保健指導支援システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

保健指導支援システムの開発費用は、初期20万円〜3,000万円超まで幅があります。金額を左右するのは、方式、連携と移行の範囲、機能とセキュリティの要件です。

費用相場から見積もりの取り方までを順に解説します。全体像は保健指導支援システム開発の完全ガイドもご覧ください。

▼全体ガイドの記事
・保健指導支援システム開発の完全ガイド

保健指導支援システムの費用を考える前に知っておきたい全体像

保健指導支援システムは、健診結果から対象者を抽出し、初回面談、継続支援、評価、報告、請求までを管理する仕組みです。健診結果を保存するだけのシステムとは、扱う範囲が異なります。

支援の抜け漏れを防ぎ、専門職が対象者への支援に時間を使える状態を作るのが目的です。そのうえで、どこまでをシステム化するかを先に決めると、必要な費用の範囲が見えやすくなります。

特定保健指導向けと産業保健向けの区別

見積もりの対象を分けるため、まず保健指導の範囲を明確にしておきます。

  • 特定保健指導:40〜74歳を対象に、階層化や法定報告を管理する範囲。
  • 産業保健:面談記録や就業判定などを含む、健康管理全般。

特定保健指導では、動機付け支援と積極的支援の進捗を管理します。さらに、ポイントやアウトカム評価、法定報告、請求データの出力も欠かせません。

産業保健全体を扱う場合は、従業員マイページ、面談記録、就業判定、ストレスチェック、再検査勧奨などが加わります。

機能が増えると、比較対象は健康管理システム全体に広がり、費用も変わります。

両者を区別せずに依頼すると、不要な機能が含まれたり、第4期の報告・請求機能が抜けたりします。

対象者の発生源と提出先は、健康保険組合、自治体、健診機関ごとに異なります。特定保健指導の実施機関や企業の健康管理部門も、発生源と提出先が一つではありません。

見積もり依頼書には運用主体と制度上の役割を書いておくと、提案の前提がそろいます。

費用に影響する主な機能

費用を比べるときは、標準機能と追加機能を分けて見るのが基本です。

  • 基本機能:取込、抽出、利用券、予約、対面・オンライン面談、履歴、未返信アラート、報告、請求を扱える機能。
  • 追加機能:メール、SMS、チャット、アプリ、食事・体重・歩数のライフログ、ダッシュボード、AI入力補助など。

追加機能で利便性は高まる一方、設計・連携・運用支援の費用も増えます。画面以外にも、データ変換、重複除去、権限、操作ログ、バックアップが必要になります。

障害時の復旧や制度改定時のアップデートも、業務継続に直結します。そのため、見積もりでは機能一覧と非機能要件を分けて確認します。

保健指導支援システムの費用相場の目安

標準機能中心からフルスクラッチまで、保健指導支援システムの4構成と導入費用の目安を並べた図。
構成の違いが、導入費用帯の幅に表れます。

保健指導支援システムの費用は、標準機能中心なら20万〜120万円程度です。連携や移行を含むクラウド導入では200万〜800万円程度、独自開発を含む場合は500万〜3,000万円超が目安です。

ここで示す金額の根拠となる公開価格と導入事例は、2026年時点で確認できる情報です。このレンジは、公開価格と業務システム一般の工数をもとにした予算検討用で、特定の会社が提示する確定価格ではありません。

見積もりを比べるには、対象者数や拠点数、端末数などの前提をそろえます。機能、データ形式、セキュリティ要件も、同じ条件で伝えます。

公開価格から見る標準パッケージの相場

公開価格と継続料金を分けて見ると、標準構成同士の比較が進みます。

  • HealthECO:1台のパソコンで80万〜120万円の価格例。
  • SaaS:初期20万〜100万円、年間36万〜150万円程度。

株式会社アリトンシステム研究所は、HealthECO特定保健指導システムの価格を掲載しています。ただし、この価格例は必要な機能数や端末数で料金が変わり、追加ライセンスも必要になります。

