成績管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

成績管理システム開発は、成績を入力・自動計算する機能だけでなく、学籍や履修、出欠、評価確定、帳票出力、保護者・学生への公開までを安全につなぐ業務設計です。成功のポイントは、校種ごとの評価ルールと現場の承認手順を先に整理し、要件整理から定着までを6つのフェーズで管理することです。

本記事では、成績管理システム開発の進め方を、要件整理、製品・開発方式の選定、設計・開発、テスト、稼働、定着の順に解説します。2026年時点で確認できる公開料金や導入事例をもとにした費用レンジ、見積書で確認すべき項目、校種別のチェックリストも紹介しますので、学校法人、自治体、大学、専門学校、学習塾の担当者が企画書やRFPを作成する際に活用できます。

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成績管理システム開発の全体像

成績管理システム開発の全体像

成績管理システムは、児童・生徒・学生の基本情報、所属、履修、試験結果、評定、出欠、指導記録などを一元管理し、成績処理と帳票作成を効率化するシステムです。小中高校では校務支援システムの教務領域、大学・専門学校では学務・教務・学籍管理の成績領域、塾では生徒管理システムの成績・学習記録領域として導入されることが多いです。

成績管理システムとは何ですか?

成績管理システムとは、素点や平常点、課題、出欠、ルーブリックなどの情報を取り込み、学校や教育機関が定めた評価式に基づいて評定、平均、GPA、単位、順位、合否などを計算し、必要な帳票を出力する仕組みです。価値は計算の自動化だけではなく、教員ごとに分かれていたExcelの最新版を統一し、入力・確認・承認・公開の履歴を残せる点にあります。

標準的には、学籍・生徒情報、学年・クラス・学科・コース・担任、教育課程、科目、試験、評価基準、学期・年度などをマスタで管理します。さらに、通知表、指導要録、調査書、成績証明書、会議資料の出力、訂正履歴、権限別の閲覧・編集制御、CSVやExcelの入出力、LMSや出欠システムとの連携までを対象にすることがあります。

校種によって必要な機能はどう変わりますか?

小中高校では、観点別評価、通知表、指導要録、調査書、欠課、学年・クラス単位の成績処理が重要です。大学や専門学校では、履修登録、単位認定、GPA、再試験、転入・編入、留年、卒業判定、成績証明書が中心になります。塾では模試、講習、理解度、保護者向けの成績共有などが重視されます。

そのため、最初から「成績管理システム」という名称だけで製品を比較すると、必要な校種に対応していない、または不要な機能に費用を払う可能性があります。企画書の冒頭に対象校種、学校数、児童・生徒・学生数、教職員数、学期制、評価方式、公開先を明記すると、ベンダーから条件のそろった提案を受けやすくなります。

最初にどこまでをシステム化するか決めます

成績入力だけを置き換えるのか、学籍、出欠、保健、進路、入試、保護者連絡まで統合するのかで、設計も費用も大きく変わります。まず現行業務を「入力する人」「確認する人」「確定する人」「見る人」「出力する帳票」に分け、Excel、紙、既存システム、メールなどの情報の流れを図にします。

特に見落としやすいのが、学期末や年度末だけ発生する処理です。追試や再評価、転入・転出、氏名変更、年度更新、過去年度の訂正、卒業後の証明書発行などを後から追加すると、データ構造や帳票の作り直しにつながります。通常月の業務だけでなく、年間カレンダーで例外処理まで洗い出すことが全体像を固める第一歩です。

成績管理システム開発の進め方を6フェーズで解説

成績管理システム開発の6フェーズ

成績管理システムの開発は、要件を固めて一気に作るよりも、現場で使う画面と帳票を早く確認し、段階的に修正する方が失敗を抑えやすいです。以下の6フェーズでは、各段階の成果物と、次の段階へ進む判断基準を明確にします。

フェーズ1:要件整理で評価ルールと業務フローを固めます

最初に、成績の入力から確定・公開までを業務フローにします。教科担当が素点を入力し、担任が確認し、教務担当が集計し、管理職が承認するなど、実際の役割と権限を整理します。評価式については、観点別評価の扱い、評定の換算、丸め、欠課の扱い、追試・再試験、未受験、転入生、年度途中の科目変更まで具体例で確認します。

