成績管理システム開発は、校種ごとの評価ルールを固めてから方式を選び、設計、テスト、移行を経て運用に定着させる流れで進みます。この流れを踏むと、成績処理の効率化と安全な公開につながります。
全体像の次に、6つのフェーズ、開発方式、費用相場を順に見ていきます。
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成績管理システム開発の全体像

成績管理システムは、児童・生徒・学生の基本情報や所属、履修を扱います。試験結果や評定、出欠、指導記録もまとめて管理します。これにより、成績処理と帳票作成の手間を減らせます。
成績管理は、学校や塾の種類によって別のシステムの一部として導入されることが多いです。
例えば、小中高校では校務支援システムの教務領域、大学・専門学校では学務・教務・学籍管理の成績領域、塾では生徒管理システムの成績・学習記録領域にあたります。
成績管理システムの役割
成績管理システムの主な役割は、成績情報を評価ルールに沿って処理し、帳票と履歴をまとめて管理することです。
- 取り込む情報:素点、平常点、課題、出欠、ルーブリック。
- 計算する評価:評定、平均、GPA、単位、順位、合否。
- 管理する業務:帳票の出力と、入力・確認・承認・公開の履歴。
計算の自動化に加えて、教員ごとに分かれていたExcelの最新版をひとつにそろえられる点も、導入の価値になります。
標準的なマスタには、学籍・生徒情報、教育課程、科目を登録します。
成績計算の前提として、学年・クラス・学科に加え、組織、試験・評価、期間の情報も登録します。
- 組織:コース、担任。
- 試験・評価:試験、評価基準。
- 期間:学期、年度。
帳票では、通知表、指導要録、調査書の出力も対象にすることがあります。
成績証明書や会議資料の出力を含める場合もあります。
訂正履歴や権限別の閲覧・編集制御も、対象にすることがあります。さらに、CSVやExcelの入出力、LMSや出欠システムとの連携まで含める場合もあります。
校種ごとに必要な機能
必要な機能は校種ごとに違うため、対象に合わせて優先する領域を決めます。
- 小中高校:観点別評価、通知表、指導要録、調査書、欠課、学年・クラス単位の処理。
- 大学・専門学校:履修登録、単位認定、GPA、再試験、転入・編入、留年、卒業判定、証明書。
- 塾:模試、講習、理解度、保護者向けの成績共有。
製品名だけで比べると、必要な機能が足りなかったり、不要な機能に費用がかかったりします。そのため、企画書には対象校種、学校数、児童・生徒・学生数を明記します。
教職員数や学期制も書き添え、評価方式と公開先も同じ企画書に入れます。
条件がそろうほど、ベンダーからの提案も比べやすくなります。
システム化する範囲の決め方
対象範囲は、システム化する業務と情報の流れを並べて決めます。
- 対象業務:成績入力に加え、学籍、出欠、保健、進路、入試、保護者連絡を検討します。
- 担当者:入力、確認、確定、閲覧、帳票出力を担う人を分けます。
- 情報経路:Excel、紙、既存システム、メールの流れを図にします。
対象業務によって設計と費用は大きく変わるため、場面ごとに確認しておく必要があります。例えば、学期末・年度末の追試や再評価、転入・転出、氏名変更が挙げられます。
年度更新や過去年度の訂正、卒業後の証明書発行も、確認しておく場面です。後から加えると、データ構造や帳票の作り直しにつながります。そのため、年間カレンダーに沿って例外処理まで洗い出します。
成績管理システム開発の6フェーズの進め方
成績管理システムの開発は、要件を固めてから一気に作るより、現場で使う画面と帳票を早めに確認し、段階的に直していく方が失敗を抑えやすいです。
あわせて、6つのフェーズごとに、成果物と次へ進む判断基準を示します。
フェーズ1:評価ルールと業務フローの整理
成績の入力から確定、公開までを図にして、担当者ごとの役割と権限を確かめます。例えば、教科担当が素点を入力し、担任が確認し、教務担当が集計し、管理職が承認する流れがあります。
評価ルールは、例外を含む具体例でそろえておきます。
