図面管理(EDM)開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

図面管理(EDM)の開発は、図面の版管理・検索・承認・権限を整理するところから始まり、要件定義、設計、開発、テスト、運用へと段階的に進みます。途中の工程を飛ばすと、後から仕様の抜けが見つかりやすくなります。完全ガイドの記事もご覧ください。

  • 業務整理:利用者が抱える課題を、図面、版、承認、検索の観点で明確にする
  • 要件定義:権限、履歴、連携、保管、検索条件の要件を整理する
  • 段階導入:設計、開発、移行、教育、運用の順に、手順を段階ごとに計画する

図面管理(EDM)システムの全体像と開発アプローチ

EDM(Engineering Document Management)とは、図面・設計書・仕様書・BOMなどの技術文書を一元管理するシステムです。ファイルサーバーと比べると、版管理や承認ワークフロー、アクセス権限の制御といった機能を備えています。さらに、CAD連携や他システムとのデータ連携にも対応し、設計情報のライフサイクル全体をカバーします。

開発アプローチとしては、スクラッチ開発、既製パッケージの導入、パッケージへのカスタマイズ追加の3つが主流です。

スクラッチ開発・パッケージ・カスタマイズの違い

スクラッチ開発は、自社業務に合った仕様を一から作り込める反面、開発期間が長くなりがちで、保守コストも高くなる傾向があります。

既製パッケージ(NAZCA5 EDM、図研のPDM/PLMなど)を導入する場合は、初期コストと導入期間を抑えやすいものの、標準機能に業務プロセスを合わせる必要があります。

パッケージへのカスタマイズ追加は、その中間に位置します。標準機能を活かしながら、自社独自のワークフローや連携要件を実装できるのが特徴です。いずれのアプローチを選ぶ場合も、要件の整理と優先順位付けが開発成功の鍵になります。

EDMシステムが持つべき主要機能

EDMシステムには、図面の登録・検索・閲覧という基本機能のほかにも、多くの機能が求められます。版管理機能は、図面の改訂履歴を追跡し、常に最新版を管理するうえで欠かせません。

承認ワークフロー機能は、設計者・検図者・承認者など役割ごとに処理ステップを定義し、図面の品質保証の流れを支えます。また、CAD連携機能は、AutoCADやSolidWorksなどのCADツールと直接連携して、ファイルの二重管理を防ぎます。さらに、ERPや生産管理システムと連携すると、部品番号・BOM情報・工程情報を横断して活用できる体制が整います。

フェーズ1:企画・要件定義の進め方

要件定義はEDM開発の中で最も重要なフェーズです。ここでの見落としや認識のズレは、後工程の手戻りコストや運用定着の失敗に直結します。

設計部門だけでなく、製造・品質保証・調達・保守・営業技術など関連部門にも幅広くヒアリングします。そのうえで、「誰が・何の目的で・どの図面を・いつ使うか」という観点から業務要件を整理することが大切です。

業務要件と現状課題の洗い出し

まず、現状の図面管理で困っている点を部門ごとに洗い出します。設計部門では「最新版の管理が煩雑」「改訂記録が不明確」といった問題が多く、製造部門では「古い図面で製造してしまうリスク」「紙図面の配布コスト」が課題になりがちです。品質保証部門では「承認経緯の追跡ができない」「検査記録との紐づけができない」という声もよく聞かれます。

こうした課題をPDCAサイクルで整理し、解決すべき優先事項を絞り込むことが出発点になります。次に、図面の作成から承認・公開・配布・廃版までの一連の流れを文書にし、各ステップの担当者、判断基準、連携システムを明確にします。

この作業を省いて開発に進むと、後から「このフローが実装されていない」という指摘が相次ぎ、大規模な仕様変更につながるおそれがあります。

機能要件・非機能要件の定義

機能要件では、図面の登録から廃版までの各段階で必要な機能を具体的に挙げます。たとえば、登録機能では、「ドラッグ&ドロップでCADファイルをアップロードできること」「図面番号・品番・改訂番号を自動採番できること」「関連文書(仕様書・BOM・写真)を紐づけられること」などを定義します。

また、承認ワークフローでは「承認ルートを部門・製品ラインごとに設定できること」「差し戻し理由を記録できること」「モバイルからも承認操作ができること」といった要件を明示します。非機能要件では、同時接続ユーザー数、レスポンスタイム、ストレージ容量を定めます。あわせて、バックアップの周期や、クラウドかオンプレミスかの選択も定義します。

