保健指導支援システム開発の完全ガイド

保健指導支援システムは、特定保健指導の業務と社内の健康管理をどこまで扱うかによって、必要な機能と導入方式が大きく変わります。

業務を一連の流れで見ると、不足している機能に気づきやすくなります。

▼関連記事一覧
・保健指導支援システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・保健指導支援システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・保健指導支援システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・保健指導支援システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

保健指導支援システムの概要

保健指導支援システムは、対象者の抽出から支援記録、評価、報告・請求までを管理する業務基盤です。

選定では、画面の多さよりも、対象者を漏れなく把握できるかを優先して見ます。さらに、期限内に支援を終えられるか、必要なデータを正確に出力できるかも確認します。

特定保健指導と一般の健康管理の区分

制度に基づく支援と社内の健康管理は、分けて考えると必要な機能を絞り込みやすくなります。

  • 特定保健指導:主に40〜74歳を対象に、専門職が生活習慣の改善を支援する制度業務。
  • 一般の健康管理:企業の健康管理部門では、定期健診後の措置や面談記録、就業配慮のほか、ストレスチェックや産業医連携を含む場合があります。

制度業務の対象は、特定健康診査の結果をもとに、生活習慣病の発症リスクが高い人です。業務には動機付け支援と積極的支援の区分があり、初回面談から継続支援、評価、報告までを進めます。

制度の第4期は2024年度から2029年度までで、電子的な標準様式もこの期間用に更新されています(出典:厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」)。

特定保健指導の報告やXML出力が必要か、労務管理や産業保健の記録が中心かによって、必要な機能と権限の設計は変わります。そのため、問い合わせの前に、制度業務と社内健康管理業務の範囲を分けておくと、相手に条件を伝えやすくなります。

導入で解決できる業務上の課題

健診から評価までの進捗と対応漏れを見るために、業務の区切りを整理します。

  • 対象者対応:健診結果の受け取り、対象者の階層化、初回面談の予約、未返信者への連絡。
  • 支援後の処理:継続支援の記録と、評価の締め処理。

Excelへの転記を重ねながら進捗を確認する運用では、対象者が数百件から数千件へ増えたときに、事務の負担が急に大きくなります。

システムを使えば、期限が近い人、予約が未確定の人、未返信の人、評価が終わっていない人を絞り込めます。その結果、専門職は支援に集中でき、事務担当者は取込と帳票の作成、請求、エラー確認を標準化できます。ただし、成果を出すには、現場の業務フローと画面設計をそろえることが欠かせません。

保健指導支援システムの主な機能と選定基準

保健指導支援システムを中央に置き、健診データ取込、対象者管理、面談・継続支援、評価・報告・請求の4機能を結んだ図。
健診から請求までの業務が機能間でつながります。

機能を比べるときは、健診データの取込から報告・請求までを、一連の流れとして確認します。対象者抽出から予約、面談、継続支援、評価までの段階が、途切れずにつながるかも見ます。流れに沿って見ると、不足している機能に気づきやすくなります。

健診データ取込と対象者管理

取込と対象者管理では、入力データの形式と、進捗をどう把握するかを確かめます。

  • 取込形式:健診結果、利用券情報、基本情報、問診結果の形式。
  • 対象者管理:階層化結果、支援区分、有効期限、担当者、予約状態、進捗を一覧で把握できる範囲。
  • 第4期様式:XMLの入出力と、必須項目不足やコード不整合を検知する仕組み。

健診機関によって、項目名、コード、日付形式、欠損値の扱いが異なる場合があります。そのため、CSVに対応しているかだけでなく、サンプルデータで文字コード、重複、未入力、再受診、対象者更新の処理まで確かめます。

検索条件を保存できれば、連絡対象者や評価期限が近い人を、毎回手作業で抽出し直さずに済みます。

面談・継続支援・コミュニケーション

初回面談は、対面、電話、オンラインなど複数の方法を登録しておくと、対象者の事情に合わせて選べます。予約や担当者の情報、変更履歴、確認項目、支援計画を一つの画面で扱えば、別のカレンダーや紙台帳への転記も減らせます。

