電子申請システムの発注は、業務範囲を整理し、要件を文書にまとめ、契約と見積もりを比べる順に進めます。この順で進めると、運用まで含めた適切な外注につながります。
発注形態、RFPと契約、費用相場、委託先の選び方を、この順に見ていきます。
▼全体ガイドの記事
・電子申請システム開発の完全ガイド
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電子申請システムの発注・外注で押さえる全体像

発注の際は、依頼先を選ぶ前に、電子化する業務の範囲を決めておく必要があります。
申請の入力から審査、既存システム連携、通知、監査ログまで、業務の流れに沿って一覧にします。入力画面や認証、添付、決済も、このとき漏れなく挙げます。
電子申請システムで外注する仕組みと範囲
電子申請システムは、住民や事業者向けのフロントと、職員向けのバックオフィスを組み合わせた業務システムです。
- 申請者向け:手続の検索、入力チェック、途中保存、本人確認、電子署名、添付、状況照会。
- 申請後の処理:差し戻し後の修正と再提出。
- 認証:事業者向けのGビズID、メール認証、独自アカウントの検討。
- 職員向け:受付、担当課への振り分け、審査、補正依頼、職権訂正、決裁、電子交付。
- 記録・連携:帳票、問い合わせ履歴、操作ログの管理に加え、必要に応じてマイナポータル経由の申請受付。
マイナポータル連携では、電子申請等情報受取等APIを使う構成もあります。
データはLGWAN接続系や個人番号利用事務系へ渡されます。
外注の範囲は、画面だけでなく、業務フロー、ネットワーク、データ、運用まで含めて考えます。
発注の成否を測る指標と業務完結率
発注の成果は、導入の有無や申請件数よりも、利用者と職員の双方の負担が減ったかで評価します。
負担の変化を捉えるKPIを、利用者と職員の両方の立場から決めておきます。
- 利用者側:申請完了率、不備率、差し戻し件数。
- 職員側:審査時間と問い合わせ件数。
- オンライン完結:申請から最後までオンラインで完結した割合。
申請件数が増えても、不備や電話問い合わせが増えて職員の負担が大きくなれば、改善とは言いにくくなります。
川崎市の公開事例では、操作ガイドを追加しました。
学校給食申込書の不備率は81.7%、国保資格喪失届は56.6%改善し、後者では年間約105時間の業務削減につながっています(出典:テックタッチ「川崎市の電子申請の不備率改善」、2025年公開)。
発注側は、稼働後のデータ分析と画面改善も委託範囲に含めておきます。
電子申請システムの発注形態の選び方
発注形態は、SaaS・パッケージ、自治体向けクラウド、ローコード、スクラッチ開発の中から選びます。費用だけでなく、導入の速さや柔軟性、解約時の出口も比べます。
法改正やデータ移行への対応も、判断材料に入ります。
標準的な手続を短期間で増やしたいなら、SaaS型が候補になります。一方で、独自の審査や交付、複雑な既存連携が中心なら、追加開発やスクラッチが必要になります。
標準SaaS・パッケージ型が向いているケース
標準SaaSやパッケージ型は、共通機能が整っているぶん、早く始めやすい方式です。職員が手続を追加できるサービスであれば、小規模な改修の外注を減らし、複数の課へ横展開しやすくなります。
- 国のサービスとの連携:共通サービスやマイナポータルとの連携の可否。
- 標準機能の確認:標準、設定、追加開発、対象外の4区分で回答してもらいます。
デジタル庁は2025年4月、先行実証に参加する自治体による次期オンライン申請サービスの受付を始めました。
2026年6月16日時点の対象自治体と手続も公開されています(出典:デジタル庁「行政手続のオンライン化」、2026年)。
