電子申請システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

電子申請システムの初期費用は、0万〜1億円超まで幅があります。その差を生むのは、導入方式、手続の複雑さ、既存システムとの連携範囲です。

費用相場の目安と、見積もりで確認したい点を中心にまとめます。全体像は電子申請システム開発の完全ガイドもご覧ください。

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・電子申請システム開発の完全ガイド

電子申請システムの全体像

電子申請システムは、住民や事業者がオンラインで申請し、行政側が受付から審査、決裁、通知・交付までを処理する仕組みです。

画面だけをWeb化すると、紙の受付や手入力が残ることがあり、期待した費用対効果を得にくくなります。そこで、利用者側と職員側の機能を分けて考えます。

申請者向けに必要な機能

開発では、申請者が迷わず申請を終えられるよう、検索から再提出までの導線と、手続に応じた本人確認や決済を一体で設計します。

  • 申請操作:検索、スマートフォン対応フォーム、入力チェック、途中保存
  • 申請後の確認:添付、状況照会、差し戻し箇所の修正と再提出
  • 本人確認:公的個人認証、GビズID、手続によってはxIDやLINE連携
  • 手数料対応:手数料がある手続のオンライン決済、領収情報、返金処理の要件

本人確認の方式は、手続の種類に合わせて選びます。NTTデータ関西の説明では、申請状況の確認、修正箇所だけの再入力、電子署名、キャッシュレス決済、マイナポータル連携が、負担を減らす機能として紹介されています。

見積もりでは、フォーム作成費だけでなく、利用者が申請を完了するまでの導線も確認します。特に導線が分かりにくいと、問い合わせや入力不備が増えます。

職員向けに必要な機能

職員側は、受付から審査、決裁、電子交付、通知までの一連の業務を扱います。このほか、差し戻しや職権訂正、文書作成、履歴管理にも対応します。

  • 権限と記録:担当者ごとの閲覧・審査権限と監査ログ
  • 情報連携:基幹、文書管理、決裁、収納、住民情報との連携

受付をオンライン化することと、手続全体をオンラインで完結させることは別の話です。受付だけを電子化しても、印刷、別システムへの手入力、紙決裁、郵送が残ると、費用に対する削減効果は小さくなります。

対象手続ごとに、申請、本人確認、審査、決裁、支払い、通知、保存のうちどこまでを電子化するかを決めておくと、見積もりの過不足を抑えやすくなります。

電子申請システムの仕組み

インターネット接続系、LGWAN接続系、個人番号利用事務系を上下に分けた電子申請システムの図解。
申請情報は認証やデータ連携を介して領域間を移動します。

電子申請システムは、申請者が使うインターネット側と、職員が審査する業務側を、認証、ワークフロー、データ連携でつなぐ仕組みです。

デジタル庁の次期オンライン申請サービスでは、住所や家族情報の再入力を減らし、自治体保有情報をフォームへ転記することが目指されています。また、補正連絡や通知書のオンライン送付も目指されています(出典:デジタル庁「行政手続のオンライン化」、2026年6月更新)。このため、見積もりでは画面数だけでなく、業務フローと連携範囲を中心に確認します。

インターネット側・LGWAN接続系・個人番号利用事務系の分離

自治体向けでは、住民が使うインターネット接続系と、職員が使うLGWAN接続系、特定個人情報を扱う個人番号利用事務系を、それぞれ分けて設計します。

  • データ受け渡し:必要な情報だけを認可された経路で連携
  • アクセス管理:権限とログの管理
  • 調達前提:RFPの初期段階から含めるネットワーク分離と接続試験

ネットワーク分離や接続試験を後から加えると、環境構築費、セキュリティ設計費、テスト期間が増えます。

クラウドを利用する場合は、ISMAPまたはISMAP-LIUの登録状況も確認します。ISMAPは、政府のセキュリティ要求を満たすクラウドを評価・登録する制度です(出典:ISMAPポータル「ISMAP概要」、2026年確認)。登録の有無だけで安全性が決まるわけではありませんが、自治体調達の共通基準を整理する起点になります。

本人確認・添付・決済・通知を一つの流れで設計

必要な本人確認の強さは、手続によって異なります。たとえば、住所変更、補助金申請、証明書交付、法人の入札参加申請では、本人確認や電子署名などの扱いが変わります。

  • 認証段階:強い認証は費用や離脱率を上げる可能性があるため、法令とリスクに応じて設定
  • 添付・決済:拡張子、容量、ウイルスチェック、保存年限と、代行契約、手数料、取消、返金、消込の定義
  • 通知・機能区分:メール、LINE、マイナポータル、電子交付の区別と、標準・設定・追加開発の確認