オンライン面談では、本人確認や実施場所、通信が途切れたときの再開方法を業務手順に入れます。同意の取得と記録の保存も、同じ手順の中で扱います。

継続支援では、連絡手段を対象者ごとに切り替えられるかどうかを、実務で押さえたい点です。

  • 連絡手段:メール、SMS、チャット、アプリ、電話、郵送から、対象者に合う手段を選ぶ。
  • 生活ログ:体重、食事、歩数、運動、喫煙、飲酒などをグラフで見られる。
  • 専門職の判断:自動送信やAIの提案は補助にとどめ、最終判断と個別助言は専門職が担う。

評価・報告・請求と連携

評価から報告・請求、外部連携まで、業務のつながりを確かめます。

  • 評価と帳票:計算元、修正履歴の承認者、確定後の再出力の扱い。
  • 外部連携:既存システムとの連携方式(API、CSV、XMLのどれか)。
  • 連携の優先順位:業務が止まると影響が大きいデータ取込や報告出力から、先に着手する。

帳票と出力の範囲は、対象者向けの帳票から、保険者や健診機関向けの報告書、請求データまでです。ポイント計算やアウトカム評価を使う業務では、入力内容から計算できるかも確かめます。

帳票の項目定義、集計期間、締め処理、再提出時の扱いは、テストで検証します。連携が増えると便利になる一方で、変換処理やエラー時の再送、仕様変更時の費用も増えます。

ポイント

機能は、健診データの取込から報告・請求までを一連で見て判断します。制度業務と社内の健康管理のどちらを扱うかで、必要な機能は大きく変わります。

保健指導支援システムの種類と技術選択肢

既製パッケージ、SaaS型クラウド、準スクラッチ、フルスクラッチの導入方式を、各方式の本文記載の特徴とともに4枚のパネルで示した図。
方式ごとに、活用する基盤と対応の幅が異なります。

導入方式は、既製パッケージ、SaaS型クラウド、準スクラッチ、独自開発に分かれます。選ぶときは、年間件数や拠点数、専門職の人数を見たうえで、個別帳票、セキュリティ方針、制度改定への対応力も判断材料にします。

既製パッケージとSaaS型クラウド

既製パッケージとSaaS型クラウドは、標準化のしやすさと運用の負担が違います。

  • 既製パッケージ:基本機能を短期間で導入しやすく、制度対応や保守があれば改修を見通しやすい方式。
  • SaaS型クラウド:サーバーの調達や更新の負担を抑えられ、複数拠点や在宅の専門職も情報を参照できる方式。

パッケージでは、対象者管理や支援記録、帳票などを使えます。ただし、現場の例外運用をそのまま再現できるとは限らないため、標準機能に業務を寄せる判断が必要になります。

SaaSは、スマートフォンやオンライン支援と組み合わせやすい方式です。契約の前には、データの保管場所や委託先、可用性を確かめます。また、解約時のデータ返却や障害時の連絡、個別改修の範囲も見ておきます。

月額が安く見えても、別料金になる項目があります。初期設定やデータ移行、連携、従量課金などがそれにあたる場合があります。

準スクラッチとフルスクラッチ

準スクラッチとフルスクラッチは、既存の基盤をどこまで生かすかと、独自開発の負担が違います。

  • 準スクラッチ:既存の健診・人事・予約基盤を生かし、不足している支援記録や連携を足していく方式。
  • フルスクラッチ:独自の評価指標や複雑な権限、特殊帳票、複数連携を業務に合わせたいときの選択肢。

準スクラッチは、独自業務と標準機能の両立を図りやすい一方で、既存システムの仕様が不明確だと、調査やデータ変換に時間がかかります。

フルスクラッチでは、制度改定への対応や脆弱性対応、OS・ブラウザの更新を継続して担う必要があります。加えて、バックアップや担当者交代時の知識の引き継ぎも欠かせません。

