災害復旧システム(DR)開発の見積相場や費用/コスト/値段について

災害復旧システム(DR)の開発費用は、重要システムを限定した小規模導入なら初期50万〜300万円・月額5万〜30万円程度、複数拠点や基幹系まで含めると初期1,500万〜5,000万円超・月額100万〜500万円超が目安です。RTO・RPO、保護するサーバー台数、データ量、復旧方式、監視と訓練の範囲で金額は大きく変わります。

本記事では、災害復旧システム(DR)開発の見積相場を、初期費用・クラウド利用料・回線費・構築費・移行費・訓練費・保守費に分けて解説します。公開されているAWSやAzureの料金例と、業務システム開発の一般的な費用レンジを組み合わせた目安ですので、最後は自社のRTO・RPOと構成を整理して個別見積を取得してください。

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災害復旧システム(DR)の費用は何で決まりますか?

災害復旧システムの費用相場

災害復旧システム(DR)の費用は、バックアップ容量だけでなく、停止した業務をどの速さで、どのデータ時点まで、どの順序で再開するかによって決まります。つまり、同じ10台のサーバーを保護する場合でも、数日以内に戻せばよい構成と、1時間以内に業務を再開する構成では必要な待機環境・回線・自動化・運用体制が異なります。

RTO・RPOを短くするほど費用が上がります

RTOは目標復旧時間、RPOは目標復旧時点です。RTOを24時間、RPOを24時間にするなら、日次バックアップと手作業の復旧手順でも要件を満たせる可能性があります。一方、RTOを1時間、RPOを15分にするなら、継続レプリケーション、復旧先のネットワーク、起動順序の自動化、短時間での訓練が必要になり、初期費用と月額費用が上がります。

目標を先に決めずに製品を選ぶと、高性能な構成を購入した後で、実際の業務には過剰だったと分かることがあります。業務影響分析(BIA)で、売上・顧客対応・決済・在庫・安全・法令に関わる業務を分類し、業務ごとに許容停止時間と許容データ損失を決めてください。

対象範囲と復旧方式が価格帯を左右します

常時稼働させるホットサイトは、平常時から計算資源・ライセンス・回線を確保するため高額になりやすい方式です。必要時に起動するウォームサイトは平常時の費用を抑えやすく、手順とデータを保管して復旧時に環境を作るコールドサイトはさらに安くできる反面、RTOは長くなります。クラウドDRaaSは従量課金で始めやすい一方、ストレージ・データ転送・復旧時の仮想マシンを含めて総額を確認する必要があります。

保護対象を全社の全サーバーに広げるのではなく、まず受注・決済・顧客・認証など停止時の影響が大きい業務に絞ると、初期費用と月額費用を段階的に管理できます。ただし、対象外にした認証基盤やネットワークが復旧対象の業務に必要なら、対象範囲を絞ったつもりでも業務は再開できません。依存関係まで含めて範囲を決めることが大切です。

災害復旧システム(DR)開発・導入の進め方と期間

災害復旧システムの導入手順

DRの導入期間は、クラウドサービスを設定するだけなら短くできますが、業務要件・既存環境・データ整合性・訓練まで含めると数か月単位で考える必要があります。初期段階で実測したRTO・RPOと月額を確認し、いきなり全社展開せず、重要度の低い環境や非本番環境で検証してから本番へ広げると、手戻りを抑えやすくなります。

BIAとRTO・RPOの定義に2〜6週間程度を見込みます

最初に、業務部門・経営層・情報システム部門へのヒアリングを行い、停止したときの影響、復旧の優先順位、最低限必要な機能、代替手段を整理します。対象システムが少なく、関係者の合意が早い場合は2〜3週間程度で進められますが、複数事業部や外部委託先を含む場合は4〜6週間程度かかることもあります。ここを省くと、後工程の追加設計や再見積もりが発生しやすくなります。