成果物は、業務フロー図、機能一覧、データ項目一覧、評価ルール表、帳票サンプル、権限一覧、連携一覧、移行対象一覧です。MUST、SHOULD、WANTに分け、初回リリースで必須の機能を絞ります。帳票は名前だけでなく、実際の様式、項目順、表示・非表示、印刷条件、押印や電子保存の扱いまで添付します。

判断基準:代表的な生徒・学生の成績データを使って、入力、計算、承認、訂正、帳票出力の一連の流れを説明でき、担当者による解釈の差が残っていなければ次のフェーズへ進みます。

フェーズ2:製品・開発方式を選定します

要件をもとに、クラウドSaaS、パッケージの設定・カスタマイズ、オンプレミス、スクラッチ開発、ローコードの適合性を比較します。機能数の多さではなく、対象校種、独自評価式、帳票、データ移行、外部連携、同時アクセス、保守体制、契約終了時のデータ返却を同じ質問票で確認することが重要です。

デモでは、きれいなサンプル画面だけで判断しないようにします。自校の評価式、複数の学期、欠課や追試、訂正履歴、通知表の様式、権限の異なる利用者を使ったシナリオデモを依頼します。候補を2〜3社に絞ったら、同じデータと同じ納品条件で提案・見積もりを受けると、価格差が機能差なのか、作業範囲の差なのかを比較できます。

判断基準:必須要件の対応方法が「標準」「設定」「追加開発」「運用で対応」のどれか明記され、将来の制度変更や帳票変更の費用・期間まで説明されていれば選定を進めます。

フェーズ3:画面・データ・帳票を設計して開発します

設計では、画面、データベース、権限、計算ロジック、帳票、外部連携、ログ、バックアップの仕様を確定します。成績データは単純な点数の一覧ではなく、年度、学期、科目、評価観点、評価者、確定状態、訂正理由を持つため、後から追跡できるデータ構造にします。確定後の修正は上書きせず、誰がいつ何を変更したかを残せる設計が安全です。

開発中は、いきなり全機能を作り切るのではなく、代表的な成績入力画面、集計画面、通知表のプロトタイプを先に確認します。現場の教員が実データに近いサンプルで触ると、項目名が分かりにくい、入力順が実務と合わない、帳票の余白が足りないといった問題を早く見つけられます。プロトタイプでの確認結果は議事録と仕様変更一覧に残します。

フェーズ4:テストで通常処理と例外処理を検証します

テストは、画面が表示されるかだけでは不十分です。単体テスト、連携テスト、帳票テスト、権限テスト、移行テスト、受入テストを分け、業務シナリオで検証します。評価式の境界値、未入力、欠席、追試、再評価、転入・転出、科目変更、年度更新、過去年度の証明書発行など、通常とは異なるケースをあらかじめテストデータに含めます。

成績処理では学期末に利用が集中するため、教員が同時に入力・集計する負荷も確認します。関東学院中学校高等学校の導入事例では、旧システムで試験期間に約50人が一斉アクセスすると動作が重くなり、クラウド版への移行では集中アクセス時の動作も選定理由になっていました(出典: ウチダエスコ「関東学院中学校高等学校 導入事例」、2026年2月)。自校でも想定同時利用者数とピーク時の応答を受入条件にします。

判断基準:重大な不具合が解消され、評価計算と主要帳票が旧運用と突合でき、業務責任者が受入サインを出せる状態になっていなければ稼働日を決めません。

フェーズ5:データ移行と稼働を安全に実施します

稼働前には、移行対象の年度、項目、件数、欠損、重複、コード体系を確定します。生徒・学生IDの重複、氏名変更、転入・転出、旧年度の科目コード、Excelの数式や書式をそのまま移せないケースが代表的な注意点です。移行前後で件数と代表データを照合し、成績、出欠、所属、帳票の出力結果を業務担当者が確認します。