要件が固まっていない段階では、大規模開発を避け、標準機能や小規模な検証で必要性を見極めます。

方式を決めるための判断軸

方式は、対象規模と独自業務の有無、総費用と運用負担を合わせて判断します。

  • 数百件・標準業務:パッケージやSaaSを短期間で導入する方法が現実的です。
  • 数千件・複数機関:取込の自動化や権限の分離、進捗アラート、連携監視を重視する。
  • 独自業務が多い場合:標準機能、設定変更、追加開発のどれで対応するかを、要件ごとに比べる。

方式を比べるときは、初期費用だけでなく、3年間の総費用や導入期間を見ます。さらに、制度改定時の対応、運用担当者の工数、データ返却のしやすさも並べて確かめます。

機能を削りすぎると、手作業の費用が残ります。反対に、将来使うか分からないAIやアプリを先に作ると、使われない機能の保守費が続きます。

ポイント

種類の違いは、業務を標準機能でまかなえるかどうかで見えてきます。独自業務が多いほど準スクラッチや独自開発が候補になりますが、改修や保守の負担も続きます。

保健指導支援システム開発・導入の進め方

企画・要件定義、設計・開発・連携、テスト・移行・教育、並行運用・本稼働の順に進む導入工程を示した図。
各工程の結果を確かめながら、次の段階へ進みます。

導入は、企画と要件定義から始まり、設計・開発・連携、テスト・移行・教育を経て、並行運用の後に本稼働へ進みます。対象者の受付から評価と請求までの流れを一覧にし、現場の例外も含めて機能を決めます。

▶ 詳細はこちら:保健指導支援システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

要件定義・企画フェーズ

企画では、規模と体制を把握したうえで、業務フローと必要な要件を順に決めます。

  • 規模と体制:年間対象者数、実施件数、拠点数、専門職・事務担当者数の整理。
  • 利用条件:健診データの提供元と面談方法、報告先。
  • 業務フロー:受付から再提出までを図にして、担当者と入力時期を決める。
  • 例外対応:未返信、予約変更、担当者変更、途中離脱、電話への切り替えを、事前に洗い出す。
  • 要件分類:要件をMUST、SHOULD、将来検討に仕分ける。

MUSTには、対象者抽出や支援履歴、期限管理が入ります。権限や監査ログ、報告・請求データも含みます。要件を分けておくと、初期導入の機能と将来検討する機能を区別できます。

アプリ、ウェアラブル連携、AI文面提案は、効果と運用負担を見ながら段階的に導入します。また、第4期XMLでは、入出力の対象、スキーマの更新時期、エラー修正の担当を明記します。

設計・開発・連携フェーズ

設計から現場の確認までは、データと権限、連携、操作性の順に詰めていきます。

  1. 対象者、健診結果、支援、予約、メッセージ、帳票、請求のデータ項目と、その関係の整理。
  2. サンプルで連携変換を早期にテストし、項目不足、文字コード、日付、単位、重複、対象者の同一性を確かめて、エラー一覧と再処理方法を決める。
  3. 保健師、管理栄養士、事務、情報システムの代表者が画面を見て、実際の支援ケースを操作できるかを判断する。

専門職には支援に必要な情報、事務担当者には取込や請求の状態が見えるように、役割に応じた画面と権限を設計します。

確定処理や出力を管理者だけが実行できる設計にすると、誤操作や不要な閲覧を抑えられます。

関係者が早い段階で画面を確かめると、現場の運用と設計のずれを早く見つけられます。

テスト・移行・教育・本稼働

テスト、移行、教育、本稼働は、データの確認と運用の準備を含めて段階的に進めます。

  1. 業務の開始から報告・請求の出力まで、一連の流れを通してテストする。
  2. 移行範囲は、全件、直近年度、参照用の別保管から決める。重複除去とコード変換の後に、件数や対象者、日付、支援履歴、帳票を照合する。
  3. 操作研修や問い合わせ窓口、旧運用との並行期間、障害時に紙や電話へ切り替える手順を整える。
  4. 一つの拠点や支援パターンでPoCを行い、全体へ展開する前に改善点を洗い出す。