設計・PoC・移行には1〜6か月程度かかります

構成設計では、レプリケーション、バックアップ世代、暗号化、ネットワーク、認証、外部API、監視、切替・切戻しの手順を決めます。クラウドの標準機能を使う小規模なPoCなら1〜2か月程度、中小企業の複数システムなら本番展開まで3〜6か月程度、複数拠点の基幹系や特殊なデータベースを含む場合は6〜12か月程度を目安にしてください。実際の期間は台数や関係者の承認プロセスで変わります。

PoCでは、設定が完了したかではなく、実測RTO・RPO、データ整合性、回線帯域、復旧先での認証、業務画面、帳票、外部連携を確認します。検証を有償の設計工程として見積もる会社もありますが、先に数十万円から数百万円程度をかけて失敗条件を把握することで、本番環境の大幅な手戻りを避けられる可能性があります。

復旧訓練・運用設計まで含めて期間を見積もります

本番導入後に使う復旧手順書、連絡網、判断権限、監視アラート、ベンダーへのエスカレーション、フェールバックの条件を用意します。さらに、計画停止での切替訓練、復旧環境での業務受入れ、切戻し、データ突合まで確認します。訓練を年1回行うのか、四半期ごとに行うのかで運用費と担当者の工数は変わりますので、初期費用と分けて見積書に記載してもらってください。

災害復旧システム(DR)の費用内訳

災害復旧システムの費用内訳

見積書では「DR構築一式」とまとめられた金額をそのまま比較せず、どの費用が一度だけ発生し、どの費用が毎月または訓練ごとに発生するかを確認します。初期費用が安く見えても、復旧先の計算資源や監視、回線、訓練が別料金なら、3年間の総額は大きく変わります。

要件定義・設計・プロジェクト管理の費用

要件定義では、対象業務、依存関係、RTO・RPO、復旧先、データ所在地、セキュリティ、監視、SLA、訓練の条件を整理します。一般的な業務システムのエンジニア単価を月額80万〜120万円程度とする相場情報を補助線にすると、少人数の短期調査は数十万〜数百万円、複数部門・複数拠点の要件定義は数百万円以上になる可能性があります。ただし、これはDR専用の公的な統計ではなく、案件規模に基づく見積の目安です。

設計費には、クラウドまたはデータセンターの構成設計だけでなく、復旧順序、起動スクリプト、監視、ログ、権限、切替判断、切戻し方法が含まれます。経営層の承認、業務部門の受入れ、既存ベンダーとの調整まで開発会社に依頼する場合は、技術設定だけの見積より高くなりますが、責任分界を明確にしやすくなります。

待機環境・ストレージ・回線・ライセンスの費用

インフラ費用には、レプリケーション先のストレージ、スナップショット、待機中の仮想マシン、復旧時に起動する計算資源、データ転送、専用回線、ファイアウォール、監視、バックアップソフトやOSのライセンスが含まれます。平常時には使わない復旧先でも、保存容量やレプリケーションのための資源は継続的に課金される場合があります。

AWS Elastic Disaster Recoveryの公式料金は、レプリケート中のソースサーバー1台あたり1時間0.028米ドルです。730時間で計算すると1台あたり月20.44米ドルですが、AWS公式の100台・30TB・日次変更率3.3%の例では、DRサービス料金2,044米ドルにEBS、スナップショット、EC2を加えた合計が月6,389.03米ドルです(出典: AWS「Elastic Disaster Recoveryの料金」、2026年8月確認)。料金単価だけでなく、容量と変更率を含む構成全体で試算してください。

Azure Site Recoveryも保護対象インスタンス単位で料金が発生し、保護を開始してから最初の31日間は無料です。ただし、無料期間中でもストレージ、ストレージトランザクション、データ転送、復旧した仮想マシンの計算資源は別途発生する可能性があります(出典: Microsoft Azure「Azure Site Recoveryの価格」、2026年8月確認)。複数クラウドを比較する場合も、同じ台数・容量・訓練時間で条件をそろえてください。

