KYCシステムの開発会社は、本人確認の機能だけでなく、法人確認・リスク判定・継続的な顧客管理・監査ログまで、自社の業務範囲に合う会社を選ぶことが重要です。おすすめは一律に決まるものではなく、短期導入を重視するのか、金融業務との深い連携を重視するのかで変わります。
本記事では、コンサルティングから開発まで支援する株式会社riplaを最初に紹介し、KYC・eKYC領域の実在企業5社を含む計6社を比較します。各社の特徴に加えて、費用を3年TCOで見る方法、PoCで検証すべきKPI、RFPや契約前に確認したい責任分界まで整理します。
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・KYCシステム開発の完全ガイド
KYCシステムのパートナー選びが重要な理由

KYCは、運転免許証などを撮影するeKYCだけを指すとは限りません。個人・法人の確認、PEPsや制裁対象者などの照合、リスク評価、ケース管理、再確認、取引モニタリング、監査対応までを一つの業務として設計する必要があります。そのため、画像認識の機能が優れていても、自社の審査や既存システムにつながらなければ、業務全体の改善にはつながりにくいです。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
KYCシステムでは、本人確認の判定結果を口座開設、会員登録、決済、CRM、勘定系などへ連携します。さらに、判定理由、参照したリスト、ルールやモデルのバージョン、担当者、操作時刻を後から追跡できる状態にします。ここを後付けすると、データモデルの作り直しや再審査が発生し、初期開発よりも高い改修費がかかる場合があります。
発注前に確認すべきポイント
比較時は、対応書類と本人確認方式だけでなく、法人KYB、目視審査、反社・制裁・PEPsチェック、保存期間、データの保管場所、障害時の代替手段まで確認します。金融機関向けでは、FISC「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準・解説書」第13版が2025年3月に公表されているため、アクセス制御、ログ監視、委託先、クラウド、復旧体制について説明資料を求めると比較しやすいです。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
riplaの強みは、KYCを単独の本人確認画面として切り出すのではなく、顧客情報や業務フローの中に位置づけて整理できる点です。現場へのヒアリング、業務棚卸し、要件定義、画面・API設計、開発、導入後の定着までを一つの相談先にまとめられます。既存の会員管理や販売管理にKYCを追加したい企業では、本人確認結果を自社の標準データとして保持し、将来ベンダーを変更できる構成を検討しやすくなります。
得意領域・実績
複数部門をまたぐ業務システムや、要件が固まりきっていない段階からのシステム化相談に向いています。KYC専用サービスの料金比較だけでなく、本人確認、法人確認、審査ケース、監査ログをどこまで自社で持つかを整理し、必要に応じてSaaS・APIと個別開発を組み合わせます。KYC領域の同類型実績、対応方式、セキュリティ要件、運用体制は案件ごとに確認しながら、過不足のない開発範囲を決めることが大切です。
株式会社TRUSTDOCK|本人確認と顧客確認に特化したAPI・BPO

株式会社TRUSTDOCKは、デジタル本人確認・eKYCを専門とする実在企業です。公式サイトでは、2024年12月時点の東京商工リサーチ調査として、eKYCのコア機能を自社開発するサービスの導入企業が300社以上と案内されています。金融だけでなく、行政、シェアリング、人材、リユースなど、オンライン上で本人や利用者を確認する事業者が比較対象にできます。
特徴と強み
ブラウザやスマートフォンアプリに対応し、API・SDKを使って申込導線に組み込みやすい点が特徴です。本人確認書類の取得だけでなく、個人の身元確認と法人確認をセットにした事例も公式に掲載されています。確認・審査を自社の担当者だけで抱えず、APIとBPOを組み合わせて運用工数を抑えたい企業は、目視審査の範囲、再提出対応、問い合わせ窓口の分担を具体的に確認するとよいです。
得意領域・実績
短期間で本人確認をサービスへ追加したい企業、確認業務を定型化して複数事業へ展開したい企業に向いています。公式サイトには、freee finance labの個人・法人確認、全国銀行協会のオンライン手続き、農林水産省の公的個人認証などの事例が掲載されています。導入前は、KYCの入口だけを委託するのか、法人情報やリスク確認まで任せるのかを分け、顧客・ケース・監査データを自社に残す設計を確認します。
株式会社Liquid(ELEMENTSグループ)|ICチップ・顔認証に強いeKYC

