目標管理システムのパッケージ/クラウド製品一覧

目標管理システムは、パッケージ型とクラウド型に分けられます。比較しやすい具体的な製品はクラウド型が中心で、目標運用の課題、既存ツールとの連携、利用人数や契約条件によって候補が変わるため、課題別に製品を比べて選びます。

方式の違いから料金とPoCまでを順に説明します。詳しくは関連記事も参照してください。

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・目標管理システム開発の完全ガイド

パッケージ型とクラウド型目標管理システムの違い

パッケージ型とクラウド型の導入・運用に関する特徴を4つのパネルに整理した図。自社サーバーへの導入、個別要件への対応、自社で担う範囲、ベンダーによる機能更新を示す。
導入時の自由度と、導入後に担う運用の範囲を並べて確認できます。

パッケージ型は、自社環境への導入や個別構築を含む広い意味で使われます。一方で、クラウド型は、ベンダーが運用するサービスをインターネット経由で利用する方式です。

比較しやすい具体的な目標管理製品は、現在クラウド型が中心です。そのため、ここで取り上げる製品は、内容を確認できるSaaSに限っています。

パッケージ型の自社運用と個別要件への対応

従来型のパッケージは、ソフトウェアを買い切って自社サーバーに導入する形態が一般的です。また、既存の人事システムやタスク管理ツールとの深い連携に対応できる可能性もあります。

独自の目標カスケードの仕組みにも対応しやすいです。ただし、サーバー、監視、バックアップ、バージョンアップを自社で担う範囲が大きくなります。

目標運用では日々の更新が発生します。そこで、導入時の自由度だけでなく、現場の改善要望に継続して応えられる体制と費用も確認しておく必要があります。

クラウド型の短期導入と機能更新への追随

クラウド型は、サーバーを調達しなくても利用を始めやすく、ベンダーによる機能更新も受けられます。製品によっては、標準テンプレートやヘルプ資料で、OKRやMBOの運用ノウハウが提供されています。

このため、初めて目標管理システムを導入する企業も、運用の型を学びながら始められます。もっとも、SaaSを導入しただけで目標運用が定着するとは限りません。自社の更新ルールや1on1の実施サイクルを、システム上のワークフローに組み込む必要があります。

ポイント

社内で運用を担えるか、既存システムと深く連携させたいかで、方式の向き不向きが分かれます。迷ったときは、日々の更新を継続して回せる体制があるかを先に確かめてください。

製品を比較するときの共通の観点

目標運用から1on1までの比較観点を示すチェックリスト。目標運用、1on1連携、更新方法、連携・権限・メンバー側画面の4項目を並べる。
4項目を同じ条件で確かめると、製品ごとの違いを整理しやすくなります。

候補が自社の目標運用に合うかは、同じ観点で比べてはじめて判断できます。そこで、どの製品にも共通する観点をそろえて確認します。

目標設定から進捗更新までのカバー範囲の比較

製品ごとの対応範囲と、更新方式が現場の作業量に合うかどうかを、同じ観点で確かめます。

  • 目標運用:設定からカスケード表示、進捗更新、振り返りまで、どこまで扱えるか。
  • 1on1連携:面談記録や目標との連動範囲。
  • 更新方法:手動入力、コメント付き更新、自動反映の違い。

OKRやMBOなど、自社が使う目標設定の手法は、実際の部門の進め方に当てはめて確かめます。

連携・権限・メンバー側画面の確認

管理者画面が使いやすくても、メンバーが進捗や1on1メモを入力しにくければ、問い合わせが増えて定着しません。そのため、スマートフォン対応、通知、更新リマインドの分かりやすさも確かめます。

チャットやタスク管理ツールとのAPI・CSV連携と、部門別の閲覧権限も比べます。操作ログやデータ出力の範囲も、あわせて見ておきます。また、契約終了時のデータ返却・削除条件も確認が必要です。

詳しい評価の手順は、目標管理システムの選定ポイント・選び方・種類で説明しています。

ポイント

候補を比べるときは、機能の多さより、目標運用から1on1までを同じ観点でそろえて見られるかを優先します。観点がそろわない比較は、判断材料になりにくいためです。

目標管理システムの主要クラウド製品5選

ここでは、2026年7月時点で現行の公式ページと対象業務を確認できた5製品を紹介します。掲載の順番は、優劣を示すランキングではありません。

製品ごとに得意な運用スタイルや料金体系は異なります。そのため、自社の課題と利用条件をそろえてから比べてください。

Wistant(ウィスタント)

Wistantは、OKR・MBOのゴールシートと1on1を一つのツールでつなぎたい企業に向いた製品です。

2026年7月時点の公式サイトでは、初期費用0円と30日間の無料トライアルが掲載されています。ただし、適用条件と最新の価格は、見積もりの際に確認してください。

  • 1on1支援:AIによる準備と振り返りの支援や、ビデオ通話との統合があります。
  • チャット連携:Slack、Microsoft Teams、Chatworkなどとつなげられます。
  • 1on1プラン:月額8,500円(1人あたり)。
  • フルパッケージ:月額10,800円(1人あたり)。