移行・テスト・訓練・保守の費用

既存環境から復旧先へデータや設定を移す費用は、サーバー台数、データ量、停止可能時間、データベースの整合性、暗号化、ネットワーク制約で変わります。単純なバックアップ復元だけでなく、アプリケーション、認証、DNS、外部API、帳票まで確認する場合は、移行・結合テストの工数が増えます。

運用費には、クラウドやデータセンターの月額、監視、バックアップ世代管理、脆弱性対応、OS・ミドルウェア更新、問い合わせ、障害時の一次対応、定期訓練が含まれます。類似する業務システムでは、保守費を初期開発費の年15〜25%程度、または月額10万〜50万円以上として置くことがありますが、24時間365日対応・SLA・現地作業の有無で大きく変わるため、固定的な相場とは考えないでください。

規模別の災害復旧システム(DR)費用相場

災害復旧システムの規模別費用

以下の金額は、リサーチノートにある業務システム開発の一般的な相場と、AWS・Azureなどの公開料金体系をもとにした記事執筆用の目安です。DR専用の国内受託開発費を網羅した公的な相場表ではありません。実際の見積では、対象台数、データ容量、日次変更率、RTO・RPO、監視、訓練、SLAを同じ条件にそろえて比較してください。

小規模なDRaaS導入は初期50万〜300万円・月額5万〜30万円程度

3〜10台程度のサーバーを対象に、重要業務を限定し、既存バックアップやクラウドの標準機能を活用する場合は、初期50万〜300万円、月額5万〜30万円程度、導入期間1〜3か月が一つの目安です。初期費用には、現状調査、設定、簡単な復旧手順、テストを含め、月額にはストレージ、レプリケーション、基本監視を含める想定です。

ただし、月額5万円で収まるかどうかはデータ量と変更率、復旧先の計算資源、通信、監視時間帯で変わります。重要データを改ざんから守るイミュータブル保管や、ランサムウェア発生時の安全確認、業務部門を含む訓練を追加する場合は、初期費用・月額費用のどちらも上がる可能性があります。

中小企業向けは初期300万〜1,500万円・月額20万〜100万円程度

10〜50台程度を対象に、別リージョンやデータセンターへレプリケーションし、復旧手順を自動化する場合は、初期300万〜1,500万円、月額20万〜100万円程度、構築期間3〜6か月が目安です。販売・受発注・在庫・会計など複数の業務を復旧するなら、サーバーだけでなくデータベース、認証、ネットワーク、外部連携の順序を設計する必要があります。

この価格帯では、平常時の待機環境をどこまで起動しておくかが重要です。ウォームサイトやクラウドの縮退構成で平常時の計算費を抑え、障害時だけ必要な仮想マシンを起動する方法もありますが、起動時間とテスト結果を確認してください。安価な待機構成を選ぶ場合は、RTOを満たせるか実測することが条件となります。

中堅・大企業の基幹系は初期1,500万〜5,000万円超・月額100万〜500万円超

複数拠点、複数の基幹業務、データベース整合性、認証・ネットワーク・外部API、定期訓練、24時間監視まで含める場合は、初期1,500万〜5,000万円超、月額100万〜500万円超、構築期間6〜12か月が目安です。常時二重化や専用データセンター、現地作業、厳格なSLAを求める場合は、初期3,000万円〜1億円超、月額数百万円以上になる可能性もあります。

金融・医療・自治体・重要インフラでは、データ所在地、監査証跡、委託先管理、復旧判断の証跡、業務継続の最低水準が追加されることがあります。デジタル庁の「地方公共団体情報システム非機能要件の標準 第1.2版」では、大規模災害時のシステム再開目標を、1日以内、3日以内、1週間以内、1か月以内などから選択する考え方が示されています。また住民の安否確認に必要なデータは発災後72時間以内に利用できる形式で提供する例が示されています(出典: デジタル庁、2025年9月)。民間企業でも、業務の重要度に応じた目標設定の参考にできます。

