鋳造業向け品質管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

鋳造業向け品質管理システムの発注は、課題整理とRFP作成から、候補比較、PoC、段階導入の順に進みます。発注の各段階で、4Mと製品履歴を結び付ける範囲を確かめていきます。

発注の判断は、発注形態と契約、費用、見積の比べ方の順に見ていきます。

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・鋳造業向け品質管理システム開発の完全ガイド

鋳造業向け品質管理システムの概要

鋳造品質管理システムを中心に、材料記録、工程条件、検査結果、4Mと追跡が製品履歴に結び付く図解。
別々の記録を製品履歴でたどれる構成です。

鋳造業向け品質管理システムは、鋳物の製造条件を追跡し、不良原因の分析や流出防止に使う仕組みです。対象は、原材料から溶解、球状化、注湯までの工程です。造型、冷却、仕上げ、検査の工程も含めて、4M情報と製品履歴を結び付けます。

鋳造業向け品質管理システムは、一般的なQMSの検査記録や不適合、是正処置、帳票管理に、鋳造特有の工程データと設備連携を加えたものです。

検査結果と4M・トレーサビリティを結ぶ履歴

材料、工程、検査の情報を、製品履歴としてひとまとめにします。

  • 材料記録:原材料・副資材の受入検査の結果を、材質や成分とともに残します。仕入先とロットも対象です。
  • 工程条件:溶湯の温度や重量、注湯の時刻を記録し、球状化処理と砂処理の条件も含めます。
  • 4Mと追跡:作業者・設備・材料・方法の4Mを、製品や鋳枠、トリベ、ロットに結び付けます。
  • 管理機能:規格・しきい値やアラートから、保留・再検査・不適合・CAPA、承認、変更履歴、成績書まで扱います。
  • 設備連携:PLCや温度計、秤、検査機器を、バーコードやRFID、マーキング設備とつなぎます。

可能であれば、製品1個単位のIDにも関連付けます。設備連携は、転記ミスや入力漏れを抑える助けになります。原因を追うには、製造条件と不良現象を同じ履歴に残しておく必要があります。そうすれば、類似条件の再発防止にもつなげられます。

新東工業のSINTO SMART FOUNDRYは、工程別の品質監視や1枠単位の製造データ、製品不良との紐付けを示しています。さらに、ばらつき・相関分析も挙げています(出典: 新東工業株式会社、2026年確認)。

追跡単位(トリベ・ロット・製品1個)の段階的な選び方

追跡単位は、顧客の要求と製品のリスク、現場の負荷に合わせて決めます。

  • トリベ単位:同じ溶湯を使った範囲を把握しやすく、導入もしやすい単位です。
  • ロット単位:材料や工程条件を、出荷先と照合しやすい単位です。
  • 製品1個単位:マーキングと検査設備の連携が必要ですが、クレーム対象や回収範囲を絞れます。

たとえば、武蔵キャスティング株式会社は、マーキングロボットで製品1個単位の追跡を実現した事例を公開しています(出典: 武蔵キャスティング株式会社、2026年確認)。

すべての会社が、最初から製品1個単位にする必要はありません。判断では、顧客要求や製品の安全性、クレーム調査の時間を比べます。マーキング費用と現場の入力負荷も、判断材料になります。

追跡の範囲は、ライト、標準、高度の三段階から、自社に合うものを選びます。

発注形態の選び方

発注形態は、クラウド・SaaS、製造業向けパッケージ、スクラッチ開発のいずれかから検討します。

形態の判断には、会社の規模に加えて、設備連携や品質記録、例外処理、拠点数も材料になります。

将来の拡張を踏まえ、「早く標準化」か「鋳造独自の工程作り込み」かを決めます。

検査記録と不適合管理から始めやすいクラウド・SaaS

クラウド・SaaSは標準機能から始めやすい一方で、鋳造工程に固有の機能が不足する場合があります。

  • 始めやすさ:社内サーバーを置かず、検査や不適合、承認、帳票を短期間に導入できます。
  • 利用範囲:初期投資を抑えやすく、複数拠点から共通のデータを確認できます。
  • 標準機能の限界:古いPLCの収集、通信断時の入力、独自のロット分割、製品追跡で、標準機能では足りない可能性があります。