株式会社Liquidは、生体認証や画像解析を手がける株式会社ELEMENTSのグループ会社で、オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」を提供しています。ELEMENTS公式の会社情報では、2026年にLIQUID eKYCの累計本人確認件数が1億5,000万件を突破したと案内されています。大量の本人確認を扱う事業者や、本人確認から当人認証・不正検知へ広げたい事業者が検討しやすい会社です。
特徴と強み
本人確認書類の撮影、ICチップの読み取り、顔照合、JPKIなどを組み合わせて方式を選びやすいことが特徴です。2025年9月の公式発表では、iOS向けにWebブラウザからICチップ読取と顔認証を行える機能を案内し、専用アプリの開発・保守を不要にする構成を示しています。本人確認の安全性だけでなく、アプリインストールによる離脱を抑えたい場合は、端末・OS別の対応範囲を確認します。
得意領域・実績
金融機関、通信、カード、CtoCなど、本人確認件数が多く、不正対策と利用者体験を同時に改善したい案件に向いています。公式発表では、IC読取方式とJPKI方式の自動承認率の比較も示されており、方式選択を感覚ではなく業務KPIで検討できます。契約時には、本人確認結果の保持期間、画像・IC情報の削除タイミング、誤判定時の人手審査、将来の法人KYBや取引モニタリングとの連携可否を確認します。
株式会社ポラリファイ|金融・カード向けのeKYCと生体認証

株式会社ポラリファイは、身元確認サービス「Polarify eKYC」と当人認証サービス「Polarify eAuth」を提供する実在企業です。公式サイトでは、2025年に楽天カード、みずほ銀行、第四北越銀行などへの導入実績が案内されています。銀行口座やクレジットカードの申込など、金融サービスの本人確認を想定した比較では、候補に入れやすい会社です。
特徴と強み
Polarify eKYCは、犯罪収益移転防止法の各方式に沿った本人確認に加え、本人確認書類の撮影、容貌撮影、ICチップ読取など、業務に応じて工程を組み合わせやすいサービスです。サーバーパッシブライブネスや顔認証などの機能も案内されており、本人確認後の当人認証まで設計できます。方式の法的適合性は、サービスの用途と契約時点の法令を照らし合わせて確認する必要があります。
得意領域・実績
金融機関やカード会社の申込フローに、本人確認を組み込みたい企業に向いています。個人の口座開設だけでなく、法人申込や、確認後のログイン・取引時の認証まで一連の体験として検討できる点が比較ポイントです。見積時は、申込ピーク時の処理能力、失敗時の再撮影、審査担当者の画面、監査ログの取得、マイナPocketなど外部サービスとの役割分担を確認します。
GMOグローバルサイン株式会社|公開料金で始めやすい顔認証eKYC

GMOグローバルサイン株式会社は、電子認証の知見をもとに「GMO顔認証eKYC」を提供しています。公式ページでは、初期費用なし、最小50件・月額22,000円からという公開料金例が掲載されています。ただし、これは本人確認APIの利用料であり、申込画面、既存システム連携、審査運用、ログ保存、法務確認まで含むKYCシステム全体の開発費ではありません。
特徴と強み
スマートフォンのブラウザで本人確認書類と顔を撮影し、AIで判定した結果をAPIで受け取れるため、既存サービスへの追加導入を検討しやすいです。公式情報では、2026年3月時点の方式として、書類撮影と顔撮影を組み合わせるホ方式、ICチップ読取と顔撮影を組み合わせるへ方式への対応が案内されています。小規模に始め、利用件数を見ながら拡大したい場合に、費用の初期仮説を作りやすいベンダーです。
得意領域・実績
古物商、チケット、不動産、レンタル、オンライン診療など、本人確認を必要とするWebサービスに向いています。API連携タイプのほか、開発対応が難しい事業者向けにメール送信タイプも案内されています。比較する際は、対応方式のほか、確認結果の詳細データ、証跡データの保管期間、反社チェックや年齢判定のオプション、障害時の通知とSLAを確認します。
株式会社NTTデータ|JPKIと金融業務を含む大規模連携

株式会社NTTデータは、金融機関向けのシステム開発・運用や制度対応を手がける実在企業です。eKYCサービス「マイナPocket」では、マイナンバーカードのICチップにある電子証明書を利用した本人確認やマイナンバー収集などを案内しています。2025年には、金融機関向けバンキングアプリでJPKIを使ったeKYCサービスの提供開始も公表されています。
特徴と強み
口座開設や保険、決済などの本人確認を、既存の金融業務・勘定系・CRM・アプリと一体で設計したい場合に強みを発揮します。マイナンバーカードの電子証明書を使う方式は、券面画像の目視だけに依存しない本人確認を検討できる一方、利用者のカード保有状況や暗証番号入力などの体験も考慮が必要です。方式の選択だけでなく、金融業務の要件、可用性、災害対策、運用監視まで含めて相談します。
得意領域・実績
既存の金融システムを止めずに制度対応を進めたい企業、大量の顧客データを扱い、システム運用や監査への説明責任を重視する企業に向いています。自社アプリへSDKを組み込む構成、マイナPocketを使う構成、特約販売店を介する構成など、契約形態と責任分界を整理する必要があります。大規模案件では、要件定義だけでなく移行、総合テスト、運用引き継ぎ、障害時の指揮系統まで見積書に含めます。
KYCシステムのパートナー選びで比較するポイント

