EDR開発の見積相場や費用/コスト/値段について

EDR開発の費用は、既製EDRのライセンスだけなら1端末あたり年4,000円台の公開例がありますが、要件定義・初期設定・全社展開・運用監視まで含めると、初期50万〜500万円、初年度総額300万〜1,200万円程度が比較の起点になります。

ただし、EDRは料金表の単価だけを見て決めると、既存アンチウイルスとの競合、サーバーや工場端末への展開、アラートを処理する人員、MDRやSOCの費用が抜け落ちます。本記事では、2026年時点の公開価格と導入事例をもとに、EDRの費用相場、内訳、価格が変わる理由、見積もりで確認する項目、コストを抑えながら運用を定着させる方法を解説します。

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EDR開発・導入の全体像と費用の考え方

EDR導入の費用全体像を整理するイメージ

EDRの費用を考えるときは、「製品を買う費用」と「自社で使える状態にする費用」と「使い続ける費用」を分けることが大切です。EDRはエンドポイントのプロセス、ファイル操作、通信、ログインなどを収集し、不審な挙動を検知して調査や隔離につなげる仕組みです。製品をインストールしただけでは、誰がアラートを確認し、どの条件で端末を隔離し、どのように復旧するかまでは決まりません。

既製EDRの導入とスクラッチ開発は費用構造が異なります

一般企業のEDR案件では、EDRエンジンをゼロから開発するより、クラウド型やオンプレミス型の既製製品を選び、既存の資産管理、MDM、SIEM、チケット管理、バックアップなどと連携する形が中心です。既製製品なら検知ルールや脅威インテリジェンスの更新を受けられますが、テナント設計、例外設定、端末配布、社内フローの設計には別途工数がかかります。

一方、独自の管理ポータル、業界固有のレポート、既存システムとの連携機能を追加開発する場合は、300万〜1,500万円程度を類似システムの推定レンジとして検討します。この金額はEDR製品そのものを開発する価格ではなく、既製EDRを中心に業務機能を追加する場合の目安です。OSカーネルのエージェント、検知エンジン、ログ基盤、脅威研究、24時間対応まで自社開発する場合は、通常の業務システム見積もりでは評価できない規模になります。

EPP・XDR・MDRを含める範囲で総額が変わります

EPPは既知の脅威を侵入前にブロックする役割、EDRは侵入後も含めた検知・調査・封じ込めを担う役割です。メール、ID、クラウド、ネットワークまで横断して分析するXDRを追加すれば、ライセンスやログ保管の範囲が広がります。さらに、24時間365日の有人監視や対応判断を外部へ委託するMDRを付けると、製品料金とは別に監視・分析・報告のサービス料金が発生します。

したがって、見積書では「EDRライセンス」とだけ書かれた項目を鵜呑みにせず、対象端末、サーバー、ユーザー、契約年数、監視時間、アラート分析、端末隔離、インシデント対応、ログ保存期間がどこまで含まれるか確認します。費用を正しく比較するには、機能名ではなく、導入後に誰が何を実行できる状態になるのかを基準にします。

EDR導入はどのような手順で進めますか?

EDR導入プロジェクトの進行イメージ

結論から言うと、EDRは現状把握、要件定義、製品選定、PoC、段階展開、運用定着の順で進めると、想定外の追加費用を抑えやすくなります。最初から全端末へ一斉配布すると、既存アンチウイルスとの競合や業務アプリの誤検知が全社へ波及するため、少数端末で検証してから範囲を広げます。

要件定義では対象資産と対応責任を決めます

最初にPC、サーバー、仮想デスクトップ、クラウド上のワークロード、工場のOT端末、在宅勤務端末を棚卸しします。OS、台数、拠点、ネットワーク接続、既存EPP、資産管理やMDMの有無、管理者権限、バックアップ方式、ログ保存要件も一覧化します。この棚卸しが曖昧なままでは、後からサーバー用ライセンスや閉域環境向けの構成が追加され、見積額が膨らみます。

同時に、重大アラートを誰が何分以内に確認するか、端末隔離を自動化するか、夜間休日は外部へ連絡するか、復旧判断を誰が行うかを決めます。EDRの導入目的を「検知率を上げる」だけで終わらせず、許容する復旧時間、証拠保全、取引先や業界ガイドラインへの説明責任につなげることが重要です。