80万〜120万円は1台・標準構成の比較材料で、複数端末、データ移行、連携、保守を含む総額とは分けて考えます。

出典は株式会社アリトンシステム研究所「特定保健指導システムの価格」、2026年確認です。

クラウド型SaaSは初期費用を抑えやすい一方、月額または年額の料金が続きます。さらに、対象者数や支援件数に応じた従量費、初期設定、研修、データ取込費も加わります。

公開価格を示さないサービスも多くあります。そのため、最低利用料や対象者登録料のほか、アプリ利用料と制度改定対応費も確認します。

解約時のデータ返却費も含めて、月額だけで判断しないようにします。

連携・独自開発を含む場合の相場

連携本数や独自業務の範囲によって、初期費用と開発期間が広がります。

  • クラウド導入:連携や移行を含めた場合で、200万〜800万円程度。
  • 準スクラッチ:独自業務を組み込んだ場合で、500万〜1,500万円程度。
  • フルスクラッチ:自組織向けに作り込んだ場合で、1,500万〜3,000万円超。

健診データや予約システムに加えてXMLや独自帳票を扱うと、費用が広がります。権限、アプリ、分析を含める場合も、費用は増えます。

APIがなく、CSV形式も不統一な場合は、データ変換と個別テストが必要になります。連携だけで、数十万〜数百万円規模の追加費用になることがあります。金額は連携本数とデータ品質で変わるため、「1連携いくら」とは言い切れません。

開発期間の目安は、パッケージ導入が1〜3か月、連携を含むクラウド導入が3〜6か月です。準スクラッチは6〜12か月、フルスクラッチは9〜18か月程度が目安になります。

要件確定の速さ、データ移行の難易度、受入テストの体制によって、期間は前後します。

第4期特定健診・特定保健指導は2024年度〜2029年度の期間で運用されており、厚生労働省は電子的な標準様式やXMLスキーマを公開しています。出典は厚生労働省「電子的な標準様式 第4期」、2026年確認です。

基本情報と特定保健指導情報の範囲を確認します。決済情報と提出用アーカイブについても、範囲を決めておきます。対応範囲が曖昧なまま始めると、後から検証と修正の費用が発生します。

ポイント

予算を考えるときは、標準機能か連携・独自開発かで金額帯が大きく変わる点を先に押さえます。そのうえで、対象者数や端末数などの前提をそろえ、公開価格と見積もりを分けて比べます。

保健指導支援システムの費用内訳

要件定義・設計・開発から、データ連携・移行・帳票、導入支援・教育・保守へ積み重なる費用工程の図。
総額の内側にある作業を、工程ごとに確認できます。

見積書は総額だけでなく、企画から保守までを項目ごとに分けて読みます。企画、設計、開発、連携、移行の各区分は作業の内容ごとに、テスト、教育、保守の各区分も同じように分けて見ます。

対象者支援と事務処理を扱うため、画面数が少なくても、データ項目や例外処理は多くなりやすい領域です。内訳を分けておくと、安く見える見積もりに必要な作業が含まれているかを判断できます。

