GitHub Actionsのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

GitHub Actionsの導入は、6つのフェーズを順に進めると、安全な自動化につながります。前半は要件整理、選定、設計・開発で、後半はテスト、稼働、定着です。全体像は、GitHub Actionsのシステム開発の完全ガイドでも確認できます。

▼全体ガイドの記事
・GitHub Actionsのシステム開発の完全ガイド

GitHub Actionsのシステムの全体像

GitHub Actionsのシステムを契約・組織管理、自動化基盤、開発対象の3層で示した図。
ライセンスからアプリ・クラウドまで、層ごとに担当と成果物を整理できます。

GitHub Actionsは、GitHub上のイベントをきっかけにワークフローを実行するCI/CD基盤です。ビルド、テスト、デプロイを自動化するプラットフォームとして、GitHub公式ドキュメントでも説明されています(出典: GitHub Docs「Understanding GitHub Actions」、2026年8月確認)。

たとえば、Pull Requestの作成時にテストし、マージ後に成果物を作り、承認後に本番へデプロイする流れを設計できます。ソフトウェアの変更を検査して配送する一連の作業を、こうした流れで自動化できます。

ライセンス・自動化基盤・アプリ開発の3層構成

GitHub Actionsのシステムは、3層に分けて見ると、見積もりと責任分界が明確になります。

  • 契約・組織管理:GitHub Free・Team・Enterprise Cloud・Enterprise Serverなど
  • 自動化基盤:Workflow、Job、Step、Action、Runner、Artifacts、Environments、Secrets、通知
  • 開発対象:アプリ、テストコード、コンテナ、AWS・Azure・Google Cloud・Kubernetesなど

Jenkinsからの移行や安全なクラウド配備には、ライセンス契約だけでなく、組織ルール、IAM、アプリテストの整備も必要になります。未整備のままでは、Workflowを作っても運用が止まってしまいます。

発注側は、提案書で「契約設定」「CI/CDワークフロー」「アプリ・クラウド側の変更」の3つを分けて示してもらい、担当者と成果物を確認します。

Workflow・Runner・Actionの役割分担

Workflowは、YAMLで自動処理を定義し、リポジトリの `.github/workflows` に保存します。処理がいつ始まり、どこで動くかは、開始条件とRunnerの選び方で決まります。

  • 開始条件:Eventとして、push、Pull Request、release、schedule、手動実行などがあります。
  • 実行単位:Jobが実行単位で、StepがシェルスクリプトやActionの処理です。
  • 実行方式:Jobは順次実行のほか、OSや言語をmatrixで分けて並列実行できます。
  • GitHub-hosted Runner:Jobの環境に、GitHub提供のLinux・Windows・macOS仮想マシンを使えます。

self-hosted Runnerは自社のデータセンターやクラウドで使い、OS更新、ネットワーク、容量の管理を自社で担います。隔離、監視、交換も、自社が担う範囲です。選ぶかどうかは、特殊なツールや閉域網が要るか、標準的なWebアプリを短期で回すかで判断します。

導入効果は変更の品質で測る指標

導入効果は、Workflowの数やYAMLの行数ではなく、変更の品質と速度で判断します。導入の前後で、どの指標がどう変わったかを比べます。

  • 変更の速度:Pull Requestからレビュー、テスト、デプロイまでのリードタイム
  • リリースの品質:デプロイ頻度、変更失敗率、障害からの復旧時間
  • 手作業の状況:手作業リリースの回数、テスト漏れの件数

たとえば、本番デプロイを手作業から承認付きの自動処理へ移す、PRごとの静的解析を必須にするといった変更を、業務上の変化に置き換えて考えます。

国内の事例では、はてなが、CI/CDに加えて開発ワークフローの統合や定期実行にもGitHub Actionsを使っています(出典: GitHub「株式会社はてな」導入事例、2022年公開・2026年8月確認)。自社では、まず1〜3リポジトリでPRチェックとstagingデプロイを試し、開発者が使い続けられるかを見てから対象を広げます。

ポイント

導入を判断するときは、GitHubの契約、自動化基盤、アプリ・クラウドの変更を分けて見ます。それぞれの担当と成果物を示してもらうことで、発注側と開発会社の境界を確かめられます。