PoCで端末負荷と既存ソフトの競合を確認します

PoCでは、情報システム部門や代表的な業務部門の数台を対象に、エージェントのCPU・メモリ負荷、ネットワーク通信、ログの粒度、アラートの意味、端末隔離の操作を確かめます。会計、設計、製造、営業など利用アプリが異なる端末を含めると、業務影響の見落としを減らせます。PoC期間は数週間から1か月程度を設定し、検証後に例外ポリシーと展開手順を更新します。

株式会社ヒロタニの事例では、2024年度上期から導入に着手し、数台のトライアルで課題を洗い出してから、工場を含む全部門へ段階展開し、2025年4月に運用を開始しています。既存アンチウイルスとの競合は監視ポリシーの調整で解消し、複数拠点への配布は資産管理システム経由で進めています(出典:三菱電機デジタルイノベーション「ヒロタニ マネージドEDR導入事例」、2025年)。このような検証期間を見積もりに含めることが、全社展開後の手戻りを抑えます。

段階展開後に運用手順とSLAを定着させます

本番展開では、部門や拠点ごとに対象範囲を分け、資産管理システムやMDMから配布します。利用者への告知、再起動の要否、失敗端末の再試行、ネットワークに接続できない端末の扱い、既存ソフトのアンインストール方針まで手順書にします。サーバーやOT端末では、停止できる時間帯やベンダー立会いが必要になるため、PCと同じ単価・日程で考えないことが大切です。

運用開始後は、重大度別の初動時間、一次切り分け、エスカレーション、端末隔離、証拠保全、復旧、月次報告、検知ルールの見直しを定例化します。自社運用なら担当者の工数を確保し、MDRを利用するなら通知先、対応時間、調査報告、追加のインシデント対応費を契約へ明記します。導入期間の目安は、小規模で2〜6週間、中規模で2〜4か月、大規模や閉域・OTを含む場合で4〜12か月程度です。

EDRの費用相場とコストの内訳

EDRのライセンスと導入費用を分解するイメージ

EDRの見積もりは、ライセンス・初期導入・連携や追加開発・運用監視・保守の5つに分けると比較しやすくなります。公開価格は製品や契約条件の一例であり、導入作業や有人監視を含む総額ではありません。以下の金額は2025〜2026年に確認できる公開情報と、一般的なシステム開発の人月単価をもとにした比較用のレンジです。

ライセンス料金は端末・ユーザー・サーバー単位で確認します

低価格帯の公開例として、RSUPPORTの2025年1月価格表では、withRS Standardの「アンチウイルス対策+EDR(クライアント用)」が年間4,200円、税込4,620円と掲載されています。単純計算では100台で年42万円、300台で年126万円です(出典:RSUPPORT「withRS Standard 価格表」、2025年)。この金額は公開ライセンス価格の例であり、初期設定、既存ソフトの整理、MDR、インシデント対応は含まれないため、同じ条件で比較します。

Microsoftの料金体系では、Microsoft 365 E5がユーザーあたり月額8,545円相当、年払い・税抜の表示です(出典:Microsoft Security「Microsoft Defenderの価格」、2026年確認)。100ユーザーなら年約102.5万円、300ユーザーなら年約307.6万円の計算になりますが、E5にはID、メール、SaaS、コンプライアンス、生産性アプリなども含まれるため、EDR単体の価格とは比較できません。さらに、ユーザーあたり最大5台を保護できる条件、サーバーは別ライセンスである点、既存のMicrosoft 365契約を持つかを確認します。

初期導入費は50万〜500万円程度が比較の起点です

小規模で、クラウド型EDRを100端末未満へ導入し、基本ポリシー設定と配布だけを行う場合は、初期50万〜150万円程度が目安になります。対象端末の棚卸し、テナント作成、検知ポリシー、例外登録、配布、管理者教育、運用手順書を含めると、単なるインストール作業より高くなります。期間は2〜6週間程度を想定します。

100〜500端末で、複数拠点、サーバー、資産管理・MDM・SIEM連携、PoC、全社展開を含む中規模案件では、初期150万〜500万円程度、2〜4か月程度が比較レンジです。閉域網、OT、複数テナント、監査レポート、24時間365日監視まで含める大規模案件では、初期500万〜2,000万円超、4〜12か月となる場合があります。エンジニア単価を月額80万〜120万円と置く場合でも、必要な役割数と期間によって金額は大きく変わります。