セキュリティ要件では、アクセスログ取得や二要素認証対応などを定めます。特に製造業では、設計情報の機密性が高いため、アクセス権限の粒度(閲覧のみ・編集可・承認可・管理者など)を細かく設定できる仕様が重要です。

ポイント

判断に迷ったら、誰が・何の目的で・どの図面を・いつ使うかを基準に、業務要件を整理できているか見直してください。見落としは、後工程の手戻りや運用定着の失敗に直結します。

フェーズ2:基本設計・詳細設計の手順

EDMの基本設計で決めるアーキテクチャ、画面、データ、CAD連携を4枚のパネルに整理した図。
4つの設計項目を並べて検討範囲を見渡せます。

要件定義が完了したら、基本設計(外部設計)と詳細設計(内部設計)の工程に進みます。基本設計は、システム全体の構成、画面遷移、データフローを定める工程で、利用者が実際に触れるUIとシステムの振る舞いを文書にします。

詳細設計では、データベーステーブルの定義、APIの仕様、処理ロジックの詳細まで落とし込みます。そのため、エンジニアが実装に取りかかれる状態になります。

基本設計で決めるべき主要項目

まず、システム全体のアーキテクチャ(Webアプリ、クライアントサーバー、クラウドSaaSなど)を決めます。図面管理では特に、大容量ファイルの扱い、CADデータのプレビュー生成、オフライン利用の有無が技術選定に影響します。

また、画面設計として「図面一覧画面」「図面詳細・版履歴画面」「承認・差し戻し画面」「検索・フィルタリング画面」「ダッシュボード」などの主要画面のワイヤーフレームを作ります。データ設計では、図面マスタ・版情報・承認履歴・関連文書・ユーザー権限のテーブルを定義します。

CAD連携の設計では、どのフォーマット(DWG・DXF・STEP・PDF変換など)に対応するか、サムネイルやプレビューの生成方法、CADからのメタデータ自動取得の仕組みを具体化します。さらに、ERP・PLM・生産管理システムとのAPI連携方式(REST API・WebService・CSVインポートなど)も、基本設計の段階で方針を決めておくことが大切です。

詳細設計のポイントと注意点

詳細設計では、変更に強い設計を意識することが大切です。図面の運用は、製品ラインの追加や設計ルールの変更、組織改編によって継続的に変わります。そのため、承認ルートや属性項目、アクセス権限を設定画面から変えられる構造にしておかないと、仕様変更のたびに開発対応が必要になります。

「保管(アーカイブ)」と「運用(現行版管理)」を分けて設計することも、データモデルを整理するうえで欠かせない考え方です。また、図面番号の採番ルールや版数の表し方(A/B/C形式、Rev.1/Rev.2形式など)は企業ごとに異なるため、現場に確認しながら詳細設計で丁寧に定めます。

承認フローのステータス管理(下書き・申請中・承認済み・公開・廃版など)と、各ステータス間の遷移ルールも、明確に文書にしておく必要があります。これらが曖昧なままコーディングに進むと、テスト工程で指摘事項が大量に発生し、手戻りのコストが膨らみます。

ポイント

基本設計で全体の構成と画面を、詳細設計で実装に必要な定義を決めておくと、開発に入ってからの変更を抑えられます。承認ルートや属性項目は、設定画面から変えられる構造にしておく必要があります。

フェーズ3:開発・実装の進め方と方法

EDMの実装時に押さえる大容量ファイルの処理、全文検索、監査ログをカードで示した図。
3項目を実装前に確認できる構成です。

設計書が揃ったら、いよいよ実装フェーズに入ります。EDMシステムの開発では、機能の複雑さと業務への影響の大きさを踏まえ、アジャイル開発とウォーターフォール開発のどちらを採るかを、プロジェクトの性質に応じて選びます。

大企業で全社展開を前提とする場合は、ウォーターフォール型が安定しやすい一方で、要件が固まりきっていない場合は、スプリント単位で機能を積み上げるアジャイル型が有効です。