要件定義・設計・開発の人件費と工数

要件定義では、現場の業務フローをもとに、必要な機能と不要な機能を分けます。

  • 業務整理:抽出、再予約、催促、電話支援、途中離脱の扱いを洗い出します。
  • 開発範囲:画面、帳票、通知、権限、検索、集計、監査ログの範囲。

支援者の交代や請求前の差し戻しを整理しておかないと、開発会社は見積もりを多めに組みがちです。

現場の専門職と事務、情報システムの担当が、同じ業務フローを確認します。

設計・開発費には、対象者画面、指導者画面、管理者画面が含まれます。帳票と通知も入ります。

要件定義や設計に費用を多く割くほど、後の仕様変更を抑えやすくなります。

誰が、いつ、どのデータを、どの帳票に使うかを固めると、予測精度が高まります。

データ連携・移行・帳票の費用

データ取込では、ファイルをアップロードしたあとに、項目や形式をそろえます。

  • 形式の確認:項目名、単位、日付、コード、欠損、識別番号の点検。
  • 移行範囲:対象期間、項目、重複、紙資料の扱いと、移行後の検証方法。

過去5年分をすべて移行するか、現年度分だけにするかで、作業量は変わります。

第4期のXML入出力や報告書、請求データは、協会けんぽなど提出先ごとの帳票も含めて扱います。仕様書の版数とテストデータを確かめておきます。

第4期仕様には、特定保健指導情報ファイル、決済情報ファイル、共通XMLスキーマがあります。

出典は厚生労働省「電子的な標準様式 第4期」、2026年確認です。入力から検証、出力、エラー修正まで含むかを、見積書に明記してもらいます。

導入支援・教育・保守の費用

本稼働の前には、初期設定と登録、権限の設定が必要です。研修やマニュアル、問い合わせ窓口も用意します。

  • 導入支援:複数拠点の研修や運用ルールの統一を、見積もりに含めます。
  • 保守運用:利用料、監視、送信料、制度対応、追加開発の範囲。

対象者が数百人でも、支援者や事務担当が複数拠点に分かれると、調整に時間がかかります。旧システムやExcelとの並行運用、障害時に紙や電話へ切り替える手順も対象になります。

ランニングコストには、SaaSの月額・年額利用料のほか、クラウドやバックアップ、監視が含まれます。メール、SMS、アプリも対象になります。

ヘルプデスクや制度改定への対応、脆弱性対応、追加開発も、継続費用になります。

買い切り型でも、保守契約やOS・ミドルウェア更新の費用は残ります。年間保守は、初期開発費の5〜15%程度を目安とするケースもあります。

割合は対象範囲やSLAで変わるため、対応時間と作業内容も確認します。

ポイント

費用内訳は、要件定義から保守まで項目ごとに分けて読みます。安く見える見積もりに、連携、移行、テスト、教育の作業が含まれているかを確かめると、後からの追加費用を減らせます。

保健指導支援システムの費用が変動する要因

年間300件の単一拠点と、年間1,000件を複数拠点で扱う実施機関では、性能・権限・運用支援の内容が異なります。

価格に影響する要因を先に整理しておくと、機能を増やすか標準機能に合わせるかを判断しやすくなります。

見積もりでは、各観点を数値か条件で伝えます。

対象者数・拠点数・利用者数

対象者数は、料金体系と性能設計の両方に関係します。SaaSでは登録人数や支援件数、パッケージでは端末やライセンス数が価格に反映されます。

  • 件数:年間の新規対象者数と、月間の面談数。
  • 利用量:同時ログイン数と、健診結果の保管年数。
  • 課金単位:人数、件数、端末、ライセンス、データ量、同時接続数ごとの区分。

1人あたりの支援履歴やライフログの量も、データ量と費用に影響します。

複数拠点では、本部、拠点担当者、対象者の閲覧権限を分けておく必要があります。権限を分けると、そのぶん認証とテストの作業が増えます。

利用者数は「職員10人」と書くだけでなく、管理者や支援者、事務、外部委託先、対象者など、役割ごとに分けて伝えます。

スクラッチでは、データ量と同時接続数も価格に反映されやすくなります。

連携・セキュリティ・制度対応

既存システムとの接続方式と、個人情報に必要な対策で費用が変わります。

  • 連携方式:API・CSVの別、リアルタイムか日次か、エラー修正の担当者。
  • 安全対策:認証、暗号化、ログ、バックアップ、脆弱性対応の各対策。
  • 制度対応:第4期XMLと独自帳票の対応範囲。

