Drupalのシステム開発会社は、ライセンスの安さだけでなく、複雑なコンテンツ構造や権限、多言語、既存データ連携まで設計できる企業を選ぶことが重要です。
Drupalは、企業サイトやメディアサイトだけでなく、会員サイト、社内ポータル、複数ブランドの統合基盤にも使われるオープンソースCMSです。ただし、Drupalのシステム開発では、要件定義、コンテンツ設計、データ移行、インフラ構築、セキュリティ更新、運用保守まで含めて考える必要があります。本記事では、株式会社riplaを最初に、Drupalの開発・診断・運用に関する公開情報を確認できる5社を加えた計6社を紹介し、費用相場と失敗しない選び方を整理します。
▼全体ガイドの記事
・Drupalのシステム開発の完全ガイド
Drupalのシステム開発パートナー選びが重要なのはなぜですか?

結論として、Drupalのシステム開発では、CMSを設定する技術だけでなく、業務要件をコンテンツモデルや権限設計へ落とし込む力が成否を左右します。Drupalは自由度が高いからこそ、最初の設計方針が保守費用や将来の移行しやすさに直結します。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
Drupalでは、製品、拠点、ニュース、イベント、求人などを別々のコンテンツタイプとして管理できます。編集者、承認者、翻訳担当者、サイト管理者の権限も分けられますが、業務の流れを確認しないまま構築すると、入力画面が使いにくくなり、公開前の確認漏れも起きやすくなります。さらに、基幹システムや会員データと連携する場合は、画面を作るだけでなく、認証、エラー処理、同期タイミング、障害時の復旧まで設計する必要があります。
発注前に確認すべきポイント
問い合わせ前に、ページ数だけでなく、コンテンツタイプ数、対応言語数、サイト数、月間PV、編集ユーザー数、外部連携数、検索要件、公開承認の段階を整理しておきます。Drupal 7からの移行なら、独自モジュール、テーマ、画像、URL、翻訳データの棚卸しも必要です。見積書では、要件定義、設計、実装、移行、テスト、インフラ、保守が分かれているかを確認すると、安すぎる見積もりや後から追加される作業を見分けやすくなります。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
Drupalのシステム開発を相談する際には、技術選定より先に、どの業務を改善し、誰がどの情報をいつ更新するのかを整理したい企業に向いています。riplaの強みである業務理解と定着支援を活かし、Drupalを採用するか、別のCMSや業務システムと組み合わせるかを含めて検討しやすい点が特徴です。Drupal固有の認定資格や導入事例、既存Drupalの保守体制は、問い合わせ時に担当者と確認しておく必要があります。
得意領域・実績
営業・顧客・生産・販売管理など、業務の流れが複数部門にまたがるシステムの構築・導入を重視する企業が比較候補にしやすい会社です。Drupalで多言語サイトや会員基盤を作る場合も、業務側の要件定義、データ連携、運用ルールを一体で整理したい場合に相談価値があります。Drupalの専門実績を最優先する場合は、次に紹介する専門会社と同じRFPを渡して、担当者の経験と提案内容を比較してください。
デジタルサーカス株式会社|大規模・多言語Drupalの導入実績を重視

デジタルサーカス株式会社は、Drupalの導入・カスタマイズ・保守を一貫して扱う企業です。公式サイトでは、日本企業初のDrupal認定パートナーとして導入から運用まで支援していると案内しています。多言語サイト向けの導入パッケージ「Risley」も公開しており、国やサイトごとのコンテンツを共通基盤で管理したい企業に適した比較候補です。
特徴と強み
特徴は、Drupal専門の知見を前提に、企業サイトの構築だけでなくバージョンアップや保守まで扱う点です。公式の価格ページでは、Drupalの初期導入費用を500万円から、保守サポートを月額30万円からの参考値として掲載しています。案件ごとに変動するため確定価格ではありませんが、無料のライセンス費用と開発・運用費を分けて予算化する際の具体的な目安になります。
得意領域・実績
公式の開発実績には、富士フイルム、日本光電工業、三菱重工業、三井化学、日本航空のナレッジシステムなどが掲載されています。また、毎日新聞社のニュースサイトや航空会社のサイトも紹介されています。大規模メディア、製造業、海外拠点、多言語サイトの経験を重視する企業に向いています。問い合わせ時は、Drupal 11への対応範囲、既存サイトの移行可否、Acquia Cloud PlatformやAWSを含むインフラの責任分界を確認してください。
ANNAI株式会社|既存Drupalの診断と移行前のリスク整理に強み