開発チームの体制と役割分担

EDMシステムの開発では、全体の進行管理、業務と現場の調整、サーバー側とUI側の実装を、それぞれ別の担当が受け持ちます。

  • プロジェクトマネージャー(PM):全体のスコープ、スケジュール、リスクを管理する
  • システムアナリスト・コンサルタント:業務要件の整理と現場との調整を受け持つ
  • バックエンドエンジニア:データモデル、API、ストレージ管理を実装する
  • フロントエンドエンジニア:UI、ワークフロー画面、CADプレビュー機能を担当する

CAD連携や他システムとのAPI統合には専門的な知識が必要なため、経験のあるエンジニアを割り当てることが欠かせません。

開発規模の目安として、中規模のEDMシステム(複数部門対応、承認ワークフロー、ERP連携あり)では、エンジニア2〜4名が4〜8ヶ月程度稼働するケースが多く、費用は600万〜1,200万円程度になることが一般的です。なお、大規模システム(複数拠点、複雑な権限管理、PLM/ERP完全統合)では、1,500万円を超えることもあります。

発注側と開発会社にとって現実的なのは、予算とスケジュールのバランスを見ながら、MVP(最小限の製品)として核心機能だけを先行リリースし、段階的に機能を拡張していく方法です。

実装時に押さえるべき重要ポイント

実装で特に注意が必要なのは、大容量ファイルの取り扱いとパフォーマンスです。製造業では1つのCADアセンブリファイルが数百MBに達することもあり、アップロード、ダウンロード、プレビューの処理を適切に設計しないと、ユーザー体験を著しく損ないます。また、全文検索機能は図面管理システムの使い勝手を左右する重要な要素です。大容量ファイル、全文検索、監査ログは、実装前に仕組みを決めておきます。

  • 大容量ファイルの処理:サムネイル生成を非同期処理でバックグラウンド実行し、ファイル配信にCDNを使い、チャンク分割アップロードを組み合わせる
  • 全文検索:図面番号・品番・タイトル・部門・改訂日・ステータスでの高速検索に、Elasticsearchなどの検索エンジンと適切なインデックス設計が必要である
  • 監査ログ:品質管理の観点から、誰が・いつ・どの図面に・何の操作をしたかを記録し、保持期間とログ出力フォーマットを設計段階で定める

フェーズ4:テスト・品質確認の工程

単体テストからユーザー受入テストまで、EDMの4つのテスト段階を積層して示した図。
個別の動作確認から現場での受入確認へと対象が広がります。

EDMシステムのテストは、通常のWebシステムと比べて、より緻密な計画と実施が求められます。図面データは企業の知的財産の中核であるため、誤った版の参照、承認フローの誤動作、権限のない利用者からのアクセスといった不具合は、重大なインシデントに直結します。そのため、テスト工程には十分な期間とリソースを確保することが欠かせません。

単体テスト・結合テスト・システムテストの実施方法

単体テストでは、図面登録処理・版番号採番ロジック・承認ステータス遷移・権限チェックなど、各モジュールの動作を個別に確認します。特に版管理ロジックは、細かいケースを網羅したテストケースを作ることが大切です。たとえば、「同一図面番号の複数版が共存できるか」「廃版にした図面が最新版として表示されないか」「改訂申請中の版と公開版を区別できるか」などを確認します。

結合テストでは、承認ワークフローの一連の流れ(申請→検図→承認→公開→差し戻し→再申請)を、実際のユーザーロールごとにシナリオで検証します。CADシステムやERP・PLMとの連携テストも、このフェーズで行います。

システムテストでは、本番に近い環境で大量データ(数千〜数万件の図面)を投入し、検索性能、同時アクセス時の安定性、ストレージ容量の消費状況を確かめます。ユーザー受入テスト(UAT)では、実際の現場担当者にシステムを操作してもらい、業務フローとの整合性を検証します。

セキュリティテストとデータ移行の確認

セキュリティテストでは、他部門の機密図面に不正アクセスできないかといった、権限のバイパスを検証します。あわせて、セッション管理、SQLインジェクション、ファイルアップロードの脆弱性がないかも確認します。製造業では顧客の設計情報を扱うことも多く、情報漏洩は取引関係に直結するため、ペネトレーションテストや脆弱性スキャンの実施も検討すると有効です。

データ移行テストも重要な工程です。既存のファイルサーバーや旧システムに蓄積された図面データを、新システムへ正確に移行できるかを事前に検証します。ファイル名・メタデータ・版情報・承認履歴が正しく取り込まれるかも、確認します。