独自の審査順序や特殊な帳票があると、追加費用がかかる場合があります。複雑な代理申請や基幹システムとのリアルタイム連携でも、追加費用が生じることがあります。そのため、標準料金の安さだけで判断しないようにします。
スクラッチ開発・個別開発を選ぶ判断基準
スクラッチ開発では、独自の審査ルールや交付処理、既存の基幹システムとの連携を細かく設計できます。
- 継続管理:稼働後も続く、本人確認、添付、ログ、脆弱性、バックアップの対応。
- 変更対応:制度改正やブラウザ、スマートフォンの更新への追随。
- 開発範囲:標準機能や設定、限定的なAPI連携で解決できないかの確認。
自由度が高いぶん、初期費用と保守体制の両方を契約前に確保しておく必要があります。
独自の仕様が住民サービスや法令上不可欠なのか、それとも従来の慣行を残したいだけなのかを分けて考えると、過剰な開発を避けられます。また、提案書には、職員が将来の手続を追加できる範囲と、開発会社への依頼が必要な範囲を明記してもらいます。
一括発注と分離発注の使い分け
一括発注は、現状分析から保守までを一社にまとめやすい方式です。発注者の調整負担を抑えられ、責任の所在も一つにまとまります。
一方で、提案内容や価格の妥当性は比べにくく、委託先への依存が強まる場合もあります。
- 一括発注:工程ごとの成果物、費用、受入条件を、見積書で分けてもらう。
- 分離発注:調査・PMO、基盤、ネットワーク、移行、第三者検証、保守ごとの発注。
分離発注は、専門会社や相見積もりを選びやすい一方で、障害時の責任分界が複雑になります。そのため、全体の統合、API仕様の管理、受入テスト、切替の判断ごとに責任者を置き、契約と体制図で定めておきます。
RFPと要件整理の進め方

RFPは機能の一覧にとどまらず、各社が同じ条件で提案と見積もりを作るための資料です。
まず、現行業務と対象手続、利用者数、申請件数に加えて、既存システムやネットワークもまとめます。
データや非機能要件、移行は、前提として書き出します。
運用と契約条件も、同じ前提に含めます。
RFPの作成は、現状の棚卸しと対象手続の優先順位付けから始めます。そのうえで、将来業務を決め、RFPを書き上げ、質問への回答から提案の比較へ進みます。
現行の申請・審査業務の棚卸し
手続ごとに、申請件数や繁忙期、期限を一覧にします。申請者、審査担当、決裁者も、同じ表に書き出します。添付や本人確認などの条件と、手数料、通知方法、保存年限も記録します。
- 画面外の作業:紙の受領とスキャン、表計算への転記、電話確認、紙決裁、郵送交付まで記録します。
- RFPの別紙:手続一覧、業務フロー、画面遷移、帳票、権限、データ項目、外部連携、課題の8種類です。
- 例外処理:代理申請、再提出、添付不足、返金、期限超過、通信障害、紙申請との併存。
画面に現れない工程まで拾っておかないと、導入後も手作業が残ります。そのため、例外処理は担当課と一緒に確かめます。
機能要件と非機能要件の書き分け
機能要件には、手続検索、入力補助、途中保存、本人確認、電子署名など、申請から交付までの機能を書きます。添付や決済、受付番号、照会、補正、審査などの機能も、同じ要件書に記載します。決裁、交付、通知、帳票、検索、出力も、漏れなく書き込みます。
- マイナンバーカード:JPKIの署名用電子証明書、券面事項入力補助、スマートフォン完結の区別。
- 法人手続:GビズIDの対象範囲と、代表者・担当者・代理人の権限。
- 非機能:同時利用者数、画面応答、稼働時間、受付継続、バックアップ、復旧時間。
- 運用・保護:ログ保存期間、監視、脆弱性対応、暗号化、アクセス権限、保管場所、再委託管理。
インターネット接続系とLGWAN接続系、個人番号利用事務系の間で、データの経路を先に決めておきます。
APIや連携サーバ、基幹取込、エラー時の再送まで書いておくと、各社の前提のずれを抑えられます。
RFP段階で決めるデータ移行と受入条件