- 評価換算:観点別評価を評定へ換算する方法と、丸め方。
- 欠課・未受験:評価式でどう扱うか。
- 追試・再試験:実施後の評価方法。
- 在籍・履修変更:転入生や年度途中の科目変更の扱い。
成果物は、業務フロー図、機能一覧、データ項目一覧です。評価ルール表と帳票サンプルも、そろえておきます。権限一覧、連携一覧、移行対象一覧も用意します。
機能はMUST、SHOULD、WANTに分け、初回リリースで必須の機能を絞ります。
帳票は、名前を挙げるだけでなく実際の様式を添付して決めます。
項目順や表示・非表示、印刷条件を決めます。
押印や電子保存の扱いも、添付に含めます。
判断基準:代表データを使い、入力から帳票出力まで一通り説明できるかを確かめます。担当者の解釈に差が残らなければ、次のフェーズへ進みます。
フェーズ2:製品と開発方式の選定
機能の数よりも、同じ質問票で校種や運用条件に合うかを比べます。
- 方式:クラウドSaaS、パッケージの設定・カスタマイズ、オンプレミス、スクラッチ、ローコード。
- 業務適合:対象校種、独自評価式、帳票、データ移行、外部連携。
- 運用条件:同時アクセス、保守体制、契約終了時のデータ返却。
デモは、きれいなサンプル画面だけで判断しないようにします。そのため、自校の評価式、複数の学期、欠課や追試を使ったシナリオを依頼します。訂正履歴、通知表の様式、権限の異なる利用者も、同じシナリオに含めます。
候補を2〜3社に絞ったら、同じデータと同じ納品条件で提案と見積もりを受けます。そうすると、価格差が機能の差なのか、作業範囲の差なのかを比べられます。
判断基準:必須要件ごとに、「標準」「設定」「追加開発」「運用で対応」のどれで応えるかが明記されているかを確かめます。
将来の制度変更や帳票変更の費用と期間まで説明があれば、選定を進めます。
フェーズ3:画面・データ・帳票の設計と開発
成績を点数の一覧にとどめず、画面・データ仕様と変更履歴を追える仕組みとして設計します。
- 仕様:画面、権限、計算ロジック、帳票、外部連携の確定。
- 運用基盤:データベース、ログ、バックアップの仕様。
- 履歴管理:年度・学期・科目、評価観点と評価者、確定状態、訂正理由の記録。
確定後の修正は上書きせず、誰がいつ何を変えたかを残せる設計にしておくと安全です。
開発中は、全機能を一度に作り切るより、代表的な成績入力画面、集計画面、通知表のプロトタイプを先に見て確かめます。現場の教員が実データに近いサンプルで触ると、項目名の分かりにくさや入力順のずれ、帳票の余白不足といった問題を早く見つけられます。プロトタイプでの確認結果は、議事録と仕様変更一覧に残しておきます。
フェーズ4:通常処理と例外処理のテスト
画面が表示されるかだけでなく、業務シナリオに沿ってテストと例外ケースを確かめます。
- テスト種別:単体、連携、帳票、権限、移行、受入の各段階。
- 評価ケース:評価式の境界値、未入力、欠席、追試、再評価。
- 変更ケース:転入・転出、科目変更、年度更新。
- 過去データ:過去年度の証明書発行。
成績処理は学期末に集中するため、同時入力と集計の負荷も確かめる必要があります。
関東学院中学校高等学校では、旧システムに約50人が同時にアクセスすると、試験期間に動作が重くなりました。
クラウド版の選定では、集中アクセス時の動作も理由になりました(出典: ウチダエスコ「関東学院中学校高等学校 導入事例」、2026年2月)。
自校の想定同時利用者数とピーク時の応答も、受入条件に入れます。
判断基準:重大な不具合を解消したうえで、評価計算と主要帳票を旧運用と照合します。
業務責任者が受入を承認してから、稼働日を決めます。
フェーズ5:データ移行と稼働
移行対象と照合の方法を事前に決め、データの不整合を洗い出します。
- 対象範囲:年度、項目、件数、欠損、重複、コード体系の確定。
- 注意データ:重複ID、氏名変更、転入・転出、旧年度の科目コード。
- 移行後確認:件数と代表データの照合、業務担当者による成績・出欠・所属・帳票の確認。
Excelの数式や書式は、そのまま移行できない場合があります。