本稼働は、学期末の直前ではなく、問い合わせ対応と修正の時間を確保できる時期に設定します。旧システムやExcelをすぐに消去せず、参照専用の期間、切り戻し条件、障害時の連絡先、手作業に戻す場合の暫定手順を決めます。クラウドの場合は、障害復旧目標、バックアップの頻度、復元テストの結果、サポート受付時間も稼働判定に含めます。

フェーズ6:研修と運用改善で定着させます

稼働後の定着には、全員に同じ操作を教えるだけでなく、教科担当、担任、教務、管理職、事務、システム管理者ごとの研修が必要です。操作マニュアルは機能説明よりも、「学期末に何をいつまでに行うか」「誤入力を訂正するには誰の承認が必要か」「帳票を確定してから印刷するにはどうするか」という業務手順で作ると、現場で使われやすくなります。

問い合わせ窓口、FAQ、年度更新の手順、権限付与・削除の申請、アカウント棚卸し、制度変更時の仕様確認を運用に組み込みます。稼働後1か月、学期末、年度末のタイミングで、入力時間、差し戻し件数、帳票修正件数、問い合わせ内容、未利用機能を振り返ると、追加開発の優先順位を決めやすくなります。

成績管理システムの開発方式はどれがよいですか?

成績管理システムの開発方式

結論として、校種に合う標準機能があり、独自評価式や帳票を設定で吸収できるならクラウド型パッケージが候補になります。複数校で共通化する要件や独自の学務制度が強い場合はパッケージのカスタマイズ、他システムとの複雑な連携や独自業務が中核ならスクラッチ開発を検討します。安さだけでなく、制度変更に追随できるか、5年間の運用負担を含めて判断します。

クラウドSaaSは短期間で標準化したい場合に向きます

クラウドSaaSは、サーバーの保守、バックアップ、更新作業を外部化しやすく、1校や少数拠点で早く始めたい場合に向きます。端末や回線を準備できれば、標準機能の範囲で数か月以内に導入できる場合があります。一方で、月額料金、データ保管場所、海外再委託、API制限、障害時の復旧、契約終了時のデータ返却と消去証明を契約前に確認します。

公開料金の例として、システムディの「School Engine」は、校務支援が小中学校1校あたり月額22,000円、高等学校1校あたり月額44,000円、初期導入費用330,000円(税込)と掲載されています(出典: 株式会社システムディ「School Engine」料金表、2026年7月確認)。これは標準的なクラウド校務支援を比較する起点になりますが、移行、独自帳票、研修、連携が同額に含まれるとは限らないため、見積書の範囲を分けて確認します。

パッケージの設定・カスタマイズは独自要件とのバランスが重要です

パッケージは、学籍、成績、出欠、帳票など学校業務の標準機能を利用できるため、ゼロから作るより要件を整理しやすいです。独自の評価式や通知表に合わせた設定・カスタマイズを加えることで、現場の運用にも対応できます。ただし、カスタマイズを増やしすぎると、バージョンアップ時の検証、制度変更、ベンダー依存の負担が大きくなります。

カスタマイズを依頼する場合は、標準機能でできる部分と追加開発の部分を一覧にし、将来の変更時に誰が保守するかを明記します。帳票の見た目を完全に従来と同じにするのか、業務上必要な項目だけを残して簡素化するのかでも費用が変わります。重要な帳票から優先順位を付け、変更しやすい設計にしておくと長期運用に向きます。

スクラッチやローコードは独自性と保守体制で選びます

スクラッチ開発は、独自の教育制度、複雑な履修・評価ルール、LMSや認証基盤との連携、学校法人独自の業務が重要な場合に適します。反面、要件定義、画面設計、テスト、セキュリティ、制度変更への追随を長期で担う必要があります。開発会社の技術力だけでなく、教育業務を理解する担当者、運用保守の体制、担当者が変わったときの引き継ぎ方法を確認します。

ローコードは、名簿や申請、簡易的なワークフローを段階導入したい場合の選択肢です。ただし、複雑な評定計算、厳密な年度更新、帳票の原本性、個人情報のアクセス制御を汎用台帳だけで置き換えると、後から追加設計が必要になることがあります。まずは補助業務で使い、成績確定の中核処理は受入テストと監査要件を満たす方式で構築します。

