Dynamics 365のシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

Dynamics 365のシステム開発会社は、製品の知名度よりも、対象アプリ・業種・データ移行・運用体制が自社に合うかで比べると選びやすくなります。

Dynamics 365は在庫、生産、サプライチェーンまで扱う業務アプリ群なので、株式会社riplaを含む5社を最初に、費用、RFP、導入後の確認項目で比べます。6社は、次の3つの観点で比べると違いが見えやすくなります。

  • 対象アプリと業種
  • データ移行と運用体制
  • 費用・RFP・導入後の確認項目

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Dynamics 365のシステム開発でパートナー選びが重要な理由

Dynamics 365のパートナー選びを検討する担当者

Dynamics 365の導入がうまくいくかは、画面を作れるかどうかだけでは決まりません。標準機能に業務を合わせる範囲、独自要件を拡張する方法、既存システムと連携するときに、どこまでを誰が受け持つかで差が出ます。そのため、候補会社を一律の順位で並べるのではなく、自社の業務と導入フェーズに照らして選ぶことが大切です。

標準機能と独自開発の境界の判断

既存業務をすべて最初から再現しようとすると、開発費だけでなく、将来のアップデート検証や障害対応の負担も増えます。そのため、Dynamics 365では、まず標準機能と設定で業務を実現し、差別化につながる部分だけをPower Apps、Power Automate、プラグイン、Azure連携などで拡張するのが基本です。

一方で、財務・税務・在庫・生産などを標準に無理に押し込むと、現場がExcelへ戻る恐れがあります。そこで、候補会社には、要件ごとに「標準」「設定」「拡張」「外部連携」「対象外」を分けたFit & Gap表を提出してもらうと、比較しやすくなります。

導入費用だけでなく移行・定着・運用まで含めた比較

見積もりは項目ごとに分けて見ます。ライセンスや初期設定・開発のほか、データ移行と外部連携、教育・切替、保守・追加利用量の費用も、同じ項目で各社に出してもらうと、差がどこから出ているか見えてきます。たとえば、Dynamics 365 Salesを10人で使う場合、ライセンスの単純計算と、旧CRMから顧客・商談履歴を移す費用は別に考える必要があります。

導入後も、Microsoftのリリースに合わせた回帰テストを誰が行うのか、権限の見直しやマスタ変更、問い合わせ対応を誰が担うのかを、契約前に決めておく必要があります。初期見積もりの安さだけで選ぶと、移行リハーサルや追加開発が後から発生し、総額が読みにくくなります。

ポイント

Dynamics 365は、標準機能で業務を実現し、差別化につながる部分だけを拡張するのが基本です。導入費用は移行・定着・運用まで含めて比べ、要件ごとの区分を候補会社に示してもらいます。

株式会社ripla|コンサルティングから開発まで一気通貫で支援

業務要件を整理してシステム開発を進めるイメージ

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を生かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援を得意としています。

基幹システムの構築・導入実績は、営業・顧客・生産・販売管理など幅広く、企業ごとの業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

Dynamics 365を検討する企業では、営業担当が入力しない、部署ごとに顧客コードが違う、旧システムとの二重入力が残るといった問題が起こりがちです。そのため、riplaの強みは、製品の導入だけでなく、業務上の成果と利用定着までを同じ視点で設計できる点です。

そこで、現場ヒアリングから業務フローの整理、KPI設計、教育まで、つながりを意識して進めることが重要です。また、Salesを中心に始める場合でも、将来Financeや販売管理との連携を見越して、顧客・商品・組織のマスタ設計を早い段階で確認できます。

得意領域・実績

複数の業務領域をまたぐシステムの構築・導入を検討する企業に向いており、営業や顧客、生産、販売管理が対象になります。特に、機能を増やすことよりも、現状の業務課題を整理して段階的な導入計画を作りたい場合に、相談しやすい候補です。

問い合わせ時は、Dynamics 365で使いたいアプリと利用人数、旧システムの有無を最初に伝えます。連携先や希望時期、予算感も合わせて伝えると、必要な範囲を早く切り分けられます。Microsoft製品への具体的な対応アプリや資格・実績は、提案時にRFPへ記載してもらい、確かめることが大切です。