稼働は、学期末直前を避け、問い合わせ対応と修正の時間をとれる時期に行います。旧システムやExcelの参照期間と、切り戻しの条件を決めます。障害時の連絡先と、手作業に戻す暫定手順も決めます。
クラウドの場合は、障害復旧目標とバックアップ頻度を稼働判定に含めます。
復元テストやサポート受付時間も、同じ判定に加えます。
フェーズ6:研修と運用改善による定着
研修とマニュアルは、利用者の役割に合わせて整えます。操作マニュアルを業務手順に沿って作ると、現場で使いやすくなります。
- 研修対象:教科担当、担任、教務、管理職、事務、システム管理者。
- 学期末作業:いつ、何を行うかの業務手順。
- 訂正・帳票:誤入力の承認と、確定後の印刷手順。
運用には、問い合わせ窓口、FAQ、年度更新を組み込みます。権限申請、アカウントの見直し、制度変更時の仕様確認も、運用の流れに入れます。
稼働後1か月、学期末、年度末に、入力時間や差し戻し件数を振り返ります。帳票の修正や問い合わせ、未利用機能を見ると、追加開発の優先順位を決める材料になります。
成績管理システムの開発方式の選び方
校種に合う標準機能があり、独自の評価式や帳票を設定で吸収できるなら、クラウド型パッケージが候補になります。
複数校で共通化する要件や独自の学務制度が強い場合は、パッケージのカスタマイズを検討します。他システムとの複雑な連携や独自業務が中核なら、スクラッチ開発を検討します。
価格の安さだけでなく、制度変更に追随できるかと、5年間の運用負担を含めて判断します。
クラウドSaaSが向く場合
クラウドSaaSは、サーバーの保守、バックアップ、更新を外部に任せやすく、1校や少数拠点で早く始めたい場合に向いています。
- 導入の速さ:端末と回線があれば、標準機能で数か月以内に導入できる場合があります。
- 契約前の確認:月額、保管場所、海外再委託、API制限、障害復旧の各条件。
- 契約終了時:データ返却と消去証明の扱い。
公開料金の例として、システムディの「School Engine」があります。小中学校は1校あたり月額22,000円、高等学校は月額44,000円です。
初期導入費用は330,000円(税込)と掲載されています(出典: 株式会社システムディ「School Engine」料金表、2026年7月確認)。
標準的なクラウド型の校務支援は比較の起点になりますが、移行や独自帳票が含まれるとは限りません。研修や連携の扱いも含めて、見積書で範囲を分けて確かめます。
パッケージの設定・カスタマイズと独自要件のバランス
パッケージは学校業務の標準機能を使えるため、ゼロから作るより要件を整理しやすい方式です。
- 標準機能:学籍、成績、出欠、帳票の利用。
- 独自要件:評価式や通知表に合わせた設定・カスタマイズ。
- 保守負担:変更を増やしすぎることで生じる、更新検証、制度対応、ベンダー依存。
標準機能と追加開発を一覧にして、将来の変更を誰が保守するかも書き添えます。
帳票を従来どおり再現するか、必要項目に絞るかで費用が変わります。重要な帳票から優先し、変更しやすい設計にしておくと、長く使ううえで役立ちます。
スクラッチとローコードの選び分け
スクラッチ開発は、学校独自の要件や複雑な連携が中心になる場合に適します。
- 適する要件:独自制度、複雑な履修・評価、LMS・認証連携、法人独自業務。
- 長期対応:要件、設計、テスト、セキュリティ、制度変更への対応。
- 体制確認:技術力、教育業務の理解、保守、担当交代時の引き継ぎ。
ローコードは、名簿や申請、簡易ワークフローの段階導入に使えます。
複雑な評定計算や年度更新を汎用台帳だけで担うと、追加設計が必要になる場合があります。帳票の原本性や個人情報の制御も、同様に注意が要ります。
まずは補助業務に使い、成績の確定は、受入テストと監査要件を満たす方式で構築します。
成績管理システム開発の費用相場とコストの内訳

成績管理システムの全国共通の公的な相場統計は確認できません。
示す数字は、公開料金、学校向けの導入事例、類似システムの開発工数から整理した目安です。