GitHub Actionsのシステム開発の進め方|6フェーズの流れ

GitHub Actions導入の前半工程を、要件整理、選定、設計・開発、テストの順に示した図。
前段の条件整理と構成選びが、後続の実装・検証につながります。

GitHub Actionsの導入は、要件整理、選定、設計開発、テスト、稼働、定着の順に進めます。各段階では、決めること、成果物、合格判断の担当者を定めておきます。既存のCIを移す場合も、処理をそのままYAMLに書き換えるのではなく、不要な処理を削り、失敗時の復旧まで含めて再設計します。

1. 要件整理|自動化の対象と成功指標

要件整理では、対象と制約を洗い出し、PRを起点にどこまで自動化するかを決めます。

  • 開発環境:リポジトリ、言語、ビルド方法、テスト、ブランチ戦略
  • 運用条件:リリース頻度、デプロイ先、既存CI、秘密情報、ネットワーク制約
  • 関係者と範囲:開発者、プロダクト責任者、クラウド・セキュリティ・監査・運用担当。対象リポジトリ数と本番環境数

特に、対象の数は早い段階で固めるほど、見積もりの精度が上がります。

チェックリストでは、PR時に必須にする静的解析・単体テスト・脆弱性検査を確かめます。あわせて、mainへのマージ条件も見ます。stagingとproductionの承認者も、このときに決めます。

ロールバックは、何分以内に、どの成果物を使って戻すかを決めます。既存のJenkinsやGitLab CIの処理は、すべて移すのか、不要なジョブを廃止するのかを見極めます。Workflowの失敗通知先チャネルと一次対応者も、記録しておきます。

2. 選定|Cloud・ServerとRunner方式の比較

選定では、契約とRunnerの方式、クラウド、導入支援会社を分けて比べます。構成によって、向く要件も確認すべき点も変わります。

  • 標準環境:通常のWeb開発や標準ビルドでは、GitHub Enterprise CloudとGitHub-hosted Runnerが運用負荷を抑えやすいです。
  • 個別要件:self-hosted RunnerやGitHub Enterprise Serverを検討します。
  • ハイブリッド:全てをself-hostedにせず、PRはGitHub-hosted、本番接続だけself-hostedにできます。
  • 支援会社:再販だけか、Workflow実装からIAM、ネットワーク、セキュリティ、教育、保守まで担うかを見ます。
  • 選定成果:失敗・承認待ち・権限不足・成果物破損・ロールバックをデモで試し、候補構成、比較理由、対象外要件、責任分界、概算費用を残します。

選定の際は、社内接続や閉域環境、特殊なハードウェアの制約を確かめます。データの所在地も、あわせて見ます。

3. 設計・開発|再利用できる標準と個別処理の切り分け

設計では、リポジトリごとの処理と組織共通の処理を分けます。Workflowの命名、ディレクトリ、ログ保持期間は規約にします。成果物の命名と失敗通知も規約にします。そのうえで、標準化の範囲と、認証、権限、第三者Actionの扱いを決めておきます。

  • 共通化:Reusable Workflowや社内ActionでNode.js・Java設定、キャッシュ、解析、テスト、コンテナ作成を標準化します。
  • 個別処理:アプリ固有のテストやデプロイ先の差分は入力値で切り替えます。
  • 認証:長期キーだけに頼らず、OIDCでWorkflowごとの短期トークンを発行します。
  • 権限:ステージングと本番の資格情報を分け、GITHUB_TOKENは読み取りを初期値にします。書き込みは必要なJobだけに付与します。
  • 第三者Action:完全なコミットSHAへ固定し、更新担当とレビュー担当も決めます。

production Environmentには、承認者と保護ルールを設定します。GitHub公式リファレンスは、SHA固定、最小権限、OIDCを推奨しています(出典: GitHub Docs「Secure use reference」、2026年8月確認)。

同資料は、Environmentの必須レビューも推奨しています。未検証入力によるスクリプトインジェクション対策も示しています(出典: GitHub Docs「Secure use reference」、2026年8月確認)。