ANNAI株式会社は、Drupalを専門に扱い、既存システムの状態を確認する診断サービスを提供している企業です。公式サイトでは、2007年からDrupal開発を専門に行い、数十万人規模の会員サイト、25か国語対応の多言語サイト、官公庁向けシステムに携わってきたと説明しています。新規構築だけでなく、現行Drupalを安全に引き継げるか調べたい企業に適しています。
特徴と強み
Drupalのサイトは、標準モジュールだけでなく、独自モジュール、テーマ、古いPHPやデータベース設定が組み合わさっている場合があります。見た目が正常でも、保守担当者が把握していないカスタムコードや更新できないモジュールが残っていることがあります。ANNAIのシステム診断は、移行や改修の前に現状を見える化し、リスクと対応方針を整理したい場合に候補となります。
得意領域・実績
既存Drupalのコア、モジュール、テーマ、独自実装、運用体制を診断してから移行計画を立てたい企業に向いています。公式ページにはDrupal Associationの公式サポーティングパートナーとして開発・保守を行っている旨が記載されています。診断から改修まで同社に依頼するのか、診断結果をもとに別会社へ開発を発注するのかを、契約前に確認しておくと比較しやすくなります。
スタジオ・ウミ株式会社|Drupal専門性と認定資格を重視

スタジオ・ウミ株式会社は、Drupal専門の開発会社として、Drupalの高度なスキルと知識を持つ人材を擁する企業です。公式サイトでは、アクイア認定資格の保持者数および最高位資格の保持者数が国内最多であること、Drupal Associationから公式にDrupal認定パートナーとして認定されていることを案内しています。
特徴と強み
Drupalの標準機能やモジュールを活用しながら、運用上の細かな権限、表示制御、検索、コンテンツ編集体験まで丁寧に設計したい案件に向いています。資格の保有状況は技術力を判断する一つの材料ですが、資格だけで案件の成功が決まるわけではありません。担当予定者がDrupal 11やDrupal CMS 2.0をどの範囲で扱えるか、旧バージョンの移行経験があるかを確認してください。
得意領域・実績
公式サイトには、SCSK、NTTアドバンステクノロジ、オプテージ、京都大学、厚生労働省、電通デジタルなど、関係先や実績として多数の組織が掲載されています。これは幅広い導入先を確認する材料になりますが、掲載内容が自社と同じ案件条件を意味するわけではありません。多言語、教育・公共分野、業務ポータルなど、自社に近い事例の範囲と担当領域を提案時に確認することが大切です。
ジェネロ株式会社|Drupalコミュニティと内製化支援を重視

ジェネロ株式会社は、オープンソースを活用したDXや内製化支援を行うコンサルティングファームです。公式発表では、2025年7月に開催されたDrupal Contribution Day Japan 2025へメインスポンサーとして協賛したことを案内しています。単に外注して納品するだけでなく、自社チームが運用や改善に関われる状態を目指す企業にとって、比較しやすい会社です。
特徴と強み
内製化を進める場合は、システムを作ることに加えて、社内の役割分担、コードレビュー、リリース手順、セキュリティ更新、問い合わせ対応を決める必要があります。ジェネロに相談する際は、開発範囲だけでなく、教育、ドキュメント作成、運用設計、段階的な引き継ぎの有無まで見積もりに含めてもらうと、支援内容を比較しやすくなります。
得意領域・実績
Drupalのようなオープンソースを活用し、特定の担当者に知識が集中する状態を避けたい企業に向いています。Contribution Dayへの協賛はコミュニティとの接点を確認する材料ですが、協賛だけで自社案件の開発実績が証明されるわけではありません。提案時には、Drupalの担当者数、コードやドキュメントの納品範囲、運用開始後の質問対応、将来の別ベンダー移行を妨げない契約条件を確認してください。
株式会社神戸デジタル・ラボ|CMS選定から運用保守まで一括相談

株式会社神戸デジタル・ラボは、Drupalを含む複数のCMSを比較しながら、Webサイト構築を支援する企業です。公式サイトでは、多くの有資格者が在籍するDrupalのほか、microCMS、a-blog、Contentfulなど、サイト特性に応じたCMS選定が可能と説明しています。Drupalありきではなく、要件に合うCMSを選びたい企業に向いた候補です。
特徴と強み
要件定義、設計・開発・テスト、運用・保守という工程を分けて説明しており、要件を整理してから開発したい企業に適しています。セキュアな品質を担保する開発手法や、納品物に対するセキュリティ検査にも触れています。CMS導入と同時に業務改善やデータ活用も進めたい場合は、Drupalの機能だけでなく周辺システムを含めた提案を依頼できます。
得意領域・実績
公式サイトでは、CMS導入・Webサイト構築の料金を500万円からと掲載しています。これはDrupalの全案件に適用される価格ではなく、要件や構築範囲によって変わる参考値です。Drupal専業会社と相見積もりを取り、標準機能で対応する範囲、独自開発、データ移行、運用保守、セキュリティ検査がどこまで含まれるかを比較したい企業に向いています。
Drupalのシステム開発会社を選ぶポイント