実際の費用は、対象校数と利用者数に加え、独自帳票と評価式の範囲で変わります。データ移行や連携、研修、保守の範囲でも変わります。
公開価格と推定レンジは、分けて扱います。
標準クラウドパッケージの費用目安:初期30万〜100万円、月額2万〜5万円
1校で標準機能を使う場合、初期費用は30万〜100万円、月額は2万〜5万円程度が目安です。
- 含む前提:初期設定、アカウント作成、標準帳票、簡単な操作研修。
- 別費用の例:端末、校内ネットワーク、データ整備、個別帳票の変更。
- 契約単位:学校数や利用者数によっては、全体契約になる場合があります。
例として、School Engineは、小中学校が1校あたり月額22,000円、高等学校は月額44,000円です。初期導入費用は330,000円(税込)です。
これは成績一覧、通知表、指導要録などを含む校務支援の参考値で、成績管理だけの価格ではありません。個別の移行やカスタマイズは保証されないため、公開料金の対象機能と追加作業は分けて確かめます。
独自帳票・評価式・連携を含む費用の目安:初期300万〜1,000万円
独自機能や連携を加える場合、対象範囲ごとに初期費用の目安が異なります。
- 追加要件:独自帳票、評価式、年度更新、LMS・出欠・保護者サービス連携、複数年度移行。
- パッケージ拡張:初期300万〜1,000万円程度になる場合があります。
- 学籍・成績領域:専門学校・大学向けは、100万〜500万円程度から上振れする場合があります。
対象範囲による幅が大きく、固定相場とは断定できません。
単独校のスクラッチ開発は、500万〜2,000万円程度、期間は6〜12か月程度が目安です。この推定は工数単価と要件の複雑さに左右され、テストや移行、研修、保守の範囲でも変わります。
実際の案件では個別見積もりを取り、稼働までに必要な担当者の時間も予算に含めます。
複数校の統合型での5年TCOと運用体制
複数校を統合する場合は、単校の導入と違う費用要素や運用条件を確かめます。
- 追加作業:校別要件、ネットワーク・認証、移行、研修、監視、問い合わせ対応。
- 比較期間:初期費用に加えて、ライセンスや運用費を5年で集計。
- 判断材料:データ返却費や追加帳票を含めた総額とリスク。
福岡市の統合型校務支援システム構築・運用業務委託は、2025年に税抜5億8,084万7,000円で落札されました(出典: 福岡市教育委員会「入札結果」、2025年5月)。
これは成績管理単体ではなく、自治体規模の統合案件です。そのため、単校の相場とは分けて、規模による価格差の参考にします。
5年TCOでは、ライセンスやクラウド利用料、保守を合計します。制度変更と帳票の追加も、総額に含めます。バックアップや端末・回線、担当者の運用工数も、合計に入れます。
月額が低くても、解約時のデータ抽出や追加帳票の費用が高くなることがあります。逆に、初期費用が高くても、標準機能とサポートで年度更新が安定すれば、総額とリスクの面で有利になる場合があります。
成績管理システムの見積もりを取る際のポイント
見積もりの精度は、ベンダーの計算力よりも、発注側が条件をどこまで具体化できるかで決まります。
最低限、同じ資料には対象校種、校数、児童・生徒・学生数を書きます。教職員数と同時利用者数、移行年度も加えます。
帳票と評価式、連携の条件も書きます。研修と保守、稼働希望日も、同じ資料にまとめます。
要件定義書とRFPに入れる実データに近い例
要件が抽象的なままだと、ベンダーごとに前提が変わります。実データに近い例で、期待する結果を示します。
- 評価例:評定算出式、丸め、未受験、観点別評価からの換算。
- 例外処理:追試後の再計算、承認後の訂正方法。
- 帳票見本:通知表・指導要録の項目、順番、印刷条件、年度変更。
移行要件には、対象年度と正とする列を書きます。欠損値の扱いと、移行後の照合担当も記載します。
連携先には、LMS、出欠、保健、入試があります。進路、認証、保護者サービスとの連携も含みます。送受信するデータ、時期、形式を決めます。
要件が明確であれば、追加費用や納期延長のリスクを抑える助けになります。
複数社の同条件での比較と対応方法の確認
