経営情報システム(EIS)開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

経営情報システム(EIS)の開発は、経営判断に必要なKPIと意思決定の流れを定義し、データを集めて安全に使える状態へ段階的に整えることが成功の近道です。

「経営会議の資料作成に毎月数日かかる」「部門ごとに売上や利益の数字が違う」「予算差異の原因が翌月まで分からない」といった課題を解決するために、EISの導入を検討する企業が増えています。しかし、BIツールを契約して画面を作るだけでは、経営情報システムとして定着しません。この記事では、要件整理、製品・開発会社の選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6フェーズを軸に、実務で迷いやすい判断基準、チェック項目、費用相場、見積もりの比較方法まで解説します。

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経営情報システム(EIS)の全体像

経営情報システムの全体像を確認する担当者

EISはExecutive Information Systemの略称で、経営者、役員、事業責任者が会社全体や事業別の重要指標を短時間で確認し、意思決定につなげるための情報システムです。会計、販売、購買、在庫、生産、人事、営業などのデータを集約し、売上、粗利、営業利益、キャッシュ、受注、在庫、予算実績差異、予測値などをダッシュボードやレポートで提示します。

EIS・BI・ERP・DWHはどう違いますか?

EISは経営層の判断を支える目的と業務プロセスを表す概念であり、BIはデータを分析・可視化するための製品や仕組みを指すことが多いです。ERPは会計や販売などの日々の取引を記録・処理する基幹システムで、DWHは複数のシステムから集めたデータを分析しやすく蓄積する基盤です。つまり、EISを実現するために、ERPや業務システムをデータソースとして、DWHやBIを組み合わせる構成が一般的です。

例えば、販売管理システムが受注を記録し、会計システムが売上と原価を確定し、DWHで共通の顧客・商品・部門マスターにそろえ、BIで経営ダッシュボードを表示します。ここで「売上」は出荷基準なのか請求基準なのか、「粗利」は標準原価を使うのか実績原価を使うのかを決めなければ、ツールが同じでも人によって異なる数字になります。製品選びより先に、数字の意味と意思決定の使い道を定義することが重要です。

EISの導入を検討すべきサインは何ですか?

代表的なサインは、経営会議の資料を複数のExcelから手作業で作成していること、同じ指標なのに部署ごとに集計結果が違うこと、月次締めの後に予算差異の原因を追いかけていることです。さらに、拠点別・商品別・顧客別の採算を確認するたびに担当者へ依頼している、経営者が必要な数字を見たい日に見られない、担当者が休むと集計が止まるという状況も、EISの効果が出やすい状態です。

ただし、課題がダッシュボードの不足だけとは限りません。元システムの入力ルールが統一されていない場合はデータ整備が先になり、取引処理そのものが限界に達している場合はERPや業務システムの刷新が必要です。「何を見たいか」「何を判断したいか」「判断後に誰が何をするか」を確認し、EIS単体で解決する範囲と、基幹システム改修が必要な範囲を切り分けます。

経営情報システム(EIS)の進め方・開発工程

EIS開発の工程を整理するプロジェクトメンバー

EIS開発は、要件整理、選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6フェーズで進めると、経営課題と技術課題が混ざりにくくなります。各フェーズで成果物と意思決定者を明確にし、次の工程へ進む条件を決めておくことが大切です。特に、画面の見た目を先に固めるのではなく、KPI定義、データの責任者、更新タイミング、権限の考え方を先に確認します。

フェーズ1:要件整理で目的とKPIを決めます

最初に、EISで改善したい意思決定を3つ程度に絞ります。「経営会議を効率化する」だけでは曖昧なので、「月次会議の前営業日までに予算差異と原因候補を確認する」「拠点別の粗利率が基準を下回ったときに責任者が翌営業日までにコメントする」のように、利用場面と期限まで言語化します。効果測定の指標には、集計作業時間、会議資料の作成日数、数字の差し戻し件数、予算差異の発見時点、月次アクションの完了率などを置けます。