MDR・SOCの費用は監視時間と対応範囲で変わります

MDRを付ける場合、公開一律価格が少なく、端末数、監視時間、脅威ハンティング、通知方法、端末隔離の権限、インシデント対応、月次レポートの範囲で個別見積もりになります。比較用には、100〜300端末でMDRを付けた運用費を年間150万〜800万円程度と置き、要件確認後に再見積もりします。ただし、これは市場統計ではなく、公開ライセンス価格とエンジニア月額単価から組み立てた推定レンジです。

自社にSOC人材がいる企業は、製品ライセンスと初期設計だけを外注し、一次対応を内製することで運用費を抑えられる場合があります。反対に、担当者が少ない企業がライセンスだけを購入すると、アラートが未処理のまま残り、導入効果が下がります。費用削減のためにMDRを外すのではなく、対応すべき重大度、時間帯、外部へ任せる判断範囲を切り分けることが重要です。

100台・300台で見るEDRの料金シミュレーション

端末台数別にEDR費用を試算するイメージ

端末台数による違いを把握するには、ライセンスだけの試算と、導入・運用まで含む初年度の試算を分けます。台数が増えるとライセンスは比例しやすい一方、要件定義やポリシー設計は一定額から始まり、拠点数やOSの種類、サーバー台数が増えると段階的に上がります。

100端末は小規模導入のモデルです

100台のクライアント端末に、withRSの公開例である年4,200円のライセンスを適用すると、ライセンスだけで年間42万円です。これに初期導入50万〜150万円を加えると、MDRなしの初年度は92万〜192万円程度が単純な比較軸になります。実際にはサーバー、管理コンソール、税、サポート、既存製品の整理、教育、追加の連携費が加わるため、発注前は100万〜300万円程度の範囲で複数社へ確認するのが現実的です。

Microsoft 365をすでに契約している場合は、既存ライセンスに含まれる機能や追加購入できるプランを確認します。新たにユーザー単位のスイートを契約する場合は、100ユーザーで年約102.5万円という計算になりますが、EDR以外の機能も含みます。100台でもサーバーや共有端末、委託先端末を対象にするとライセンス単位が変わるため、ユーザー数と端末数を別々に数えます。

300端末は連携・運用設計の差が出やすい規模です

300台でwithRSの公開例を単純適用すると、ライセンスは年間126万円です。初期導入150万〜500万円を加えたMDRなしの初年度は276万〜626万円程度が一つの比較軸になります。実際のノートでは、複数拠点、サーバー、資産管理・MDM・SIEM連携、PoCを含む初年度総額を300万〜1,200万円程度の推定レンジとして整理しています。価格差の大半は、ライセンス単価よりも設計範囲、連携数、展開方法、運用支援に現れます。

300台では、アラートを社内担当者だけで処理できるかが重要になります。専任担当者がいない場合は、夜間休日を含むMDR、重大アラートのみの外部分析、月次レポートだけの支援など、複数の運用形態を見積もります。全端末を同じポリシーで運用するのではなく、管理部門、開発部門、工場、サーバーなどのグループごとに、監視強度と例外承認の方法を分けると、必要なサービス範囲を最適化しやすくなります。

EDRの価格が変動する主な要因

EDR費用の変動要因を確認するイメージ

同じ300台のEDR導入でも、PCだけを対象にする案件と、サーバー、工場、閉域網、24時間監視まで含む案件では費用が大きく異なります。見積もりの価格差を単純に高い・安いで判断せず、どの要因が金額を動かしているかを分解して確認します。

対象資産・OS・拠点数がライセンスと展開工数を左右します

Windows中心のPCだけなら、クラウドコンソールから配布しやすい構成になります。Mac、Linux、Windows Server、仮想デスクトップ、共有端末、工場設備を含めると、OS別ライセンス、エージェントの対応状況、通信要件、検証機の準備が必要です。拠点数が増えるほど、プロキシやファイアウォール設定、配布方式、現地作業、障害時の連絡体制も見積もりへ反映されます。