テストでは、健診データを取り込み、対象者を抽出して予約を登録し、面談と継続支援の記録から評価確定へ進みます。

報告・請求データの出力までを一連のシナリオで実行します。そこでは、未返信や予約変更、欠損、重複の扱いを試します。さらに、通信障害、権限外の閲覧、出力エラーにもどう対応するかを確かめます。

各段階の結果を見てから、本稼働へ進みます。

ポイント

現場の例外や担当者、入力時期は要件定義の段階で決めておくと、設計以降の手戻りを減らせます。テストと教育は、その決定をもとに進めます。

保健指導支援システムの費用相場と内訳

費用は、対象者数や利用者数、拠点数によって変わるほか、データ連携や帳票、アプリ、セキュリティ要件、移行範囲も影響します。ここで示す数字は、2025〜2026年に予算を組む際の目安です。

公開価格で確認できる範囲と、連携や独自開発を含めた推定レンジは分けて扱います。確定した価格ではなく、目安として扱います。

▶ 詳細はこちら:保健指導支援システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

導入方式ごとの費用目安

費用と期間の目安は導入方式によって異なり、公開価格の例と推定レンジを分けて示します。

  • パッケージ:1〜数台の導入で初期80万〜120万円程度の公開例があります。
  • SaaS:標準機能が中心なら初期20万〜100万円、年36万〜150万円程度の例があります。
  • 連携・準スクラッチ:初期200万〜800万円、期間は3〜6か月が目安。複数拠点などを含む準スクラッチは500万〜1,500万円程度。
  • 独自開発:1,500万〜3,000万円超になる可能性があります。

対象者数、利用者数、保守、制度改定対応、追加端末、支援の実施費は、上の金額とは別に確認します。

準スクラッチでは、複数拠点、アプリ、独自帳票、複雑な権限が費用に影響します。

連携・独自開発のレンジは、業務システム一般の工数と、保健指導に固有の連携・セキュリティ要件から算出した推定です。専用システムの公開統計ではありません。

見積書で分けるべき費用

見積書は、初期費用、継続費用、導入後の費用に分けて確認します。

  • 初期費用:要件定義、設定・開発、連携、データ整備・移行、帳票、テスト、教育、初期サポート。
  • 月額・年額:利用者・対象者数、送信数、ストレージ、アプリ、オンライン面談、API、問い合わせ対応。
  • 導入後の費用:クラウド、保守、監視、バックアップ、診断、追加帳票、出力、再教育、端末。

制度改定時の改修費は、無償か、保守料に含まれるか、別見積かを確かめます。

初期費用が安くても、手作業が多く残ると毎月の事務工数が増え、3年間の総費用が高くなることがあります。そこで、対象者1件あたりの事務時間や未返信者への連絡回数、XMLエラーの修正時間を、導入の前後で比べられるようにしておきます。

予算取りで失敗を防ぐ考え方

予算では、利用規模、延期時の工数、契約方式を確かめます。

  • 利用規模:対象者数・支援件数を低・標準・多で想定し、月額と従量費を比べる。
  • 費用区分:初年度の移行・教育費と、毎年の保守・制度対応費を分けて考える。
  • 延期時の工数:転記、対応漏れ、再入力、報告修正の工数を算出し、導入後の削減効果と比べる。
  • 契約範囲:要件が不確実なら、要件定義やPoCを先に区切る。

仕様が固まらないまま請負の範囲を広げると、変更が追加費用や納期の延長につながりやすくなります。

準委任や時間精算を選ぶ場合は、成果物、作業時間、どこまでを誰が受け持つか、品質の確認方法を契約書に明記します。

ポイント

費用は導入方式と連携範囲で大きく変わります。初期費用と月額・年額、導入後の費用を分け、3年間の総費用で比べます。

保健指導支援システム開発会社・ベンダーの選び方

開発会社やベンダーを見るときは、機能数や知名度だけでなく、特定保健指導の業務と自組織の運用を理解しているかを確かめます。

システム提供、導入支援・保守、保健指導の実施受託では、契約の範囲も責任も異なります。

制度対応と業務実績の確認

制度対応の実績と、自組織に近い導入事例を確かめます。

  • 対応実績:対象者抽出、支援区分、面談、継続支援、評価、報告・請求、第4期様式の範囲。
  • 導入事例:自組織に近い年間件数、拠点数、健診データの種類、オンライン面談比率。