設計書には、権限と秘密情報の扱い、Runnerのネットワーク到達先を書きます。さらに、Actionの更新と監査ログの確認方法も含めます。

4. テスト|正常系・失敗系・権限を本番に近い条件での検証

テストでは、Workflowの起動確認に加えて、実行、配布と権限、運用と記録の順に検証します。

  • 実行とアプリ:構文、ActionとRunnerの組み合わせ、ビルド、単体・結合テスト
  • 配布と権限:成果物受け渡し、stagingデプロイ、production承認、クラウド権限
  • 運用と記録:通知、監査ログ、複数OS・言語のmatrix、外部サービスの制限

matrixでは、全ての組み合わせを確認します。あわせて、意図しない並列実行によって外部サービスの制限に達しないかも見ておきます。

テストケースには、PRの成功と失敗、レビュー未承認、競合デプロイを含めます。さらに、Secrets未設定、Artifact期限切れ、クラウド認証失敗も入れます。

デプロイ途中の通信断やロールバックも試します。加えて、外部Actionの更新で処理が変わるケースと、未信頼のPull Requestから危険なコードが動くケースも確認します。

合格条件は、成功することに加えて、失敗時の通知先、復旧手順、証拠として残すログまで具体化します。

5. 稼働|段階移行と手動の代替手順の用意

移行は、代表チームから順に進めます。段階の広げ方と切り替えの条件、戻し方を先に決めておきます。

  1. 開発環境とstagingで実績を作ったうえで、影響の小さい本番から、重要なサービスへと順に広げます。
  2. 旧CIの停止条件、並行稼働期間、Workflowの版、デプロイ対象のタグやArtifact、変更凍結期間を決めます。
  3. 本番の前に、重大障害や過剰な権限、Runner容量、クラウド制限を確かめます。監視、通知、ロールバック、手動デプロイも、このとき見ておきます。
  4. 停止時に備えて、成功済みArtifactの使い方、クラウド画面やCLIから戻す方法を、連絡先と承認者とあわせてRunbookに記載します。

自動化の狙いは、例外が起きたときにも同じ品質で復旧できる状態をつくることです。そのため、手動の代替手順も用意しておきます。

6. 定着|更新・教育・改善の運用業務への組み込み

稼働後は、更新とセキュリティ確認を定期業務にします。利用量の把握、教育、改善も、運用業務の一部として続けます。定期業務では、更新確認やRunner管理に加えて、定着指標の追跡と利用者への支援も行います。

  • 定期確認:Actionの脆弱性・新バージョン、RunnerのOS・エージェント、GitHubプランと利用量、Secrets、ログ・監査証跡
  • Runner管理:古い版を残さず、イメージ更新、交換、隔離、障害時の再登録を自動化します。
  • 定着指標:PRからマージまでの時間、デプロイ頻度、失敗変更率、復旧時間、手動リリース、テスト待ち、問い合わせ、Runner待ち時間
  • 利用者支援:操作説明、失敗ログ、再実行条件、問い合わせ先を用意し、改善要望をReusable Workflowやテンプレートに反映します。

GitHub Changelogは、2026年6月に、GitHub Enterprise Cloudのself-hosted Runnerに対するバージョン要件を案内しました。

登録には最低バージョンが必要で、適用は2026年9月25日から始まります(出典: GitHub Changelog「Minimum version enforcement timeline for self-hosted runners」、2026年6月)。

実行を続けるには、公開後30日以内の更新が必要です(出典: GitHub Changelog「Minimum version enforcement timeline for self-hosted runners」、2026年6月)。自動更新を無効にしたRunnerや古いVMイメージも、稼働後の定期点検の対象です。

ポイント

次のフェーズへ進む前に、決めること、成果物、合格判断の担当者がそろっているかを見ます。段階を飛ばさず、各フェーズの合格条件を一つずつ満たしてから進めます。

GitHub Actionsのシステム開発の費用相場と内訳

GitHub Actions導入の小規模、中規模、大規模・エンタープライズの3区分と、それぞれの初期費用目安を並べた図。
対象範囲が広がるにつれて、検討する初期費用レンジも上がります。

導入費用には、GitHubの契約に加えて、現状調査、Workflowの実装、既存CIの移行が含まれます。さらに、クラウド認証とRunnerの準備も含まれます。テスト、教育、保守の費用も見込みます。