次にKPI辞書を作ります。最低限、KPI名、定義、計算式、対象期間、集計単位、除外条件、データソース、更新頻度、データ責任者、閲覧できる役割を記載します。要件整理のチェック項目は、経営層が見る指標と現場が改善する指標がつながっているか、日次更新で足りるのかリアルタイム性が必要なのか、過去何年分を保持するのか、予算・実績・見込のバージョンをどう扱うのかです。MUSTとWANTを分け、初回リリースのKPI数を増やし過ぎないことも重要です。

フェーズ2:製品・開発会社を選定します

選定では、クラウドBI、ERP付属の分析機能、DWHとBIを組み合わせる方式、スクラッチ開発、ローコードのどれが自社の目的に合うかを比較します。短期の可視化ならクラウドBI、既存ERPを中心に経営管理を統合するならERP付属機能、複数の業務システムを横断するならDWHとBIの組み合わせ、独自の計画・承認・シミュレーションが競争力に直結するなら業務アプリ開発が候補です。製品名を先に決めるのではなく、データソース数、利用者数、更新頻度、機密区分、将来の拡張範囲を比較軸にします。

候補会社には同じRFPを渡し、初期費用、ライセンス、データ連携、DWH、移行、テスト、教育、保守、追加開発を分けて提案してもらいます。評価は機能の多さだけでなく、KPI設計を支援できるか、実データで短期PoCを実施できるか、障害時の責任分界が明確か、設計書・データモデル・設定情報を引き渡すか、導入後の改善会議を運営できるかで行います。既存のMicrosoft 365、SAP、Oracleなどを利用している場合は、認証、データ接続、契約体系、解約時の移行方法も確認します。

フェーズ3:データ・画面・権限を設計して開発します

設計では、業務システムやExcel、APIからデータを取り込み、連携・加工、DWHまたはデータレイク、KPIを計算するセマンティックモデル、ダッシュボード、通知・会議資料までの流れを設計します。データ連携は「つながるか」だけでなく、更新失敗時の再送、欠損時の扱い、締め処理後の再計算、過去データの修正履歴まで決めます。データソースが3つでも、顧客名や商品コードが揃っていなければ、連携費用と検証工数が大きく増える可能性があります。

画面は、経営層向けの全社サマリー、事業部長向けの部門別分析、現場向けの原因分析というように役割で分けます。1画面に指標を詰め込まず、売上・利益・キャッシュなどの結果から、部門、拠点、商品、顧客、案件へドリルダウンできる構成にします。権限設計では、役員は全社、事業部長は自部門、拠点長は自拠点という行レベルの制御だけでなく、エクスポート、共有、印刷、管理者権限も確認します。Microsoft公式情報でも、Power BIのRLSは閲覧する行を制限する仕組みであり、ワークスペースの管理者・メンバー・共同作成者・閲覧者の権限は異なるため、ロールを分けてテストする必要があります。

フェーズ4:データ・権限・業務シナリオをテストします

テストは、画面が表示されるかだけでは不十分です。会計や販売の元データとEISの集計値を突合するデータテスト、役割ごとに見える範囲を確認する権限テスト、月次締めや予算変更を再現する業務シナリオテスト、更新遅延や連携失敗を想定する障害テストを分けて実施します。売上、粗利、営業利益、受注残など重要KPIは、少なくとも複数の締め月と例外データで照合し、差異が出た場合の原因と修正担当者を記録します。

受入テストには経営企画、経理、事業部、情報システム、個人情報やセキュリティの担当者を参加させます。経営層には「会議で判断できるか」、現場には「原因を掘り下げて行動できるか」、情シスには「運用できるか」を確認してもらいます。テスト完了の条件は、重大な数値差異が解消していること、権限漏れがないこと、操作手順と問い合わせ先が決まっていること、障害復旧とデータ再取り込みの手順が実行できることです。

フェーズ5:段階的に稼働し、数字を並行確認します

稼働時は、全社のすべての指標を一度に切り替えるのではなく、経営会議で使う売上・利益・予算実績などの優先KPIから始め、対象部門やデータソースを段階的に増やす方法が安全です。最初の1〜2回の月次会議では、旧Excelや従来レポートとEISを並行して確認し、数字の差異を「仕様の違い」「データ更新の遅れ」「元データの誤り」に分類します。差異を隠さず、KPI辞書と運用ルールを更新できる仕組みを作ります。