連携の対象は、健診、予約、面談などの業務データです。周辺では、メール・SMSのほか、人事・労務、会計や請求の仕組みも対象になります。第4期XMLを標準機能で使う場合と、独自の提出フローを作る場合では、作業量が異なります。

健康診断結果や指導記録は、慎重に扱う必要があります。そのため、アクセス制御や二要素認証、通信と保存時の暗号化を確認します。

操作ログやバックアップ、脆弱性診断、委託先管理、漏えい時の連絡体制も確認します。

SaaSでは、保管場所や再委託先、可用性を確かめます。復旧目標とデータ返却の方法も見ておきます。

公益財団法人兵庫県健康財団は、年間約1,000件の特定保健指導を行っています。第4期の見直しに合わせて、オンプレミスからクラウドへ移行した導入事例もあります。

この事例は、自動送信やリアルタイムの実施状況共有、アプリ、支援・進捗管理、XML作成を包括的に行える事例です。出典は株式会社エヌアイデイ「公益財団法人兵庫県健康財団 導入事例」、2026年確認です。

費用は、製品の規模ではなく、課題と運用水準に対してどの費用がかかるかで判断します。

アプリ・AI・対象者サポートの有無

アプリやチャットは記録を集めやすくする一方で、開発と運用の費用が増えます。

  • アプリ運用:開発、審査、保守、同意、アカウント発行の各工程。
  • 代替手段:電話、紙、対面、メールを残す場合の運用の増加。

食事、体重、歩数、運動の記録は自動で集められます。ただし、入力データの品質管理が必要になります。全員がアプリを使えるとは限らないため、問い合わせ対応と代替手段を設計します。

ライフログテクノロジーの「カロミル保健指導」は、面談予約や支援記録を案内しています。報告・請求データの出力、健診データの取込やアプリ連携についても、案内があります。

同社の調査では、アプリ連携対象者のアンケート回答率は約7割、作業時間は4時間削減と掲載されています。出典はライフログテクノロジー「カロミル保健指導」、同社調べ、2026年確認です。

これは特定サービスの効果であるため、自組織のKPIで検証します。

ポイント

費用が変わる主な要因は、対象者数や拠点数、連携の範囲、セキュリティ要件です。機能を増やすか標準機能に合わせるかは、これらの数値や条件を伝えたうえで決めます。

保健指導支援システムの開発・導入の進め方

要件定義、小規模PoCと受入テスト、移行・教育・並行運用の順に進む導入手順の図。
移行へ進む前に、PoCと受入テストで運用上の課題を確かめます。

費用を抑えながら導入するには、業務整理から移行と教育まで、順番に進めることが基本です。パッケージやSaaS、連携を含む導入、準スクラッチ、フルスクラッチのいずれでも、先に優先順位を決めます。

要件定義での対象者数と必須業務の確定

要件定義では、既存環境や提出先、面談方法を一覧にします。

  • 規模:対象者数、実施件数、支援者数、拠点数の整理。
  • MUST:取込、対象者管理、予約、支援履歴、評価、進捗アラート、帳票、XML、権限、ログ。
  • WANT:アプリ、AI分析、ウェアラブル、独自ダッシュボードの候補。

対象者抽出から支援完了、評価、報告、請求までを、業務フローとして描きます。既存システムとデータ形式も、同じ一覧に加えます。

提出先と対面・オンラインの比率も、要件定義の前提に含めます。

未返信や再予約、担当者変更は、記録しておく必要があります。辞退、電話切り替え、入力ミスの修正も、記録の対象です。

機能ごとに、省くと困ることや手作業での代替、将来追加の可否を書いておきます。これにより、初期費用と将来費用を分けて検討できるようになります。

小規模PoCと受入テストによる手戻りの防止

候補が決まったら、1拠点、1支援パターン、代表的な健診データで試します。

  • PoC範囲:取込から帳票出力まで、代表データでの確認。
  • 異常系:欠損や重複、状態変更、XMLエラーの場合の動き。
  • 権限:権限外の閲覧と個人情報の扱い。