費用と開発期間が変動する主な要因

災害復旧システムの費用変動要因

費用差を理解するには、見積書の金額だけでなく、その前提条件をそろえる必要があります。特に、保護対象の台数と容量だけを比べると、変更率や復旧時の計算資源、訓練、監視、セキュリティ対応が抜け落ちるため、月額と初期費用の両方で条件を確認してください。

データ量・変更率・保持期間でクラウド費用が変わります

同じ30TBでも、毎日の変更率が1%なのか10%なのかで、レプリケーションやスナップショットに必要な容量と転送量が変わります。保持期間を7日から30日に延ばす場合、増分データの保存量と復旧ポイントの管理費が増えます。見積前に、総容量、ディスク数、1日あたりの書き込み量、保持世代、暗号化方式、削除・改ざん防止の要件を提示してください。

ランサムウェア対策・規制・監査対応が追加されます

自然災害だけでなく、ランサムウェアや人為的な設定ミスを想定するなら、本番管理者とバックアップ管理者の分離、MFA、最小権限、別アカウントや別テナント、イミュータブル保管、復旧環境のネットワーク分離、復旧前のマルウェア検査が必要です。バックアップが本番の認証情報で削除できる構成では、同時に破壊されるリスクが残ります。

医療分野では、厚生労働省が2026年6月に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」を公開し、サイバー攻撃を想定した事業継続計画の確認表などを示しています(出典: 厚生労働省、2026年6月)。規制業種では、構築費だけでなく、監査ログ、訓練記録、委託先との役割分担、復旧時の本人確認まで含めて要件と費用を確認してください。

監視時間・SLA・訓練回数で運用費が変わります

平日日中だけの通知と、24時間365日の一次対応では、必要な要員とSLAが異なります。障害時にベンダーが切替判断まで支援するのか、利用者が手順書を見て操作するのか、現地作業や代替回線を含むのかも確認してください。月額保守が安くても、夜間・休日・重大障害の対応がオプションなら、想定外の費用になります。

訓練も、手順書を読むだけの机上訓練、計画停止を伴う切替訓練、業務部門が実際に受注や決済を行う実動訓練で費用が変わります。訓練後の課題修正、再テスト、担当者変更時の教育まで含め、年間の運用計画として見積もると、導入後に予算不足になりにくくなります。

災害復旧システム(DR)のコストを最適化するポイント

災害復旧システムのコスト最適化

DRのコスト最適化は、単純に安いサービスを選ぶことではありません。必要な業務を守りながら、過剰な待機資源・不要な保持期間・重複した運用を減らし、実際に復旧できる状態を維持することが最適化です。初期費用だけでなく、3年間の総保有コスト(TCO)と障害時の損失を並べて判断してください。

業務の重要度に応じて保護レベルを分けます

全システムを同じRTO・RPOで守る必要はありません。決済や受注は低いRTO・RPOで継続レプリケーションし、社内ポータルや過去データの参照はバックアップ中心にするなど、重要度に応じてホット・ウォーム・コールドを組み合わせます。業務部門と優先順位を合意してから、システムを保護レベルに割り当ててください。

段階導入では、最初に1〜2個の重要業務でPoCを行い、月額と実測RTO・RPOを確認します。効果が確認できた方式だけを他の業務へ広げることで、全社分の高価な設備を先に購入するリスクを下げられます。対象外の業務については、復旧しない理由と代替手段を記録しておくことが必要です。

待機資源を適正化し、復旧手順を自動化します

クラウドでは、平常時に復旧先の全仮想マシンを起動させず、レプリケーションに必要な最小資源だけを用意し、訓練や本番復旧のときに必要なサイズへ拡張する設計があります。ただし、起動に時間がかかるとRTOを満たせないため、実測を前提に適正化してください。古いスナップショット、不要なログ、過剰な保持世代を定期的に見直すことも有効です。