成績管理システム開発の費用相場とコストの内訳

成績管理システム開発の費用相場

成績管理システムの全国共通の公的な相場統計は確認できないため、以下は公開料金、学校向け業務システムの導入事例、類似する業務システムの開発工数から整理した目安です。実際の費用は、対象校数、利用者数、独自帳票、評価式、データ移行、連携、研修、保守の範囲で変わります。公開価格と推定レンジを分けて扱うことが大切です。

標準クラウドパッケージは初期30万〜100万円、月額2万〜5万円が目安です

1校で標準機能を導入する場合、初期費用は30万〜100万円、ランニング費用は月2万〜5万円程度が一つの目安です。初期設定、アカウント作成、標準帳票、簡単な操作研修を前提にしたレンジであり、端末、校内ネットワーク、データの整備、個別の帳票変更は別になることがあります。学校数や利用者数に応じて、1校単位ではなく全体契約になる場合もあります。

公開料金と比較すると、システムディのSchool Engineは小中学校が1校あたり月額22,000円、高等学校が月額44,000円、初期導入費用が330,000円(税込)です。これは成績一覧、通知表、指導要録などを含む校務支援の参考値ですが、成績管理だけを切り出した価格や、個別の移行・カスタマイズを保証するものではありません。見積書では、公開料金に含まれる機能と追加作業を分けて確認します。

独自帳票・評価式・連携を含めると300万〜1,000万円が目安です

パッケージに独自帳票、評価式、年度更新、LMSや出欠・保護者サービスとの連携、複数年度のデータ移行を加える場合、初期費用は300万〜1,000万円程度のレンジで見積もられることがあります。専門学校・大学向けに学籍、履修、単位、GPA、証明書まで含める場合は、100万〜500万円程度から上振れするケースがありますが、対象範囲によって幅が大きいため、固定の相場として断定できません。

スクラッチ開発を単独校で行う場合は、要件定義から専用設計まで含めて500万〜2,000万円程度、期間は6〜12か月程度が目安になります。開発会社の工数単価、要件の複雑さ、テスト、移行、研修、保守の範囲を前提にした推定であり、実際の案件は個別見積もりが必要です。費用だけでなく、稼働開始までに必要な担当者の時間も予算に含めます。

複数校の統合型は5年TCOと運用体制で判断します

自治体や学校法人で複数校を統合する場合は、学校ごとの要件整理、ネットワーク・認証、データ移行、研修、運用監視、問い合わせ対応が加わります。福岡市の統合型校務支援システム構築・運用業務委託では、2025年の落札金額が税抜5億8,084万7,000円でした(出典: 福岡市教育委員会「入札結果」、2025年5月)。これは成績管理単体ではなく自治体規模の統合案件ですので、単校の相場と混同せず、規模による価格差を理解する参考にします。

比較では、初期費用と月額だけでなく、5年間のライセンス・クラウド利用料、保守、制度変更対応、帳票追加、研修、データ移行、バックアップ、端末・回線、担当者の運用工数を合計します。月額が安くても、解約時のデータ抽出や追加帳票が高い場合があります。逆に初期費用が高くても、標準機能とサポートで年度更新が安定するなら、総額とリスクの両面で有利になることがあります。

成績管理システムの見積もりを取る際のポイント

成績管理システムの見積もりポイント

見積もりの精度は、ベンダーの計算力より、発注側が条件をどこまで具体化できるかで決まります。最低限、対象校種、校数、児童・生徒・学生数、教職員数、同時利用者数、移行年度、帳票、評価式、連携、研修、保守、稼働希望日を同じ資料にまとめます。

要件定義書とRFPには実データに近い例を入れます

「成績を管理する」「帳票を出力する」といった抽象的な表現だけでは、ベンダーごとに前提が変わります。たとえば、素点から評定を算出する式、評価の丸め、未受験の扱い、観点別評価から評定への換算、追試後の再計算、承認後の訂正方法を、サンプルデータと期待結果で示します。通知表や指導要録は、項目、順番、印刷条件、年度ごとの変更点が分かるファイルを添付します。

