病院情報システム(HIS)開発の見積相場や費用/コスト/値段について

結論:病院情報システム(HIS)開発の費用相場は、100〜200床規模で5,000万円〜2億円程度、

300〜500床規模で2億円〜8億円程度が一つの目安ですが、電子カルテ単体か部門システム・ネットワーク・データ移行まで含むかで大きく変わります。

HISは病院の診療、看護、検査、画像、薬剤、医事会計、経営分析をつなぐ基幹システムです。

そのため「パッケージの価格」だけを見て判断すると、連携開発、端末、教育、切り替え、

保守、セキュリティ対策などの費用が後から膨らみやすくなります。本記事では、2026年時点で確認できる公開料金や公的調達情報をもとに、

病院情報システム(HIS)の費用相場、内訳、変動要因、見積もりの比較方法、コストを抑えるポイントまで解説します。

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・病院情報システム(HIS)開発の完全ガイド

病院情報システム(HIS)の費用相場はいくらですか?

病院情報システムの費用を検討する担当者

病院情報システム(HIS)の費用は、一般的な業務システムのように「1ユーザーあたりいくら」

と一律には決まりません。病床数、診療科、病棟数、端末数、連携する医療機器、過去データの量、

停止できる時間、導入後の支援体制をまとめて見積もる必要があります。

病床規模別の初期費用はどのくらいですか?

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  • 比較の観点:初期・継続・追加の要素を分けて確認します。
  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

公開価格、公的調達の上限、周辺サービスの事例を組み合わせた目安では、100〜200床のHIS一式は5,000万円〜2億円程度。

300〜500床の更新は2億円〜8億円程度、500床以上や大学病院級では8億円〜15億円超まで視野に入ります。

これらはHIS全体の統計的な平均値ではなく、電子カルテ、医事会計、部門システム、端末、ネットワーク、連携、移行、教育、保守を含めた場合の推定レンジです。

診療機能や既存資産の状態によっては、レンジの外側になることもあります。小規模構成の公開例として、AHISのクラウド電子カルテは、10端末構成の標準環境で月額24万5,850円(税込)からです。

単純計算では年額約295万円ですが、初期設定、データ移行支援、端末、ネットワーク、医事会計、部門連携は別途になる場合があります。(出典: AHIS「クラウド電子カルテ 料金プラン」、2025年改定)

なぜ見積もりの金額に大きな幅があるのですか?

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HISは電子カルテだけでなく、受付・予約、オーダリング、看護、薬剤、検査、放射線、病理、手術、輸血、リハビリ、PACS、医事会計、DPC、地域連携。経営分析などを連携させます。

連携先が増えるほどインターフェース設計、テスト、障害時の切り分けが増え、費用も期間も伸びます。また、既存の機器やシステムを残すか、一緒に更新するかでも初期費用は変わります。

さらに、クラウド型はサーバーの保有や更新の負担を抑えやすい一方、月額利用料、通信回線、認証、バックアップ、障害時の閲覧環境などを長期で考える必要があります。

オンプレミス型は初期にサーバーや冗長化設備を用意しやすく、保守更新のタイミングでまとまった費用が発生します。

厚生労働省も2026年度に、病院規模別の導入・運用費とオンプレミス型・クラウドネイティブ型の総保有コストを調べる事業を設定しており。現時点では導入形態ごとの公的な標準相場が整備途上です。

(出典: 厚生労働省「令和8年度 地域医療基盤総合推進調査事業」、2026年)

判断のポイント

(出典: 厚生労働省「令和近年度 地域医療基盤総合推進調査事業」、近年)

病院情報システム(HIS)の費用に含まれる範囲

病院情報システムの構成要素

見積書を比較する前に、各社の「システム費用」が何を指しているかをそろえることが重要です。

本体ライセンスだけが安く見えても、医療機器との接続、移行、教育、切り替え時の応援、

保守契約が別項目になっていれば、病院が実際に負担する総額は大きく異なります。

アプリケーションとライセンスの費用

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アプリケーション費用には、電子カルテ、オーダリング、医事会計、看護、薬剤、検査、放射線、病理、手術、物流、病床管理などの標準機能が含まれます。