復旧順序をIaCやオーケストレーションで自動化すると、初期設計の工数は増えますが、手作業のミスと訓練時間を減らせます。自動化には、認証基盤、データベース、アプリケーション、外部連携、業務受入れの確認を組み込み、異常時に途中で停止して人が判断できる仕組みも用意してください。完全自動化を目的にせず、安全に再現できる範囲を選ぶことが重要です。

月額だけでなく3年間のTCOで比較します

比較表には、初期構築、データ移行、クラウド・データセンター、回線、ライセンス、監視、保守、訓練、障害時対応、契約更新、解約・移行費を入れます。特にクラウドの従量課金は、データ量や変更率、リージョン、為替、復旧回数で変動するため、平常時・訓練時・本番復旧時の3パターンで試算してください。

導入時の値引きだけで決めず、3年間の総額と、担当者が毎月行う運用工数を含めて判断します。サービスを変更するときのデータ取り出し、構成情報の引き継ぎ、契約終了後のバックアップ削除、別ベンダーへの移行支援費も確認しておくと、将来のロックインを抑えやすくなります。

大規模事例でも、単にクラウドへ移すだけでなく、不要なワークロードを整理し、運用を標準化することがコスト最適化につながります。Microsoftの顧客事例では、NTT Ltd.がアジア太平洋地域で約1,500〜2,000台の仮想マシン・サーバーをAzureへ移行し、既存ワークロードの約25%を廃止した結果、月10万米ドル以上の削減や、3年間で100万米ドルのTCO削減を試算しています。Azure BackupとAzure Site Recoveryを活用してBC/DRも改善した事例です(出典: Microsoft Customer Stories「NTT Ltd.、Azureでグローバル共通のクラウドトランスフォーメーションを実現」、2026年8月確認)。ただし、規模や契約条件が異なるため、自社の金額へそのまま当てはめず、対象整理の考え方として参照してください。

見積もりを取る際に確認すべきポイント

災害復旧システムの見積もり確認

相見積もりでは、同じRTO・RPOと対象範囲を渡さなければ価格の比較ができません。提案依頼書には、業務一覧、サーバー台数、データ容量、日次変更率、バックアップ保持期間、復旧先、許容停止時間、監視時間帯、訓練回数、SLA、データ所在地、ランサムウェア対策を記載してください。

初期費用・月額費用・従量費用を分けてもらいます

初期費用は、要件定義、設計、設定、開発、移行、PoC、テスト、手順書、教育に分けます。月額費用は、ストレージ、レプリケーション、待機計算資源、監視、保守、サポート、回線、ライセンスに分けます。復旧時にだけ発生する計算資源、データ転送、追加作業、訓練費は、平常時の月額と区別して記載してもらうと、予算を管理しやすくなります。

クラウドの公式料金は基盤の一部であり、要件定義・業務連携・データ整合性テスト・運用設計を含む開発総額ではありません。公開料金を根拠に「1台あたり数千円」とだけ説明する提案には、復旧時の仮想マシン、ストレージ、通信、監視、作業費が含まれているかを確認してください。

復旧できることを業務部門の受入れ条件にします

テストの合格条件を「サーバーが起動した」だけにしないでください。認証できること、データベースとアプリケーションの整合性が取れていること、受注・在庫・決済・帳票などの重要操作ができること、外部APIが使えない場合の代替手順があること、業務部門が再開を承認できることまで確認します。

見積書には、テストケース数、データ突合の方法、業務部門の参加人数、訓練後の改善対応、再テストの回数を記載してもらいます。受入れ条件が曖昧なままでは、追加テストや追加改修が別請求になりやすいため、契約前に成果物と判定基準を合意してください。

開発会社の支援範囲と責任分界を確認します

開発会社を選ぶ際は、クラウド製品の認定だけでなく、現状調査とBIAを誰が行うか、業務部門との合意形成を支援できるか、既存のデータベースや外部サービスに対応できるか、復旧訓練と運用改善を担当するかを確認します。障害時の一次窓口、重大障害の連絡時間、現地対応、代替回線、切替判断の権限も契約書に明記してください。