アバナード株式会社|Microsoft技術とグローバルERPに強い候補

グローバルな業務システムを設計するイメージ

アバナード株式会社は、アクセンチュアとMicrosoftが設立した、Microsoftエコシステムに特化したグローバル企業です。

日本向けの公開情報では、Dynamics 365 ERPを使った財務、サプライチェーン、コマースなどの業務変革を案内しています。

国内外の拠点や複数法人をまたぐプロジェクトで、Dynamics 365とAzure、Microsoft 365などを組み合わせたい企業の候補になります。

特徴と強み

Microsoft製品群を企業全体の業務基盤として捉え、ERP導入からクラウド、データ活用、AI活用までを一体で検討できる点が特徴です。経営管理をグループ共通のテンプレートに寄せたい企業や、海外拠点の業務プロセスを標準化したい企業では、製品単体の設定にとどまらず、展開ガバナンスや各国のローカライズまで含めた提案を受けられる可能性があります。

一方で、中小規模のSales単体の導入や、国内1拠点の短期案件では、体制や費用が適切かどうかを個別に見る必要があります。

得意領域・実績

公開されている協和キリンの事例資料では、アバナードが同社のグローバル戦略を支える海外子会社のERP基盤構築に関わったことが確認できます。こうしたグローバルERPの実績を重視するなら、候補に入れる価値があります。

ただし、同じ企業名でも担当チームによってSales、Finance、SCMの経験が異なるため、提案時には対象アプリ別の担当者経歴と国内の導入事例を最初に確かめます。移行リハーサルの進め方や海外拠点の保守窓口、追加変更の単価も、あわせて聞いておきます。

ポイント

アバナードは、Microsoft製品群でグローバルERPや展開ガバナンスを一体で考えたい企業の候補です。一方で、小規模な導入では体制や費用が合うかを個別に見る必要があります。

SCSK株式会社|CRMから連携・運用まで支える総合SI

CRMと周辺システムを連携するイメージ

SCSK株式会社は、Dynamics 365 CRMについて、構想から導入・移行までのサービスを公開している総合SIerです。さらに、PoCやAIエージェント、運用・定着までを案内しています。

CRM単体の画面構築にとどまらず、基幹システムや周辺のOffice・Microsoft 365まで含めて検討したい企業に向いています。データ分析基盤やインフラ運用も対象に入れて考えたい場合にも合います。

特徴と強み

大規模なCRMを既存の業務システムと接続する場合は、製品の設定以外に、名寄せやレスポンス、認証のほか、データ連携と運用監視も課題になります。たとえば、SCSKの公開事例では、三菱地所の新CRMシステムにDynamics 365を採用し、既存システムやOffice 365などとの連携や、営業部門の利用を支援した内容が紹介されています。

別の大東建託グループの事例では、全国展開に伴う大量データの移管やCTI連携が論点になっています。段階的な定着も含めて見ているため、全社展開を想定する企業には参考になります。

得意領域・実績

営業支援や顧客管理、コンタクトセンター、周辺システム連携を重視する中堅・大企業に適した候補です。SCSKの公式資料では、Dynamics 365 Customer Engagementに加えて、複数のDynamics 365アプリやワンストップのSI・アウトソーシングを案内しています。

導入候補にする場合は、SalesだけでなくFinanceやSupply Chain Managementまで一括で任せられるかを確かめます。そのうえで、過去事例の製品バージョンやデータ移行件数、保守SLAを聞き、AIエージェントを導入する場合は、CopilotクレジットとAzure費用も含めて見積もってもらいます。

横河ソリューションサービス株式会社|製造業のERP・原価管理に強い候補

製造業の業務プロセスとERPを設計するイメージ

横河ソリューションサービス株式会社は、プロセス製造業や商社での業務知識を生かし、Dynamics 365 FinanceとSupply Chain Managementを中心としたERP導入を支援する企業です。