稼働判定では、利用者アカウント、データ更新の時刻、監視アラート、バックアップ、ログ保存、問い合わせ窓口、障害時の連絡網を確認します。会計や請求データを扱う場合は、電子帳簿保存法やインボイス制度の保存・確認要件、個人データを扱う場合は個人情報保護委員会のガイドラインを踏まえ、法務・税務の専門担当者とも確認します。EISは参照画面でも経営機密を集約するため、外部共有やダウンロードの設定を初期値のままにしないことが大切です。

フェーズ6:会議と業務に組み込み、定着させます

定着化では、研修を一度実施して終わりにせず、実際の経営会議や予算レビューで使うことを運用ルールにします。会議の前にEISを確認し、異常値や予算差異の原因をコメントし、担当者と期限を決め、次回会議で完了状況を確認する流れを作ります。画面の利用率だけを追うのではなく、資料作成時間、会議時間、差異発見までの日数、アクション完了率、予測と実績の差など、意思決定が変わったかを測定します。

毎月または四半期ごとに、KPIの追加・廃止、定義変更、データ品質、利用者の権限、ライセンス数を見直します。AIによる異常検知や自然言語検索を追加する場合も、元データとKPI辞書が信頼できることが前提です。AIの出力を経営判断の自動化と捉えず、異常の候補や分析の入口として使い、最終判断と説明責任は担当者が持つ設計にします。利用されない画面を増やさず、会議で使われる指標に集中することが定着のポイントです。

経営情報システム(EIS)の費用相場とコストの内訳

EISの費用と予算を確認する担当者

EISの受託開発費は公開された定価が少なく、データソース数、KPI数、利用者数、更新頻度、既存マスターの品質、権限の複雑さで変動します。以下のレンジは、NotebookLMリサーチで整理したERP・BI関連の相場、公開ライセンス価格、公開事例をもとにしたEISの予算検討用の目安です。EIS固有の公定価格ではないため、提案依頼時は前提条件をそろえ、要件整理後に再算定します。

スコープ別の初期費用はどれくらいですか?

小規模なPoCであれば、1〜3個のデータソース、10〜30個程度のKPI、1〜3画面、日次更新を前提に、初期費用は300万〜800万円程度が一つの目安です。会計・販売・営業など3〜8個のデータソースを横断し、共通マスター、予算実績、予測、部門別権限まで整える部門横断EISでは、800万〜2,000万円程度が検討レンジになります。いずれも要件・データ品質・会社規模により変動する推定値です。

多拠点・多法人、連結、為替、複雑な権限、監査ログ、計画ワークフローまで含むグループ経営EISでは、2,000万〜5,000万円以上になるケースがあります。会計・販売・購買などの基幹システム刷新まで含む場合は、1,500万〜4,000万円以上が一つの参考レンジですが、大型案件ではさらに増える可能性があります。これらの金額はリサーチノートの整理値であり、対象範囲をEIS単体とERP刷新に分けて見積もることが前提です。

開発費・ライセンス・運用費の内訳は何ですか?

開発費は、要件定義・KPI設計、データ連携・DWH、画面・レポート開発、テスト・移行・教育、プロジェクト管理・セキュリティ・運用設計に分けて確認します。仮置きの配分として、要件定義・KPI設計が10〜15%、データ連携・DWHが20〜35%、画面開発が20〜35%、テスト・移行・教育が15〜25%、PM・セキュリティ・運用設計が10〜20%程度です。合計が必ず100%になる固定ルールではなく、データ整備や権限の難しさを比較するための目安です。

ライセンス費は開発費と分けて、作成者、閲覧者、外部利用者、容量、環境数、契約期間で算出します。Microsoftの日本向け公式価格ページでは、Power BI Proが税抜2,098円/ユーザー/月相当の年払いと表示されています。例えば50人が同じプランを利用する単純計算では、年間約126万円(2,098円×50人×12か月、税抜)ですが、これはライセンスだけの金額です。DWH、クラウド、監視、保守、追加開発、教育を含めると年間費用は大きく変わるため、受託費とサブスクリプションを一つの金額に混ぜないことが重要です。

