30TB・平均月730時間のレプリケーションを前提にした場合です。DRサービス部分は月2,044米ドル、EBSやスナップショットなどを含む合計例は月6,389.03米ドルです(出典: AWS公式、2026年確認)。
この金額は特定リージョンの例で、設計・構築・運用費は含まれていません。そのため、自社の条件で再計算します。
日本マイクロソフト株式会社|Microsoft環境と親和性の高いDR
日本マイクロソフト株式会社は、Microsoft製品を中心に業務基盤を構成する企業の候補です。対象製品には、Windows ServerやSQL Serverのほか、Hyper-VやMicrosoft 365などがあります。Azure Site Recoveryで、Azure VMやオンプレミスのVM、物理サーバーをAzureへレプリケートする構成も検討できます。
特徴と強み
Azure Site Recoveryは、レプリケーションとフェールオーバー、フェールバックを支援します。多層アプリケーションでは、VMの起動順序やスクリプト、手動アクションを設定できます。
Microsoft Learnによると、Azure VMとVMware VMは連続レプリケーションに対応します。また、Hyper-Vの頻度は30秒ごとで、DRテストは実行中のレプリケーションに影響しません(出典: Microsoft Learn「Site Recoveryについて」、最終更新2026年6月)。
得意領域・実績
料金と既存環境への適合を、あわせて確認します。
- 課金基準:保護インスタンス数を基準とする課金
- 既存環境との整合:Microsoft製品のライセンス、Active Directory、SQL Serverとの整合性
- リージョン選定:Azureリージョンの選定も含めて設計できるパートナー
保護開始から最初の31日間は無料です(出典: Microsoft Azure公式「Site Recoveryの価格」、2026年確認)。ただし、無料期間中も、Azure Storageやストレージトランザクション、データ転送には費用がかかる可能性があります。さらに、復旧時の仮想マシンにも費用が発生する可能性があります。
株式会社NTTデータ|大規模SIと危機管理を組み合わせた支援

株式会社NTTデータは、金融・公共・法人などの大規模な業務システムと危機管理を一体で相談したい企業が候補になります。システム復旧だけでなく、災害時の情報共有、状況認識、指揮統制まで設計したい場合に適しています。
特徴と強み
NTTデータの危機管理・災害対策本部デジタル化プラットフォームでは、被害状況や体制をまとめて管理できます。地図上で状況を見られるほか、関係者への伝達、指示・報告、対応タスクの管理も行えます。
このプラットフォームはWebベースで、他システムとの連携を拡張できます。さらに、官庁や重要インフラ企業での導入実績も示されています(出典: NTTデータ公式「危機管理・災害対策本部デジタル化プラットフォーム」、2026年確認)。
得意領域・実績
複数拠点、組織、外部システムをまたぐ案件では、技術に加えて意思決定と連絡体制の設計が重要です。特に、停止時の社会的影響が大きい業種では、BIAと復旧優先順位を明確にし、監査証跡と訓練責任者も決めておきます。
社会的影響が大きい業種には、自治体、金融、通信が該当します。交通や電力、医療、物流なども含まれます。そのうえで、対象システムとSLAを明示し、個別案件の対応範囲と費用を見積もります。
日本電気株式会社(NEC)|遠隔データセンター型DRの選択肢
日本電気株式会社(NEC)は、NEC Cloud IaaSやデータセンターで、クラウドとSIを組み合わせたDRを検討する企業が候補になります。物理サーバーやVMwareなど既存環境に応じた方式を相談できます。WindowsやRHELの環境についても、方式を検討できます。
特徴と強み
仮想サーバー用DRサービスでは、イメージ化したシステムディスクとデータディスクを遠隔地へ転送します。DR発動時に仮想サーバーを作成できるほか、休止サービスを使うと待機側の月額料金を抑えられる構成もあります。
公式価格例はサーバー1台・データディスク50GBで月額3.6万円からです(出典: NEC公式「NEC Cloud IaaS DRサービス」、2026年確認)。
得意領域・実績
物理サーバー用サービスには、VMware Site Recovery Managerによる復旧手順の自動化が含まれます。さらに、ストレージ間のリモートデータレプリケーションも含まれます。
公式価格例は、仮想サーバー5台と10Mbps回線で月額35万円からです。データ量や回線、ライセンスは別途確認します。構築や監視、訓練については、個別に確かめる必要があります。
オンプレミスを残しながら遠隔地に予備環境を置きたい企業に向いています。
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)|クラウド・回線・運用を一体化
IIJは、クラウドやネットワーク、データセンターを一体で検討したい企業の候補になります。マネージド運用まで含めて考えたい場合にも適しています。
DRでは、復旧先に加えて接続回線が必要です。さらに、DNSや認証、切替後の監視まで検討しなければなりません。通信まで含めて相談できる点を評価し、復旧時の接続と運用体制を確認します。
特徴と強み
IIJは2024年7月、IIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2の西日本リージョンを開設しました。さらに、東日本リージョンの災害復旧先となるDR機能も提供を開始しました(出典: IIJ公式プレスリリース、2024年7月)。