化学、食品、素材などの企業では、配合や歩留まりの管理が重要になります。ロットや実際原価、複数会社の管理も重なるため、一般的なCRMベンダーとは異なる観点で比べられます。

特徴と強み

製造業のDynamics 365導入では、受注と在庫をつなぐだけでは足りず、製造実績や原材料ロットを含めて整合させる必要があります。さらに、品質や原価、商流、会社間取引まで含めて、ずれが出ないように整える必要があります。

横河の公開資料では、プロセス製造業を対象に、標準機能と「YOKOGAWA日本的商習慣対応機能」を組み合わせる考え方が示されています。特に、日本特有の赤黒訂正や実際原価、力価、歩留まりを要件に含める企業は、Fit & Gapの段階で標準と独自機能の責任範囲を確認しやすくなります。

得意領域・実績

Microsoft Customer Storiesでは、AGC化学品カンパニーの関係会社がDynamics 365へ基幹システムを刷新した事例が紹介され、導入パートナーとして横河ソリューションサービスが確認できます。複数会社を共通システムへ寄せながら、会社ごとの業務差異にも対応する事例として参考になります。

相談時には、製造拠点数や品目・ロット数に加えて、原価計算方式と月次締めを伝えます。既存MESや設備データとの連携、導入後のアップデート検証体制も共有しておき、CRM中心の案件であれば対象範囲が合うかも確かめます。

ポイント

製造業のERPや原価管理を重視する企業は、CRM中心の会社とは別の観点で比べられます。赤黒訂正や実際原価は、Fit & Gapの段階で標準と独自機能に分けておくと、後の食い違いを減らせます。

NTTドコモビジネス株式会社(旧NTTコミュニケーションズ)|ネットワーク・海外展開と組み合わせる候補

クラウドと拠点ネットワークを接続するイメージ

NTTドコモビジネス株式会社は、NTTコミュニケーションズから社名を変えた実在の企業です。

Dynamics 365については、NTTコミュニケーションズ名義の公式資料で、グローバル展開や閉域網、ハイブリッドクラウドなどと組み合わせた構成が案内されていました。

現在の法人名でのサービス提供範囲や契約窓口は変わる可能性があるため、提案時に必ず確かめる必要があります。

特徴と強み

Dynamics 365のアプリを導入しても、海外拠点からのアクセスや既存クラウドとの接続が曖昧だと、業務が止まるリスクがあります。認証や通信経路、監視、災害時の継続性も同じように、導入前に決めておく必要があります。

ネットワークやセキュリティを含めて設計したい企業や、国内外の拠点を同じ運用ルールで管理したい企業では、アプリ専門ベンダーとは別の比較軸で検討できます。特に、データをどの地域に置くか、閉域接続が必要か、Microsoft Entra IDとの認証をどう設計するかを要件に入れることが大切です。

得意領域・実績

複数拠点や海外展開、ネットワークとクラウドを一体で管理する案件が候補になります。

過去の公式資料の内容は、そのまま現在のサービス保証とはみなさず、現行の担当部署と対象アプリを確かめます。導入・開発を担うパートナーや運用監視の範囲も、あわせて確認します。

アプリのカスタマイズや業務要件の定義をどの会社が担当し、ネットワークや基盤をNTTドコモビジネスが担当するのかを、RACI表で明記してもらうと、契約後の抜け漏れを防ぎやすくなります。

アーカス・ジャパン株式会社|Dynamics CRMの専門性を重視する候補

CRM導入を専門会社へ相談するイメージ

アーカス・ジャパン株式会社は、Dynamics 365パートナーサイトでDynamics CRMの専門知識を案内している実在企業です。ワンストップ導入やアセスメント、トレーニングなどもあわせて案内しています。

CRMを中心に、要件整理から導入、利用教育までを一つの専門会社へ相談したい企業の候補になります。

特徴と強み

大手総合SIerでは、社内調整や複数部門の承認に時間がかかることがあります。一方で、CRMの業務設計とデータ活用に論点を絞り、現場の営業プロセスや顧客情報を早く具体化したい場合は、専門性の高さを比べられます。案件ステージや活動履歴、ダッシュボードまで含めて検討すると、判断材料がそろいます。