導入前に、オフライン保存と、復旧後に重複しない同期を確かめます。

保管場所やバックアップ頻度、権限、監査ログも確認の対象です。

見積では、ユーザー数や拠点数、容量の料金を分けてもらいます。

APIやゲートウェイ、追加帳票の料金も、別々に示してもらいます。

標準機能と連携性のバランス

パッケージ・MESは、標準機能を使いやすい方式です。

標準機能には、工程実績や品質検査、追跡の機能に加え、帳票や承認も含まれます。

導入後の運用モデルも作りやすく、生産管理やERPとも連携できます。

パッケージ・MESは、品質保証と製造で同じ実績を使いたい会社に適しています。

  • 標準機能:工程実績や品質検査、追跡、帳票、承認の機能を、標準で利用できます。
  • 部門連携:生産管理やERPとつなぎ、品質保証と製造が同じ実績を使えます。
  • 例外処理:ロット分割や再溶解、再検査のほか、保留解除、規格改訂、顧客別帳票も、デモで確認します。

標準機能に業務を合わせれば、開発費と更新の負担を抑えやすくなります。逆に、個別改修を重ねると、バージョン更新のたびに検証が必要になります。

RFPでは、標準、設定、追加開発、連携開発の対応区分を、候補会社に回答してもらいます。

独自工程を優先する会社に向くスクラッチ開発

スクラッチ開発では、自社の工程に合わせて作り込める範囲が広くなります。

  • 業務への適合:独自の製品IDや鋳造条件を、設備接続や顧客別成績書、特殊な承認とともに、一つの業務フローにまとめられます。
  • 既存環境との接続:既存システムを残したまま、IoTゲートウェイやAPIで必要な情報をつなげます。
  • 小さく開始:1ラインか1製品群に絞り、検査や保留、検索、帳票発行をMVPにします。
  • KPI:不良率のほか、クレーム原因の調査時間や成績書作成の時間、転記件数、再検査漏れから、導入前後で測れるものを2〜3個に絞ります。

MVP(Minimum Viable Product)は、最小限の機能で価値を検証する段階です。

MVPでは、自由度が高い分、要件定義と保守体制の責任は発注者側も担うことになります。

ポイント

標準機能で足りる工程か、鋳造独自の工程を作り込む必要があるかで、クラウド・SaaS、パッケージ、スクラッチ開発を選び分けます。設備連携や拠点数も判断材料です。

鋳造業向け品質管理システムの発注・外注の進め方

品質管理システムの発注工程を、現場観察とKPI定義、RFP作成、デモとPoC、要件定義と段階リリースの順に示す図解。
候補会社へ依頼する前に現場とKPIを整理します。

機能一覧を渡す前に、現場の事実を整理しておきます。そうすると、候補会社が同じ条件で提案できるようになります。

  1. 現場を観察して、品質課題とKPIを定めます。
  2. RFPをまとめ、3〜4社に提案を依頼します。
  3. デモとPoCで確かめたうえで、契約後に要件定義と段階リリースへ進みます。

初期の段階から、品質保証と製造の代表者を巻き込みます。設備保全や情報システム、購買の代表者も加えます。

作る目的をそろえる現場観察とKPI定義

現場の記録と設備を洗い出し、課題を測れるKPIに置き換えます。

  • 台帳化:紙やExcel、生産管理やERP、検査機器やPLC、温度計と秤の記録を、一覧にします。
  • 現場の記録:誰が、いつ、何を、どの単位で残しているかを、バーコードやマーキング装置を含めて調べます。
  • 課題把握:手入力や転記、後追いの入力、属人的な判断が、どこに残っているかを洗い出します。
  • 接続方法:通信できない設備には、端末入力やCSV取込、IoTゲートウェイを候補に挙げます。
  • KPI:不良率や改鋳、調査や成績書発行、検索にかかる時間、記録漏れを候補にします。