「健康分野の導入経験」の有無だけでなく、特定保健指導の各業務と、第4期の電子的標準様式への対応範囲を確かめます。

「第4期対応」と表示されていても、XMLの取込・出力、スキーマ更新、エラー検知、制度変更時の改修範囲までは分かりません。そこで、対応範囲を項目表にまとめ、サンプルデータを使ったデモで見ていきます。

契約前には、過去データの移行担当、検証件数、移行後の不整合の修正方法も確かめます。導入事例も、可能であれば提示を受けます。

セキュリティ・保守・サポートの比較

セキュリティ対策と保守・サポートの条件は、分けて比べます。

  • 情報保護:暗号化、アクセス権、操作ログ、バックアップ、脆弱性対応、委託先管理。
  • 保守・障害対応:受付時間、障害連絡、復旧目標、復元テスト、制度改定の通知、データ返却。
  • 責任分担:SaaS提供者と自組織のそれぞれが担う範囲。

健康診断の結果や保健指導の記録は、特に配慮が必要な健康情報です。健保組合が扱う要配慮個人情報の例として、健診結果や専門職による改善指導の事実があります(出典:個人情報保護委員会「要配慮個人情報とは」)。漏えいが起きた場合の報告と本人通知の手順も、確かめておきます。

医療情報システム安全管理ガイドライン第6.0版では、クラウドの普及やサイバー攻撃への対応も論点になっています(出典:厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」)。

提案比較と契約前の質問

依頼内容を定めたうえで、提案条件をそろえて比べ、契約前の疑問を確かめます。

  1. 提案依頼書に、業務規模、運用条件、必要機能、移行と予算の条件を記載する。
  2. 機能、導入期間、体制、費用、前提条件、リスク、保守、追加費用を、同じ粒度で比べる。
  3. 標準機能の限界、制度改定費、解約後の返却形式、障害時の紙・電話への切り替え、担当交代後のマニュアルについて質問する。

年間対象者数や支援件数、利用者の役割、健診データの形式、既存システムは、依頼書に書いておきます。さらに、面談方法や必要な帳票、XML、セキュリティ基準、移行範囲、希望時期、予算の考え方も含めます。

回答は口頭で済ませず、要件一覧、担当範囲を示す表、受入基準、SLA、データ処理条件に反映させます。

▶ 詳細はこちら:保健指導支援システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

▶ 詳細はこちら:保健指導支援システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ポイント

開発会社は、特定保健指導の業務と自組織の運用を理解しているかで判断します。第4期の対応範囲は項目表で示してもらい、移行や保守の条件も契約前に押さえます。

導入後の運用・セキュリティ・KPI設計

本稼働後は、利用率と業務成果を定期的に確かめ、機能を追加する順番を決めます。導入直後はすべてを自動化せず、データの品質と現場の定着を見ながら改善します。

対象者が入力しない、担当者が別台帳を使う、エラーが放置されるといった問題は、画面を追加するだけでは解決しにくいものです。

権限・ログ・データ管理の運用

権限、健康情報、障害時の備えは、日々の運用手順に落とし込みます。

  • 権限とログ:役割ごとに必要な対象者だけを参照できるようにし、退職・異動・委託終了時は停止する。変更と操作は記録します。
  • 健康情報:取得目的、利用範囲、保存期間、削除、本人開示請求への対応を定めて、規程と教育に反映する。
  • 障害への備え:バックアップの復元を試したうえで、連絡先、代替手段、復旧後の再入力、対象者への案内を決めておく。

管理画面へのアクセス不能や通信不能、外部連携の停止、端末の紛失も想定に入れます。

要配慮個人情報の漏えいなどでは、報告や本人通知が必要になる場合があります。そのため、事故対応は契約と社内手順の両方に置いておきます(出典:個人情報保護委員会「健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンスを補完する事例集」)。