対応範囲は、公開情報だけで決めつけず、現行体制でどこまで対応できるかを確かめます。Dynamics 365 SalesやCustomer Service、旧Dynamics CRMからの移行に加えて、Power Platformの拡張、Microsoft 365との連携も含めて聞きます。

得意領域・実績

営業部門やカスタマーサービス部門が30〜100人程度で利用するCRM導入、既存の営業管理をDynamics 365へ移す案件、入力定着のためのトレーニングを重視する企業に適しています。

問い合わせ時は、直近の導入事例を業種や利用人数、対象アプリ、導入期間まで示せるかを聞きます。あわせて、要件定義とデータ移行を誰が担当するか、導入後の問い合わせ窓口とSLAがあるかも確かめます。

FinanceやSupply Chain Managementまで含むERP案件では、同社単独の対応範囲と他社連携の有無を明確にすることが重要です。

日本ビジネスシステムズ株式会社|Microsoft 365・Azureと一体運用する候補

Microsoftクラウドと業務システムを統合するイメージ

日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)は、Microsoft 365、Azure、Dynamics 365などのクラウド製品を扱い、業務設計から導入・運用まで支援する企業です。

すでにMicrosoft 365やAzureを使っている企業が、Dynamics 365を拡張したい場合に比較しやすい候補です。認証やデータ活用に加えて、セキュリティやユーザーサポートまで含めて考えたい企業には、特に合います。

特徴と強み

Dynamics 365のシステムは、アプリ画面だけで完結しないことが多いです。そのため、Microsoft Entra IDの認証やTeamsやOutlookとの連携、Power BIでの分析まで一緒に設計します。Azure上のAPIや監視、端末管理も、同じ流れで扱います。

JBSのようにMicrosoftクラウド全体を扱う会社を選ぶと、既存環境との整合性を一つの計画にまとめやすくなります。ただし、Microsoft製品に強いことと、対象業界の業務要件やFinanceの日本ローカライズに詳しいことは、別に確かめる必要があります。候補にする際は、Dynamics 365のアプリ別、業種別、規模別に分けた実績を提出してもらいます。

得意領域・実績

Microsoft 365を全社標準として使う企業、AzureやPower Platformの利用が進んでいる企業、運用窓口を集約したい企業に向いています。営業部門だけでなく、顧客サービスや社内業務アプリまで段階的に広げる場合は、環境管理や権限、監査ログを共通ルールにできます。データ連携や利用部門の教育も、同じ考え方でそろえられます。

RFPでは、Dynamics 365の対象アプリや既存テナント、ユーザー・グループ設計を、具体的に書いてもらいます。Power Platformの環境戦略やCopilot利用時のデータ境界、24時間対応の有無も、同じ項目として確かめます。

Dynamics 365のシステム開発会社を選ぶポイント

複数の開発会社から提案を比較するイメージ

6社の中から候補を絞るときは、会社規模や知名度よりも、自社の業務を説明できるかを見ます。見積もりの前提がそろっているか、導入後の責任者が見えるかも、大切な判断材料です。

比較しやすいRFPを用意し、同じ条件で提案・デモ・見積もりを受けることが重要です。

対象アプリと業務別の実績確認

「Dynamics 365の実績がある」という言い方では、比べる材料が足りません。SalesかCustomer Serviceか、FinanceかSupply Chain Managementかを分けて聞きます。そのうえで、利用人数や法人・拠点数、移行データ量を確かめ、導入期間や稼働後の運用まで聞きます。

自社と似た業種・規模の事例で、導入前に何が分断されていたか、標準化した業務は何かを聞くと、提案の具体性が分かります。移行しなかったデータや、現場定着のために何をしたかも、あわせて聞いておくと役立ちます。

事例の企業名だけでなく、担当者が実際にデモで説明できるかも確かめます。

例外処理・移行・アップデートで見る技術力

提案デモでは、通常の登録画面だけでなく、重複顧客や承認差戻し、権限不足、API失敗などの例外も見せてもらいます。さらに、再送や月次締め、過去履歴の検索まで確かめます。