複数社を比較する場合は、価格だけでなく、要件適合性、実測RTO・RPO、セキュリティ、運用体制、訓練内容、データの取り出しやすさを評価します。見積の安さが、対象範囲の不足や訓練の省略によって実現されていないかを確認し、必要な条件を満たす提案を同じ基準で比べてください。

災害復旧システム(DR)の費用に関するよくある質問

災害復旧システムの費用に関するよくある質問

費用を調べる際は、月額の安さ、開発費の総額、バックアップとの違い、訓練の必要性について疑問が生じやすくなります。ここでは、見積もりを比較する前に確認したい質問へ、金額の前提を含めて回答します。

中小企業の災害復旧システム(DR)はいくらかかりますか?

重要システムを3〜10台程度に限定した小規模なDRaaS導入なら、初期50万〜300万円、月額5万〜30万円程度が一つの目安です。10〜50台程度で複数業務の復旧手順や訓練まで含めると、初期300万〜1,500万円、月額20万〜100万円程度になる可能性があります。台数だけでなく、RTO・RPO、データ量、変更率、監視、訓練の前提をそろえて確認してください。

バックアップだけなら災害復旧システム(DR)より安くできますか?

データを保存するだけなら、バックアップの方が安く始められる場合があります。ただし、バックアップは復旧先の計算資源、ネットワーク、認証、アプリケーションの起動順、業務部門の受入れまで自動的に用意するものではありません。許容停止時間が長い業務ならバックアップ中心でも成立しますが、重要業務では不足する復旧機能と訓練費を含めて比較してください。

クラウドDRはオンプレミスより必ず安くなりますか?

必ず安くなるとは限りません。クラウドDRは初期の設備投資を抑え、必要な分だけ使える一方、ストレージ、レプリケーション、データ転送、待機計算資源、復旧時の仮想マシン、監視、サポート、為替の影響が継続します。オンプレミスも設備、保守、専用回線、設置場所、更新費が必要ですので、平常時・訓練時・本番復旧時を含む3年間のTCOで比較してください。

災害復旧の訓練費は見積に含めるべきですか?

含めるべきです。復旧環境を構築しても、担当者が手順を理解していない、認証基盤が戻らない、データ整合性を確認できない、切戻しの条件が決まっていない状態では、実際の災害時に業務を再開できません。机上訓練だけでなく、計画停止を伴う切替、業務受入れ、フェールバック、ランサムウェア時の安全確認まで、回数と参加範囲を見積に記載してください。

まとめ

災害復旧システムの費用相場まとめ

費用相場を判断するときの結論

災害復旧システム(DR)の費用は、小規模なDRaaS導入で初期50万〜300万円・月額5万〜30万円程度、中小企業の複数システムで初期300万〜1,500万円・月額20万〜100万円程度、中堅・大企業の基幹系で初期1,500万〜5,000万円超・月額100万〜500万円超が目安です。常時二重化、専用データセンター、24時間監視、厳格なSLAを含めると、初期3,000万円〜1億円超・月額数百万円以上になる可能性があります。

見積を依頼する前に整理すること

まずBIAで重要業務と依存関係を整理し、業務ごとのRTO・RPO、最低限の復旧機能、データ量、変更率、保持期間、監視時間帯、訓練回数を決めてください。そのうえで、初期構築、クラウド・設備、回線、移行、テスト、訓練、保守、復旧時の従量費を分けた見積を複数社から取り、平常時・訓練時・本番復旧時の総額を比較します。

DRは導入して終わる設備ではなく、事業環境や脅威の変化に合わせて訓練と改善を続ける仕組みです。価格だけでなく、実測でRTO・RPOを満たせること、復旧データの安全性を確認できること、業務部門が受入れ判断できることまで含めて、費用対効果を判断してください。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。