実データを扱う場合は、持ち出しを抑えて、匿名化やアクセス制限をかけます。PoCでは、画面の使いやすさだけでなく、異常値や欠損への対応も確かめます。

受入テストでは、保健師や管理栄養士、事務、管理者が、役割ごとのシナリオを実行します。

テストケースを100件に区切ることより、通常業務と例外業務を含めて、支援完了、請求、訂正、再出力を検証することを重視します。退職や辞退などの状態遷移も確かめます。ここを省くと、本稼働後の追加開発や手作業が増えます。

移行・教育・並行運用の設計と本稼働

移行は、サンプル、試行、本番の順に検証を重ねます。

  1. 移行項目、文字コード、日付、コード変換、重複の扱いを固めておきます。
  2. 試行移行の後に、移行後の件数照合を行います。
  3. 本番移行、教育、旧環境からの切り替え時期の決定。

紙やExcelの記録をすべて入れると、入力費用が膨らみます。そのため、範囲を絞ります。法定保存や業務上必要な期間を確認して、移行しない項目も決めます。

研修では、操作と入力ルール、訂正の方法を説明します。権限申請や問い合わせ先も伝えます。

障害時の代替運用や、対象者への案内とアプリ利用サポートも含めます。

数週間から数か月の並行運用は安心材料になりますが、二重入力が長引くと負担が増えます。そのため、どの業務をいつ旧環境から切り替えるかも、二重入力の負担が増えないように決めておきます。

保健指導支援システムのコストの抑え方

費用を下げることだけを目的にすると、入力や確認の作業が現場に残り、保健指導の品質や継続率が落ちるおそれがあります。

導入初年度の支出や2年目以降の運用費、制度改定費を、削減できる工数と合わせて比べます。

安い機能を選ぶより、使われない機能を初期導入から外して、重要な業務を確実に自動化します。

標準機能の優先と独自機能の段階導入

制度や業務継続に直結する機能を、初期導入で優先します。

  • 初期優先:対象者、予約、支援、進捗、報告・請求、XML、権限、ログ。
  • 段階導入:AI、ウェアラブル、複雑な分析、独自アプリ。

アプリやAIは、標準機能で運用したあとに追加する方法もあります。

後から機能を増やせるSaaSや、拡張性のある設計なら、初期の作り込みを減らせます。

後からデータ構造を変えると移行費用が発生しやすいため、将来の連携に必要なデータ項目とID設計は、段階導入でも初期に決めておきます。

同意情報と支援状態、日時、担当者、対象者IDの扱いは、要件定義で確認します。

データ形式と運用ルールの事前の統一

連携費を抑えるには、開発会社へ渡す前に既存データのサンプルを集めます。

  • 形式確認:文字コード、欠損、単位、識別キー、重複の洗い出し。
  • 対応順:連携先が複数ある場合、件数の多い形式から対応して、例外形式は段階的に増やします。