課金単位は、病床数、端末数、同時接続数、部門数、利用者数、機能モジュールなどベンダーによって違います。

初期ライセンスとして買い切る方式、月額のサブスクリプション方式、基本料金にオプションを追加する方式があるため、契約期間と更新条件も確認します。

パッケージの標準機能を病院の業務に合わせて運用できれば、個別開発を抑えられます。

一方で、医療安全や法令対応、病院独自の診療フローに関わる拡張が必要な場合は、画面、帳票、権限、ワークフロー、データ項目の追加費用が発生します。

「標準でできる」と「自院の手順で無理なく使える」は別なので、デモで実際の業務を再現して確認することが大切です。

連携・データ移行・インフラの費用

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HISでは、PACSや検査機器、放射線部門、薬剤部門、医事会計、レセプト、オンライン資格確認、電子処方箋、地域連携、患者ポータルなどとの接続が費用を左右します。

HL7やFHIR、SS-MIX2、DICOMなどの標準規格に対応していても、既存側の仕様確認、項目マッピング、接続試験、例外データの処理は必要です。

接続先が10種類なのか、数十種類なのかで、設計とテストの工数は変わります。データ移行では、患者基本情報、診療録、検査結果、画像、薬剤履歴、看護記録、文書、会計情報などを対象にするかを決めます。

移行対象期間を長くすると費用は増えますが、過去診療の参照性を維持できます。移行前のデータクレンジング、変換、件数照合、サンプル確認、リハーサル、旧システムの参照期間まで見積書に記載してもらいます。

教育・切り替え・保守の費用

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稼働前には、医師、看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師、医事担当、管理者、情報システム担当などに操作教育を行います。

職種別の研修、病棟別の説明、マニュアル作成、操作環境の準備、問い合わせ窓口、リハーサル、本番切り替え時の現場支援をどこまで含むかで費用が変わります。

教育を短縮すると、稼働後の問い合わせや入力ミスが増え、現場の残業や診療遅延という見えにくいコストにつながります。

保守費用には、障害対応、制度改正・診療報酬改定への対応、セキュリティ更新、バックアップ監視、問い合わせ対応、定期点検、機器交換などが含まれます。

24時間365日の受付、現地駆け付け、復旧目標、代替運用、バージョンアップの範囲は契約によって異なります。月額保守料だけでなく、近年の更新計画と障害時の業務停止リスクを合わせて比較します。

判断のポイント

月額保守料だけでなく、5〜10年の更新計画と障害時の業務停止リスクを合わせて比較します。

病院情報システム(HIS)の費用内訳と料金体系

病院情報システムの費用内訳を整理するイメージ

HISの見積もりは、初期費用と運用費用に分けるだけでは不十分です。導入時の一時費用、

毎月または毎年発生する費用、数年ごとに必要になる更新費用、障害や移行のために確保する予備費を分けると、

長期的な負担が見えやすくなります。

初期費用に含めるべき項目

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初期費用には、要件定義、基本設計、詳細設計、環境構築、アプリケーション設定、個別開発、インターフェース開発、データ移行、端末・サーバー・ネットワーク。

認証基盤、バックアップ、テスト、教育、切り替え支援が含まれます。

RFPでは「導入支援一式」とまとめず、作業単位、成果物、回数、前提条件を分けて提示してもらうと比較しやすくなります。

特に見落としやすいのは、端末の設置、プリンターやバーコードリーダー、無線LAN、UPS、サーバー室、回線、ウイルス対策、ID管理、ログ保管。バックアップ媒体です。

クラウド型でも、院内ネットワーク、認証、端末、停電や通信断への備えは必要です。ハードウェアを病院が調達する場合は、推奨仕様、保守窓口、交換時期、保証範囲を明記します。