専用のコントロールパネルで保護対象のVMを選び、DRサイトへ切り替えられます。エージェントレス方式のため、同期元VMの設定変更は不要と説明されています。
得意領域・実績
IIJのクラウド型ネットワークサービスは、自社データセンターやマルチクラウドへの閉域接続を支援します。東西のアクセスポイントを併用した災害対策も可能とされています。
公式サイトにある約3,000契約は、ネットワークサービス全体の実績です。個別のDR案件の成果を示す数字ではありません。
見積もりの条件には、データ所在や代替回線、監視時間帯を入れて比べます。障害時の連絡体制も条件に加えます。
災害復旧システム(DR)パートナー選びのポイント

6社は順位ではなく、クラウド中心、Microsoft環境、大規模SIなど、自社との適合性で比べます。遠隔データセンター、ネットワーク運用、業務改善一体型といった違いもあります。停止リスクと復旧目標を整理し、同じRFPを各社に渡すと、公平な相見積もりにつながります。
実績と経験の確認方法
実績は、企業名や導入件数だけでなく、自社に近い業務や規模の案件で確認します。規制やデータ量が近い案件かどうかも見ておきます。「復旧できた」という一言では、どこまで再現できたかが分かりません。
実測したRTO/RPOや訓練頻度を確認します。切替と切戻しの所要時間、復旧後のデータ整合性も見ておきます。そのうえで、可能であれば、匿名化した復旧テスト報告書や運用手順書のサンプルを見せてもらいます。
技術力と専門性の評価
提案時には、現行のサーバーやデータベース、認証の調べ方を確認します。ネットワークや外部API、ライセンス制約の調べ方も、あわせて見ておきます。ただし、方式が目標RTO/RPOを満たしていても、回線帯域が不足するとレプリケーションが遅れます。
バックアップと本番が同時に暗号化されないよう、別アカウントや最小権限、書き換えられない形での保管を要件に入れます。MFAや復旧前のマルウェア検査も、要件として求めます。
プロジェクト管理体制の確認
発注時には、障害対応の責任範囲と、構成を維持する方法を確認します。
- 障害時の体制:一次窓口、夜間・休日の監視、現地作業、判断権限、SLA、エスカレーションの契約書への明記
- 責任者:訓練の担当者を契約書に明記
- 構成と手順の更新:構成変更時の手順更新と、定期訓練の保守範囲への組み込み
- 訓練後の改善:改善会議の保守範囲への組み込み、年1回以上などを目安とする訓練頻度
小規模なDRaaSで既存のバックアップを活用する場合は、初期50万〜300万円、月額5万〜30万円が目安です。
10〜50台程度の業務システムは、初期300万〜1,500万円・月額20万〜100万円です。
中堅〜大企業の基幹系は、初期1,500万〜5,000万円超となる場合があります。
これらは案件条件から整理した執筆用の目安で、公式な統一相場ではありません。判断するときは、台数やデータ量、変更率に加えてRTO/RPOを項目ごとに見積もります。回線や訓練、監視、SLAも、別々に確認します。
よくある質問(FAQ)
DRでは、バックアップとの違いや費用、復旧テストについてよく質問されます。業務停止のリスクと復旧目標に照らして、答えを整理します。
バックアップがあれば災害復旧システム(DR)は不要ですか?
バックアップがあっても、復旧先の計算資源やネットワーク、認証が決まっていなければ、短時間で再開できるとは限りません。起動順序と切替判断も、あらかじめ決めておく必要があります。バックアップはデータを保存するのに対し、DRは優先順位を付けて業務を再開する仕組みです。
災害復旧システム(DR)の開発費用はいくらですか?
小規模なDRaaSは初期数十万〜数百万円、複数拠点や基幹系は数百万円〜数千万円以上となる可能性があります。なお、費用は構成や要件によって異なります。
見積もりには、クラウドの従量課金に加えて、設計や移行、回線の費用も含めます。監視や訓練、復旧時の稼働リソースも、見積もりに入れます。そのうえで、平常時、訓練時、実際の復旧時の3パターンで見積もりを取ります。
DRの復旧訓練は本番を止めずに実施できますか?
方式によっては、本番レプリケーションを続けながら隔離した復旧環境を起動し、手順と実測値を確認できます。ただし、アプリの整合性や帳票、外部APIを検証できるかは設計次第です。認証や業務部門の操作まで確かめられるかも、設計の段階で決めておきます。
訓練後は、課題や所要時間、データ損失を記録し、判断の遅れも残します。その内容を、次回の構成と手順に反映します。
まとめ
DR開発会社は、知名度や製品名ではなく、自社の業務と規模、既存環境、復旧目標との適合性で選びます。
riplaは業務理解から開発・定着まで相談したい企業に、AWSはクラウドと自動化を重視する企業に向いています。既存製品の活用を重視するなら、Microsoftが候補になります。
大規模な危機管理やSIを求めるならNTTデータ、遠隔データセンター型ならNECが候補です。また、クラウド・回線・データセンターを一体で運用したい場合はIIJが候補になります。
まずBIAを行い、業務ごとのRTO/RPOと復旧順序を決めます。そのうえで、縮退運転やセキュリティ条件も定めます。
提案価格に加えて、平常時の監視、定期訓練、切戻しを比べます。復旧後のデータ確認や障害時の連絡体制も、比較の対象にします。訓練と改善を重ねることで、災害やサイバー攻撃への実効性が高まります。
▼全体ガイドの記事
・災害復旧システム(DR)開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