移行要件では、何年度分を移すか、旧システムやExcelのどの列を正とするか、欠損値をどう扱うか、移行後に誰が照合するかを明記します。連携要件では、LMS、出欠、保健、入試、進路、認証、保護者サービスとの間で、どのデータをいつ、どの形式で送受信するかを決めます。これらが明確なら、追加費用や納期延長のリスクを抑えられます。

複数社を同じ条件で比較し、対応方法を確認します

比較表には、初期費用、月額・年額、保守、移行、研修、カスタマイズ、連携、追加帳票、制度変更時の費用、データ返却費用を分けて記載します。機能の対応欄は「○」だけで終わらせず、標準、設定、追加開発、外部サービス、運用回避のどれで実現するかを確認します。導入校数や導入年は各社の自己申告であることがあるため、公式掲載値の時点と、近い校種・規模の事例を確認します。

デモや提案審査では、実務シナリオの配点を高くします。教員が成績を入力する、担任が確認する、教務が差し戻す、管理職が承認する、通知表を出力する、確定後に訂正する、という流れを各社に同じ条件で実演してもらいます。画面の見た目だけでなく、操作数、入力ミスの防止、ログの追跡性、問い合わせ時のサポート範囲を評価します。

セキュリティと契約条件を費用と同時に確認します

成績、出欠、健康、家庭、進路などを扱う場合、権限設計とデータ保護は機能要件と同じ優先度です。文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」は、2025年3月に改訂され、教育現場の情報資産の分類・管理、ID・パスワード、SaaS型パブリッククラウド、強固なアクセス制御などを確認する際の基礎になります(出典: 文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和7年3月)」)。

RFPには、通信・保存時の暗号化、MFA、管理者・担任・教務・保護者のロール、閲覧・変更・出力ログ、バックアップ、復旧目標、脆弱性対応、再委託先、データ保存場所、契約終了時の返却・消去証明を記載します。サポート担当者が本番データを見る可能性、障害時の連絡時間、追加の監査やログ保存にかかる費用も確認します。価格だけで選ぶと、後からセキュリティ対策や帳票の追加費用が発生しやすくなります。

成績管理システム導入を成功させるチェックリスト

成績管理システム導入チェックリスト

導入の成否は、システムの機能だけでなく、誰がどのタイミングで確認し、例外時にどう判断するかで決まります。以下のチェック項目は、選定前、稼働前、稼働後の3段階で分けると、抜け漏れを確認しやすいです。

契約前は業務とデータの境界を確認します

契約前のチェック項目:対象校種と対象範囲が明確です。評価式・丸め・追試・再評価・年度更新を説明できます。必須帳票の現物を渡しています。移行する年度とデータ項目を決めています。ピーク時の同時利用者数を想定しています。管理者・教員・教務・保護者の権限を分けています。外部連携のデータ項目と頻度を決めています。初期費用、月額、保守、移行、研修、追加開発、データ返却を分けて比較しています。

この段階で、業務責任者と情報セキュリティ責任者を決めます。教員代表だけでなく、教務、事務、管理職、情報システム担当、個人情報や契約を確認する担当者を含めると、現場の使いやすさと管理面の要件を両立できます。

稼働前は移行・受入・切り戻しを確認します

稼働前のチェック項目:移行前後の件数と代表データを照合しています。成績計算と主要帳票を旧運用と突合しています。権限のない利用者が閲覧・出力できないことを確認しています。学期末の同時アクセスを試験しています。バックアップから復元できることを確認しています。教職員向け研修を完了しています。問い合わせ窓口と障害時の連絡網があります。旧システムの参照期間と切り戻し条件を決めています。

稼働後は利用状況と制度変更を見直します

稼働後のチェック項目:問い合わせ内容を記録しています。利用されていない機能や入力ミスの傾向を確認しています。権限とアカウントを定期的に棚卸ししています。年度更新の手順を実際に実施しています。通知表や指導要録の変更を確認しています。バックアップと復元テストを定期的に行っています。契約・保守の範囲と追加費用を見直しています。教員からの改善要望を優先順位付けしています。