MotifyHR(モティファイHR)

MotifyHRは、エンゲージメント向上を目的とする人材開発基盤に、OKR機能を組み込みたい企業向けの製品です。

公式サイトには、具体的な料金は記載されていません。料金は、資料請求か2週間のトライアルを通じて確かめる必要があります。

  • 目標設定:四半期ごとに、目的(Objective)と重要な結果指標(Key Results)を立てます。
  • 達成率の連動:KRの達成率に合わせて、Oの達成率が自動で変わる仕組み。
  • 面談ログ:上司が交代しても記録が引き継がれ、目標の背景を追えます。

Colorkrew Goals(カラークルー ゴールズ)

この製品を検討するときは、目標の可視化や日々の運用、利用条件の面から、次の特徴を確かめてください。

  • 目標の可視化:全部署のゴールと進捗を一枚のマップにまとめ、経営戦略と現場の行動のつながりを見られます。
  • 進捗共有:部署ごとにゴールとKRを登録し、チェックインで進捗の更新やコメントをやり取りします。
  • 対象企業:既存ツールが複雑で、入力が形骸化している企業が主な対象です。
  • 周辺ツール連携:同社のワークフローや組織図などとつなげられます。
  • 料金確認:公式サイトに具体額はなく、無料デモやトライアルで見極めます。

One人事[タレントマネジメント]

目標管理と人事評価をどう組み合わせるかを考えるなら、機能と料金の条件を先に押さえておく必要があります。

  • 提供会社:2023年にスマカン株式会社から社名変更した、One人事株式会社です。
  • 目標管理:紙やExcelの代わりに、MBO・OKRをクラウドで一元的に管理し、KPIやアクションプランの進捗をグラフで示せます。
  • 人事評価:評価機能とあわせて提供される場合があります。
  • デモ確認:日々の進捗画面と評価期の入力画面、どちらを重視した設計かを見ます。
  • 料金:利用人数や機能で変わるため、個別見積もりが必要です。

WAKUAS(旧1on1navi)

WAKUASは、OKRの連結や共有と1on1を組み合わせたい企業の候補です。

2026年7月時点の公式サイトでは、パフォーマンスプランは初期設定料100,000円、月額50,000円で、50名までです。1on1プランは、初期設定料50,000円、月額25,000円で、こちらも50名までです。

51名以上では、人数に応じて1人あたりの料金が段階的に下がる仕組みも示されています。なお、最新の金額は見積もりの際に確認してください。

  • 表示範囲:全社・組織・チーム・個人別に、OKRを表示できます。
  • 運用支援:進捗の低い対象が分かり、1on1と結びつけてフィードバックできます。

自社の課題別に候補を絞る方法

自社の課題別に目標管理システムの候補を絞る流れ。最も大きな課題を決め、必須要件で2〜3製品に絞り、デモで確かめる。
課題と要件を先に定めることで、デモで確かめる対象が明確になります。

5製品を一度に細かく比べるより、最も大きな課題を一つ決めて、必須の要件で候補を減らすほうが効率的です。課題によって、適した製品タイプは異なります。

進捗の見やすさと形骸化防止を重視する場合

部門をまたぐ目標のつながりが見えず、更新が形骸化している場合は、Colorkrew Goalsのように目標のカスケード表示に強い製品が候補になります。

全社目標から個人目標までが一枚のマップで見られるかを、実際の組織階層を使ったデモで確かめます。

1on1の質向上と評価連携を重視する場合

1on1が形式的な報告で終わってしまう場合は、Wistantのように1on1機能に力を入れた製品、あるいはWAKUASのようにOKRと1on1を連動させる製品を優先します。

評価制度と目標運用を同じ基盤でつなぎたいなら、One人事[タレントマネジメント]も候補になります。評価機能があわせて提供される場合もあります。

どの候補でも、週次の更新がしやすいかは個別に確かめてください。

ポイント

最も大きな課題が一つに決まらないときは、必須要件で2〜3製品に絞ってからデモで比べると、判断がぶれにくくなります。

料金・契約前の確認事項

公開されている価格だけで安い製品を選ぶと、人数が増えたときや外部連携、サポートで想定外の費用が生じることがあります。そこで、月額料金だけでなく、総保有コストで判断します。

総保有コストには、導入準備や移行、教育、日常運用が含まれます。さらに、将来の解約やデータ移行も、判断に入れます。

課金単位の確認

見積もりの場面では、まず課金の仕組みを確かめ、現在、1年後、3年後の想定人数を同じ条件で伝えます。

想定人数がどの区分に当たるかを伝えたうえで、区分をまたいだときの料金変動も確かめておくと、契約後に想定外の値上がりを避けやすくなります。

  • 課金単位:利用者数や管理者数、機能、サポート体制によって異なる場合があります。
  • 見積項目:製品間で、初期費用や最低利用期間、API、導入支援、サポート費用をそろえます。
  • 料金の扱い:非公開の額や要問い合わせの額は、推測で比較表に入れない。
  • 料金体系:WAKUASは人数帯、Wistantはプランごとに、単価や機能範囲が変わります。