  • SalesやDataverse:テーブルやセキュリティロール、Power Automate、プラグインの設計を見ます。
  • FinanceやSCM:データエンティティや拡張モデル、電子報告、日本の税・請求要件を確かめます。

2025年リリースサイクル2では、2025年10月から2026年3月の間に、Dynamics 365全体で数百の新機能が計画されました。SalesやBusiness CentralにもAIエージェント関連の機能が含まれました(出典:Microsoft Learn「2025年リリースサイクル2」、2026年7月更新)。

新機能を採用するかどうか、回帰テストを誰が行うかまで提案に含まれているかを見てください。

責任分界と変更管理の確認

要件定義から設計、開発、テストまで、各工程の責任者と、何を納めるのかを明記してもらいます。移行や教育、切替、保守についても、同じように決めてもらいます。特に、顧客・商品・勘定科目・在庫・取引履歴の移行では、移行前後の件数や金額、サンプル、エラー一覧を照合する基準が必要です。

追加要望が出たときの変更管理や見積もり単価、納期への影響、受入条件は、契約前に決めておきます。そうすると、後から「標準範囲外」と言われるリスクを抑えられます。

開発・テスト・本番環境の分離やバックアップ・復旧は、プロジェクト計画に入れてもらいます。監査ログや最小権限の設計も、同じ計画の中で扱います。

Dynamics 365の費用相場と開発期間の目安

Dynamics 365の費用と開発期間を見積もるイメージ

ライセンスだけであれば、ユーザー数とアプリで計算できます。一方で、導入・開発費は業務範囲や移行量、連携数、法人・拠点数によって大きく変わります。

以下の金額は、日本市場の一律価格ではなく、業務システム全般の相場とDynamics 365の構成要素をもとにした推定です。正式な金額としては扱わず、同じ前提のRFPで複数社から見積もりを取得してください。

アプリとユーザー権限で見るライセンス費

Microsoft公式日本語ページで2026年8月6日に確認した年払い相当・税別の表示価格では、Dynamics 365 Salesの金額が示されています。ユーザー・月相当で見ると、Professionalは9,745円、Enterpriseは15,742円、Premiumは22,488円です。

Dynamics 365 Financeは31,484円、Finance Premiumは44,977円のユーザー・月相当です(出典:Microsoft「Dynamics 365 Salesの価格」「Dynamics 365 Financeの価格」、2026年8月確認)。

  • 10ユーザーの単純計算:Salesは年間約116.9万円から約269.9万円、Financeは年間約377.8万円から約539.7万円です。
  • 計算に含まれないもの:導入支援や連携、データ移行、追加容量、Power Platform、Azure、サポート、消費税です。
  • Business Central:日本公式ページでパートナーへの問い合わせが案内されており、公開ページの一律価格だけで断定しない方が安全です。
  • 価格を変える要素:Full UserやTeam Memberなどの権限、環境・容量、契約形態、Copilotクレジットの利用量です。
  • 見積書の見方:Microsoftへのライセンス費、パートナーの実装費、追加サービス費を分けてもらい、将来ユーザーが増えた場合の単価も確認します。

規模別の導入・開発費と期間の目安

Salesを10〜30人で使い、標準設定と権限、簡単な帳票を中心に、少数のデータ移行と1〜2本の連携に絞る小規模CRMなら、導入・開発費は300万〜800万円、期間は3〜6か月程度が一つの推定目安です。20〜100人の中規模CRMでは、旧CRMの履歴や部門承認、Outlook・Teams連携に加えて、Power AppsやPower Automate、BI、外部基幹とのAPI連携まで含めます。

いずれもライセンスは別に考えます。

  • 中規模CRM(20〜100人):800万〜2,000万円、6〜12か月程度を見込みます。
  • 複数法人・複数拠点:会計や税務まで含める場合は、2,000万〜1億円以上、9〜24か月程度の推定です。
  • 在庫・生産・通貨・マスタ統合まで含む場合:移行リハーサルや教育、切替も計画に入ります。

