Keycloakのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

Keycloakのシステム開発費用は、ソフトウェアのライセンス費用だけでなく、認証基盤の設計、既存アプリの改修、ユーザー移行、可用性対策、運用保守まで含めて初期100万円〜5,000万円以上が目安です。規模やセキュリティ要件によって金額は大きく変わるため、「KeycloakはOSSだから安い」とだけ考えると見積もりとの差が生じやすいです。

この記事では、Keycloakのシステム開発にかかる費用相場を、PoC、小規模社内SSO、BtoB向け認証基盤、大規模・金融向けの4段階で整理します。費用の内訳、開発期間、価格が上がる要因、コストを抑える進め方、開発会社から見積もりを取る際の確認事項まで、2026年時点の情報をもとに解説します。

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Keycloakのシステム開発費用はどれくらいですか?

Keycloakのシステム開発費用を検討するイメージ

Keycloakのシステム開発費用は、最小限の検証なら100万〜300万円、本番の小規模社内SSOなら300万〜800万円、顧客向けや多テナントの基盤なら800万〜2,000万円、大規模・金融・公共向けでは2,000万〜5,000万円以上が一つの目安です。これはKeycloak本体の価格表ではなく、国内の受託開発相場と一般的な認証基盤の構成を組み合わせた概算です。

Keycloak本体は無料でもシステム全体は無料ではありません

コミュニティ版のKeycloakはオープンソースソフトウェアであり、一般的な商用IDaaSのようにユーザー数やアプリ数に応じた一律のライセンス料金を支払う方式ではありません。そのため、ログイン画面やトークン発行の機能だけを見ると安価に見えますが、実際にはサーバー、データベース、ロードバランサー、WAF、監視、バックアップ、メール送信、秘密情報管理などが必要です。

さらに、Keycloakを接続する各アプリケーションのOIDCやSAML対応、管理者権限の設計、LDAP・Active Directoryとの属性マッピング、既存ユーザーの移行、テスト、障害対応の手順も開発費に含まれます。費用を正しく把握するには、「Keycloakの構築費」ではなく「認証基盤を業務で使える状態にする費用」として考えることが大切です。

規模別の初期費用・開発期間・月額費用の目安

PoCや検証環境であれば、1〜2アプリをOIDCで接続し、ログイン、基本ロール、ログアウトを確かめる範囲で100万〜300万円、期間は1〜2か月程度が目安です。3〜10アプリを対象にLDAP・AD連携、MFA、監査ログ、バックアップまで整える小規模社内SSOでは、初期300万〜800万円、2〜4か月程度を見込みます。

顧客向けサービスやBtoBの多テナント基盤では、ユーザー移行、SAMLとOIDCの混在、API連携、冗長化を含めて初期800万〜2,000万円、4〜8か月程度が目安です。複数AZ、災害対策、厳格な監査、FAPI、24時間運用が必要な大規模・金融・公共案件では、初期2,000万〜5,000万円以上、6〜12か月以上になる場合があります。月額は小規模で5万〜20万円、BtoBで20万〜80万円、大規模で50万〜200万円以上が一つの目安ですが、クラウド実費と保守範囲によって変わります。

(出典:国内受託開発の人月単価とKeycloakの一般的な構成要素をもとにした2025〜2026年の概算。公式価格表ではありません。)

Keycloakのシステムで費用が発生する範囲

認証基盤システムの構成要素

Keycloakは認証・認可の中心に置くサーバーですが、単体を起動するだけで業務システムとして完成するわけではありません。見積もりでは、ソフトウェア、インフラ、連携、移行、運用という5つの費用領域に分けると、抜け漏れを確認しやすくなります。

サーバー・データベース・ネットワークの費用

インフラ費用には、Keycloakを動かすコンテナまたは仮想マシン、外部RDB、ロードバランサー、WAF、バックアップ、ログ保管、監視、通信が含まれます。本番構成では、認証情報やレルム設定を保存するデータベースの可用性が重要です。Keycloak公式の対応構成では、PostgreSQL 14〜18やAmazon Aurora PostgreSQL 15〜17などが本番向けの選択肢として示されていますが、採用バージョンは環境とサポート状況を確認して決めます。

AWSなどのパブリッククラウドを使う場合も、Keycloakの利用料だけを見ることはできません。Amazon RDS for PostgreSQLはインスタンス時間、ストレージ、I/O、バックアップ、データ転送などが課金要素になり、Multi-AZでは待機系への同期複製によって構成費用や書き込みI/Oが増える可能性があります。(出典:AWS「Amazon RDS for PostgreSQL pricing」)