データ保持・解約条件の契約書での確認

クラウドサービスでは、目標や進捗、1on1記録などの情報を扱います。そのため、契約前に、権限管理や操作ログ、障害時の復旧を確かめておきます。通信・保存時の保護、委託先、データの保管場所についても、確認項目に入れます。

解約時に、どの形式でデータを受け取れるかも確かめておきます。1on1記録は機微な内容を含む場合があるため、閲覧範囲と保存期間を自社ルールに合わせて設定できるかが大切です。

なお、目標の階層構造や1on1履歴を、CSVなど一般的な形式で出力できるかどうかで、将来の乗り換えの負担が変わります。

ポイント

月額料金の安さだけで決めず、人数が増えた場合や連携・サポートを加えた場合の総額で比べると、契約後のずれを防げます。

デモとPoCによる最終候補の絞り込み

資料で比べて2〜3製品に絞ったら、実際の目標運用シナリオを使ってデモかPoCを行います。その際、マネージャーやメンバー、情報システムにも参加してもらうと、導入後の行き違いを減らせます。

1サイクルを最初から最後まで通す確認

一つの実在に近い部門で、目標を設定するところから振り返りまでを一通り試します。カスケード連携や週次更新も、その流れの中で確かめます。

通常の更新に加えて、更新が滞ったメンバーへの通知も試します。さらに、目標を途中で変えた場合や、部門をまたぐ目標を表示させる場面も確かめます。

メンバー数名に協力してもらい、説明を受けずに進捗を更新できるかを見ます。そこから、マニュアルや問い合わせ窓口に必要な準備が分かります。

導入効果の実測と稟議での活用

PoCの前に、1on1の準備と進捗確認にかかる時間、更新の遅延件数を記録しておきます。PoC後の数値と比べてください。

公開事例の効果は、そのまま自社に当てはめません。そこで、自社の件数と人件費をもとに、削減見込みを算出します。

SaaSを使っても、アカウント管理や仕様変更への対応、問い合わせの一次切り分けは残ります。したがって、これらの運用工数を差し引いて、投資効果を判断します。

ポイント

2〜3製品に絞った後は、マネージャーとメンバーが同じシナリオで操作し、導入効果を事前の数値と比べて判断するのが目安になります。

目標管理システムの製品比較で押さえておきたいポイント

製品一覧から候補を選ぶときは、買い切り型の有無やおすすめ順位より先に、自社の目標運用スタイルと利用規模を同じ条件で比べます。

買い切り型が必要な場合の個別開発との比較

具体的な機能や料金を確かめやすい目標管理システムは、現在クラウド型が中心です。一方、オンプレミスや買い切りが必須なら、要件を整理したうえで、個別開発やハイブリッド構成も比べます。

ハイブリッド構成では、クラウドサービスと基幹システムを組み合わせます。たとえば、クラウド型を前提にして、既存の人事システムやタスク管理ツールとの連携部分だけを個別開発する方法もあります。

最優先課題による製品選び

最適な製品は企業ごとに異なるため、まず最優先課題を決めることが出発点になります。特に、進捗の可視化、1on1の質向上、評価制度との連携のどれを優先するかで、合う製品が変わります。

必須要件で2〜3製品に絞り、同じシナリオのデモかPoCで比べます。口コミサイトの評価点に加えて、自社の目標階層や1on1の頻度を再現した操作感も確かめます。

3年間の総保有コストでの料金比較

各社に同じ利用人数、目標の階層数、連携条件を示し、3年程度の総保有コストを比べます。

比較には、初期費用と月額費用に加えて、データ移行やAPI、サポートの費用も含めます。社内の運用や解約時のデータ出力にかかる費用も、比較に入れます。なお、人数が増えたときやプランを変えたときの追加費用は、契約前に書面で確かめておきます。

まとめ

買い切り型の製品を探し続けるより、継続的に更新されるクラウド型を、自社の課題と運用に合わせて比べるのが現実的です。紹介した5製品は、OKR特化や1on1連携、評価制度との統合など、特徴がそれぞれ異なります。

課題診断から2〜3製品への絞り込み

まず、進捗の可視化不足や1on1の形骸化、評価制度との連携のうち、どれを最優先にするかを決めます。そのうえで、目標運用の粒度や外部連携、料金を同じ質問で比べます。メンバー側のUIや権限管理も加えれば、候補を絞り込めます。

実際の部門でのPoCによる確認

PoCで確かめた内容は、導入の判断材料としてまとめておきます。

  • 運用サイクル:資料上の機能数より、メンバーを含む関係者で更新や1on1を試し、自社の目標運用を一気通貫で処理できるかどうか。
  • 導入効果:削減時間と、導入後に残る運用工数を測ったうえで判断します。

既製のクラウド製品で、独自の評価制度や基幹システムとの連携が実現できない場合は、個別開発やハイブリッド構成も検討します。

riplaは、フルスクラッチ開発の立場から、不足機能の整理や業務に合わせたシステム構築を支援しています。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。