閉域・オフライン環境では、クラウドへの通信、定義やエンジンの更新、ライセンス認証、ログ搬出の方式を確認します。FFRI yaraiは、オフライン環境での利用やオフライン用のライセンス認証方法を案内していますが、製品ごとに条件は異なります(出典:FFRIセキュリティ「次世代エンドポイントセキュリティFFRI yarai FAQ」、確認日2026年)。完全隔離か、必要なOutbound通信だけ許可する準クローズドかで、構成と運用費が変わります。

既存契約・連携・ログ保存期間でTCOが変わります

Microsoft 365、資産管理、MDM、SIEM、SOC、バックアップをすでに契約している企業は、追加ライセンスを抑えられる可能性があります。一方で、既存契約のエディションが要件を満たさず、上位プランへの変更が必要になることもあります。WithSecureでは、2026年1月以降のBusiness Suiteの発注分を従来価格の200%とし、日本では2027年12月31日にサポート終了予定と案内しています(出典:WithSecure「重要なお知らせ」、2026年)。既存製品の更新時期と移行費用も含めて比較します。

ログを何日保存するか、どのデータをSIEMへ送るか、検索性能をどこまで求めるかでも、クラウド保管やデータ転送の費用が変わります。すべてのテレメトリを長期保存するのか、重大アラートと監査証跡だけを残すのかを先に決めます。保存期間を短くすれば費用は下がりますが、フォレンジックや取引先への説明に必要な証跡が不足する可能性があるため、セキュリティ責任者と法務・監査部門で合意します。

自社運用かMDRかで毎月の人件費が変わります

自社運用では、平日日中の一次対応だけでなく、休日の緊急連絡、脅威ハンティング、ルール更新、月次報告、訓練、インシデント発生時の調査を誰が担うかを明確にします。担当者を別業務と兼務する場合、その時間を人件費として見積もらないと、導入後に運用が止まりやすくなります。外部MDRなら料金は増えますが、監視と分析を専門家へ任せ、社内担当者を判断や復旧に集中させやすくなります。

見積もりでは、24時間365日か、平日日中か、重大アラートだけか、端末隔離を自動で実施するか、調査報告書を作成するかを確認します。端末数が少なくても、夜間対応やインシデント対応を含めると下限の基本料金が適用される場合があります。反対に、監視だけを外部へ委託し、社内で一次判断を行う形なら、対応範囲を抑えたプランを選べる可能性があります。

EDRのコストを最適化する5つのポイント

EDRのコスト最適化を検討するイメージ

EDRのコスト最適化は、単価を下げることではなく、必要な防御と運用を維持しながら、重複投資と手戻りを減らすことです。安いライセンスを選んでも、誤検知対応や追加開発が増えれば、3年間の総保有コストは高くなります。

対象範囲とライセンス単位を最初にそろえます

全端末を一律に高機能プランへ入れる前に、PC、サーバー、管理者端末、工場端末、開発用端末、共有端末を分類します。社内のリスク、OS、必要な検知・対応機能、通信制約に応じて、プランや監視レベルを分けられる場合があります。ただし、対象外にした端末が侵入口にならないよう、EPP、パッチ管理、ネットワーク分離、バックアップなどの代替策を同時に設計します。

ユーザー課金の製品では、1ユーザーが複数端末を使う条件を確認し、端末課金の製品では、サーバーや仮想マシンが別カウントになるかを確認します。Microsoftのように最大5台のデバイスを保護できる条件がある場合でも、サーバーは別ライセンスのことがあります。台数表を作ってから見積もりを依頼すれば、過剰購入と不足購入の両方を防げます。

PoCの評価項目を絞り、手戻りを防ぎます

PoCで確認する項目を「検知できるか」だけにすると、導入後に端末負荷、誤検知、業務停止、通知の多さで追加費用が発生します。代表的な業務アプリとの競合、ログの検索、攻撃のタイムライン、端末隔離から復旧までの時間、既存アンチウイルスとの共存、管理者の操作性を評価項目へ入れます。合格基準を事前に決めると、製品比較と本番展開の判断がしやすくなります。

PoCの対象を数台に限定しすぎると、工場や営業所のネットワーク条件が反映されません。情報システム、一般利用者、開発、製造など性質の異なる端末を含め、問題が出た場合の解決時間も記録します。PoCで見つかった例外設定や配布手順をそのまま全社展開の設計書へ反映すれば、追加の現地作業を減らせます。

