医療機関向け電子カルテシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

電子カルテの費用は、施設規模、連携範囲、移行内容によって、初期0円から1億円超まで変わります。

施設別の費用相場、価格が変わる要因、導入の進め方を順に説明します。全体像を知りたい方は、医療機関向け電子カルテシステム開発の完全ガイドもご覧ください。

▼全体ガイドの記事
・医療機関向け電子カルテシステム開発の完全ガイド

医療機関向け電子カルテシステムの全体像

電子カルテを中心に、診療録や予約・問診など4つの機能を注釈線で示した図。
診療に関わる機能が一つの基幹システムにつながります。

医療機関向け電子カルテは、診療録を電子的に記録する基幹システムです。院内の複数部門が情報を安全に参照し、診療、会計、経営をつなぎます。

費用を考えるときは、まず自院が必要とする業務範囲を発注側で明確にします。

診療所と病院で比べる費用の種類

利用者数や端末数が限られる場合は、初期設定費と月額利用料を軸に比べられます。

  • 主な機能:診療録、予約、問診、レセコン連携、オンライン資格確認などが中心です。
  • 別途確認する費用:端末やプリンター、回線、レセコンの条件、追加の連携です。

エムスリーデジカルは、初期費用0円、月額1万1,800円からのプランを案内しています。

また、レセコン一体型は月額2万4,800円からです(出典: エムスリーデジカル「プランと価格」、2026年確認)。ただし、この公開料金は電子カルテサービス本体の価格で、導入全体の費用を示すものではありません。

病院のシステム範囲:部門連携と継続運用

病院の費用は、院内業務の連携や部門システムとの接続、稼働後の運用体制まで含めて考える必要があります。

  • 院内業務:診療録、看護、処方、注射、検査、画像を連携します。輸血、リハビリ、手術、病床、入退院、医事会計も連携の対象です。
  • 外部連携:PACS、RIS、検査機器、薬剤部門、地域連携、電子処方箋などが含まれます。
  • 継続運用:職種別権限、操作履歴、監査ログ、バックアップ、障害時の手作業への切り替えを要件とします。
  • 導入方式:クラウド型、オンプレミス型、標準パッケージ、個別開発で費用の発生時期が異なります。

機能数だけでなく、データの流れと責任分界が費用を左右します。たとえばクラウド型は、サーバー購入費を抑えやすい一方で、月額費と回線・冗長化の費用が続きます。

オンプレミス型は院内環境を細かく設計できます。

機器更新やバックアップ、パッチ適用、保守要員も、自院の負担になります。

医療機関向け電子カルテシステムの費用相場と内訳

病院向けの電子カルテには、全国一律の定価が公開されていません。

一方で、厚生労働省の令和8年度調査は、病院規模別の導入・運用費用を収集します。同調査は、クラウドネイティブ型とオンプレミス型のTCO比較も研究課題にしています。

ここで示すのは、公開料金と類似システムの費用構造から整理した目安です(出典: 厚生労働省「令和8年度 地域医療基盤総合推進調査事業」、2026年)。

特定ベンダーの確定価格ではありません。

診療所・小規模施設の価格帯:初期0〜800万円程度

診療所向けクラウド型は、本体だけなら初期費用0〜150万円、月額1〜5万円程度が目安です。ただし、施設規模や追加作業を含めると、見積の幅は大きく広がります。

  • 導入時の追加費用:導入支援、端末設定、スキャナー、プリンター、レセコン連携、紙カルテの入力代行が該当します。
  • 連携を増やす場合:無床・有床診療所や小規模施設で、初期100〜800万円、月額5〜30万円程度の仮置きです。
  • 対象と前提:予約、会計、看護、検査、画像が対象で、公開価格の少ない領域を推定したものです。

端末数や診療科、職員数、データ移行、カスタマイズによって金額は変わります。そのため、本体と連携費を分けて見積もると、追加オプションを把握できます。

見積書では、金額が本体だけか、導入支援や連携、移行の作業まで含むかを項目ごとに確かめます。

中小病院の概算レンジ:初期500万〜3,000万円

中小病院の金額は、電子カルテ、医事、看護、検査、薬剤、画像の一部を連携する場合を想定しています。金額のうち、どこまでが初期費用で、どこからが月額・保守に入るかは、見積ごとに分けて確認します。