アプリ連携・ユーザー移行・権限設計の費用

実際に費用が膨らみやすいのは、Keycloak本体の設定よりもアプリケーション側の改修です。各アプリにOIDCまたはSAMLのログイン処理を組み込み、トークンの署名検証、セッション、ログアウト、権限エラー、リダイレクトURI、APIの認証方式を確認する必要があります。対象アプリが10本あれば、Keycloakのクライアント登録だけでなく、10本分の改修と結合テストが発生します。

既存ユーザーを移行する場合は、IDの重複、メールアドレスの不一致、パスワードハッシュの方式、退職者や休眠アカウント、外部IdPの属性を確認します。元のパスワードを安全に移せない場合は、初回ログイン時のパスワード再設定や段階的な移行を設計します。ロール、グループ、テナント単位の権限を整理する作業も、認証と認可を分けて見積もるべき項目です。

商用サポートと自社運用の違い

コミュニティ版を自社運用する場合、サブスクリプション費用を抑えられる一方で、脆弱性情報の確認、CVE対応、パッチ適用、回帰テスト、バックアップ検証、障害時の復旧を自社で担います。保守費用は、初期開発費の年15〜25%を一つの目安にし、クラウド実費とは分けて考えると比較しやすいです。

Red Hat build of Keycloakを選ぶ場合は、Red Hat Runtimes、Red Hat Application Foundations、OpenShift Container Platformなどのサブスクリプションに含まれる形で提供され、Keycloak単体を別製品として購入する方式ではありません。また、マネージドOpenShift上で利用してもKeycloak自体は顧客インストールのソフトウェアであり、Red Hatが運用を代行するマネージドサービスではありません。(出典:Red Hat「Subscriptions or Entitlements Requirements for Red Hat build of Keycloak」)

Keycloakのシステム開発はどのように進めますか?

Keycloakのシステム開発プロセス

Keycloakの開発は、最初から全社のログインを切り替えるより、代表アプリで検証してから対象を広げる方が安全です。費用を抑えるためにも、設計前に対象範囲と難所を明確にし、後工程での手戻りを減らします。

要件定義で対象アプリと認証要件を棚卸しします

最初に、対象アプリ数、利用者数、同時ログイン数、ピーク時の認証回数、ログイン方式、LDAP・AD・外部IdPの有無、個人情報の所在を整理します。顧客向けか社内向けか、複数企業を収容するか、スマートフォンアプリやAPIを含むかによって、必要な設計は変わります。

同時に、目標復旧時間、許容停止時間、監査ログの保存期間、MFAやパスキーの要否、サポート時間、障害時の責任者を決めます。Keycloak公式の本番構成ガイドでも、TLS、データベース、クラスタリング、バックアップなどを含む本番向けの準備が必要とされています。(出典:Keycloak公式「Configuring Keycloak for production」)

PoCでOIDC・SAML・移行の難所を検証します

PoCでは、WebアプリとAPIを1〜2本選び、OIDCログイン、SAML連携、MFA、ログアウト、トークン更新、権限エラー、ユーザー属性の受け渡しを確認します。既存ユーザーを移行する場合は、代表的なデータを匿名化して、パスワードの扱いと属性マッピングを先に検証します。

この段階で、独自テーマやカスタムSPIが必要かも判断します。標準機能で対応できる範囲を広げるほど、将来のバージョンアップ費用を抑えやすくなります。PoCを100万〜300万円程度で実施し、結果を本番見積もりに反映すると、いきなり大規模構築を発注するリスクを減らせます。

本番設計・移行・段階リリースを実施します

本番設計では、レルムとテナントの分け方、クライアント、ロール、グループ、トークンクレーム、セッション、メール、秘密情報、監査ログを定義します。Keycloakの配置は、リバースプロキシやロードバランサーの背後に複数台置き、外部RDBとバックアップを組み合わせる構成が一般的です。必要に応じて複数AZ、外部キャッシュ、監視、障害時の切り戻しを設計します。

リリースは、重要度の低いアプリから段階的に切り替えます。期限切れトークン、署名検証、リダイレクトURI、CSRF、CORS、権限昇格、ブルートフォース、管理者アカウント、個人情報を含むログを確認し、ログイン不能になった場合のロールバック手順を準備します。大規模案件で全社一斉切り替えを避けることが、障害による追加費用を抑えるポイントです。

Keycloakの費用・コストの内訳は何ですか?