比較表では、費用項目と機能の実現方法を分け、各社の提案範囲をそろえます。
- 費用項目:初期、月額・年額、保守、移行、研修、カスタマイズ、連携、追加帳票、制度変更、データ返却。
- 対応方法:標準、設定、追加開発、外部サービス、運用回避の別。
- 導入実績:公式掲載値の時点と、近い校種・規模の事例。
デモでは、教員の入力から確定後の訂正まで、同じ実務シナリオを各社に実演してもらいます。見た目だけでなく、操作数や入力ミス防止を評価します。ログの追跡性や、問い合わせ時のサポートも見ます。
セキュリティと契約条件の確認
成績や出欠、健康、家庭、進路の情報を扱うため、権限とデータ保護を一緒に確かめます。
- ガイドライン:2025年3月改訂版を、教育情報の管理基準として参照。
- アクセス管理:ID・パスワード、情報資産の分類、強固なアクセス制御。
- 契約・運用:暗号化、MFA、ログ、バックアップ、再委託、保存場所、返却・消去。
文部科学省のガイドラインは2025年3月に改訂されました。そこで、文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン(令和7年3月)」を、情報資産や認証、SaaS、アクセス制御の確認基準として参照します。
RFPには、通信・保存時の暗号化やMFAを記載します。管理者・担任・教務・保護者の権限と、閲覧・変更・出力のログも書きます。
バックアップや復旧目標、脆弱性対応も明記します。再委託先と保存場所、契約終了時のデータ返却・消去証明も書き添えます。サポート担当者による本番データの閲覧、障害時の連絡時間、追加の監査やログ保存の費用も確かめます。
価格だけで選ぶと、後からセキュリティ対策や帳票の追加費用が発生しやすくなります。
成績管理システム導入を成功させるチェックリスト

導入の成否は、システムの機能だけでなく、誰がどの時点で確認し、例外時にどう判断するかで決まります。確認項目は、選定前、稼働前、稼働後の3段階に分けると、抜け漏れを見つけやすくなります。
契約前の業務とデータの境界の確認
契約前は、業務要件と見積条件を、観点ごとに確かめます。
- 対象と評価:校種・範囲、評価式、丸め、追試、再評価、年度更新の定義。
- 資料と移行:帳票見本、移行年度、対象データ項目の確定。
- 利用と権限:ピーク同時利用者数と、管理者・教員・教務・保護者の権限。
- 連携と費用:連携データ・頻度と、初期・月額・保守・移行・研修・開発・返却費。
この段階で、業務責任者と情報セキュリティ責任者を決めておきます。
教員の代表だけでなく、教務や事務、管理職を含めます。情報システム担当や個人情報・契約を確かめる担当者も加えると、現場の使いやすさと管理面の要件を両立できます。
稼働前の移行・受入・切り戻しの確認
稼働前は、移行と受入、障害対応の準備を項目ごとに確かめます。
- 移行・受入:件数と代表データの照合、計算・帳票の旧運用との確認。
- 権限・負荷:閲覧・出力権限と、学期末の同時アクセスの試験。
- 復旧・研修:バックアップの復元確認と、教職員研修の完了。
- 連絡・切り戻し:問い合わせ窓口、障害連絡網、参照期間、切り戻し条件。
稼働後の利用状況と制度変更の見直し
稼働後は、利用状況と制度変更を観点ごとに、定期的に見直します。
- 利用状況:問い合わせ、未利用機能、入力ミスの傾向の記録。
- アカウント:権限と登録情報の定期的な見直し。
- 更新・復旧:年度更新、帳票変更、バックアップ・復元の確認。
- 契約・改善:保守・追加費用の見直し、教員要望の優先順位付け。
まず成績入力、承認、確定と帳票出力を安定させ、その後に保護者公開や学習分析を加える段階導入も有効です。将来連携するID体系や年度データの持ち方は、初期設計の段階で考えておきます。
成績管理システム開発でよくある質問(FAQ)
成績管理システムは校種や既存業務によって要件が変わるため、導入前に疑問を具体化しておく必要があります。代表的な質問として、費用やExcelからの移行、クラウドの安全性、開発期間をまとめました。
Excelで管理していても成績管理システムへ移行できますか?