中大規模病院の目安は、多数の部門、医療機器、病棟、職種、拠点を統合する場合のものです。

  • 中小病院:初期費用の目安は500万〜3,000万円です。
  • 月額・保守:10万〜80万円程度です。要件定義や開発、環境、ネットワーク、端末などが含まれる場合があります。
  • 初期費用の作業:データ移行、操作研修、切り替え支援が含まれることがあるため、見積範囲を確かめる必要があります。
  • 中大規模病院:初期3,000万円〜1億円超。年間の保守・運用費は、初期費用の10〜20%程度が仮置きです。
  • 価格の前提:全国統計の確定相場ではなく、病床、端末、24時間支援、冗長化、災害対策で変わります。データ量、帳票、連携先も条件です。

大規模病院の金額は幅が広く、1億円を超えることもあれば、標準機能中心で抑えられることもあります。

見積書の内訳:初期費用と運用費用

見積書では、初期費用、運用費用、契約終了時の費用を分けて確認します。

  • 初期作業:企画・要件定義、基本・詳細設計、設定・開発、連携、テストが含まれます。データ移行、教育、稼働立ち会いも入ります。
  • 機器・基盤:サーバーやバックアップ装置、端末、バーコードリーダー、プリンターが対象です。無線LAN、VPN、認証基盤、専用回線も含みます。
  • 運用費用:クラウド利用料、ソフト・ハード保守、制度改定、問い合わせ、夜間・休日対応、バックアップ、監視、セキュリティ更新、追加アカウント、データ出力です。
  • 契約終了:データ返却や移行支援が有償の場合があり、5年後の出口も見積条件に入れます。

見積では、範囲と対象外を明記してもらい、機器や回線が別費用になっていないかを確かめます。

ポイント

病院の費用には全国一律の定価がないため、施設区分ごとの概算レンジと、見積に含まれる作業の範囲を分けて読みます。迷ったときは、初期と運用の費用を分けた見積で比べてください。

電子カルテシステムの費用が変動する要因

電子カルテの費用要因を、規模、連携と移行、セキュリティとBCPの3パネルで示した図。
施設規模に加えて、接続や安全対策も見積範囲に関わります。

同じ製品でも、医療機関の条件によって見積金額は変わります。そのため、価格の差をベンダーの高低だけで判断せず、工数とリスクの要因に分けて見ます。

工数の土台:病床数・部門数・端末数

費用に影響する規模の要因は、患者・病床数、利用職種、端末の配置です。患者数や病床数が増えると、同時利用者数や権限パターンも増えます。

  • 画面・帳票:病棟ごとの画面、帳票、ワークフローが増えていきます。
  • テスト・教育:職種が増えると、確認すべき場面と教育の対象が変わります。
  • 端末・ネットワーク:配置場所に応じて、機器費や回線費、アカウント費がかさみます。
  • タブレット運用:充電や紛失対策、画面、認証、無線調査も、費用に含まれます。

診療所では医師が中心ですが、病院では看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師、リハビリ職、医事担当が情報を扱います。

端末は、診察室だけでなく、ナースステーションや病棟、検査室、薬局、受付、訪問車両にも置かれます。

連携・移行・カスタマイズの影響

連携先の仕様と移行データの範囲は、見積の工数や期間に影響します。項目ごとに分けて確認します。

  • 接続先:レセコン、PACS、RIS、検査機器、予約、問診、オンライン資格確認、電子処方箋、会計、地域連携です。
  • 連携仕様:仕様確認、項目変換、異常時処理、総合テストが必要になります。標準規格は将来の費用に影響します。
  • 移行範囲:患者基本情報、病名、処方、検査値、画像、文書、会計情報の対象と年数により、費用と期間が変わります。

HL7 FHIR、SS-MIX2、DICOM、APIなどへの対応を確認するとともに、送受信できる項目と頻度を個別に確かめます。

2025年の土佐病院の事例では、基本情報・診療履歴・会計情報を事業者が担当しました。一方、旧システム固有の書式や貼り付け画像は、必要な期間に絞ったうえで病院側が再作成しました。

すべてを移す前提を見直し、診療上の必要性、検索性、保存義務、作業費を比べます。この比較が、コスト最適化につながります(出典: JBCC「土佐病院の挑戦」、2025〜2026年公開)。