既存環境から申請履歴や添付ファイル、審査状態などを引き継ぐ場合は、移行要件を先に決めておきます。
利用者アカウントや交付記録も、移行の対象に含めて考えます。
- 移行範囲:対象期間、項目、コード、文字、欠損、重複、添付の保存方法。
- 移行後の確認:旧環境の参照期間、番号の連続性、状態の整合、添付の開封、個人情報のマスキング。
- 受入テスト:代表手続で、正常、不備、差し戻し、代理、決済失敗の各ケースを試します。
- 障害テスト:API通信断、権限違反、大量アクセスの各場面で動作を確かめる。
合格の基準と証跡を決めたうえで、テスト仕様書と結果、操作マニュアル、運用設計、設定一覧などを納品物に含めます。脆弱性診断と移行結果も、納品物に加えます。
検収期限と不具合修正は、契約に結び付けます。
電子申請システムの契約形態と責任分界
契約は、要件の確定度に合わせて工程ごとに組み立てます。成果物と受入条件を定められる開発工程は請負契約が候補になり、現状調査やPMO、技術支援のように作業が変わりやすい工程は準委任が候補になります。
SaaS利用料やクラウド費用、保守、法改正対応、追加フォーム作成は、継続してかかる費用です。
開発契約と分けて管理すると、5年間の支出を見通せます。
請負契約と準委任契約の使い分け
請負契約では、合意した成果物を完成させ、発注者が検査して受け入れる流れを明確にしておきます。
- 成果物:要件定義から、基本・詳細設計、画面・帳票、プログラムや設定、テスト、移行、マニュアルまで。
- 不具合対応:修補と再検収、追加費用の条件。
受入基準が曖昧だと、動いていても例外処理や帳票、性能、ログが不足するおそれがあります。
現状分析やRFP支援、PMO、データ整備、運用設計、研修などは、準委任に適しています。
準委任では、発注者が意思決定と成果の確認を担います。そのため、課題表や会議、レビュー、判断事項、次回作業を毎月確認し、稼働時間だけで評価せず、何をもって支援の完了とするかを記録しておきます。
再委託・個人情報・データ返却の契約条件
元請けのほかにも、クラウドや決済、認証の会社が関わる場合があります。業務ごとに担当が分かれるときは、どの会社がどこまで受け持つかを確かめておきます。
- 移行:データ移行の担当。
- コールセンター:問い合わせ対応の担当。
- 帳票・郵送:帳票の作成と郵送の担当。
契約では、外部への委託、個人情報の扱い、契約終了時のデータの扱いを、条件として明文化します。
- 再委託:範囲、事前承認、安全管理、事故報告、監査協力、変更時の通知と承認。
- 個人情報:保管場所と、アクセス可能な担当者を、契約書や取扱特記事項で確かめる。
- データ返却:形式、費用、バックアップ消去、別ベンダーへの引継ぎ協力の明記。
返却の対象には、申請や添付、利用者を含めます。審査の履歴や設定など、システムの動きを残す情報も、返す範囲に入れて確かめます。
- 審査履歴:審査の経過。
- 設定:システムの設定内容。
- 帳票定義:帳票の書式の定義。
- ログ:操作や処理の記録。
独自形式や画像のままでは再利用しにくいため、サンプルを別の環境で読み込めるか試しておきます。
セキュリティとSLAの責任範囲
クラウドは、ISMAPまたはISMAP-LIUの登録状況に加えて、対象サービスと構成を確認します。ISMAPは、政府のセキュリティ要求を満たすクラウドを評価・登録する制度です(出典:ISMAPポータル「ISMAP概要」、2026年確認)。
- 安全管理:暗号化、権限、脆弱性パッチ、ログ、バックアップ、保管場所の確認。
- SLA:稼働率、停止通知、障害重要度、一次回答、復旧目標、受付時間。
- 運用責任:制度改正への対応、月次報告、違反時の扱い、連絡期限、代替受付。
申請の停止や個人情報の誤表示、決済失敗、基幹連携の停止、誤交付では、影響の大きさがそれぞれ異なります。そのため、重大度ごとに、誰へ何分以内に連絡するかを決めておきます。受付を続ける代替手段も、あらかじめ定めておく必要があります。