機能一覧に条件を書き出しておくと、ベンダーの対応範囲を確認しやすくなります。

電子申請システム開発の進め方

企画・現状分析から要件定義、設計・開発、テストと運用改善へ進む開発工程を4枚のパネルで示した図解。
最初に対象手続を絞ると、後工程で決める条件が明確になります。

開発に入る前に、対象手続の現状と目指す業務を整理します。その後は、次の順に工程を進めます。

  1. 企画・現状分析:対象手続の絞り込み
  2. 要件定義:機能と運用条件の具体化
  3. 設計・開発:API一覧やデータ項目の定義
  4. テスト・移行:テストと既存データの移行範囲の決定
  5. 研修・リリース:職員研修とリリース
  6. 運用改善:リリース後の確認と改善

工程を飛ばすと、審査分岐や電子交付の必要性が後から分かり、追加費用が生じやすくなります。

企画・現状分析での対象手続の絞り込み

企画では、手続ごとの件数や負担を把握したうえで、先行導入の対象と関係者を決めます。

  • 業務状況:手続名、担当課、年間件数、繁忙期、窓口対応時間
  • 審査条件:添付、本人確認、手数料、審査日数、差し戻し件数
  • 優先対象:件数、不備率、来庁負担、職員の転記量をもとにした選定
  • 先行導入:代表的な3〜5手続での試行と、成果を見た横展開

作るものは、手続一覧、現行・将来業務フロー、優先順位表、課題一覧です。対象を絞れば導入効果を測れ、初期費用と失敗リスクも抑えられます。

情報政策や個人情報保護、会計、法務、審査担当も企画に参加します。特に、意思決定者と承認経路を早期に決めておくと、認可、保存、決裁条件の変更を減らせます。

要件定義・設計・設定開発の切り分け

要件定義では、申請から通知までの機能と運用条件を具体化し、SaaSでどう対応するか、スクラッチならどう構成するかを決めます。

  • 申請と審査:画面遷移、入力チェック、保存、本人確認、添付、支払い
  • 職員業務:審査分岐、差し戻し、決裁、通知、権限、ログ
  • 運用基盤:連携、バックアップ、エラー処理、障害時の受付継続
  • 方式別確認:SaaSは標準・設定・追加開発の判定、スクラッチは法改正や手続追加に備えた共通部品と固有部分の分離

設計では、API一覧、データ項目の定義、権限表、ネットワーク構成を作ります。自治体が保有する情報を転記する場合は、利用条件や誤りの訂正方法、本人への説明も決めておきます。

曖昧な要件を画面デザインだけで解消しようとすると、後工程の手戻りが増えます。

テスト・移行・研修・リリース

テストから運用改善までの作業は、工程ごとに進めます。特に、テストでは画面表示の確認だけでは不十分です。

  1. 画面表示に加え、正常申請や入力漏れ、容量超過、本人確認失敗、決済取消、差し戻し、権限外閲覧の検証
  2. 連携停止、通知不達、二重送信、災害時の復旧の想定と、審査担当による実帳票と業務手順での受入テスト、合格条件の記録
  3. 移行する既存データの範囲、保存年限、紙申請との併存期間、問い合わせ窓口、障害時の代替受付の決定
  4. リリース後の利用状況の確認と、運用改善の継続

職員研修は、一度の操作説明で済ませず、フォーム作成、審査、管理、問い合わせの担当ごとに実施します。

リリース後は、完了率、不備率、差し戻し、審査時間、問い合わせ、オンライン完結率を毎月確認します。あわせて、改善費用も運用予算に含めておきます。

ポイント

対象手続や連携範囲を先に決めておくほど、後からの仕様変更と追加費用を抑えやすくなります。工程を一つだけ切り出さず、企画から運用改善までの流れで見るのが安全です。

電子申請システムの費用相場とコストの内訳

価格は、人口や申請件数、手続数といった規模に加え、認証、決済、既存連携、ネットワーク要件によって変わります。ここに示すのは、公開価格と公共系Webシステムの工程感をもとにした比較用の概算です。