最初から完璧な機能をそろえるより、成績入力、承認、確定、帳票出力という中核業務を安定させ、次に保護者公開や学習分析などを追加する段階導入も有効です。ただし、将来連携するID体系や年度データの持ち方は初期設計で考えておきます。

成績管理システム開発でよくある質問(FAQ)

成績管理システムのよくある質問

成績管理システムは校種や既存業務によって要件が変わるため、導入前に疑問を具体化しておく必要があります。ここでは、費用、Excelからの移行、クラウドの安全性、開発期間に関する代表的な質問に回答します。

Excelで管理していても成績管理システムへ移行できますか?

移行できますが、Excelファイルをそのまま読み込めば完了するとは限りません。生徒・学生ID、科目コード、年度、所属、氏名変更、欠損値、数式や書式を整理し、移行前後の件数と代表データを照合する必要があります。旧ファイルを正とするのか、複数ファイルを統合して新しいマスタを作るのかを先に決めます。

成績管理システムの開発費用はどのくらいかかりますか?

標準クラウドパッケージなら初期30万〜100万円、月額2万〜5万円程度、独自帳票・評価式・連携を含むと初期300万〜1,000万円程度が目安です。単独校のスクラッチ開発は500万〜2,000万円程度を想定する場合がありますが、いずれも公開料金や類似案件から整理したレンジで、確定金額ではありません。移行、研修、保守、5年間の利用料まで含めて見積もります。

クラウド型で成績情報を管理しても安全ですか?

クラウドかオンプレミスかだけで安全性は決まりません。認証、権限、暗号化、ログ、バックアップ、復旧、脆弱性対応、再委託、データの保存場所、契約終了時の返却・消去を、学校や自治体のポリシーに沿って確認することが重要です。文部科学省の2025年3月改訂ガイドラインを基礎に、ベンダーの説明と契約条項を照合します。

成績管理システムの開発期間はどのくらいですか?

標準クラウドパッケージの導入は1〜3か月、専門学校・大学向けの学籍・成績パッケージは3〜6か月、独自帳票や連携を含む場合は4〜9か月、スクラッチ開発は6〜12か月程度が目安です。複数校の統合や大規模な移行では1年以上かかる場合もあります。稼働希望日から逆算するのではなく、要件整理、データ整備、受入テスト、教員研修に必要な期間を含めて計画します。

まとめ

成績管理システム開発のまとめ

成績管理システム開発は、成績の入力画面を作るだけのプロジェクトではありません。校種に合う評価ルール、学籍・履修・出欠との関係、帳票、権限、訂正履歴、データ移行、学期末の集中アクセスを整理し、要件整理、選定、設計・開発、テスト、稼働、定着の6フェーズで進めます。

進め方で押さえるべき要点

特に重要なのは、現場の例外処理を要件に含めること、標準・設定・追加開発の境界を見積書で確認すること、初期費用だけでなく5年TCOで比較すること、セキュリティと契約終了時のデータ返却を確認することです。標準クラウドの初期30万〜100万円、独自要件を含む初期300万〜1,000万円、単独校のスクラッチ500万〜2,000万円というレンジは、企画段階の仮置きとして使い、最終的には自校の条件で相見積もりを取ります。

次に作るべき資料

次のアクションは、対象校種と対象範囲を決め、現行のExcel・紙・既存システムを棚卸しし、代表的な成績データと帳票を用意することです。そのうえで、評価式、権限、移行年度、連携、同時アクセス、稼働希望日をRFPにまとめ、同じシナリオで複数社を比較します。要件と判断基準を先に共有できれば、導入後に「計算はできるが自校の帳票が出ない」「学期末に重くて使えない」といった手戻りを抑えられます。

成績管理を起点に、学籍・出欠・保護者連絡・進路まで統合する場合は、全体の業務設計と段階導入の順序も合わせて検討します。まずは自校の要件を整理し、現場が安心して使い続けられる運用まで含めた開発計画を作ることが、長期的な教育業務の改善につながります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。