移行できますが、Excelファイルをそのまま読み込めば完了するとは限りません。
生徒・学生IDや科目コード、年度、所属を整理し、氏名変更や欠損値も確認します。数式や書式の扱いも決めたうえで、移行前後の件数と代表データを照合する必要があります。
旧ファイルを正とするのか、複数ファイルを統合して新しいマスタを作るのかを先に決めます。
成績管理システムの開発費用はどのくらいかかりますか?
標準クラウドパッケージなら初期30万〜100万円、月額2万〜5万円程度、独自帳票・評価式・連携を含むと初期300万〜1,000万円程度が目安です。
単独校のスクラッチ開発は500万〜2,000万円程度を想定する場合がありますが、いずれも公開料金や類似案件から整理したレンジで、確定金額ではありません。
移行や研修、保守、5年間の利用料まで含めて見積もります。
クラウド型で成績情報を管理しても安全ですか?
安全性は、クラウドかオンプレミスかという形態より、確認の中身で決まります。認証や権限、暗号化を確かめます。ログやバックアップ、復旧も見ます。
脆弱性対応や再委託先、データの保存場所も確かめます。契約終了時の返却・消去も確認します。
学校や自治体のポリシーと文部科学省の2025年3月改訂ガイドラインを基礎に、ベンダーの説明と契約条項を照合します。
成績管理システムの開発期間はどのくらいですか?
開発期間は方式や対象範囲で変わるため、目安を踏まえて準備期間を組みます。
- 標準クラウド:1〜3か月。専門学校・大学向け学籍・成績パッケージは3〜6か月。
- 独自帳票・連携:4〜9か月。スクラッチ開発は6〜12か月程度。
- 複数校の統合・大規模移行:1年以上かかる場合があります。
稼働希望日からの逆算だけで考えず、要件整理やデータ整備の期間も見込みます。受入テストや教員研修の期間も、計画に含めます。
まとめ
成績管理システム開発では、入力画面以外の業務と運用も設計します。校種別の評価や学籍・履修・出欠を整理します。帳票、権限、訂正履歴、移行、学期末の負荷も、あわせて整理します。
全体は6フェーズで、要件整理から始め、設計・開発、稼働へと進みます。製品選定とテストは稼働の前に、定着は稼働の後に位置づけます。
- 製品と開発方式の選定
- 通常処理と例外処理のテスト
- 研修と運用改善による定着
進め方で押さえる要点
要件と見積もりを照らし合わせ、費用と運用上の判断材料を押さえます。
- 要件と見積もり:例外処理を含めた、標準・設定・追加開発の境界。
- 長期運用:5年TCO、データ保護、契約終了時の返却。
- 標準・独自要件:目安は、初期30万〜100万円、独自要件込みで300万〜1,000万円。
- スクラッチ:単独校は500万〜2,000万円を仮置きし、自校条件で相見積もり。
次に作るべき資料
RFPを作る前に、対象と資料をそろえ、比較の条件も同じにします。
- 対象整理:校種とシステム化する範囲の決定、Excel・紙・既存システムの一覧化。
- サンプル準備:代表的な成績データと帳票。
- RFP作成:評価式、権限、移行年度、連携、同時アクセス、稼働希望日の記載。
- 提案比較:同じシナリオで複数社を評価。
要件を共有しておくと、自校の帳票が出ない、学期末に動作が重いといった手戻りを抑えられます。
成績管理から学籍・出欠・保護者連絡・進路まで統合する場合は、全体設計と段階導入の順序も検討します。自校の要件を整理し、継続利用できる運用を含めて計画することが、教育業務の長期的な改善につながります。
▼全体ガイドの記事
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