国内で統一された価格は確認できていないため、次に示す金額は、一般的な業務システムの人月単価と、CI/CD基盤の作業範囲から整理した概算です。税、ライセンス、クラウド利用料の扱いは、個別見積もりで確かめます。

小規模導入の費用目安(50万〜150万円程度)

小規模導入の見積もりは、対象範囲と現在の環境をもとに行います。金額は、対象数と、費用を上げたり抑えたりする条件で変わります。

  • 対象数:1〜3リポジトリ
  • 費用・期間:初期費用50万〜150万円程度、期間2〜6週間程度
  • 範囲を抑えやすい条件:GitHub契約手続きやアプリ修正が少なく、GitHub-hosted Runnerを利用できる場合
  • 費用が上がる条件:既存CIが複雑、テスト不足、IAM未整理、複数環境がある場合

想定する作業は、PR時の静的解析と単体テスト、基本的なstagingデプロイです。さらに、Secrets設定と簡単な操作説明も含みます。

同じリポジトリ数でも、費用が上がることがあります。PoCと本番展開の費用を分け、確認項目を先に決めておくと、導入後に想定外の追加開発を抑えられます。

中規模導入の費用目安(150万〜500万円程度)

中規模導入では、対象数に加えて、標準化や合意形成の範囲で工数が変わります。規模・費用・期間の目安から、別枠になりやすい項目までを見ます。

  • 規模・費用・期間:10〜50リポジトリで150万〜500万円程度、1.5〜4か月程度が目安です。
  • 導入範囲:Reusable Workflow、OIDC、Environment承認の整備と、Jenkins等からの移行を扱います。
  • 工数要因:複数チームのブランチ戦略や権限統一には標準化と合意形成の工数がかかります。
  • 別枠の場合:Enterprise契約、IAM・ネットワーク変更、レジストリ、Artifact保持、セキュリティ検査

導入範囲には、監視・通知、運用手順、開発者教育も含みます。見積書では、共通基盤と個別移行を分けて書き、クラウド設定、教育、保守も別の項目にします。

大規模・エンタープライズ導入の費用想定(500万〜1,500万円以上)

大規模導入では、組織とネットワークの要件、展開範囲が費用と期間を左右します。

  • 基盤・組織:GitHub Enterprise CloudまたはServer、SSO・SCIM、組織ルール、self-hosted Runner
  • 追加要件:ネットワーク隔離、監査、Advanced Security、複数部署への段階展開
  • 費用・期間:初期費用500万〜1,500万円以上、3〜9か月以上のレンジも検討します。

この金額は、一般的な業務システム開発の費用相場と、エンタープライズ向けCI/CD設計の範囲から推定した目安です。一律の公開価格とは異なります。

2026年の料金表では、Linux 2-coreが0.006$/分、Windows 2-coreが0.010$/分です(出典: GitHub Docs「Actions runner pricing」、2026年8月確認)。macOS 3〜4-coreは0.062$/分です(出典: GitHub Docs「Actions runner pricing」、2026年8月確認)。

たとえば、1米ドルを150円としてLinuxを月1万分使うと約9,000円、5万分なら約4万5,000円です。ただし、これはRunner実行料だけの金額です。GitHubプランやActionsストレージ、Packagesは別に確認します。クラウド、導入支援、保守の費用は、別途見積もります。

2026年1月から、GitHub-hosted Runnerの料金は機種により最大39%引き下げられました。

一方で、self-hosted Runner向けの新しいクラウドプラットフォーム料金は、1分0.002米ドルの予定でしたが、再評価のため延期と発表されています(出典: GitHub Changelog「Update to GitHub Actions pricing」、2025年12月・2026年8月確認)。

料金は変更され得るため、見積もり時点の公式料金表と利用量レポートで再計算します。

ポイント

金額は、対象数、既存CIの複雑さ、IAMやテストの整備状況で変わります。比べるときは、この条件をそろえたうえで、初期費用と保守・従量費を分けて見ます。

GitHub Actionsのシステム開発の見積もりで確認するポイント

相見積もりでは、同じ前提条件で比べられる見積書を依頼します。

見積書は、対象リポジトリ、Workflow、環境、Runnerに分けてもらいます。既存CI、クラウド、セキュリティも別々に示し、標準設定と個別開発は混ぜないようにします。教育と保守も、分けて書いてもらいます。