6社は知名度や機能数の順位ではなく、案件との適合性で比較します。本人確認の入口を短期導入したい会社と、法人確認・AML・基幹連携まで一体化したい会社では、適したベンダーも費用構造も異なります。RFPには同じ前提条件を記載し、初期費用だけでなく、利用料、連携開発、保守、審査運用を含めた3年TCOで評価します。
実績と経験の確認方法
「金融に強い」という説明だけで判断せず、自社と似た業種・顧客数・本人確認方式の導入事例を確認します。確認したいのは、完了率、平均審査時間、再提出率、目視審査の割合、障害発生時の復旧時間などです。事例の社名を開示できない場合でも、業種、月間件数、連携先、導入期間、ベンダーと発注者の担当範囲を聞けば、実績の具体性を比較できます。
技術力と専門性の評価
対応書類、JPKI、ICチップ、顔照合、ライブネス、法人確認、PEPs・制裁・反社チェックを一覧化し、標準機能と追加開発を分けて比較します。AIを使う場合は、判定精度だけでは不十分です。なぜ要確認になったか、誰が最終判断したか、ルールやモデルの版数は何かを監査ログで追えること、誤判定された顧客が再提出や人手審査で救済されることを確認します。
プロジェクト管理体制の確認
要件定義の責任者、セキュリティ担当、法務・コンプライアンスとの連携担当、開発責任者、導入後のサポート窓口を明確にします。特に、本人確認APIが停止したときの代替フロー、リストや法令が更新されたときの対応、再委託先、データ返却と削除、解約後の移行費は契約に入れます。SaaSを採用しても、顧客・ケース・監査データまでベンダー任せにせず、自社で保有するデータの範囲を決めることが重要です。
よくある質問

KYCシステムの導入では、eKYCの導入だけで要件を満たせるのか、費用はいくらか、開発会社とサービス会社のどちらに相談すべきかという質問が多いです。ここでは、比較検討時に特に判断しやすくなる3つの質問に回答します。
KYCシステムとeKYCの違いは何ですか?
eKYCは、オンラインで本人確認を完結させる入口の仕組みです。KYCシステムは、個人・法人確認、リスク評価、審査ケース、継続的な情報更新、取引モニタリング、監査ログまで含む業務基盤として考えると整理しやすいです。本人確認だけが必要ならeKYC API、法人やAMLまで必要なら複数サービスと自社業務基盤を組み合わせます。
KYCシステムの開発費用はいくらですか?
標準的なeKYC APIの連携なら初期0〜300万円、本人確認に法人確認・審査画面・CRM連携を加えると300万〜1,500万円、AMLや基幹連携を含む金融向けパッケージでは1,000万〜5,000万円程度が編集上の目安です。大規模なスクラッチ開発では5,000万円から数億円以上になる可能性があります。これらは公開価格と類似案件から整理した概算であり、月間件数、対応書類、目視審査、保存・監査要件で変動します。
開発会社とeKYCベンダーはどちらに相談すべきですか?
本人確認機能だけを早く追加するならeKYCベンダー、顧客・審査・監査・基幹連携まで業務を再設計するなら開発会社やSIerへの相談が向いています。実務では、eKYCを外部APIで利用し、顧客・ケース・監査ログは自社基盤に保持するハイブリッドが比較しやすいです。最初から方式を固定せず、PoCで完了率、審査時間、再提出率、誤判定率、1件あたりコストを測定して決めます。
まとめ

KYCシステムの開発会社・ベンダーは、本人確認の方式だけでなく、法人KYB、AML、審査運用、監査ログ、既存システム連携、導入後の法改正対応まで含めて比較します。今回紹介した6社のうち、riplaは業務整理から個別開発までを相談したい企業、TRUSTDOCKは本人確認と顧客確認をAPI・BPOで進めたい企業、LiquidはICチップ・顔認証と大量処理を重視する企業に向いています。
自社に必要な範囲から候補を絞ります
Polarifyは金融・カードの本人確認と生体認証、GMOグローバルサインは公開料金をもとにした小規模なAPI導入、NTTデータはJPKIと金融業務・基幹連携を含む大規模案件の相談先になります。最終判断では、同じRFPを渡して、初期費用・月額・従量課金・連携費・保守費を3年TCOで並べます。価格だけでなく、障害時の代替手段、データ返却、再委託、法改正対応を確認することが重要です。
小さなPoCから導入効果を測定します
いきなり全顧客・全業務を切り替えるのではなく、一つの申込導線で本人確認完了率、平均審査時間、再提出率、誤判定時の救済率、運用担当者の工数を測定します。KYCは法令や不正手口、端末環境の変化に合わせて継続改善するシステムです。導入前の要件整理と、導入後の改善を一緒に進められるパートナーを選ぶことで、使われ続けるKYC基盤を構築しやすくなります。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