たとえば、半日かかるクレーム調査を何時間まで短縮するかを、目標として定めます。KPIが決まると、製品単位とロット単位のどちらが必要かを検討しやすくなります。

業務フロー・データ・非機能要件を分けたRFP

RFPでは、工場の前提と業務機能、非機能要件を分けて書きます。提案の条件をそろえるためです。

  • 範囲と前提:会社概要や背景、工場・ライン、製品・利用者数を示します。稼働時間や帳票、設備、連携方式、保持期間も伝えます。顧客要求と希望時期も含めます。
  • 機能要件:受入検査から溶湯・砂処理、注湯、検査、不適合、CAPAまでの機能を整理します。
  • 優先度:トレースや帳票、分析を、必須・希望・将来拡張に分けます。
  • 非機能:端末の防塵や防熱、レスポンス、稼働時間を明記します。バックアップや復旧目標、権限、操作ログも、明記しておきます。
  • 運用・保護:通信断や保守、教育のほか、移行とセキュリティの要件も加えます。

候補会社には、標準、設定、追加開発の区分に加えて、対象外と前提条件ごとに回答してもらいます。

デモとPoCによる異常時の運用確認と段階導入

提案書を読むだけでは、現場で動くかは確かめられません。そこで、自社のデータと実際の工程を使ったデモで、提案の中身を確かめます。

  • 製造異常:規格外の品や再検査、ロット分割、設備停止を、デモで試します。
  • 入力・通信:通信断や誤入力、ラベルの再発行、保留解除を試します。
  • 問い合わせ:顧客照会の場面で、現場と品質保証が根拠を確かめます。

作業者の入力と品質保証の検索、設備保全の異常確認を、同じ場で見ます。

PoCの範囲は、1ライン、1製品群、1つの品質課題のいずれかに絞ります。

費用の有無よりも、範囲や期間、成果物、データの扱いを確かめます。

PoCの成果は、本導入で再利用できるかも見ます。

入力時間や欠損、アラート、検索時間を評価します。

原因分析を再現できるかも見て、Go・No-Goを決めます。

ポイント

発注は、現場の観察とKPI定義からRFP、デモとPoCへと、段階ごとに判断を重ねます。各段階で、品質課題と追跡単位を発注側で説明できるかを目安にします。

契約形態(準委任・請負・保守)の使い分け

要件がどこまで確定しているかや、成果物がどれだけ明確かに応じて、契約を分けます。不確実な工程と仕様確定後の開発を同じ条件で結ぶと、費用や責任の問題が起こり得ます。

契約書や仕様書、見積書を一式で確認します。体制表や日程、検収基準も確認の対象です。

要件定義・PoCの準委任契約

準委任契約は、専門家が行う業務に報酬を支払う形態です。調査や整理、設計支援、プロジェクト管理などが対象になります。

  • 向く工程:要件が変わりやすい要件定義と、設備接続が成り立つかを確かめるPoCです。
  • 契約条件:稼働日数や担当者、作業範囲を決め、成果物や報告方法、会議体も取り決めます。
  • 体制・費用:品質保証や設備連携、PMの役割を確かめ、稼働の想定も見ます。
  • 成果物:業務フローやデータ項目一覧、画面一覧、連携一覧を残します。優先順位と概算費用も残します。

完成機能の保証は、準委任の前提に含まれません。そのため、単価だけで比べず、前提と責任を確認します。

ヒアリングやデータ提供が遅れた場合や、想定外の設備調査が出た場合の追加条件も、合意しておきます。

仕様確定後の開発の請負契約と検収条件

請負契約は、合意したシステムや成果物を完成させて検収する工程に向いています。

  • 納品物:基本設計や開発、テスト、移行、操作マニュアルを、一覧で明確にします。
  • 検収試験:機能要件に加えて、異常値や通信断、権限、帳票、検索、バックアップも確認します。
  • 現場受入:性能やセキュリティを含めて、試験期間と、どこまでを誰が受け持つかを定めます。
  • 変更管理:変更の理由や影響、追加費用、納期、承認者を記録します。