複数法人・複数拠点の推定は、FinanceやSCM、Business Centralを使い、会計や税務まで含める場合を前提にしています。

グループ共通テンプレートを海外へ展開する大規模案件では、1億円超や1〜3年以上の計画も想定します。これらは公式見積ではなく、業務システム全般の相場をDynamics 365の構成へ当てはめた推定です。初期開発費だけでなく、保守・運用を年15〜25%、または月15万〜80万円程度とする一般的な目安もありますが、契約範囲で大きく変わります。

5つの費用に分けた見積もりの確認

見積もりを比べるときは、5つの費用に分けて見ます。第一はライセンスで、第二は初期設定・開発、第三はデータ移行・連携です。第四は教育・切替、第五は保守・追加利用量です。

CopilotやAIエージェントを使う場合は、CopilotクレジットとAzureサブスクリプションに加えて、プロンプトやエージェントの設計、出力を確認する業務ルールまで含めて確かめます。

Microsoft公式のFinance価格ページでも、エージェント利用にはAzureサブスクリプションが必要で、Copilotクレジットを前払いまたは従量課金で利用する仕組みが案内されています(出典:Microsoft「Dynamics 365 Financeの価格」、2026年8月確認)。

ポイント

ライセンスは計算できても、導入・開発費は業務範囲や移行量、連携数で大きく変わります。同じ前提のRFPで、複数社から見積もりを取るのが基本です。

導入前に確認したい移行・セキュリティ・法対応

データ移行とセキュリティを確認するイメージ

Dynamics 365の導入では、移行とセキュリティを後の工程に回すと、稼働直前に大きな手戻りが起こります。

まず、顧客や取引先の重複、商品コードの不一致を洗い出します。勘定科目の変換や過去取引の保存要件も先に整理し、権限と監査の設計を業務要件に含めます。

移行対象の決定と品質の照合

移行するデータは、現行システムの全件をそのまま持ち込むのではなく、分類して選びます。現役マスタや未完了案件を基本に、必要な履歴と、監査・税務上保存すべき証憑も対象にします。顧客や商品、担当者、組織などのマスタ、通貨や勘定科目、在庫、取引履歴について、移行前後の件数や金額合計、重複件数、変換エラーを照合します。

少なくとも本番切替前に移行リハーサルを行い、差分の修正、再移行、ユーザー受入テストを実施します。移行できない履歴は、参照用に別保管するか、Dynamics 365へ要約だけ登録するかを、業務部門と合意しておきます。

共有責任に基づく権限・ログ・復旧の設計

Microsoftがクラウド基盤やサービス側の安全対策を担っても、利用企業はユーザーや環境、アプリの設計を自ら行う必要があります。データ権限や連携資格情報、ログの確認も、同じように設計しておきます。

Dataverseではロールベースで、テーブルやアプリへのアクセスを制御できます。そのため、管理者権限は必要最小限にし、職務の分け方と権限の定期的な見直しを行います。

Microsoft Entra IDの多要素認証や監査ログ、連携先の秘密情報管理を、RFPの非機能要件へ入れます。バックアップ・復旧手順と、退職者や異動者のアカウント停止も、同じ要件に含めます。

Financeを使う場合は、消費税や適格請求書、電子請求、電子取引データを、税務・経理担当者と確かめます。証憑と仕訳の紐付けや保存期間、検索性、改ざん防止も、同じ場で見ておきます。

日本ローカライズ機能があっても、企業ごとの法的・業務要件を自動的に満たすわけではありません。

国税庁は、帳簿書類等の保存期間や電子帳簿保存法の取扱いを案内しています。そのため、対象となる証憑や保存場所、検索項目、運用担当を要件定義書へ記載します(出典:国税庁「帳簿書類等の保存期間」「令和7年度税制改正を踏まえた電子帳簿保存法の取扱い」、2026年8月確認)。

ポイント

移行、セキュリティ、法対応は、要件定義の段階で扱うと手戻りを抑えられます。権限やログの設計も、業務要件に含めておくと迷いにくくなります。

よくある質問

Dynamics 365の疑問を開発会社へ相談するイメージ

Dynamics 365の開発会社を選ぶ際に、特に質問の多い内容をまとめました。製品の対象範囲や費用、導入の始め方を先に押さえておくと、問い合わせ時の比べ方がしやすくなります。

Dynamics 365はCRMですか、それともERPですか?