Keycloakの費用内訳を確認するイメージ

見積書では、「認証基盤一式」という一行ではなく、作業と費用を分けて記載してもらうことが重要です。分解された見積もりなら、どの要件が金額に影響しているかが分かり、不要な機能を後回しにしたり、複数社の提案を同じ条件で比較したりできます。

要件定義・設計・開発・テストの人件費

人件費は、プロジェクトマネージャー、認証基盤を設計するSE、アプリを改修するエンジニア、インフラ担当、テスターなどの工数で決まります。業務システム一般の目安として、PMは月90万〜150万円、SEは月65万〜110万円、プログラマーは月50万〜90万円、テスターは月45万〜80万円程度とされますが、専門性、契約形態、地域、求めるSLAで変動します。

たとえば小規模社内SSOでも、要件定義、基本設計、Keycloak構築、3〜10アプリの連携、LDAP・AD設定、テスト、移行、運用手順書が必要です。Keycloakの設定画面を操作する時間だけでなく、関係者との権限整理や業務シナリオの確認に工数がかかるため、単純なサーバー構築費だけで判断しないことが大切です。

クラウド・監視・バックアップ・保守のランニングコスト

月額費用は、Keycloakのコンピュート、データベース、ロードバランサー、WAF、ログ、バックアップ、メール、監視の実費と、運用担当者や保守会社の費用に分かれます。ユーザー数だけでなく、同時ログイン数、トークン発行頻度、ログ保存期間、バックアップ世代数、可用性、データ転送量によっても変わります。

保守には、問い合わせ対応だけでなく、Keycloakのアップグレード、脆弱性の評価、パッチ適用、証明書更新、障害調査、バックアップ復元テスト、監視アラートの確認を含めるか明記します。Keycloak 26.xでは、正式対応機能とプレビュー機能の扱いが異なり、プレビューAPIは将来変更される可能性があります。新機能を採用する場合は、開発費だけでなく、アップグレード検証の費用も計上します。

バージョンアップとカスタマイズの将来費用

Keycloakは標準のOIDC、SAML、LDAP連携を中心に使うと保守しやすい一方、独自SPI、独自テーマ、複雑な認証フローを増やすほど、アップグレード時の互換性確認が必要になります。カスタマイズの初期費用だけでなく、担当者が変わったときの引き継ぎ、テスト環境の維持、障害時の原因調査まで将来コストに含めます。

2026年時点のKeycloak 26.4では、パスキー、FAPI 2.0、DPoPなどの機能が強化されています。便利な機能でも、採用すれば自動的に法令対応や金融システムの安全性が完成するわけではありません。正式サポートかプレビューかをリリースノートで確認し、採用理由、代替策、切り戻し方法を設計書に残すことが、予期せぬ改修費を抑える方法です。(出典:Keycloak公式「Release Notes」)

Keycloakのシステム開発費用が変動する要因

Keycloakの価格変動要因を確認するイメージ

同じKeycloakでも、アプリ1本の検証と、数百万人規模の顧客向けサービスでは必要な設計が異なります。見積もりの金額差を理解するには、利用者数の大小だけでなく、連携数、セキュリティ、可用性、運用体制を確認します。

アプリ数・利用者数・同時アクセス数

アプリ数が増えると、クライアント登録、リダイレクトURI、トークンのクレーム、権限エラー、ログアウト仕様をアプリごとに確認する必要があります。利用者数が多い場合も、データベース容量だけでなく、ログインが集中する時間帯の同時アクセス、トークン発行数、セッション数を基準にサイジングします。

海外の公開事例では、KeycloakをAzure上で利用し、日本の大手製薬企業の200,000人超の医療関係者と、2M人超のアプリケーション利用者向けエコシステムの認証を統合した例が紹介されています。規模の大きな事例ほど、単純なユーザー登録費ではなく、分散配置、監視、移行、段階リリースの費用が中心になります。(出典:CNCF「Unifying 200,000+ Healthcare Users Across Japan with Keycloak on Azure」)