粉じんや温度、無線、設備の停止・再起動によって、開発環境とは異なる問題が起こり得ます。仕様変更は、口頭の合意だけに頼らず、契約上の記録として残します。

保守契約のSLAとデータ・知的財産の扱い

稼働後の保守は、契約前に取り決めておく必要があります。特に、品質記録を止められない工場では、SLAに受付時間などを記載します。

  • 運用保守:障害対応や問い合わせ、バックアップ、更新、監視、改修、教育の分担を決めます。
  • SLA:受付時間や一次回答、復旧目標、代替入力、重大障害の連絡先を決めておきます。
  • データ・権利:所有権やバックアップの担当、返却形式、ソースコード、設定の扱いを確認します。
  • 責任と資料:再委託や秘密保持、個人情報、脆弱性対応、引き継ぎ資料の扱いを確認します。

夜間や休日も製造する場合は、稼働の実態と保守の時間帯を照らし合わせます。

構成図やデータ辞書、連携仕様を納品物に含めます。アカウント一覧と復旧手順も、納品物に加えます。

ポイント

要件がどこまで確定しているかで契約を分けます。要件が変わる工程は準委任、仕様が固まった開発は請負、稼働後は保守契約として、それぞれの責任の範囲で選び分けます。

鋳造業向け品質管理システムの費用相場とコスト内訳

鋳造専用システムの公開価格は少ないため、ここで示すのは、一般的な品質管理システムや製造業向けQMS・MESの公開相場を基にした目安です。

金額は、工場数や利用者数、追跡単位によって変わります。設備接続やデータ移行、端末、ネットワークによっても変わります。

帳票やセキュリティ、教育も金額に影響します。費用は、初期費用や連携費用、教育費、保守費、追加開発費に分けて比べます。

方式別の費用の幅(数十万円〜数千万円)

初期費用は、方式や対象範囲によって変わります。そのため、公開相場を目安にして比べます。

  • クラウド・SaaS:初期費用は3万円〜60万円程度で、月額は1ユーザーあたり数千円〜数万円程度です。
  • パッケージ:軽微な設定や改修の場合、ライセンスは数十万円〜300万円程度、設定や改修は100万円〜300万円程度です。
  • 小規模・中規模開発:検査や不良、簡易トレーサビリティに絞る場合は300万円〜700万円、対象を広げた中規模は700万円〜2,000万円程度です。
  • 大規模開発:複数工場やERP・MES・PLCとの連携、SPC、製品1個単位の追跡を含むと、2,000万円を超えます。

大規模開発は、場合により5,000万円以上になる可能性があります。さらに、クラウドでの自動収集や個別帳票、ゲートウェイ、データ移行は、別費用になりやすい項目です。

示した金額は、品質管理システム開発の公開情報と製造業システムの相場を鋳造向けに置き換えたレンジで、鋳造案件の確定価格ではありません(出典: 株式会社ripla「品質管理システム開発の見積相場」、2026年確認)。

設備連携・移行・教育を含めた総額の内訳

初期費用は、開発作業に加えて、現場設備や導入支援も含めて比べます。

  • 開発作業:調査や要件定義、基本・詳細設計、画面、帳票、データベースまでを含みます。
  • 導入作業:PLCやセンサー、検査機器、端末、ネットワーク、移行、テストの費用を確認します。
  • 現場固有費:温度計や秤、マーキング、画像・X線、防塵・防熱、ネットワーク分離にかかる費用を見ます。
  • 支援費:教育や進行管理、保守、接続調査、実機テストを含みます。

公開相場での工程の比率は、要件定義・基本設計が10〜25%、詳細設計が10〜15%です。実装は40〜60%、テストは10〜20%、導入・移行は5〜10%程度です。

設備連携や現場試験が多い案件では、テストや導入の比率が高まります(出典: 株式会社ripla「品質管理システム開発の見積相場」、2026年確認)。見積が安い場合は、要件定義や結合テスト、現場受入に加え、教育や保守が含まれるかを確かめます。