移行ツールのバグや文字コードの問題、ファイルパスの変換ミスなどは、よくある落とし穴です。そのため、移行リハーサルを本番前に2〜3回実施することが推奨されます。

ポイント

判断の目安は、誤った版の参照、承認フローの誤動作、権限のない利用者のアクセスを、テストで重点的に押さえられているかです。テスト期間が足りないと、こうした不具合が本番で見つかるおそれがあります。

フェーズ5:リリース・運用定着の手順

テストを通過したシステムを、いよいよ本番環境にリリースします。EDMシステムのリリースでは、パイロット部門から全社へと段階的に展開すると、失敗のリスクを大きく減らせます。まず設計部門など利用頻度の高い部門で先行導入し、現場のフィードバックを集めてUIや操作フローを改善してから全社展開に進むのが効果的です。

リリース当日は、旧システムとの並行運用期間を設け、移行トラブルが生じたときにすぐ旧環境へ切り戻せる体制を整えておくことが欠かせません。

ユーザートレーニングと操作マニュアルの整備

EDMシステムの導入が失敗する最大の原因の一つは、現場への定着不足です。どれほど高機能なシステムを作っても、ユーザーが使いこなせなければ、旧来の属人的な管理に逆戻りしてしまいます。

ロール別の操作マニュアル(設計者向け、承認者向け、管理者向け)を整備し、部門ごとにハンズオン形式のトレーニングを行うことが効果的です。特に承認ワークフローの操作は、実際の業務シナリオを使って繰り返し練習する機会を設けると、現場の不安を取り除くうえで有効です。

ヘルプデスクの設置も、定着の促進において重要な役割を果たします。リリース後1〜3ヶ月は問い合わせが集中するため、FAQの充実・チャットによる迅速なサポート・現場への定期フォローアップを計画的に行います。ユーザーの声を集めてシステム改善に反映させるサイクルを回すことで、EDMは単なる管理ツールから、業務を支える中核インフラへと進化していきます。

運用・保守体制と継続的な改善

EDMシステムは、構築後も継続的な改善と拡張が必要です。製品ラインの追加や組織変更、設計ルールの改定に合わせて、承認フローの設定変更や属性項目の追加・変更が定期的に発生します。システム管理者が自分で設定変更できる範囲を広くしておくことは、開発ベンダーへの依存度を下げ、運用コストを抑えるうえで有効です。

また、定期的なパフォーマンスレビューも欠かせません。登録図面数が増えると、検索速度の低下、ストレージコストの増大、バックアップ時間の延長といった問題が生じることがあります。

運用の段階で、インデックスの再構築、アーカイブポリシーの設定、ストレージの階層化(ホット/コールドストレージ)を計画的に行えば、長期にわたって快適な利用環境を保てます。

図面管理(EDM)システム開発の費用相場と開発期間

EDMシステムの開発費用は、スコープ、利用規模、連携システムの複雑さによって大きく異なります。小規模システム(単一部門、基本的な版管理、承認フローのみ)では300万〜600万円が目安です。中規模システム(複数部門、複雑な承認フロー、ERP連携あり)では600万〜1,200万円、大規模システム(複数拠点、PLM/ERP完全統合、複雑な権限管理)では1,500万円以上が目安となります。

既製パッケージをベースにカスタマイズする場合は、初期導入費用が100万〜300万円程度であっても、カスタマイズ費用、保守費用、ライセンス費用が加算されます。そのため、総コストを長期的な視点で比べることが大切です。

コスト内訳と費用を抑えるポイント

EDMシステム開発の費用は、人件費(工数)が全体の約80%を占めます。要件定義・設計フェーズに全体の20〜30%、開発フェーズに40〜50%、テスト・リリースフェーズに20〜30%が配分されることが一般的です。

開発費を抑えるには、要件定義を徹底して手戻りを防ぐこと、スコープを明確に絞り込むこと、段階的なリリースで初期投資を分散させることが有効です。また、クラウドインフラ(AWS・Azure・GCPなど)を活用すれば、オンプレミスと比べて、サーバー調達コストや初期インフラ費用を抑えられます。

ただし、設計情報の機密性が高い企業では、プライベートクラウドやオンプレミスが求められることもあるため、情報セキュリティポリシーとのすり合わせが必要です。このほか、中小企業向けのIT導入補助金や生産性向上関連の助成金を活用すれば、実質的な負担額を軽減できる場合もあります。