要件が曖昧な段階では、本番構築の確定額を求めず、現状調査、PoC、本番展開の三段階に分けて見積もってもらいます。

リポジトリ単位の対象範囲と成果物

見積依頼書には、どの範囲をどの規模で依頼するかを明記します。開発対象、既存の利用状況、実行環境、運用資料の4つで、前提を揃えます。

  • 開発対象:リポジトリ数、言語、主要フレームワーク、ブランチ数
  • 既存・利用状況:Workflow・Jenkinsジョブ数、Pull Request数、月間デプロイ回数
  • 実行環境:staging・production数、Artifact保存期間、Runner、デプロイ先
  • 運用資料:Runbook、教育資料、移行・ロールバック手順

納品物には、Workflow YAMLやReusable Workflow、社内Actionのソースを含めます。加えて、GitHub組織設定とBranch Rulesetも納品物に入れます。

Environmentと承認ルール、クラウドIAM・OIDC設定も対象です。さらに、IaCとテスト結果も対象に含まれます。

工数は、リポジトリ数だけでなく、共通化する処理と個別対応の量で変わります。そのため、この2つを分類して見積もってもらいます。

成果物については、所有権と保管場所、コメントの有無を契約前に確かめます。さらに、引き渡し後に自社で修正できるかも確認します。

セキュリティと責任分界の金額への反映

セキュリティ要件には、Secretsの登録だけでなく、権限やActionの固定が含まれます。Runnerや監査も含めて一覧にし、見積もりに反映します。

Workflowの権限は、GITHUB_TOKENと、第三者Actionの許可やSHA固定の状態で確かめます。加えて、未検証入力の使用の有無と、Pull Request forkの扱いも一覧にします。

  • Workflowの権限:GITHUB_TOKEN、第三者Actionの許可とSHA固定、未検証入力、fork PR
  • 認証と実行環境:Environment承認、OIDCの信頼条件、Runnerのネットワーク
  • 運用と監査:ログのマスキング、監査ログ、Action更新、脆弱性対応の期限

これらを後から足すと、Workflowの作り直しやRunnerの再構築につながります。

self-hosted Runnerでは、OSパッチや交換の担当を決めます。接続先のネットワークと、利用できるリポジトリも定めます。

GitHub公式資料は、self-hosted Runnerが未信頼のコードで持続的に侵害されるリスクを指摘しています。そのため、公開リポジトリでの利用を避けるよう説明しています(出典: GitHub Docs「Secure use reference」、2026年8月確認)。

自社でインフラ運用を担えない場合は、GitHub-hosted Runnerへの切り替えを考えるとともに、運用保守込みの見積もりを依頼します。

初期費用と保守・従量費を分けたTCOの比較

初期費用、保守費、従量費は分けたうえで、対象範囲と利用量をそろえて比べます。

  • 初期費用:現状調査、設計、実装、移行、テスト、教育
  • 保守費:監視、問い合わせ、障害対応、改善。類似業務システムでは初期費用の年15〜25%程度、または月額5万〜30万円程度から比較します。
  • 従量費:Runner分数、Artifact・Packages量、クラウド費、self-hosted RunnerのVM・ディスク、監視

クラウド料金には、ビルド、ネットワーク、ログの費用が含まれます。

保守費は、GitHub Actionsに固有の公定価格がないため、対象リポジトリや対応時間によって変わります。Runner管理やAction更新の範囲、脆弱性対応、月次レポートの有無でも差が出ます。

月間PR数や1回のテスト時間、matrix並列数を仮置きします。再実行率と保存期間も仮置きし、少ない月、通常月、繁忙月の3パターンで試算すると、単月の安値だけで判断せずに済みます。

ポイント

見積書は、同じ前提条件でそろっているか、項目が分けて書かれているかを見ます。要件が曖昧なら、三段階に分けた見積もりを頼みます。

GitHub Actionsのシステム開発でよくある質問

導入の際には、技術の実装だけでなく、既存環境との境界や運用責任についても質問が寄せられます。導入前に確かめたい疑問には、判断の基準を添えて答えます。

GitHub Actionsは無料で使えますか?