ランニングコストと更新費用

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  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

ランニングコストは、クラウド利用料、ライセンス更新、保守、回線、データセンター、監視、バックアップ、セキュリティサービス、問い合わせ対応、制度改正対応などです。

月額料金が安くても、オプション、端末追加、外部連携、データ保存量、時間外対応が別請求なら、実際のTCOは高くなります。

反対に、保守・アップデート・バックアップが月額に含まれるサービスは、予算を平準化しやすい特徴があります。

更新費用は、サーバーや端末の更改、OS・データベースの更新、ネットワーク増強、機能追加、データ移行、再教育などで発生します。

全国医学部長病院長会議の2025年資料では、大学病院の病院情報システムの次期更新費用について。

物価高騰により国立大学病院で1大学あたり年間約5.3億円、私立大学病院で約8.1億円の追加負担が必要になると報告されています。

これは一般病院の導入相場ではありませんが、物価、機器、専門人材、連携範囲の変動が更新費を押し上げる実例です。

(出典: 一般社団法人全国医学部長病院長会議「2025.11.28記者会見資料」、2025年)

公的調達の金額をどう参考にすればよいですか?

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公的調達情報は、同じ病床数の病院にそのまま当てはめるのではなく、含まれる範囲を確認して参考にします。

たとえば京都府立医科大学附属病院の総合医療情報システム関連の公募は、重症部門、画像、検査、手術、病理、輸血。物流など複数の専門システムを対象にした大規模案件です。

募集要領に記載された委託上限は税込15億4,770万円で、特定機能を担う大学病院の開発業務という前提があります。

この金額は一般的な病院の価格表ではなく、複数部門の構築、既存システムとの連携、移行、教育、長期計画を含む大規模調達の上限です。

自院の見積もりと比べるときは、対象部門、病床数、端末数、稼働開始日、保守期間、税の扱い、機器の範囲をそろえます。単に「億単位だから高い・安い」と判断すると、比較を誤ります。

(出典: 京都府立医科大学附属病院「第4期総合医療情報システム開発業務 募集要領」、2025年)

判断のポイント

(出典: 京都府立医科大学附属病院「第一定期総合医療情報システム開発業務 募集要領」、近年)

病院情報システム(HIS)の費用が変動する要因

病院情報システムの費用変動要因を確認するイメージ

同じ100床の病院でも、急性期か慢性期か、複数病棟か単一病棟か、画像や検査を自院で行うか、

既存システムを残すかで費用は変わります。規模だけでなく、業務の複雑さと連携の多さを見積もりに反映させることが必要です。

病床数・診療科・端末数による違い

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  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

病床数が増えると、端末や利用者、病棟、権限、同時接続数が増えます。急性期病院では、救急、手術、集中治療、輸血、薬剤、検査などのリアルタイム連携が必要になりやすく、アラートや承認フローの設計も複雑です。

精神科、回復期、慢性期、療養型などでは、看護記録、リハビリ、入退院支援、長期の経過記録などに重点が移ります。

端末数は、医師や看護師が使うパソコンだけでなく、ナースステーション、病棟、外来、検査室、薬剤部、医事課、管理部門、モバイル端末、受付端末まで数えます。

端末が少なくても、同時利用者が多い場合は性能やライセンス設計が必要です。端末数の見積もりを病床数だけで決めず、勤務帯ごとの利用状況を調査します。

カスタマイズと連携数による違い

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  • 比較の観点:初期・継続・追加の要素を分けて確認します。
  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

費用が上がりやすいのは、既存の紙帳票をそのまま画面化すること、病院独自の承認ルートを多数設定すること、部門ごとに異なるマスターを持つこと。標準機能にない計算や帳票を追加することです。