電子申請システムの費用相場と5年TCO

費用は、人口や申請件数、手続数によって変わります。認証や署名、決済も、費用を動かす要素です。ほかの要素は、下の項目で確かめます。
- 添付容量:添付ファイルの容量。
- 連携・LGWAN:既存システムとの接続と、LGWAN接続系への対応。
- 職員数:利用する職員の人数。
- 移行:既存データの移し替え。
- 保守:稼働後の保守対応。
全国共通の公式価格表は少なく、以下の金額は市場全体の統計ではありません。NotebookLMで整理した価格情報と、2025年公開の行政向け近接SaaS料金を使った目安です。公共系Webシステムの工程感も参考にしています。
予算や契約額は、同じ要件で複数社に見積もってもらって考えます。
発注方式別の費用相場の見方
小規模なノーコードやSaaSは、対象手続が少なく、標準フォーム中心の場合です。標準SaaSは、認証や決済、複数課の審査、既存連携まで含むケースです。
- 小規模ノーコード・SaaS:初期0万〜150万円、月額3万〜30万円、導入1〜2週間から2か月程度です。
- 標準SaaS:初期100万〜500万円、月額10万〜50万円、導入2〜6か月程度です。
- 連携・移行あり:初期300万〜1,500万円、月額20万〜100万円、4〜9か月程度の場合があります。
- スクラッチ:独自審査・交付や複数連携では3,000万円から1億円超、12〜24か月程度の場合があります。
上記は概算で、特定の企業や案件の価格を保証するものではありません。要件定義や設計、フォームの単価は、それぞれ分けて見積もってもらいます。このほかにも費用を左右する項目があり、下の5つにまとめて確かめます。
- 認証・決済:ログインや本人確認、支払いの仕組み。
- API・LGWAN:外部システムとの接続口と、LGWAN接続系への対応。
- 移行・テスト:既存データの移し替えと、動作の確認。
- 研修・保守:職員向けの教育と、稼働後の保守対応。
- 法改正・追加手続:制度変更への対応と、後から増える手続の対応。
初期費用と5年間の総額の比較
TCO(総所有コスト)は、初期構築費に、稼働後の費用と終了時の返却費用を加えたものです。
- 初期費:初期構築費。
- 稼働費:SaaS、クラウド・通信、決済、認証、保守、監視、問い合わせ。
- 変更・終了費:研修、追加フォーム、法改正、診断、移行、データ返却。
初期120万円、月額18万円、5年間で約1,200万円となるSaaS型の目安もあります。ただし、これは一例で、申請件数や連携数によって変わります。
デジタル庁の給付支援サービス利用説明資料(2025年12月)には、費用の内訳が載っています。導入料金は458,400円で、人口規模別の基本料金は1,000,000円以上です。月額は30,000円、金融機関連携は556,800円です。
この数字は行政SaaSの例であり、電子申請そのものの相場とは別に見ます。行政SaaSには初期設定、規模別の基本料、月額、オプションの構成があるため、標準機能の外側も確認します。
費用を抑える対象手続と連携の絞り込み
全手続を個別に開発する前に、効果を確かめやすい代表手続から始めます。
- 手続の優先度:件数、不備や問い合わせ、窓口負担、オンライン完結のしやすさから選ぶ。
- 小規模検証:PoCで完了率と不備率を測り、効果のあった機能を横展開する。
- 連携方式:全てをリアルタイムにする必要があるかを確かめ、CSV・日次バッチ、API、職員確認に分ける。
個人番号や決済結果、受付番号、審査状態は、誤りが権利や金銭に影響します。そのため、責任分界と再送・訂正の手順を定めてから、連携方式を決めます。
電子申請システムの委託先選定と見積比較のポイント