これらの数字は、同じ要件で相見積もりを取る前の目安として使うものです。市場全体の統計や、予算・調達の確定額ではありません。

方式別の初期費用・月額費用・導入期間

方式ごとの初期費用、月額費用、導入期間を並べると、要件に応じた概算の幅が見えてきます。

  • ノーコード・小規模SaaS:初期0万〜150万円、月額3万〜30万円、1〜2週間から2か月
  • 自治体向けSaaS:初期100万〜500万円、月額10万〜50万円、導入2〜6か月
  • 既存システム連携あり:初期300万〜1,500万円、月額20万〜100万円、導入4〜9か月
  • スクラッチ開発:初期3,000万円〜1億円超、導入12〜24か月程度

スクラッチが当てはまるのは、独自の審査分岐や特殊な交付、複数連携、厳格な移行要件を持つ場合です。なお、保守・運用は月額50万〜300万円程度のケースもあり、機能数やSLA、窓口、法改正対応によって変わります。

金額だけでなく、作業人月と運用月数にどこまでが含まれるかも確認しておきます。

近い分野の行政SaaSの例では、デジタル庁の給付支援サービス標準給付プランを参考にできます。導入料金は458,400円、基本料金は16万円からで、月額は3万円です。さらに、金融機関連携は556,800円です。

一方で、大規模給付プランは導入1,000,000円から、月額3万円で、基本料金は人口規模に応じて変わります(出典:デジタル庁「給付支援サービス利用説明資料」、2025年12月版)。ただし、これは電子申請そのものの料金ではありません。導入設定、規模別の基本料、月額、オプションに分かれる行政SaaSの料金構造を知る参考になります。

初期費用に含まれる主な項目

初期費用の見積もりを読むときは、作業項目とSaaSの設定範囲を分けて確認します。

  • 企画・設計:要件定義、業務フロー、画面設計
  • 構築・接続:フォーム、ワークフロー、追加開発、認証、署名、決済、通知、API、ネットワーク
  • 導入作業:データ移行、テスト、研修、マニュアル
  • SaaSの条件:フォーム数、職員アカウント、初期設定、帳票変換、文面、審査ルート

特に差が出るのは、個別開発と連携の部分です。CSV出力だけであれば設定で済む場合がありますが、基幹、収納、決裁、文書管理とリアルタイムで連携する場合は、API設計、認証、監視、テストが必要になります。

LGWANや個人番号利用事務系との連携も、設計と受入条件まで含めるほど、初期費用が増えます。

ランニングコストと5年間の総額

月額の料金だけを見ると、運用に必要な費用全体は見えてきません。そこで、運用項目と5年間の総額を確認します。

  • 固定費:クラウド、ライセンス、サーバー・ネットワーク、監視、バックアップ
  • 運用支援:問い合わせ、障害、脆弱性、法改正、追加手続の設定
  • 従量費:決済手数料、SMS、郵送

初期設定が安くても、手続の追加やデータ出力に料金がかかるサービスがあるため、月額だけでは比べきれません。

初期120万円、月額18万円のSaaSを5年間使う場合、単純計算では120万円+18万円×60か月=1,200万円になります。

この額に、決済、追加開発、研修、法改正、移行、職員工数の費用も加えます。TCOは、初期費用+月額費用×60か月+従量費+追加改修費+内部運用工数で試算します。

比較する際は、人口、年間申請件数、手続数をそろえることが出発点です。前提がそろっていなければ、価格を並べても比べられません。

そのうえで、職員数、添付容量、認証の条件もそろえます。決済、連携先、保守時間にも、同じ前提を使います。SLAと、5年後のデータ返却の条件も、比べる際の基準にします。

NTTデータ関西のe-TUMO APPLYのように、年間申請件数を基準とする料金体系もあります。そのため、ライセンス数や手続数だけでなく、実際の申請量をもとに見積もります。

ポイント

費用相場は、同じ要件で相見積もりを取る前の目安として扱うのが安全です。迷ったら、初期費用だけでなく、月額、従量費、追加開発、移行、返却費用を含む5年間の総額で比べ直します。

費用が変動する要因とコストの抑え方

電子申請システムの費用変動要因として、手続と申請件数、審査、認証・決済、既存連携、セキュリティを示す図解。
機能数以外にも、業務量や接続条件が見積もりに影響します。

電子申請システムの費用は、機能を増やした分だけ単純に上がるとは限りません。申請件数や手続の複雑さ、既存連携、本人確認、決済、セキュリティ、運用体制が影響します。必要な機能は残したまま、標準化と独自化を分けて効果を測り、段階的に投資します。