Dynamics 365は単一のCRMやERPではなく、業務アプリケーション群です。営業や顧客サービスのほか、財務や販売、在庫、サプライチェーンなどが含まれます。

SalesやCustomer Serviceを組み合わせて顧客接点に使うことも、FinanceやSupply Chain Managementを組み合わせてERP基盤にすることもできます。

必要なアプリは業務課題から選び、将来の連携も考えたうえでデータモデルを設計します。

10〜30人程度の営業組織でもDynamics 365を導入できますか?

導入できます。Salesを中心に、標準設定と権限、少数のデータ移行、必要最小限の連携に絞れば、3〜6か月程度の小規模計画を組める場合があります。

最初から全社の業務を作り込むのではなく、営業案件の管理や活動入力など、効果を測りやすい範囲から始めるのが現実的です。利用の定着とデータ品質を確かめてから、Customer ServiceやPower Platformへ広げます。

CopilotやAIエージェントを導入すれば業務は自動化できますか?

AIを追加するだけで自動化できるわけではありません。顧客・商品・案件・権限が整い、業務プロセスと判断基準が定義されていることが前提です。

Copilotやエージェントを導入する前に、対象業務と参照できるデータ、承認が必要な処理を決めます。さらに、誤回答時の確認者やCopilotクレジットとAzure費用、利用ログも整理してから、PoCを行います。

Microsoftのリリース計画にはAIエージェントの機能が含まれますが、予定機能の提供時期や内容は変更される可能性があります。そのため、採用するかどうかを回帰テストとともに判断します。

ポイント

CRMかERPかは業務課題で決め、小規模なら営業中心に絞って始められます。AIは、対象業務と承認の流れを決めてからPoCに進むのが基本です。

まとめ

最適なDynamics 365パートナーを選ぶイメージ

Dynamics 365のシステム開発会社は、6社を単純な順位で並べるのではなく、自社の優先条件で比べます。優先条件には、CRM(Sales・Customer Service)かERP(Finance・Supply Chain Management)かの違いがあります。ほかにも、Microsoft 365・Azureとの連携や、製造業、海外展開などがあります。

株式会社riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援する会社で、業務要件と定着を重視したい企業の相談先になります。

6社の候補を観点ごとに分けると、アバナードはグローバルERP、SCSKはCRMと総合SI、横河ソリューションサービスは製造業ERPの観点で候補になります。NTTドコモビジネスはネットワーク・海外展開、アーカス・ジャパンはCRM専門性、JBSはMicrosoftクラウド一体運用の観点で候補になります。

同じRFPによる6社の比較

問い合わせ時は、対象アプリやユーザー数、法人・拠点数、現在の業務課題を、同じ形でそろえて伝えます。既存システムや移行データ件数、連携先を伝えたうえで、希望時期や予算、保守の希望も加えます。

候補会社には、標準機能と追加開発の境界や移行リハーサル、例外処理について説明してもらいます。権限や監査、教育に加えて、アップデート対応と見積もりの前提も示してもらいます。

ライセンス費と導入・開発費を分けたうえで、導入後の保守やCopilot・Azureなどの追加費用まで含めて総額を比べると、自社に合うパートナーを選びやすくなります。

対象範囲を小さく定めてから始める相談

最初の相談で、完璧な要件定義書を作る必要はありません。まずは、営業だけを始めるのか、顧客サービスまで含めるのか、Financeや在庫まで統合するのかを決めます。そのうえで、現在のExcelや旧システムで困っている業務を3つから5つほど整理します。

その情報をもとにデモと概算を受け、標準を使う領域、差別化のために拡張する領域、将来へ回す領域を合意することが、Dynamics 365を定着させる第一歩です。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。