カスタマイズは現場の納得感を高める場合がありますが、制度改正やバージョンアップのたびに確認・改修が必要になり、将来の保守費用も増える可能性があります。

連携では、接続先の数だけでなく、データ項目の不一致、送受信のタイミング、エラー時の再送、患者IDの名寄せ、画像や検査結果の参照方法を確認します。

見積もりでは「連携1本」とだけ書かず、接続先、方式、対象データ、試験ケース、相手側作業、稼働後の保守を記載します。連携仕様が未確定のまま契約すると、追加費用の原因になりやすいです。

セキュリティとBCPによる違い

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  • 比較の観点:初期・継続・追加の要素を分けて確認します。
  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

医療情報を扱うHISでは、セキュリティ対策を最後に足すのではなく、要件定義の段階から費用化します。

多要素認証、端末や利用者の最小権限、通信・保存データの暗号化、監査ログ、脆弱性管理、バックアップの隔離、復元テスト、委託先の責任分界などを決めます。

2026年6月改訂の厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」では。

医療機関・薬局向けのサイバーセキュリティ対策チェックリストや、サイバー攻撃を想定したBCP確認表も示されています。

冗長化、予備回線、バックアップ環境、非常用電源、緊急閲覧、紙運用、復旧訓練をどこまで整えるかで初期費用と運用費用が変わります。

費用削減のためにバックアップや復旧訓練を省くと、障害時の診療停止や復旧作業の損失が大きくなる可能性があります。価格だけでなく、許容できる停止時間と復旧目標を基準に投資範囲を決めます。

(出典: 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」、2026年6月)

判断のポイント

(出典: 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第一定版」、公表時)

病院情報システム(HIS)のコストを最適化するポイント

病院情報システムのコスト最適化を検討するイメージ

コスト最適化の目的は、初期見積もりを最低額にすることではありません。診療を止めないこと、

現場が使い続けられること、制度改正やセキュリティ更新に対応できることを前提に、不要な個別開発と重複投資を減らし、

5〜10年のTCOを抑えることが重要です。

標準機能を優先してカスタマイズを絞る

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  • 比較の観点:初期・継続・追加の要素を分けて確認します。
  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

最初に、病院の業務を「必ず残す機能」「標準化できる業務」「将来検討する機能」に分けます。

医療安全、法令、診療報酬、病院の特色に直結する機能は優先し、それ以外はパッケージの標準業務へ寄せると、開発費だけでなく将来の改修費も抑えやすくなります。

現場の要望を無条件に削るのではなく、入力回数、作業時間、エラー防止、教育負担を比較して判断します。標準機能を採用する場合でも、デモで実業務を確認することが欠かせません。

医師、看護師、薬剤師、検査技師、医事、経営、情報システムの代表者が同じシナリオを試し、入力の手数、画面遷移、検索速度、アラート、権限、障害時の対応を記録します。

導入後に「使えないので個別開発する」となる事態を防ぐことが、最も効果的なコスト対策の一つです。

RFPと相見積もりで比較条件をそろえる

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  • 比較の観点:初期・継続・追加の要素を分けて確認します。
  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

RFPには、病床数、診療科、病棟、患者数の規模感、端末数、既存システム、連携先、データ移行範囲、稼働希望時期、停止許容時間、教育対象、保守時間。セキュリティ要件を記載します。

要件が曖昧なまま複数社へ依頼すると、会社ごとに含める範囲が違う見積もりになり、金額だけで比較できません。

見積書は、本体、オプション、個別開発、連携、移行、端末、ネットワーク、教育、切り替え、保守、更新、廃棄、税を同じ区分で並べます。

初期費用だけでなく、1年目、3年目、5年目、10年目の累計を試算し、価格改定、端末追加、制度改正、データ容量増加、契約終了時の移行費用も確認します。

金額の低さではなく、前提条件と除外項目の少なさを含めて評価します。

クラウド・オンプレミスをTCOとBCPで選ぶ

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  • 比較の観点:初期・継続・追加の要素を分けて確認します。
  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