保守・クラウド・追加開発を含むTCO比較

初期費用に加えて、5年または10年のTCOで方式を比べます。

  • 共通費用:利用料やライセンス、監視、バックアップ、保守、問い合わせの費用を含めます。
  • 追加費用:セキュリティ更新や端末交換、追加開発、教育の費用を上乗せします。
  • 運用委託:月額20万円〜50万円が公開目安で、対応時間や拠点、SLA、設備監視の内容で変わります。
  • 保守費:初期費の年15〜25%とする考え方もありますが、契約内容を確認します。

SaaSは、利用者やデータが増えると費用が上がる場合があります。オンプレミスでは、サーバー更新やバックアップ、障害対応の負担が生じます。

パッケージは標準更新を使えますが、個別改修が多いと、更新の検証費が増えます。

ポイント

費用は、方式と追跡単位、設備接続、保守まで含めた総額で比べます。公開相場は目安にとどめ、見積の内訳が同じ項目にそろっているかで判断します。

RFPと見積比較で確認すべきポイント

見積比較でそろえる費用項目、導入条件、前提条件、異常シナリオをカードで示す図解。
「一式」の内訳も同じ項目に分けて照合できます。

合計金額を比べる前に、要件IDごとに各社の回答と金額を対応させます。追跡単位(トリベ・ロット・製品1個)によって範囲が変わるため、未確定の項目について、前提とリスクを見積書に書いてもらいます。

見積項目と前提条件の粒度をそろえた比較

見積と提案は、同じ項目と異常シナリオにそろえてから、差を確認します。

  • 費用項目:ライセンスや要件定義、設計、実装、設備接続、移行の項目を並べます。
  • 導入条件:端末や試験、教育、リリース、保守、追加開発の条件を比べます。
  • 前提条件:工場とライン、利用者、保持期間、連携先を、各社で同じ前提にします。入力、成果物、日程もそろえます。
  • 異常シナリオ:欠損や再検査、改鋳、ロット分割・統合、出荷後のクレーム、設備停止を、同じ条件で試します。

「一式」の表記は、作業内容と成果物の単位に分けてもらいます。対象外のシナリオがあると、追加費用や手戻りにつながる可能性があります。

委託先の選び方(鋳造理解・設備連携・運用支援)

知名度や見積金額に加えて、鋳造理解、設備との連携、導入後の支援を見て選びます。

  • 工程理解:溶湯や砂、注湯、トリベ、欠陥、改鋳、成績書を理解しているかを確かめます。
  • データ設計:4Mと不良の因果を扱えるかどうか、追跡の経験や設備の方式を聞きます。
  • 得意領域:鋳造設備やIoTの会社と、QMS・MES・ERP系のSIerとで、どこが違うかを見ます。
  • 運用支援:紙やExcelからの移行、教育、導入後のKPI、照会できる事例を確認します。

実績は、社名や件数に加えて、課題や対象工程、導入範囲、運用期間を尋ねます。さらに、設備のメーカーや通信方式、トリベ・ロット・製品1個単位の追跡経験も確認します。

問い合わせができる事例があるかも、確認しておきます。

導入後に現場へ定着させる体制

価値が出るのは、現場が正確に入力し、部門間で履歴を判断に使えるようになってからです。

  • 利用支援:リーダーや作業者への教育、マニュアル、FAQ、窓口を用意します。
  • 入力負荷:バーコードや初期値、設備からの収集、タブレット、異常時の入力を組み合わせて、負担を減らします。
  • 定着確認:リリース後の1か月、3か月、6か月の時点で、入力率や欠損率、アラート、検索時間、改善要望を確かめます。
  • 改善運用:利用状況と現場の改善要望を確かめる会議を、契約に含めます。

紙帳票を画面に置き換えても、二重入力が残ることがあります。

OTセキュリティと事業継続の提案条件

設備と接続する場合は、OT環境を守ることと、通信が切れても製造を続けられる設計が必要です。

  • ネットワーク:設備網と業務クラウドを分けたうえで、接続箇所を把握します。
  • アクセス対策:最小権限やMFA、端末管理、暗号化を要件に含めます。
  • 運用対策:バックアップや操作ログ、パッチ管理、復旧訓練のルールを定めます。
  • 事業継続:通信断時の代替入力と、復旧後の同期手順を用意します。