MDRの範囲を分けて運用費を調整します

MDRを全面的に委託するか、重大アラートの分析だけを委託するか、平日日中のみ支援を受けるかで費用は変わります。自社の担当者が夜間も対応できないなら、安さだけで平日日中プランを選ぶと、重要なアラートを見逃すリスクがあります。反対に、社内SOCが十分な場合は、脅威ハンティングやインシデント発生時の専門調査だけを追加する方法もあります。

委託範囲を分けるときは、製品の通知を転送するだけなのか、分析して優先度を付けるのか、隔離やプロセス停止まで実行するのか、復旧支援まで含むのかを明確にします。月額を抑えたプランほど社内の判断・記録・連絡が増えるため、担当者の工数を金額換算して比較します。

既存契約とAPI連携を活用して追加開発を抑えます

すでにMicrosoft 365、Intune、Entra ID、資産管理、チケット管理を利用しているなら、標準コネクターやAPIで連携できるか確認します。新しい管理画面を作る前に、既存の通知、承認、チケット、資産台帳を活用できれば、連携開発の範囲を小さくできます。データ所有権、APIの利用条件、ログのエクスポート、契約終了時のデータ返却も、将来の移行費を左右するため初期見積もりに含めます。

独自画面が必要な場合でも、最初からすべてのダッシュボードを開発するのではなく、重大アラート、端末情報、対応履歴、月次報告など、運用上の必須機能から始めます。業務フローが固まる前に作り込むと、製品変更や運用変更のたびに改修費が発生します。まず標準機能で運用し、実際の課題を確認してから追加開発する方が、初期投資と手戻りを抑えやすくなります。

1年目だけでなく3年間のTCOで比較します

初年度は導入費が大きく、2年目以降はライセンス更新、MDR、保守、ログ保管、教育、ルール改定が中心になります。見積書では初期費用、年額、月額、更新時の単価改定、最低契約数、サポート範囲、契約終了時の移行支援を分けて、3年間のTCOを計算します。WithSecureのように製品の価格改定やEOLが予定される場合は、契約期間中に移行が発生する可能性も織り込みます。

3年間の比較では、ライセンス費用だけでなく、社内担当者の対応時間、PoCや再展開の工数、インシデント時の追加料金も含めます。初年度が安い製品でも、運用画面が複雑で担当者の工数が増えれば、総額は高くなる場合があります。費用と、重大アラートを何分以内に判断できるか、証跡をどの程度残せるかを並べて意思決定します。

EDRの見積もりを取る際のポイント

EDRの相見積もりを比較するイメージ

相見積もりでは、同じ台数を伝えるだけでは十分ではありません。対象資産、OS、既存セキュリティ製品、拠点、ネットワーク制約、連携先、ログ保存期間、監視時間、社内の対応者、必要な報告書を同じ条件で提示します。仕様が違うまま価格だけを比べると、一方の見積もりにPoCや運用支援が含まれず、契約後に追加費用が発生します。

RFPには費用と運用の前提を具体的に書きます

RFPには、端末・サーバー・仮想マシンの台数、OS、拠点、既存EPP、Microsoft 365などの契約、MDMや資産管理の有無、閉域・オフライン制約を記載します。加えて、検知対象、必要なログ保存期間、アラートの重大度、端末隔離の承認者、通知先、初動SLA、月次報告、インシデント発生時の追加対応を指定します。これらが明確なら、ベンダー側もライセンス、初期設計、展開、MDR、保守を分けて提示しやすくなります。

提案依頼では、必須要件と希望要件を分け、PoCの評価方法と合格条件も伝えます。価格だけでなく、対象OS、エージェントの負荷、既存ソフトとの共存、API、ログのエクスポート、サポート時間、契約終了後のデータ返却を評価項目にします。特に「検知後にベンダーがどこまで対応するか」は、製品メーカー、導入SIer、MDR事業者の役割を分けて確認します。

ベンダーには追加費用と責任分界を確認します

「初期費用一式」「運用費一式」のような一括表記では、後から追加になりやすい作業が分かりません。既存アンチウイルスのアンインストール、例外設定、エージェント再配布、サーバー追加、工場の現地作業、ログ保管容量の超過、インシデント調査、復旧支援、夜間休日のオンサイト対応が別料金かを確認します。見積もりに含まれない作業は、想定単価と発生条件まで記載してもらいます。