セキュリティとBCPの必須コスト

安全対策は、診療の継続と個人情報の保護を支えるため、費用を削りにくい項目です。導入後に不足が分かると、追加費用と現場の負担が増えます。

  • 必要な対策:多要素認証、役割別権限、暗号化、監査ログ、バックアップ、脆弱性対応、端末管理、ネットワーク分離、復旧訓練です。
  • RFPの記載:ログ保存期間、管理者権限、バックアップ世代数、復旧目標、障害時の紙運用を、発注側が定めておきます。
  • 運用責任:保守接続の認証と、インシデント報告の役割を具体的に決めます。

厚生労働省は2026年6月、ガイドライン第7.0版を公開しました(出典: 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」、2026年6月)。あわせて、医療機関・薬局向けのサイバーセキュリティ対策チェックリストも公開しています。

ポイント

同じ製品でも金額が違うときは、ベンダーの高低より先に、規模と連携・移行の範囲、安全対策のどこに差があるかを見ます。

医療機関向け電子カルテシステム開発・導入の進め方

業務と機能の優先度整理から候補比較、移行と教育、本稼働後の確認へ進む4段階の図。
本稼働までの準備に続けて、稼働後の状況も確かめます。

導入では、契約と設定のあとも、診療を止めない切り替え、部門教育、旧データ、障害時の復旧まで設計します。

開発会社へ相談する前に、現場の代表者と経営層で優先順位を共有しておきます。そうすると、不要なカスタマイズを抑えやすくなります。

要件定義:業務とデータの流れの洗い出し

要件定義では、業務の現状と必要な機能を順に整理します。

  • 業務フロー:診療、看護、薬剤、検査、画像、受付、会計、文書、地域連携を書き出します。
  • 現状の課題:紙、Excel、二重入力、電話確認、手書き転記を洗い出します。
  • 施設区分:無床・有床診療所、中小病院、中大規模病院のいずれかに分けます。
  • 機能の優先度:必須、標準機能で対応、将来検討の3つに分け、独自帳票が業務上必要かを確かめます。

優先順位を決めないままデモや開発へ進むと、要望が膨らみます。その結果、見積と納期が不安定になります。

同じ診療シナリオによる製品と開発会社の比較

候補会社には同じRFPを渡し、同じ条件で製品と支援内容を比べます。

  • 診療シナリオ:初診受付から診察、検査、結果確認、処方、会計、紹介状作成までを実演してもらいます。
  • 操作と機能:入力回数、画面遷移、訂正方法、権限別表示、監査ログが確認の対象です。
  • 見積の区分:標準機能、設定変更、API連携、個別開発に分けた見積を求めます。追加ライセンスや連携費も確認します。
  • 共通条件:初期費用、5年TCO、期間、移行範囲、障害支援を、3社程度に同じ形式で回答してもらいます。

契約終了時のデータ返却も比べておきます。同じ条件を揃えておけば、単純な値引き競争になりにくくなります。

本稼働前の移行・教育・切り替えリハーサル

導入期間と本稼働前後の準備は、施設規模に合わせて計画します。

  • 診療所・小規模施設:標準クラウドなら1〜3か月、規模の小さい施設では2〜6か月が目安です。
  • 病院:中小病院は6〜12か月、大規模病院は12〜24か月以上が目安になります。
  • 本稼働前:病院では移行データを複数回検証し、部門教育、リハーサル、旧システムとの並行稼働、障害時手順の確認まで行います。
  • 受け入れ基準:移行対象と基準を早めに確定し、稼働後の要件追加を避けます。
  • 稼働後:問い合わせ窓口を設け、記録時間、入力漏れ、レセプト返戻、待ち時間、障害件数を確認します。

たとえば、在宅クリニック・無床診療所向けのセコムOWELは、契約から稼働まで最短約1か月と案内されています(出典: セコム医療システム「電子カルテサービス」、2026年確認)。導入では、検査会社との連携や端末購入、事前入力、操作練習、リハーサルなども必要です。