MFA・パスキー・FAPI・監査要件

MFA、WebAuthn、パスキー、外部IdP連携、細かな条件付き認証、監査ログ、管理者の最小権限を追加すると、認証フローとテストケースが増えます。金融APIなどでFAPI 2.0やDPoPを利用する場合も、機能を有効にするだけでなく、クライアント実装、鍵管理、署名検証、運用監視を含めた設計が必要です。

個人情報保護法のガイドラインが示すアクセス制御、アクセス者の識別・認証、外部からの不正アクセス防止、漏えい防止などは、Keycloakだけで自動的に満たされるものではありません。権限表、ログの確認者、アカウント停止の手順、委託先管理、インシデント対応まで含めるほど、初期設計と保守の費用は増えます。

HA・災害対策・サポート時間

ログインが止まると業務や顧客サービスが止まる場合は、Keycloakの複数台構成、データベースの冗長化、複数AZ、バックアップ、監視、障害時の切り替えを検討します。24時間365日の監視や休日の緊急対応まで契約する場合は、平日日中のみの保守より月額が高くなります。

HA構成はサーバー台数を増やすだけではありません。セッション、キャッシュ、データベース接続、証明書、ネットワーク、デプロイ手順、障害訓練を確認する必要があります。可用性をどの時間帯に、どの程度まで求めるのかを決めていない見積もりは、後から高額な追加要件になりやすいです。

Keycloakのシステム開発費用を抑えるポイント

Keycloakのコスト最適化を考えるイメージ

費用を下げる方法は、機能や安全対策を一律に削ることではありません。将来の利用範囲と停止時の影響を見ながら、最初に必要な機能へ投資し、不要な複雑さを持ち込まないことがコスト最適化につながります。

標準OIDC・SAMLを優先しカスタム開発を絞ります

アプリ側では、可能な限り標準のOIDCやSAMLライブラリを利用し、独自の認証アダプターを増やさないことが有効です。レルム、クライアント、ロール、グループ、トークンクレームのルールを先に定めると、アプリごとの個別実装を減らせます。ログイン画面のデザインも、最初から全面的に独自化せず、業務上必要な範囲から始めます。

パスキーや複雑な認証フローは、利用者と業務のメリットが明確な箇所から導入します。標準機能で実現できない要件だけをカスタムSPIやテーマの対象にすると、初期開発と将来のバージョンアップの両方を抑えやすくなります。

PoCと段階導入で手戻りを減らします

初期段階では、全アプリを一度に接続せず、代表的なWebアプリ、API、既存ユーザーの一部を対象にします。PoCで認証方式、権限、移行、運用の難所を確認し、その結果で本番範囲を決めます。検証に費用をかけることは、失敗を早い段階で発見し、本番での大きな追加費用を避けるための投資です。

本番切り替えも、重要度の低いアプリから始め、監視とロールバックを確認してから中核システムへ進めます。段階導入ではプロジェクト期間が長く見えることがありますが、障害時の影響範囲を抑え、原因を特定しやすくなるため、総コストと事業リスクのバランスを取りやすいです。

見積もりの前提条件をそろえて比較します

相見積もりを取る場合は、対象アプリ数、利用者数、認証方式、ユーザー移行の有無、MFA、HA、バックアップ、監視、サポート時間、納品物を同じ条件で提示します。見積もり項目は、要件定義、PoC、Keycloak構築、アプリ改修、インフラ、移行、テスト、ドキュメント、保守、クラウド実費に分けてもらいます。

安い提案を選ぶ前に、何が含まれていないかを確認します。CVE対応、休日の障害対応、証明書更新、ユーザー移行の失敗時対応、バージョンアップ、IaCやソースコードの引き渡しが別料金の場合、導入後の総額が高くなることがあります。価格だけでなく、責任分界と将来の運用負担まで比べることが重要です。

Keycloakの見積もりを取る際のポイント

Keycloakの見積もりを比較するイメージ

Keycloakに詳しい会社を選ぶときは、構築経験だけでなく、アプリ連携、ユーザー移行、クラウド、コンテナ、データベース、監視、セキュリティ運用まで確認します。公開事例として、NCDCは既存Keycloakを使ったSAML SSOのAWSサーバーレス移行PoCを紹介し、デージーネットは既存DBと連携したオンプレミスのSSO基盤事例を公開しています。自社の課題に近い経験があるかを確認すると、見積もりの精度を高めやすいです。