また、製品の検知・隔離機能があっても、業務停止の承認、感染端末の再構築、バックアップからの復旧、取引先への報告までベンダーが担うとは限りません。契約書やサービス仕様書で、監視、分析、助言、実操作、復旧の責任分界を明らかにします。自動車部品、医療、金融など取引先や業界ガイドラインの要求がある場合は、証跡と報告書の要件も見積もりへ含めます。

よくある質問(FAQ)

EDRの費用に関するよくある質問

EDRの費用は、ライセンスの単価だけでなく、対象資産、運用体制、連携範囲、契約条件によって変わります。ここでは、見積もり前によく寄せられる質問へ直接回答します。

EDRの導入費用は最低いくらからですか?

既製クラウド製品のライセンスだけなら、公開価格で1端末あたり年4,000円台の例があります。初期設定、PoC、配布、教育、運用手順まで含めると、小規模案件の初期費用は50万〜150万円程度が比較の起点になります。対象端末、サーバー、既存製品、MDRの有無で変わるため、特定の金額を最低価格として断定することはできません。

EDRを自社開発すると数百万円で作れますか?

検知エンジン、OSごとのエージェント、クラウド管理画面、ログ保管、脅威インテリジェンス、ルール更新、調査・封じ込めまで含むEDRそのものを数百万円で作るのは現実的ではありません。既製EDRとSIEMや資産管理をつなぐ業務ポータル、独自レポート、社内フローの追加開発であれば、300万〜1,500万円程度を類似システムの推定レンジとして検討します。要件と運用責任を分解したうえで、製品導入と追加開発を別見積もりにします。

社内にセキュリティ担当者がいなくてもEDRを導入できますか?

導入できますが、ライセンスだけでなくMDRやSOCなどの運用支援を含めて検討する必要があります。MDRは端末数、監視時間、アラート分析、端末隔離、調査報告、インシデント対応の範囲で個別見積もりになり、100〜300端末の比較用レンジは年間150万〜800万円程度です。この金額は公開価格と人月単価からの推定であり、実際には要件確認後に再見積もりします。

EDRのライセンスはユーザー単位と端末単位のどちらが良いですか?

利用者が複数端末を使う企業ではユーザー単位、共有端末やサーバーが多い企業では端末・サーバー単位が有利になる可能性があります。ただし、製品によって対象OS、ユーザーあたりの保護台数、サーバーの別ライセンス、仮想環境の数え方が異なります。従業員数だけで決めず、利用者、端末、サーバー、仮想マシンを分けた台数表で比較します。

EDRを導入すればランサムウェア被害を防げますか?

EDRは不審な挙動の検知、調査、端末隔離、プロセス停止などで被害の拡大を抑える仕組みですが、すべての侵入や被害を単独で防ぐものではありません。MFA、脆弱性・パッチ管理、最小権限、メール対策、ネットワーク分離、バックアップ、復旧訓練、インシデント対応計画と組み合わせて効果を発揮します。導入効果は、検知率だけでなく、発見から封じ込めまでの時間と復旧手順の実行性で評価します。

まとめ:EDRはライセンス単価ではなく運用を含む総額で比較しましょう

EDRの費用相場をまとめるイメージ

EDRの費用は、公開ライセンスの一例では1端末あたり年4,000円台から確認できますが、実際の導入では初期50万〜150万円の小規模案件、150万〜500万円の中規模案件、500万〜2,000万円超の大規模案件が比較の起点になります。100〜300端末でMDRを付ける場合は、年間150万〜800万円程度を推定レンジとして置き、監視時間と対応範囲を確認します。いずれも製品、台数、OS、拠点、既存契約、ログ保存、社内体制によって変動する目安です。

見積もりでは、ライセンス、初期設計、PoC、全社展開、連携開発、MDR、保守、インシデント対応を分け、1年目だけでなく3年間のTCOで比較します。特に、既存アンチウイルスとの競合、サーバー・OT・閉域環境、アラート対応者の有無を先に伝えると、契約後の追加費用を抑えやすくなります。EDRを導入して終わりにせず、検知後の判断と復旧までを運用へ組み込むことが、投資を成果につなげるポイントです。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。