6社は同じ基準で優劣を付けたランキングではなく、業務要件や既存環境に応じて相談先を変えるための候補です。特にDrupalは、専門性、移行経験、インフラ、運用体制で見積もりが大きく変わるため、会社名だけで決めずに提案の中身を比較してください。
実績と経験の確認方法
実績を見るときは、「Drupalを使ったことがある」という説明だけでなく、自社と近い規模・業界・要件の事例を確認します。多言語なら言語数と翻訳ワークフロー、メディアなら月間PVと検索性能、会員サイトなら会員数と認証方式、移行なら旧CMSの種類とURL・画像・権限の扱いを質問します。公開事例の社名だけで詳細が分からない場合は、守秘義務に配慮した範囲で課題、担当範囲、期間、運用体制を説明してもらいます。
技術力と専門性の評価
2025年1月にDrupal CMS 1.0が公開され、2026年1月にはDrupal CMS 2.0が公開されたとDrupal.orgが説明しています(出典: Drupal.org「What is Drupal?」、2026年)。ただし、Drupal CMSとDrupal Coreは目的が異なり、すべての既存サイトを新しい製品版へ置き換えればよいわけではありません。会社には、Drupal CMS、Drupal 11、既存Drupal 7からの移行、JSON:APIを使ったヘッドレス構成のどこに経験があるかを確認してください。
プロジェクト管理体制の確認
Drupalのシステム開発では、要件定義の不足、独自モジュールの作りすぎ、データ移行の後回し、編集者教育の不足が失敗につながりやすくなります。見積もりでは、要件定義とテストに十分な工数があるか、移行リハーサルや受け入れテストを何回行うか、障害時の一次対応時間、バックアップ復元の責任者を確認します。ソースコード、Composer定義、インフラ設定、設計書、運用手順、バックアップ復元手順が納品物に含まれるかも重要です。
費用は、10〜20ページ程度の小規模案件で100万〜200万円、30〜100ページ程度の中規模案件で200万〜500万円、多言語・多サイトや大規模連携で500万〜1,500万円以上が目安です。これらはDrupal全案件の公的な統計ではなく、公開価格と類似CMS・業務システムの相場をもとにした推定です。保守・監視・セキュリティ更新は月10万〜50万円程度、クラウドやCDNなどのインフラ費は別途になるケースがあるため、初期費用だけでなく3年分の総額で比較してください。
よくある質問

Drupalのシステム開発を検討するときに、費用、バージョン、会社選びについて寄せられやすい質問をまとめます。自社の状況を整理する際のチェック項目として活用してください。
Drupalのシステム開発費用はいくらですか?
小規模なら100万〜200万円、中規模なら200万〜500万円、多言語・多サイトや基幹連携を含む大規模案件なら500万〜1,500万円以上が目安です。実際の金額はページ数だけでなく、コンテンツタイプ、言語数、データ移行、連携、テスト、保守範囲で変わるため、同じ前提条件で複数社から見積もりを取る必要があります。
Drupal 7を使い続けても問題ありませんか?
Drupal 7の公式セキュリティサポートは2025年1月5日に終了しています(出典: Drupal.org「Drupal 7 End of Life」、2025年)。使い続ける場合は、脆弱性対応や延長サポートの条件を確認しながら、Drupal 11などへの移行計画を早めに作ることをおすすめします。移行では、古いモジュールをそのまま置き換えるのではなく、コンテンツと業務要件を棚卸ししてから再設計します。
Drupalの会社選びで最初に何を伝えればよいですか?
目的、現行CMS、ページ数、コンテンツタイプ、言語数、サイト数、月間PV、会員数、外部連携、編集者数、公開承認の流れ、希望時期、保守時間帯を伝えます。既存Drupalなら、バージョン、独自モジュール、テーマ、PHP・データベース、困っている障害や更新状況も共有します。情報が不足している場合は、診断や要件整理を先に依頼し、調査後に本開発の見積もりを出してもらう方法もあります。
まとめ

Drupalのシステム開発会社は、会社の知名度や初期費用だけで選ぶのではなく、自社のコンテンツ構造、権限、多言語、多サイト、データ連携、セキュリティ、運用体制に合うかで比較することが大切です。今回紹介した6社は、業務要件の整理から相談したい株式会社ripla、大規模・多言語の実績を重視するデジタルサーカス、既存環境の診断を重視するANNAI、専門資格を重視するスタジオ・ウミ、内製化を進めたいジェネロ、CMS選定から一括相談したい神戸デジタル・ラボというように、比較軸が異なります。
まずRFPの前提条件を整理します
まずは、ページ数ではなくコンテンツタイプ、言語数、サイト数、連携数、月間PV、編集権限、移行対象、公開後の保守時間帯を整理してください。そのうえで、同じ資料を3社程度へ渡し、要件定義、設計、実装、移行、テスト、インフラ、保守の内訳が分かる提案を比較すると、価格と体制の違いが見えます。
専門性と将来の運用を一緒に確認します
Drupalは柔軟なシステム基盤である一方、更新、バックアップ、脆弱性対応、編集者教育を継続して初めて価値を発揮します。提案時には、担当者の経験、移行リハーサル、ソースコードや設計書の引き渡し、障害時の連絡先、保守契約の最低期間まで確認し、導入後に自社で運用できる状態を目指してください。
▼全体ガイドの記事
・Drupalのシステム開発の完全ガイド
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