健診機関ごとのファイルを数種類用意して、項目名や対象者を識別するキー、重複を確かめます。

入力ルールも費用に直結します。自由記述の必須化や部署別の項目、紙記録の全件入力は、工数を増やす要因になります。

制度上必要な項目と、現場が見る項目は分けておきます。また、自由記述を残す場合でも、選択肢やテンプレートを設けます。

データ品質が上がると、移行や検索、集計、請求前の確認に使う時間を減らせます。

3年程度の総保有コストでの比較

初期費用だけでなく、3年程度の総保有コストで試算します。

  • 継続費:利用料、保守、送信料、アプリ、クラウドの費用まで。
  • 将来費:追加端末、制度改定、データ返却、担当者工数の見込み。

初期費用が低いSaaSでも、従量料金やアプリ利用料で数年後の総額が変わります。買い切り型でも、サーバー更新や制度対応を自社で負担する場合は、費用が膨らみます。

各社には、初期費用と月額・年額、課金の仕組みを分けて回答してもらいます。連携や移行、研修、保守の費用も、分けて示してもらいます。

制度改定や追加開発、解約時のデータ返却は、別の項目として扱います。

契約期間や値上げ条件、サポート時間、復旧目標を比べ、どこまでを誰が受け持つかも評価します。

ポイント

コストは、業務継続に直結する機能に絞って初期導入し、アプリやAIは安定後に追加するのが目安です。初期費用だけでなく、3年程度の継続費も含めて比べます。

保健指導支援システムの見積もりを取る際のポイント

見積もりの精度は、発注側が前提条件を整理できているかでも決まります。困りごとや制度対応、対象者数、データ形式を、まず前提としてまとめておきます。セキュリティや時期、予算上限も含めます。

2〜3社程度に同じ資料を渡し、同じ基準で費用を比べます。

見積もり依頼書に入れる項目

依頼書では、組織と利用者、年間対象者数を具体的に書きます。業務内容や既存システム、連携、データも、具体化が必要です。

  • 業務条件:対象者数、対象業務、面談方法、導入時期。
  • システム条件:連携先、データ、帳票、アプリ、権限、保存期間。
  • 第4期XML:入力・出力ファイルと、検証・修正の担当。

セキュリティ基準とオンライン面談の方法も、依頼書に入れておきます。

費用は、製品やライセンス、初期設定、個別開発ごとに分けて示してもらいます。連携や移行、テスト、研修、保守も、区分ごとに分けます。

追加作業も分けたうえで、数量や単価、期間、前提を求めます。

対象者1人あたりの料金は、登録課金か支援実施人数課金かを確認します。年度をまたいだ記録は、どう扱われるかも聞いておきます。

会社・製品の比較で確認する質問

候補先には、製品の対象範囲と、費用に含まれる役務を確かめます。

  • 製品範囲:特定保健指導専用か、産業保健全体かの違い。
  • 役務範囲:実施代行、人件費、支援実施費が含まれるかどうか。
  • 導入事例:件数、拠点、移行環境、第4期対応の実績。

システム費用と実施者の人件費が一つにまとまっている場合は、比較対象が異なるため分けて見ます。導入後の運用体制も、事例とあわせて確かめます。

制度改定や独自帳票、APIやCSVの変更時に、誰が対応するかも確かめます。クラウドでは、稼働率やバックアップ、復旧目標、ログ、再委託先、データ返却の方法を見ます。

価格が非公開でも、質問への回答が具体的であれば、見積もりを比べられます。

契約方式と仕様変更のリスク

契約方式は、要件の固まり具合と仕様変更の可能性で選びます。

  • 請負契約:納めるものと範囲が固まっている場合に比較しやすい方式。
  • 準委任契約:業務整理やPoCを進めながら作業する場合に向く方式。

仕様変更や検収、追加費用、納期に加えて、瑕疵対応や知的財産、データの扱いも整理します。何でも含めた固定価格は、不確実性を見込んだ価格になったり、追加請求につながったりすることがあります。

要件定義とPoCを別契約にし、本開発の範囲と価格を決める方法もあります。

予備費を置く場合は、利用条件と承認者を決めておき、変更が増えるのを防ぎます。

ポイント

見積もりを比べる前に、困りごとや対象者数、データ形式などの前提を発注側でそろえておきます。前提がそろえば、2〜3社の金額差の理由が見えてきます。

よくある質問

費用に関する質問には、相場の考え方と確認すべき前提を示して答えます。公開価格は構成や契約条件で変わるため、金額だけで判断しないようにします。

保健指導支援システムは最低いくらから導入できますか?

初期費用の目安と、別途確認が必要な費用は分けて見ます。

  • 標準導入:標準パッケージやSaaSで、20万〜120万円程度。
  • 公開価格例:1台のパソコンで80万〜120万円の例。
  • 追加費用:端末、ライセンス、初期設定、保守、連携、移行の各費用。
  • 制度対応:報告・請求と第4期XMLへの対応の範囲。

公開価格の構成と契約条件をそろえて比べます。

SaaSとスクラッチ開発はどちらが安いですか?