期間の参考として、IBMが公開するEtihad Airwaysの財務ダッシュボード事例では、データ構造・モデリング、アーキテクチャ、オンプレミスとクラウドのセキュリティ設計を含む構築を9か月で完了したと説明されています。一方、2025年に公表された日本郵船のSAP S/4HANA Cloud導入は経営基盤の刷新であり、EIS単体の期間とは比較できません。公開事例は規模や体制が異なるため、期間の断定材料ではなく、どの工程を含んだ事例かを読む材料として使います。

経営情報システム(EIS)の見積もりを取るポイント

EISの見積もり条件を比較するプロジェクトチーム

EISの見積もりは、金額の安さだけでなく、何を前提にしているかが比較できる形にします。RFPには、目的、利用者と役割、対象業務、KPI一覧、データソース、更新頻度、対象期間、画面数、権限、セキュリティ、連携方式、移行範囲、テスト範囲、稼働希望時期、保守条件を記載します。未確定の項目は「提案してほしい事項」と明示し、各社が同じ条件でリスクを見積もれるようにします。

見積もり前に何を準備すればよいですか?

まず、現行の経営会議資料、Excel集計、元システムの帳票を集め、数字の出どころを確認します。次に、データソース一覧へシステム名、管理部署、接続方法、更新タイミング、過去データの保存期間、欠損・重複の有無、マスターの管理者を記載します。KPIごとに定義と計算式を整理し、経営層が見る指標、部門長が見る指標、現場が改善する指標を分類します。実データのサンプルを渡せると、連携・クレンジング・性能の見積精度が上がります。

もう一つの準備は、成功条件の数値化です。「資料作成を月5営業日から2営業日以内にする」「予算差異の原因特定を翌月から当月中にする」「対象部門の月次ログイン率を一定水準以上にする」など、導入前の現状値と導入後の目標値を置きます。特定の数値を置けない場合は、計測方法だけでも決めておきます。効果が測れないと、画面が完成したことだけが成果になり、定着に必要な改善予算を確保しにくくなります。

開発会社の提案はどの項目で比較しますか?

比較表では、初期費用、月額・年額ライセンス、クラウド・DWH費、データ連携費、マスター整備費、画面開発費、移行費、テスト費、教育費、保守費、追加開発の単価を分けます。見積もりに含まれない前提、別途になりやすい作業、価格が変わる条件も確認します。例えば、Excelのデータクレンジング、過去データの再計算、APIがないシステムとの連携、海外拠点の為替換算、個人情報を含む行レベル権限、外部共有の監査対応は、後から追加費用になりやすい項目です。

提案の技術評価では、実データを使った短期PoCで、KPIの再現性、集計速度、ドリルダウン、権限切り替え、エラー時の表示を確認します。デモ用のきれいなサンプルデータだけでは、実際の欠損やコード揺れを評価できません。会社の規模や知名度よりも、同程度のデータソース数、利用者数、権限要件、導入後の運用体制に近い事例を確認し、担当者が稼働後も支援するかを聞きます。

見積もり後の予算超過をどう防ぎますか?

予算超過を防ぐには、初回リリースの範囲と将来拡張を分け、変更管理のルールを契約前に決めます。KPIを追加するときは、画面だけでなくデータ連携、計算式、テスト、権限、マニュアルの工数が増えることを共有します。要件変更は、目的への効果、追加費用、納期、既存機能への影響を記録し、承認者を決めます。定額開発でも、データ品質の改善や基幹システム側の改修が別範囲になっていないかを確認します。

補助金を使う場合も、採択を前提にした予算計画は避けます。中小企業庁が公表するデジタル化・AI導入補助金2026は、AIを含むITツールの導入を支援する制度ですが、対象者、登録ITツール、対象経費、申請枠、補助率、締切などの要件があります。スクラッチ開発費や独自のデータ整備費がそのまま対象になるとは限らないため、支援事業者と公募要領を確認し、不採択時の自己負担額でも実施できる段階計画にします。

経営情報システム(EIS)についてよくある質問

EIS導入の疑問を確認する担当者

EISの導入では、リアルタイム性、対象企業の規模、Excelからの移行、AIの活用、保守費などがよく質問されます。ここでは、導入判断に直結しやすい疑問へ先に回答します。

EISは中小企業にも必要ですか?