費用が上がりやすい5つの要因

費用を左右するのは、手続量、審査、外部機能、既存連携、セキュリティ要件です。

  • 手続と申請件数:フォーム・テストや保存、通知、監視、問い合わせの負荷
  • 審査の複雑さ:複数課確認、条件分岐、差し戻し、職権訂正、一括処理、電子交付
  • 認証・署名・決済:本人確認レベル、カード読取、法人認証、返金、消込
  • 既存システム連携:基幹、文書管理、決裁、収納、住民情報
  • セキュリティ:LGWAN、個人番号、監査ログ、バックアップ、障害時継続

申請件数が増えると、ストレージの容量も増やす必要があります。認証や決済では、外部サービスとの契約や接続試験が欠かせません。なお、要件は手続ごとのリスクに応じて定めます。

標準機能・共通部品・段階導入による費用抑制

手続ごとの専用画面を増やす前に、共通機能を標準化します。それを再利用し、先行手続の結果から横展開していくと、手続追加や初期投資を抑えやすくなります。

  • 共通化:ログイン、状況確認、添付、通知、差し戻し、権限、ログ、帳票
  • 費用確認:追加フォームの設定費・開発費と職員の内製範囲
  • 先行手続:件数だけでなく、不備率や窓口負担も踏まえた選定

川崎市は、汎用システムを全面改修せず、申請画面に操作ガイドを追加しました。公開されている事例では、学校給食申込書の不備率を81.7%、国民健康保険資格喪失届を56.6%改善し、年間約105時間の職員業務を削減した例があります(出典:テックタッチ「川崎市の電子申請改善事例」、2025年公開)。

大規模な改修に頼らなくても、利用データからつまずきを見つけて改善する方法があります。

初期費用ではなくTCOと成果による判断

導入費が安くても、毎月の問い合わせや手作業の転記、手続追加ごとの委託、法改正時の改修、データ返却費が高ければ、5年間の総額は大きくなります。

初期費用が高くても、審査、不備対応、郵送、窓口の負担を減らせれば、投資効果を説明できます。

  • 同じ期間で比較:導入費、運用費、職員工数、廃止できる紙・郵送費、削減する審査工数の並列比較
  • 成果を測定:オンライン申請率、完了率、不備率、差し戻し、1件あたりの審査時間、問い合わせ、通知日数、オンライン完結率のKPI設定
  • 課題に投資:不備率が高い手続への入力支援、審査時間が長い手続への基幹連携や一括処理の選択、不要なカスタマイズの回避

ポイント

費用は、機能数だけでなく、申請件数や手続の複雑さ、既存連携の範囲で動きます。削る前に、どの機能が成果に効くかを先行手続で測り、効果が出た部分から広げる判断が現実的です。

見積もり・発注で確認すべきポイント

複数社には同じ前提を渡し、価格、標準機能と追加開発の境界、運用の分担、5年後の出口条件を比べます。

資料には、業務の規模や機能、導入後の運用に関する情報を含めます。

  • 規模と業務:業務フロー、対象手続、年間件数、利用者・職員数
  • 機能と接続:認証、決済、添付容量、連携、ネットワーク
  • 導入と運用:移行、保守、SLA、法改正対応

見積依頼書の記載項目

見積依頼書では、機能要件と非機能要件を分けて書き、契約後の追加請求やデータ移行の条件も明記します。

  • 業務・機能:目的、KPI、現行・将来フロー、手続、画面・帳票、認証、添付、決済
  • 技術・運用:審査・決裁、通知、データ、API、ネットワーク、権限、ログ、バックアップ、障害対応、研修、移行、保守
  • 非機能:可用性、性能、セキュリティ、アクセシビリティ、ログ保存、復旧目標
  • 費用条件:初期費用に含む手続数、追加単価、職員のフォーム作成研修、複製・テンプレート
  • 契約終了条件:データ全件出力、終了時の返却形式・費用、サポート時間、法改正時の対応責任

契約条件が曖昧だと、追加請求やベンダーロックインにつながりかねません。そのため、提案書と契約書の両方に条件を残します。

価格・実績・運用体制によるベンダー比較

方式ごとの得意分野と、自団体に近い実績を確認します。あわせて、価格以外の運用面の差も比べます。

  • 方式:標準SaaS、ノーコード、本人確認・審査連携、個別開発
  • 実績・接続:類似団体、申請件数、LGWAN、ISMAP等、認証・決済、API
  • 体制:障害対応と担当者の運用・改善体制
  • 評価配点:機能適合25点、初期費用15点、5年TCO15点、セキュリティ・ネットワーク15点、連携性10点、導入体制10点、運用・改善10点