開発期間のスケジュール目安

EDMシステムの開発期間は、規模によって大きく異なります。小規模システムでは4〜6ヶ月、中規模システムでは6〜12ヶ月、大規模システムでは12〜18ヶ月以上が一般的な目安です。

フェーズ別では、企画・要件定義に1〜2ヶ月、基本設計・詳細設計に1〜3ヶ月が目安です。開発・実装は2〜6ヶ月、テスト・リリース準備は1〜3ヶ月となります。スケジュールの遅延リスクを下げるには、要件定義フェーズを十分に確保することが最も効果的です。

要件が曖昧なまま開発に進むと、実装の後半で「仕様が変わった」「この機能が足りない」という指摘が相次ぎ、テスト期間が圧縮されて品質の低下につながります。スコープクリープ(追加要件の際限ない拡大)を防ぐため、変更管理のプロセスを開発の初めに定めておくことも大切です。

ポイント

費用は、スコープ、利用規模、連携システムの複雑さで大きく変わります。既製パッケージを使う場合は、初期費用だけでなく保守やライセンスを含めた総コストで比べてください。

図面管理(EDM)開発を成功させるためのポイント

EDMシステムの開発で成功と失敗を分けるのは、技術的な実装力だけでなく、プロジェクトマネジメントと現場との協働です。多くの失敗事例に共通するのは、「要件が固まらないまま開発が始まった」「現場の声を十分に反映できなかった」「テストに十分な時間を確保できなかった」といった問題です。

これらを防ぐには、現場主導の推進体制を組むことと、開発ベンダーを慎重に選ぶことが大切です。

現場主導の推進体制とスコープ管理

EDMプロジェクトを成功させるには、経営層が関与し、現場のキーユーザーが積極的に参加することが欠かせません。IT部門だけで進めると、業務要件の把握が不十分になりがちです。

設計、製造、品質保証の各部門からキーユーザーを選び、要件定義から受入テストまでの全工程に参加してもらいます。そうすれば、現場に即したシステムを構築できます。

また、スコープ管理を徹底し、「あれもこれも」という追加要件を、プロジェクトの途中で無制限に受け入れないようにします。スケジュールと品質を守るうえで、この点は特に大切です。

開発ベンダー選定と発注方法のポイント

開発ベンダーの選定は、EDMプロジェクトの成否を大きく左右します。選ぶ際は、製造業・建設業での図面管理システム開発の実績があるか、業界の業務知識を持つコンサルタントがいるか、プロジェクト管理の体制が整っているかを重視してください。

複数社から見積もりを取り(最低3社以上が推奨)、単価だけで決めずに、提案内容や実績を総合的に評価することが大切です。体制や保守サポートの質も、あわせて確認します。

発注方式としては、要件定義と設計をコンサルティング契約で分けて依頼し、その成果物をもとに開発を固定価格(請負)で発注する方法がおすすめです。スコープのリスクを管理しやすいためです。また、コンサルティングから開発、保守まで一気通貫で支援できるベンダーを選ぶと、フェーズ間の情報引き継ぎのロスを防ぎ、プロジェクトを円滑に進められます。

ポイント

成功の分かれ目は、現場のキーユーザーを要件定義から受入テストまで関わらせ、追加要件に歯止めをかけられるかです。開発ベンダーは、製造業の図面管理の実績で比べてください。

まとめ

図面管理(EDM)システムの開発は、企画・要件定義→基本設計・詳細設計→開発・実装→テスト・品質確認→リリース・運用定着という5つのフェーズを、計画的に進めることが基本です。特に、要件定義での現場ヒアリング・変更に強い設計・十分なテスト工程の確保・現場主導の運用定着は、プロジェクトの成否を左右します。

開発費用の目安は、小規模で300万〜600万円、中規模で600万〜1,200万円、大規模では1,500万円以上です。スクラッチ開発、パッケージ導入、カスタマイズのいずれを選ぶ場合も、業務要件・予算・スケジュールを総合的に判断することが大切です。

リスクを抑えながら早期に効果を得るには、MVPで先行リリースして段階的に拡張していく方針が有効です。

図面管理(EDM)の開発を検討している方は、専門知識を持つベンダーに相談し、自社に最適なアプローチを見極めてください。

▼全体ガイドの記事
・図面管理(EDM)開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。