経済産業省は2025年4月、中小規模の製造事業者向けに、工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策の解説書を公表しました。この解説書は、IoT攻撃とサプライチェーンへの波及を踏まえて、対策の始め方と手順を示しています(出典: 経済産業省、2025年)。

セキュリティは、RFP、設計、テスト、保守の各段階に組み込みます。

ポイント

見積は、合計金額よりも、要件IDごとの回答と前提条件がそろっているかで比べます。追跡単位や異常時の扱いが各社で違うなら、比較の前に前提をそろえ直します。

よくある質問(FAQ)

品質課題や追跡単位、設備、現場運用を照らし合わせて、発注方式を決めます。

鋳造業向け品質管理システムの発注費用はいくらですか?

初期費用は、方式や対象範囲によって大きく変わります。クラウド・SaaSとスクラッチ開発では、目安の桁が違います。

  • クラウド・SaaS:初期費用は3万円〜60万円程度です。
  • パッケージ:設定を含め、数十万円〜数百万円です。
  • スクラッチ:小規模は300万円〜700万円程度、中規模は700万円〜2,000万円程度です。

設備接続や製品1個単位の追跡、複数工場、画像・X線検査、ネットワーク対策を含むと、金額は上振れします。上の値は公開相場を基にした目安で、鋳造専用の確定価格ではありません。要件と対象範囲を示し、複数社から見積を取ります。

古い鋳造設備を交換せずにシステム連携できますか?

連携できる可能性はあります。PLC通信やCSVのほか、後付けセンサー、ゲートウェイ、タブレット入力を検討します。候補会社には、設備メーカーや型式、通信方式、出力項目を渡します。設置環境や停止可能時間も伝えます。

実機か同等の環境で接続を検証します。そのうえで、通信断時の入力と復旧後の同期を、デモで確かめます。

最初から製品1個単位のトレーサビリティが必要ですか?

最初から製品1個単位にするとは限りません。

  • 段階導入:顧客要求や製品リスクが許すなら、トリベやロット単位で検査、工程条件、出荷をつなぎます。運用が定着してから、個体単位へ広げます。
  • 初期要件:個体識別が必要な場合は、マーキングや読み取り、検査機器との連携も計画に入れます。

自動車部品などで個体識別が求められる場合や、クレーム対象を絞りたい場合は、初期要件に含めます。

委託先を選ぶときに一番重視すべきことは何ですか?

鋳造工程の理解と、設備や既存システムを含めた運用設計力を重視します。

  • 提案と支援:RFPへの回答に加えて、導入後の教育や保守まで説明できるかを確かめます。
  • 現場対応:異常や再検査、改鋳、通信断、ロット分割などを、デモで再現できるかを見ます。
  • 費用と改善:対象外の作業や追加費用、発注者側の作業を含めた総額と、品質課題の改善見込みを比べます。

まとめ

発注前に品質課題とKPIを定め、4M情報と検査結果をつなぐ追跡単位を決めます。

方式は費用に加えて、設備連携や例外処理、現場入力を見て選びます。拡張性や保守体制も判断材料になります。

RFPでは、機能やデータ、非機能の要件を分けて書き、セキュリティや教育、検収基準も項目ごとに示します。候補会社からは同じ粒度で回答してもらい、条件をそろえて比べます。

発注前の品質課題と追跡単位

現場の課題をKPIに置き換え、トリベやロット、製品1個のどこまで追うかを定めます。必要なデータと将来の拡張を分けておくと、初期費用を抑えながら、設備連携や分析を後から追加できます。

デモ・PoC・段階導入による定着確認

小さく試し、運用と費用を確認してから導入範囲を広げます。

  • 実地検証:異常時のデモとPoCで、入力や設備連携、検索、帳票、復旧を試します。
  • 段階導入:1ラインや1製品群でKPIを確かめたうえで、他のラインや工場へ広げます。
  • 費用判断:設備接続や移行、端末、教育、保守を含めたTCOで比べます。
  • 検証シナリオ:通信断や規格外、再検査、改鋳、ロット分割・統合、クレーム調査を、試す場面として確認します。

現場に定着したデータは、改善やAI活用につなげられます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。