開発会社に確認したい質問

見積もり依頼では、対応するKeycloakのバージョン、正式機能とプレビュー機能の扱い、OIDC・SAML・LDAP・ADの設計経験、HA構成の実績、ユーザー移行の方法、CVEへの対応時間を質問します。金融・公共などの要件がある場合は、監査ログ、FAPI、鍵管理、アクセス制御、脆弱性診断、障害訓練をどこまで担当するかも確認します。

納品物については、設定一覧、レルムとクライアントの定義、IaC、CI/CD、テスト結果、運用手順書、障害対応手順、バックアップ復元手順、ソースコードの所有権を確認します。担当者が変わっても運用できる状態か、保守契約を終了した後に自社で管理できるかを確認することが、長期コストの見極めにつながります。

安すぎる見積もりと高すぎる見積もりの見分け方

安い見積もりでは、Keycloakの起動とサンプルアプリの接続だけが含まれ、ユーザー移行、障害対応、監視、バックアップ、アプリ側の例外処理が含まれていないことがあります。一方で、高い見積もりでも、必要性の低いカスタム開発や過剰な冗長化が含まれている場合があります。

判断するときは、金額の大小ではなく、要件ごとの工数と成果物、前提条件、除外事項を確認します。PoC、本番構築、アプリ連携、移行、運用設計を分けた提案であれば、優先順位に応じて発注範囲を調整できます。少なくとも2〜3社で同じRFPを使い、初期費用と3年間の運用費を合わせて比較することをおすすめします。

Keycloakのシステム開発費用に関するよくある質問(FAQ)

Keycloakの費用に関するよくある質問

最後に、Keycloakの価格や導入判断について、相談の多い質問に回答します。無料かどうかだけではなく、必要な運用体制と開発範囲を確認することがポイントです。

Keycloakは無料で使えますか?

コミュニティ版は商用IDaaSのようなユーザー数課金のライセンス費用を抑えやすいですが、システム全体が無料になるわけではありません。クラウド、データベース、監視、バックアップ、アプリ改修、脆弱性対応、保守の費用が必要です。

小規模なKeycloakのシステム開発はいくらですか?

1〜2アプリを接続するPoCなら100万〜300万円、3〜10アプリの社内SSOなら300万〜800万円が概算の目安です。LDAP・AD連携、MFA、ユーザー移行、HA、24時間保守を追加する場合は、対象範囲と運用要件に応じて上振れします。

KeycloakとIDaaSはどちらが安いですか?

利用者数、アプリ数、必要なカスタマイズ、運用体制によって変わるため、一律には決められません。Keycloakはライセンス費用を抑えやすい一方、構築や運用を自社で担う必要があり、IDaaSは利用料が発生する一方で、インフラ運用や標準機能の保守を減らせる場合があります。初期費用だけでなく、3年間のライセンス、クラウド、保守、移行、追加開発を合算して比較します。

Keycloakの保守費用はどれくらい見込めばよいですか?

初期開発費の年15〜25%を保守費用の一つの目安とし、別途クラウド実費を見込みます。ただし、平日日中の問い合わせ対応だけか、CVEの緊急対応、監視、アップグレード、バックアップ復元、24時間365日の障害対応まで含むかで金額は変わります。契約書で対応時間、対象範囲、除外事項を確認してください。

まとめ:Keycloakは総保有コストで見積もることが大切です

Keycloakのシステム開発費用をまとめるイメージ

Keycloakのシステム開発費用は、PoCで100万〜300万円、小規模社内SSOで300万〜800万円、BtoB・顧客向け基盤で800万〜2,000万円、大規模・金融・公共向けで2,000万〜5,000万円以上が概算の目安です。金額はKeycloak本体ではなく、アプリ連携、ユーザー移行、インフラ、セキュリティ、可用性、テスト、運用保守を含めて変動します。

最初に整理する6つの見積もり条件

発注前には、対象アプリ数、利用者数とピーク時の認証数、OIDC・SAML・LDAPなどの接続方式、ユーザー移行の有無、必要な可用性と災害対策、運用時間と保守範囲を整理します。この6項目が明確になるほど、開発会社は前提条件をそろえた見積もりを提示しやすくなります。

初期費用と運用費を合わせて比較します

まずは代表アプリを使ったPoCで難所を確認し、標準機能を優先した設計で本番範囲を決めます。そのうえで、要件定義、構築、アプリ改修、移行、テスト、クラウド、保守を分けたRFPを作成し、初期費用だけでなく数年間の運用費と責任分界まで比較することをおすすめします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。