中小企業でも、Excel集計の属人化、拠点別の数字の不一致、月次報告の遅れが経営判断を遅くしているなら、EISの考え方が役立ちます。最初から全社の基幹システムを刷新する必要はなく、会計と販売の2つのデータソース、重要KPI、経営会議の1画面から始めるPoCも選べます。初期費用300万〜800万円程度の小規模レンジはあくまで目安ですが、対象を絞って効果を確認し、必要な領域へ拡張する方が投資判断をしやすいです。

EISはリアルタイムでないと意味がありませんか?

リアルタイム性は目的ではなく、意思決定に必要な更新頻度で決めます。月次の経営会議で使う利益や予算実績は日次や締め処理後の更新で足りる場合があり、在庫、受注、キャッシュ、障害監視などは時間単位やリアルタイムが必要になる場合があります。更新頻度を高くすると連携、性能、監視、クラウド費用が増えるため、KPIごとに「いつ見られれば判断できるか」を決めます。

ExcelのデータをEISへ移行できますか?

移行できますが、Excelをそのまま取り込めば正しいEISになるとは限りません。列名、商品コード、顧客名、部門名、日付、単位、計算式、担当者入力のルールを確認し、重複・欠損・表記揺れを整理します。重要なExcelは元ファイルを保管し、EISへ取り込んだ後の集計値を複数月で突合します。Excelを完全に廃止するのか、予算入力など一部の用途で残すのかも、運用設計として決めておきます。

AIに経営判断を任せられますか?

AIは異常値の検出、予測候補の作成、自然言語による検索、原因分析の補助に活用できますが、経営判断を全面的に任せる設計は避けます。誤ったマスターや未確定データを学習・分析すれば、もっともらしい誤解釈が出る可能性があるためです。KPIの定義、データの更新時刻、予測の前提、AI出力の確認者、判断記録を設計し、AIは意思決定の速度と検討材料を改善する補助役として導入します。

EISの導入後の保守費用はいくらですか?

保守費用は、BIやDWHのライセンス、クラウド利用料、データ連携の監視、障害対応、OS・サービス更新、KPIや画面の追加、問い合わせ・教育の範囲で変わります。初期費用の何%と一律に決めず、月次の定型保守、障害時の対応時間、軽微な変更の上限、追加開発の単価を分けて契約します。利用者数や容量が増えた場合の課金、契約終了時のデータ・設計書の引き渡しも、見積もり段階で確認しておくと安心です。

まとめ

EIS開発の計画をまとめる担当者

経営情報システム(EIS)の開発は、ダッシュボードの画面を作る作業ではなく、経営の判断に必要な数字を定義し、信頼できるデータを適切な権限で届け、会議や業務の行動へつなげる取り組みです。EISとBI、ERP、DWHの役割を切り分け、EIS単体で進める範囲と基幹システム刷新の範囲を明確にします。

6フェーズで成果物と判断基準をつなげます

要件整理では目的とKPI辞書、選定ではRFPと比較軸、設計開発ではデータモデル・画面・権限、テストでは数値・権限・業務シナリオ、稼働では並行確認と障害対応、定着では会議運用と効果測定を整えます。各段階で「誰が承認するか」「何ができれば次へ進むか」を決めることで、画面の追加や要件の膨張を抑えられます。特にKPIの定義、データ品質、権限、運用担当者は、見積もり前から関係部署を巻き込んで確認します。

小さく始め、効果を確認して広げます

予算とリスクを管理するには、経営会議で使う重要KPIを対象にPoCを行い、実データで数字の一致、権限、更新、利用者の反応を確認してから対象領域を拡大する方法が有効です。見積もりは初期開発費、ライセンス、クラウド、連携、移行、教育、保守を分離し、前提条件と追加費用の発生条件まで比較します。自社だけで要件整理やデータモデル設計が難しい場合は、経営課題とシステムの両方を理解する開発会社へ相談し、実データを用いた提案で判断します。

経営情報システム(EIS)は、導入して終わるシステムではなく、経営指標と業務の変化に合わせて改善する基盤です。最初から完璧な画面を目指すのではなく、判断に必要な数字をそろえ、会議で使い、効果を測り、次のKPIとデータソースを追加するサイクルを設計することが、長く使われるEISにつながります。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。