初期費用と継続費用、独自業務への適合を分けて比べます。

  • SaaS:標準機能を使えるため、初期費用は安くなりやすい。
  • 継続費用:サーバー構築や制度対応を抱えにくい一方で、月額・年額や従量料金が続く。
  • スクラッチ:初期500万〜3,000万円超の可能性。
  • 比較軸:独自業務や複雑な連携への適合、3年程度の総保有コスト、業務削減効果。

初期費用だけでなく、継続する料金と適合範囲を確認します。

過去の健診データ移行は費用に含まれますか?

移行の費用は、契約上の扱いとデータの状態を分けて確認します。

  • 契約確認:標準に含むか、別見積もりかは、製品と契約で異なる。
  • 費用要因:期間、項目、形式、紙・Excel、重複・欠損、照合方法によって変わる。
  • 試算方法:データサンプルを渡し、費用を試算してもらう。
  • 移行範囲:現年度や法定保存を優先し、参照用の過去データは別保管にできる。

移行する期間と項目を先に決めると、作業量を比較できます。

個人情報を扱うため、どのセキュリティ費用が必要ですか?

必要な費用は、組織の規程とリスク評価を前提に見ていきます。

  • 基本対策:権限、認証、暗号化、ログ、バックアップ。
  • 運用対策:脆弱性、委託先、障害・漏えい時の連絡体制。
  • クラウド:料金内に含まれる対策と、追加契約が必要な対策の区別。
  • 監査対応:第三者認証やチェックシートへの回答工数。

必要な対策の範囲は、組織の規程に合わせて見積もりに反映します。

アプリやAIを最初から入れた方が費用対効果は高いですか?

アプリやAIは、基幹業務を安定させた後に費用対効果を判断します。

  • 導入順:対象者管理、面談、支援履歴、進捗、報告・請求を先に安定させる。
  • 追加判断:現場が使える状態になった後に、アプリやAIを追加する時期。
  • 測定項目:同意、入力率、確認方法、電話・紙への切り替え。
  • データ管理:データの保管と削除を、費用対効果の計算に含めること。

必ずしも最初からアプリやAIを導入する必要はありません。

まとめ

保健指導支援システムは、標準パッケージやSaaSなら初期20万〜120万円程度です。連携・移行・クラウド設定を含む導入は200万〜800万円程度で、準スクラッチやフルスクラッチは500万〜3,000万円超が目安です。

1台80万〜120万円の公開価格例もありますが、総額は条件で変わります。対象者数や端末、拠点を加え、連携、帳票、セキュリティ、保守も含めて確認します。

業務全体で見る費用の判断

見積もりは、開発から運用までの費用を分けて判断します。

  • 費用内訳:開発、要件定義、連携、移行、テスト、教育、保守ごとの区分。
  • 運用条件:制度改定対応と障害時の運用。
  • 第4期XML:入力、検証、出力、エラー修正、提出前確認の範囲。
  • 比較条件:対象者数と運用体制をそろえた、複数社からの提案。

業務全体に必要な費用を、機能単体の価格と分けて確認します。

MUST業務からの開始と効果測定を経た拡張

初期導入では、MUST業務を優先し、導入後の効果を測ります。

  • 初期優先:対象者管理、面談、継続支援、進捗、報告・請求、権限、ログ。
  • 段階拡張:アプリ、AI、詳細分析のうち、後から追加するもの。
  • 効果測定:実施率、初回面談到達率、継続支援完了率、未返信率。
  • 工数確認:1件あたりの事務工数とXMLエラー件数の測定。

削減できた作業と追加投資の効果を見て、品質と定着を含めて判断します。

▼全体ガイドの記事
・保健指導支援システム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。