委託先は、知名度や初期価格だけでなく、業務理解や本人確認も見て選びます。見積もりを比べる前に、項目ごとの対応範囲を確かめておきます。
- 決済:支払いへの対応。
- 職員審査:職員による審査への対応。
- 既存連携・LGWAN:既存システムとの連携と、LGWAN接続系への対応。
- 移行:既存データの移し替え。
- 稼働後の改善:稼働後の見直し。
比較の候補は、標準SaaS、職員がフォームを作るノーコード、本人確認や審査、基幹連携を重視するSI型の三つに分けると、選びやすくなります。
委託先の実績確認(類似業務)
導入の数だけでなく、自組織に近い人口規模や手続数、申請数、認証、基幹システム、ネットワーク分離の案件の有無を尋ねます。
- 導入後の変化:不備率、審査時間、問い合わせ、オンライン完結率と、その改修内容。
- 運用の実態:導入担当者に加えて、審査職員にもヒアリングを求める。
- 候補サービス:e-TUMO APPLY、LoGoフォーム、Grafferスマート申請、ポケットサインなどの比較対象。
NTTデータ関西のe-TUMO APPLYは、電子署名やキャッシュレス決済、マイナポータル連携、受付・審査・文書交付を掲げています。
同社は、行政総合サービスモールで829団体が導入済みで、最短3か月のクラウド導入も案内しています。
これは同社公開の実績・目安です(出典:株式会社NTTデータ関西「行政総合サービスモール」、2026年確認)。
電通総研やプレイネクストラボの本人確認・窓口DX関連も、候補になります。
評価は、順位よりも適合性で行います。
提案評価表の評価項目と配点
評価表は、価格だけで結果がひっくり返らない配点にし、組織の方針に合わせて調整します。
- 評価項目:業務適合、UI、審査、認証・署名、決済、連携、セキュリティ、移行、運用、日程、法改正、返却、費用。
- 配点例:業務25、技術・安全20、導入・移行15、運用・保守15、実績10、提案5、費用10点です。
画面デモでは、本人確認や添付、決済、差し戻し後の再提出を実演してもらいます。
職員側の振り分けや訂正、決裁、電子交付も、デモで確かめます。
未対応の機能は、標準外、追加開発、運用回避、将来対応に分けて、価格と納期への影響を記録します。
見積書の前提と除外項目の比較
見積書は、合計額だけでなく、同じ様式で工程と費目を分けてもらいます。
- 初期・運用費:要件、設計、開発、認証、決済、連携、移行、テスト、研修、保守の区分。
- その他の費目:フォーム、ネットワーク、運用開始支援、法改正、追加手続、解約・返却。
- 課金条件:初期、月額、年額、従量、利用者数、申請件数、決済手数料を、同じ期間で比べる。
対象手続数や想定申請件数、添付容量、同時利用者数をそろえて確認します。既存システムのAPIの有無や移行件数、職員の分担、現地作業は、同じ条件で比べます。テスト環境や問い合わせ対応時間が価格に含まれるかも、確かめます。
連携、カスタマイズ、法改正が別途となる場合は、単価と条件を明記してもらいます。これらは5年間のTCOを左右します。
価格差が大きい場合は、機能、作業範囲、保守、移行の違いに分けて確かめます。最安値だけで決めず、上位候補には同じ質問を返して再見積もりを取ります。判断は、5年総額と契約終了時の費用で行います。
よくある質問
発注前によく挙がる、SaaS、認証、ネットワーク、費用、運用体制の疑問に答えます。
電子申請システムはSaaSとスクラッチのどちらがよいですか?
標準的な手続を早く増やし、法改正や安全更新の負担を抑えたいなら、SaaSやパッケージ型が候補になります。
独自の審査や交付、連携が欠かせず、標準機能や設定では足りない場合は、追加開発やスクラッチを検討します。
代表手続のFit & Gapと5年TCOで比べます。
マイナンバーカードやGビズIDは必ず連携すべきですか?