導入事例があっても、自団体の手続やデータ量にそのまま当てはまるとは限りません。そこで、類似条件での説明を求めます。

評価の配点は、組織の優先順位に合わせて調整します。

デモでは、差し戻しや再提出、権限外アクセス、決済取消、通知不達、連携エラー、障害復旧まで見せてもらうと、提案書だけでは分からない差を確認できます。

契約後に増えやすい費用への備え

追加費用が生じる場面と変更時の手順を、契約前に確認します。

  • 変更・追加:要件変更、手続追加、外部サービス利用料
  • 導入・運用:移行、テスト再実施、研修、法改正、障害対応
  • 保管量:ログやバックアップの増加に伴う費用

変更管理の手順、追加単価、承認者、納期への影響を決めておきます。あわせて、準委任と請負の範囲、納品するもの、検収の条件を工程ごとに区別します。

制度改正や国のサービス仕様変更に備えて、情報収集、影響分析、改修、テスト、住民告知の担当者を決めます。

障害時の対応も、受付停止、紙への切替、復旧後の再連携、二重申請の確認、漏えい調査、報告先まで含めて手順書にします。

ポイント

見積もりを比べるときは、価格の大小より先に、同じ前提で出されたものかを確かめます。契約終了時の条件や追加単価が書かれていない見積もりは、比較しにくくなります。

よくある質問

費用や導入方式、期間、導入後の効果など、担当者からよく寄せられる質問に答えます。事前に確認しておくと、見積もりの読み違いを防げます。

電子申請システムの開発費用は最低いくらですか?

標準フォーム中心の小規模SaaSなら、初期0万〜150万円程度から検討できる場合があります。

認証、決済、複数課審査、既存連携を含む場合は初期100万〜1,500万円程度、独自開発は3,000万円以上になる可能性があります。利用期間や追加手続数も含めて、5年総額で比べます。

電子申請システムは何か月で導入できますか?

標準機能の小規模導入は1〜2週間から2か月、自治体SaaSで認証や審査を含む場合は2〜6か月が目安です。

基幹連携やLGWAN、個人番号利用事務系、移行、複雑な決裁を含むと4〜9か月、スクラッチでは12〜24か月になることがあります。なお、先行手続を絞り、標準機能を早めに確定すると、期間を短くできます。

SaaSとスクラッチ開発はどちらが安いですか?

短期導入で標準的な手続が中心であれば、SaaSは初期費用と期間を抑えやすくなります。一方で、独自審査や特殊な交付、複雑な連携が多い場合は、スクラッチが適することもあります。

保守、脆弱性対応、法改正、人事異動、機能追加を含むTCOで判断します。SaaSにも追加開発や従量課金があるため、契約終了時のデータ返却条件も確認しておきます。

電子申請システムの費用を抑える方法はありますか?

まずは対象手続を絞り、共通機能を標準化します。そのうえで、SaaSの標準機能と設定、追加開発を分け、職員がフォームを作れる範囲も確認します。

先行導入で完了率や不備率を測り、効果が確認できた機能から横展開します。ただし、初期費用を削りすぎると手作業や問い合わせが残るため、TCOとKPIを合わせて見ます。

まとめ

標準SaaSの初期費用は100万〜500万円程度、連携やLGWAN構成を含むと300万〜1,500万円程度、スクラッチは3,000万円以上が目安です。

金額は要件によって変わる概算で、価格帯だけでは優劣を判断できません。まずは受付から審査、決裁、通知までの電子化範囲を決め、同じ条件で見積もりを比べます。

費用判断で押さえるポイント

見積もりは、費用の内訳と比較条件を分けて確認します。

  • 費用の内訳:初期費用、月額費用、従量費、追加開発、保守、法改正、移行、返却費用を分けて、5年間のTCOで比較
  • 比較の条件:申請件数、手続数、認証、決済、基幹連携、ネットワーク、セキュリティ、運用体制

条件をそろえておけば、会社ごとの価格差を判断できます。

費用対効果を高める導入の進め方

申請完了率、不備率、差し戻し、審査時間、問い合わせ、オンライン完結率をKPIに設定して、フォーム公開後も効果を測ります。

標準機能と共通部品を使い、先行手続の利用状況を見ながら改善を重ねれば、過剰な作り込みを抑えつつ、住民と職員の双方に効果を届けられます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。