導入後に見るKPI

KPIは実施率だけでなく、業務がどこで止まるかを把握できる指標にします。

  • 支援の進捗:対象者抽出の完了率、初回面談到達率、継続支援完了率、評価完了率を追う。
  • 連絡と予約:未返信率、予約変更率、対象者満足度の確認。
  • 事務とデータ:1件あたりの事務工数とXMLエラー件数。

導入前に基準値を取り、月次または支援サイクルごとに比べます。未返信率が高い場合は、機能を足す前に、送信時期や文面、連絡先、同意、電話や郵送への切り替え条件を確かめます。

XMLエラーが多いときは、出力画面ではなく、健診データのコードや欠損を上流で直す必要があります。KPIは責任を問うためではなく、業務改善の優先順位を決める材料として使います。

よくある質問(FAQ)

導入前によく寄せられる疑問を取り上げます。制度対応、データ移行、対象者の利用環境、個人情報管理を確かめておくと、自組織に合う方式を判断しやすくなります。

保健指導支援システムの導入費用はいくらですか?

標準的なパッケージやSaaSには、初期費用が数十万〜数百万円、年間費用が数十万〜百数十万円程度の公開価格例があります。健診データやXML、予約、アプリ、独自帳票を連携する場合は、数百万円から1,000万円超に広がります。

独自開発では、1,500万〜3,000万円超になる可能性があります。対象者数と連携範囲をそろえて見積もり、初期費用と運用費を分けて比べます。

クラウド型でも健康情報を安全に管理できますか?

クラウドかオンプレミスかだけでは、安全性は判断できません。まず確かめたいのは、暗号化、役割別権限、多要素認証です。次に、操作ログ、バックアップ、脆弱性対応の確認も欠かせません。さらに、委託先管理、障害時の復旧、解約時のデータ返却も確かめ、組織の規程と照合します。

健康診断の結果などは、要配慮個人情報に該当し得ます。そのため、取得目的や同意、利用範囲、漏えい時の報告手順も含めて評価します。

対象者が少なくてもシステムを導入する意味はありますか?

対象者が少なくても、期限管理や記録をひとつにまとめること、担当者交代時の引き継ぎ、報告データの正確性に課題があれば、導入の効果があります。

ただし、大規模な独自開発では費用対効果が合わない可能性があります。標準パッケージやSaaS、既存の健康管理基盤の設定変更など、小さく始めて手作業の削減効果を測ってから広げます。

AIやアプリは最初から導入すべきですか?

最初から必須とは限りません。生活ログの入力や専門職による確認、支援計画への反映が定着していなければ、AIやアプリを足してもデータは集まりません。

まずは、対象者抽出、面談、継続支援、評価、報告を安定させます。そのうえで、入力率や継続率を見ながら、アプリやAIの通知・提案を段階的に評価します。AIの出力は、専門職の最終判断を補助するものとして扱います。

まとめ

保健指導支援システムは、健診結果の保管に加えて、対象者抽出から面談、継続支援、評価、報告・請求までをつなぐ業務基盤です。

選定では、特定保健指導と一般の産業保健の範囲を分けたうえで、第4期の電子的標準様式とデータ連携を確かめます。さらに、支援手段や権限・ログ、移行と保守の内容も確かめます。

MUST業務の安定

費用は、標準パッケージやSaaSの数十万〜数百万円から、連携を含む数百万円規模、独自開発の1,500万〜3,000万円超まで幅があります。

まずMUST業務を標準機能で安定させます。そのうえで、PoCや小規模な導入によりデータの品質と現場の定着を確かめ、アプリやAI、分析へ広げます。

比較表の金額だけでなく、3年間の総費用、事務工数、実施率、継続支援完了率、XMLエラー件数を基準にして、自組織に合う仕組みを選びます。

成果指標による次の拡張の判断

継続して確認したいのは、対象者抽出から評価までの完了率、未返信率、1件あたりの事務工数、XMLエラー件数です。

入力率と現場の利用が安定してから、オンライン支援や生活ログ、AI、分析を追加すると、機能が目的化するのを防げます。支援の質と業務効率を高める基盤として、運用していきます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。