クラウド型は、サーバーの購入や更新を抑え、月額で予算化しやすいことが特徴です。ただし、回線、端末、認証、バックアップ、データ所在、通信断時の閲覧、サービス停止時の連絡体制を確認します。

月額に保守やアップデートが含まれる場合でも、追加開発や部門システム連携が別費用になることがあります。

オンプレミス型は、病院内の環境や既存設備を活用しやすい場合がありますが、サーバー、冗長化、バックアップ、監視、更新作業、専門担当者の確保が必要です。

ハイブリッド型を含め、初期費用と月額費用だけでなく、障害時の復旧時間、契約終了時のデータ返却、ベンダー変更のしやすさまで比較します。

費用を抑えるために重要な機能や復旧体制を削ることは、HISでは適切な最適化とはいえません。

判断のポイント

費用を抑えるために重要な機能や復旧体制を削ることは、HISでは適切な最適化とはいえません。

病院情報システム(HIS)の見積もりを取る際のポイント

病院情報システムの見積もり条件を確認する担当者

HISの見積もりは、価格表を集めるだけではなく、病院の将来像とリスクをベンダーへ正しく伝える作業です。

見積もりを依頼する前に現状を整理し、提案内容と金額の根拠を同じ形式で返してもらうと、

比較の精度が上がります。

最初に整理する要件と現状情報

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  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

最初に、病院の役割、病床数、診療科、病棟、外来・入院の流れ、救急や手術の有無、職種別の利用者、端末数、既存システム、連携機器、データ量。契約更新時期を一覧にします。

次に、現場が困っていることを「入力時間」「二重入力」「情報検索」「紙運用」「連携エラー」「障害対応」のように分解します。課題が具体的になるほど、必要な機能と不要な機能を切り分けやすくなります。

将来の構想も、すべてを初回導入に詰め込むのではなく、稼働時に必要な範囲、1年後に追加する範囲、更新時に検討する範囲に分けます。

地域連携、患者ポータル、経営分析、AI支援などは魅力的ですが、データ品質、権限、運用担当、費用対効果を確認しないまま追加すると。使われない機能への投資になります。

ベンダーに確認する質問

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候補ベンダーには、自院と同じ病床規模・診療機能の導入実績、標準機能と個別開発の境界、連携できる製品、データ移行の責任者、切り替えリハーサルの回数。教育期間、稼働後の支援体制を質問します。

加えて、障害受付の時間、現地対応の条件、復旧目標、バックアップの保存期間、復元テスト、脆弱性対応、委託先の再委託、契約終了時のデータ返却も確認します。

「導入実績が多い」という説明だけでなく、似た病院の担当者に確認できる事例を2〜3件提示できるかを見ます。

導入後に誰がマスターを管理し、制度改正や現場要望をどのように反映し、追加費用をどの手順で承認するのかも重要です。

価格の交渉は、機能を削るだけでなく、導入時期、段階導入、端末調達、教育方法、保守範囲を調整する形で進めます。

追加費用と遅延のリスクを契約で抑える

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追加費用の原因になりやすいのは、要件確定後の変更、移行対象の追加、連携先の仕様差、端末や回線の不足、教育回数の増加、稼働延期、現行システムの契約延長です。

変更管理の手順、追加費用の単価、承認者、納期への影響、責任分界を契約書や仕様書に記載します。曖昧な一式表記を減らし、前提条件と除外項目を残しておくことが重要です。

稼働日は、システムが完成する日ではなく、データ移行、現場教育、切り替え、並行稼働、障害対応まで含めて決めます。

大規模病院では、要件定義から構築、移行、教育、運用開始まで18〜30か月程度、大学病院級では24〜36か月程度を目安にした計画が必要です。

短納期を提案された場合は、どの工程を短縮するのか、検証や訓練を削っていないかを確認します。

判断のポイント

短納期を提案された場合は、どの工程を短縮するのか、検証や訓練を削っていないかを確認します。

病院情報システム(HIS)の費用に関するよくある質問

病院情報システムの費用に関する疑問を確認するイメージ

HISの費用は、病院の規模と機能、既存資産、連携、移行、セキュリティ、保守をまとめて考える必要があります。

ここでは、導入を検討する際によくある質問に、公開情報の範囲と見積もりの考え方を分けて回答します。

100床未満の病院でもHISを導入できますか?