公開リポジトリで標準Runnerを使う場合は無料です。一方、プライベートリポジトリでは、プランに含まれる分数を超えると、Runner、ストレージ、Packagesなどの料金が発生することがあります。

無料かどうかよりも、TCOで判断することが大切です。TCOには、契約プランや月間の実行分数、OSに加えて、Artifact保持期間、クラウド料金、運用費も含めます。料金は変わるため、契約時点の公式料金表と利用量レポートを確かめます。

self-hosted Runnerはどのような会社に向いていますか?

社内ネットワークへの接続や、特殊なOS・ハードウェア・ビルドツール、データ所在地や実行環境の細かな管理が必要な会社に向いています。

ただし、自社でOS更新や脆弱性対応、隔離を担える体制が必要です。容量や監視、交換、ジョブの混在防止も、運用の範囲に入ります。

公開リポジトリや未信頼のコードを扱う場合は、侵害リスクを踏まえて、GitHub-hosted Runnerや一時的な実行環境を優先します。

JenkinsやGitLab CIから移行できますか?

移行はできますが、既存のジョブをそのまま翻訳するだけでは足りません。まず、ジョブやプラグイン、認証情報、成果物を洗い出します。さらに、通知、実行時間、失敗時の手作業も確かめます。

GitHub Actionsで標準化する処理と、廃止する処理を分けます。そのうえで、1〜3リポジトリをPoCにし、テスト結果、キャッシュ、権限、デプロイ、ロールバックを確認してから、共通Workflowとして段階展開します。

社内にYAMLを書ける人がいなくても外注できますか?

外注するなら、Workflowの実装から運用移管まで、どこまでを外注先が支援するかを確かめます。構築の支援に加えて、移管、所有権、運用責任まで範囲を見ておきます。

  • 構築支援:Workflow、要件整理、GitHub組織設定、クラウドIAM、セキュリティ、テスト
  • 移管支援:Runbook、教育、引き渡し、運用移管、問い合わせ
  • 所有権とレビュー:YAML・社内Actionの所有権、コードレビュー
  • 運用責任:Action・Runner更新、障害時の責任分界

目標は、社内の担当者が失敗ログを読み、再実行か手動での復旧かを判断できる状態です。

ポイント

導入を判断するときは、社内で運用を担えるか、既存環境との境界をどこで区切るかを見ます。料金は、契約時点の公式料金表と利用量レポートで比べます。

まとめ|6フェーズで運用できるGitHub Actionsのシステム

GitHub Actionsのシステム開発では、GitHub契約、自動化基盤、アプリ・クラウドの3層を分けて考えます。そのうえで、要件整理、選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6段階で進めます。

先に、PRチェックだけにするか本番デプロイまで含めるか、既存CIをどこまで移行するかを決めておくと、対象範囲と費用を説明しやすくなります。

代表リポジトリと公開前チェックリストでの小さな検証

代表リポジトリを1〜3件選び、小さく検証します。対象は、PR時のテストやstagingデプロイ、production承認、失敗通知、ロールバックです。

公開の前には、GITHUB_TOKENの最小権限と、第三者ActionのSHA固定を確かめます。加えて、OIDCまたは短期認証と、Environment承認も確認します。

Runnerの隔離と更新、Artifact保持期間を見ます。監査ログやRunbook、手動の代替手順も、あわせて確かめます。

自動化後の更新と定着の見積もりへの組み込み

費用は要件によって変わります。検討のレンジは、小規模で50万〜150万円、中規模で150万〜500万円、大規模・エンタープライズで500万〜1,500万円以上です。

  • 概算の見方:金額はいずれも要件範囲から整理した概算です。
  • TCO:GitHubプラン、Runner分数、ストレージ、クラウド、保守、教育を分けて比較します。
  • 定着費用:Action・Runner更新、脆弱性対応、利用量管理、障害復旧、社内教育も運用に含めます。

運用を続けると、GitHub Actionsを長く使える開発業務の基盤になります。

▼全体ガイドの記事
・GitHub Actionsのシステム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。