ポイント

要望を広げすぎると見積と納期が不安定になるため、開発会社へ相談する前に優先順位を決め、同じ条件で候補を比べて判断します。

医療機関向け電子カルテシステムのコスト最適化ポイント

コスト最適化とは、安全性、利用定着、制度対応、障害復旧を保ちながら、不要な個別開発と重複投資を減らすことです。安さだけで見積を選ぶこととは区別して考えます。

判断材料には、初期費用だけでなく、5年間のTCOと職員の入力・確認時間も含めます。

標準機能の優先と個別開発の限定

費用を調整できる開発範囲と、維持すべき医療安全の要件は、分けて決めます。

  • 標準機能:業務に合わせられる部分は標準のまま運用し、独自画面や帳票は必要最小限にします。
  • 不足機能:設定変更、外部サービス、API連携、限定開発の順に検討します。
  • 削らない要件:権限分離、監査ログ、バックアップ、電子署名、障害時運用、患者情報の可搬性は外せません。

独自機能は、初期費用に加えて、制度改定時の修正やテスト、保守費も継続して発生します。そのため、標準化する範囲と独自性を残す範囲は、経営層と現場で合意しておきます。

データ移行の範囲と役割分担

移行範囲と作業分担は、データの種類ごとに比べて決めます。

  • 優先データ:患者基本情報と、現行診療に必要な病名・処方・検査値を優先します。
  • 古い文書・画像:別保管、期間限定、必要時に閲覧できる形式から選び、保存義務と診療上の必要性で決めます。
  • 作業分担:抽出・変換・検証を外部に委託する場合と院内で分担する場合を比べ、院内入力の人件費と診療時間への影響も換算します。

外注費が安くても、現場作業が増えて診療に影響するなら、TCOは下がりません。

クラウドとオンプレミスの5年TCO比較

方式ごとの継続費は、共通の5年TCOと同じ条件で比べます。

  • クラウド型:サーバー購入や院内更新を抑え、制度改定・セキュリティ更新を委ねられる場合があります。
  • クラウドの継続費:月額、専用回線、ネット断対策、バックアップ、外部連携費が続きます。
  • オンプレミス型:閉域運用や細かな構成を選べますが、機器更新、保守、電源・空調、バックアップ、障害対応が必要です。
  • 5年TCO:初期費用+月額・保守費×60か月+端末・回線・移行・教育・追加開発・障害対応費です。

TCOには、契約期間、利用者の増加、データ容量、値上げ条件、解約時の返却費も含めます。月額が安くても必ずしも安いとは限らず、職員の負担と更新費も合わせて判断します。

ポイント

削る範囲と残す範囲は、標準機能の優先、移行データの絞り込み、5年TCOと職員負担の比較を合わせて決めます。医療安全の要件は、削る対象から外します。

見積を取る際に確認すべきポイント

見積を比べるときは、金額より先に前提条件を揃えます。同じ製品名でも、連携範囲や移行、支援時間が違えば、別のプロジェクトになります。

比較の出発点になるのは、RFPに条件と対象外を記載することです。

RFPに書く施設条件と診療シナリオ

RFPには、施設の前提、診療シナリオ、見積項目を具体的に書き込みます。

  • 施設条件:病床数、診療科、外来・入院・在宅比率、職種別利用者数、端末台数、既存システム、連携機器です。
  • 移行・稼働条件:移行データの期間、希望稼働時期、ネットワーク、患者シナリオ、異常時の診療継続方法を示します。
  • 回答区分:標準機能、設定、追加開発、外部製品、対象外に分けて回答してもらいます。
  • 見積項目:初期、月額、保守、追加ユーザー、移行、教育、現地支援、制度改定、夜間対応、バックアップ、データ返却の項目ごとに金額を記載します。

導入実績に加えた支援体制と責任分界

事例の近さに加えて、支援担当や運用責任、契約上の条件を確認します。

  • 導入実績:同規模、同診療科、近い連携条件で比べます。納入件数だけで支援力を判断すると、実態を見誤るおそれがあります。
  • 支援体制:要件定義、移行検証、現地教育、稼働後窓口、夜間・休日対応、制度改定、攻撃時の連絡先を確認します。
  • クラウド:保管場所、委託先、バックアップ、復旧目標、回線障害時の代替、保守接続が確認の対象です。
  • オンプレミス:機器の所有者、更新費、パッチ適用の責任、故障時の部品供給、院内担当者を押さえます。