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導入できます。クラウド型や中小病院向けパッケージを選び、医事会計、検査、画像、薬剤など必要な範囲から始めることで、初期投資を抑えやすくなります。

ただし、公開されている月額料金は電子カルテ本体の参考価格であり、初期設定、端末、ネットワーク、医事会計、部門連携。データ移行は別途見積もりになることが多いため、総額で比較します。

クラウド型HISはオンプレミス型より安いですか?

初期費用を抑えやすい場合はありますが、必ず安いとはいえません。サーバーや更新費を月額へ平準化できる一方、

回線、端末、認証、バックアップ、オプション、連携、データ保存、契約期間を含めた5〜10年のTCOで比較する必要があります。

通信障害時の閲覧や代替運用、データ返却の条件まで確認して選びます。

HISの費用を抑えるには何から始めればよいですか?

まず、病院の課題、既存システム、連携先、端末数、移行範囲、稼働時期を整理し、標準化できる業務と個別対応が必要な業務を分けます。

そのうえで、同じRFPを複数社へ渡し、本体、連携、移行、教育、保守、更新を同じ区分で比較します。

初期費用だけを削るのではなく、使われない機能や重複するインフラを減らし、セキュリティと復旧体制は維持することが重要です。

HISの開発・導入には何か月かかりますか?

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100〜200床のパッケージまたはクラウド導入では12〜24か月、300〜500床では18〜30か月、大学病院級の刷新では24〜36か月程度が記事上の目安です。

これは要件定義、設計、連携、データ移行、教育、リハーサル、切り替えを含む期間であり、機能数や既存システムの状態で変わります。

期間を短くする場合は、対象範囲を段階化する方法と、品質確認を省く方法を区別する必要があります。

判断のポイント

期間を短くする場合は、対象範囲を段階化する方法と、品質確認を省く方法を区別する必要があります。

まとめ

病院情報システムの費用計画をまとめるイメージ

病院情報システム(HIS)の費用相場は、100〜200床で5,000万円〜2億円程度、

300〜500床で2億円〜8億円程度、500床以上や大学病院級で8億円〜15億円超まで幅があります。

ただし、これらは公開料金、公的調達、周辺サービス、類似構成から整理した目安であり、

電子カルテ単体の価格とHIS一式の費用を混同してはいけません。

費用判断で押さえるべきこと

  • 確認対象:この見出しで扱う範囲と前提を整理します。
  • 比較の観点:初期・継続・追加の要素を分けて確認します。
  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

比較では、本体ライセンスだけでなく、要件定義、個別開発、部門連携、端末・ネットワーク、データ移行、教育、切り替え、保守、更新、セキュリティ。障害時の復旧まで含めたTCOを見ます。

病床数や端末数だけでなく、診療機能、既存資産、連携数、停止許容時間、データ移行の範囲が価格を変えるため、見積もりには前提条件と除外項目を必ず残します。

次に行うべきこと

  • 確認対象:この見出しで扱う範囲と前提を整理します。
  • 比較の観点:初期・継続・追加の要素を分けて確認します。
  • 判断の基準:自社の要件と運用体制に照らして検討します。

導入を検討する病院は、まず現状業務と連携先を棚卸しし、標準化する範囲と個別対応する範囲を決めます。

次に、同じRFPで複数社から提案を受け、初期費用、月額・年額、5〜10年の更新費用、移行・教育・保守、セキュリティとBCPを同じ条件で比較します。

価格の安さだけでなく、現場の定着、データの可搬性、障害時の継続性まで含めて、病院に合うHISを選ぶことが大切です。▼全体ガイドの記事
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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。