すべての手続で同じ認証を使う必要はなく、認証の方式は手続ごとに見直します。認証の方式は、いくつかの観点から整理するのが基本です。
- 本人確認:必要な確認の強さと署名。
- 代理申請:代理申請の有無。
- 対象者・使いやすさ:申請対象と利用しやすさ。
デジタル庁の2025年活動報告によると、GビズIDの累計発行アカウントは、2025年3月末時点で124万件です。接続サービス数は217です(出典:デジタル庁「2025年デジタル庁活動報告」、2025年)。
法人手続で利用者が多い場合は候補になりますが、連携費や管理、代理権限、認証失敗時の代替策も見積もりに入れます。
電子申請システムの導入には何か月かかりますか?
導入期間の目安は、方式や対象業務によって異なります。
- 小規模SaaS:1〜2週間から2か月です。
- 認証・決済・複数課の審査や連携:2〜9か月です。
- 個別開発・大規模移行:12〜24か月程度です。
NTTデータ関西は、行政総合サービスモールについて最短3か月と案内しています。ただし、実際の期間は、対象手続やネットワーク、データ移行、庁内の判断によって変わります。
RFPでは、要件の確定から設計、設定・開発までを、工程として分けて書きます。そのあとは、テストから本番切替までを順に進めます。
- テスト:動作の確認。
- 研修:職員向けの教育。
- 先行稼働:本番前の先行的な稼働。
- 本番切替:本番環境への切り替え。
職員がフォームを作れるサービスでも外注は必要ですか?
フォームを内製できても、業務の整理や認証・決済、連携では、外部の支援が役立ちます。次の領域でも、支援を受ける場面があります。
- LGWAN:LGWAN接続系への対応。
- 個人情報:保管や取り扱いの管理。
- 移行:既存データの移し替え。
- アクセシビリティ:画面の使いやすさへの対応。
- 受入・障害対応:納品時の確認と、障害時の対応。
職員が手続の追加を担い、専門会社が基盤や安全、連携、運用設計を担うという分担も可能です。そのうえで、設定や障害の判断、法改正の担当を、体制図とSLAで明確にします。
電子申請システムの発注費用はどうやって比較すればよいですか?
初期費用や、月額・年額の利用料、従量費、認証・決済の手数料を、まず確認します。
保守や法改正、追加フォームも、5年間で合算します。ほかの費目も、同じ期間でそろえて見積もってもらいます。
- 移行:既存データの移し替え。
- 研修:職員向けの教育。
- 問い合わせ:問い合わせへの対応。
- 返却:契約終了時のデータ返却。
各社に同じ要件と様式を渡し、標準、追加開発、別途費用、対象外を分けて回答してもらいます。そのうえで、必要な業務を含む5年総額と、将来の変更のしやすさで判断します。
まとめ
発注先や製品を決める前に、対象業務を分解しておきます。申請や本人確認、添付、決済から、審査、差し戻し、決裁、通知、連携、ログ、紙申請との併存まで、一覧にします。
オンライン化の後に職員の仕事がどう変わるかを明確にすると、必要な外注範囲を定めやすくなります。
発注前のRFPと評価表
RFPには、業務やネットワーク、認証・決済、API、移行を記載します。さらに、バックアップ、ログ、SLA、再委託、改正、返却も書き込みます。
請負と準委任は工程ごとに分け、成果物と受入条件を契約に記します。
類似業務の実績を確認し、申請から交付までをデモで評価します。
5年TCOと導入後の改善を含む委託先の選定
利用料や連携、移行を含めた5年間の総額で比べます。稼働後に続く費目も、この総額に含めて確かめます。
- 保守・障害対応:稼働後の保守費用と、障害時の対応。
- 改正:制度改正への対応。
- 追加手続:後から追加する手続。
- 問い合わせ:問い合わせへの対応。
- 返却:契約終了時のデータ返却。
稼働後は、完了率や不備、差し戻し、審査時間、問い合わせ、オンライン完結率を見て、フォームや案内を改善します。
運用まで発注範囲に含めることは、長期的な成果につながります。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