契約書やサービスレベル合意書まで見れば、価格以外のリスクも比べられます。

AI機能の効果と追加コスト

AI機能を導入する際は、業務上の効果だけでなく、追加費用と安全な運用条件も確認します。

  • 期待する機能:音声入力、診療録要約、文書下書き、検索・集計で、入力時間を減らせる可能性があります。
  • 追加費用:利用料、従量課金、連携開発、アクセス制御、ログ保存、精度検証、職員教育が発生する場合があります。
  • 安全な運用:医師や担当者が記録を承認し、誤生成時の修正履歴と参照情報を残します。
  • 導入判断:試用の段階でも本番費用とデータ利用条件を確かめ、外部利用の範囲や手動入力への切り替えを決めておきます。

費用対効果は、確認作業も含めて、どの業務の何分を削減できるかで評価します。

ポイント

見積を比べる前に、施設条件や移行範囲、対象外を同じRFPで揃えておくと、金額の差が前提の差かどうかを見分けられます。

よくある質問

見積では、価格だけでなく施設規模や導入方式、連携、移行、保守の前提を揃えます。ここからは、よくある質問に答えます。

電子カルテシステムの導入費用はいくらですか?

診療所向けクラウド本体は、初期0〜150万円、月額1〜5万円程度が目安です。

病院向けは、初期500万〜3,000万円、大規模病院では3,000万円〜1億円超まで幅が広がります。

病院の価格は、全国統一の相場ではなく、病床と部門の規模、端末や連携によって決まる概算です。移行の範囲、カスタマイズや保守条件も、金額を大きく左右します。

クラウド型とオンプレミス型はどちらが安いですか?

初期費用では、院内にサーバーを買わないクラウド型が低く見えることがあります。ただし、5年間のTCOは施設の条件によって変わります。

比べるときは、次の4項目を同じ条件でそろえます。

  • 初期:サーバーの購入を含む導入時の費用です。
  • 月額:利用料に加え、回線、冗長化、バックアップ、容量、追加連携を含めます。
  • 機器・保守:オンプレミス型では、機器更新や保守要員の費用も必要です。
  • 障害時:対応にかかる費用も、同じ条件で比べます。

古い電子カルテのデータはすべて移行できますか?

移行範囲は、旧システムの出力形式、新システムの項目、データ品質によって異なります。画像や文書の形式、契約条件も影響します。

範囲を絞る方法には、次の2つがあります。

  • 移行の絞り込み:すべてを移す代わりに、基本情報や現行診療に必要な病名・処方・検査値を優先する方法もあります。
  • 古い文書や画像:期間を区切って移すこともできます。

契約前に、対象、検証方法、院内とベンダーの役割、移行外データの閲覧方法を決めておきます。

電子カルテの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

導入期間は、診療所か病院か、施設の規模によって大きく変わります。規模の大きい病院ほど、移行や院内教育、複雑な連携が重なり、期間が延びやすくなります。

  • 診療所:標準的な診療所向けクラウドは1〜3か月、小規模施設は2〜6か月が目安です。
  • 中小病院:6〜12か月です。
  • 大規模病院:12〜24か月以上かかります。移行、院内教育、複雑な連携、並行稼働、診療を止めない切り替えが重なると、さらに期間が延びます。

最短期間だけでなく、稼働後の安定化支援も含めて計画します。

まとめ

診療所向けクラウドは初期0〜150万円、月額1〜5万円程度です。中小病院は初期500万〜3,000万円、大規模病院は3,000万円〜1億円超です。

病院の価格は、固定の相場ではなく、病床と部門の規模、連携と移行の範囲で変わる概算です。端末、開発、セキュリティ、保守も、金額を左右する条件になります。

自院の条件を揃えた3社以上への同じRFP依頼

施設区分と病床数、診療科を整理します。利用者数と端末数、既存システム、連携先も書き出します。

移行期間、必須機能、セキュリティ要件、希望稼働日も書き添えます。そのうえで見積では、初期費用、月額・保守、端末・回線を確認します。

発注側は、移行、教育、追加開発、障害対応、契約終了時のデータ返却も確認します。

安さだけでなく5年後の安全性と運用定着

長期の費用を抑えながら安全性と運用定着を保つには、調整できる範囲と維持する要件を分けておきます。

  • 費用を調整する:標準機能を優先し、個別開発と移行範囲を絞って初期・保守費を抑えます。
  • 安全性を保つ:権限管理、監査ログ、バックアップ、復旧、データ可搬性は、維持すべき項目です。
  • 方式を選ぶ:クラウドとオンプレミスを5年TCOと職員負担で比較します。

▼全体ガイドの記事
・医療機関向け電子カルテシステム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。