漏水監視システムの開発会社は、対象管路の規模、検知方式、既存システムとの連携で比べて選びます。
検知後の対応体制も確かめておくと、導入後の運用に合う会社を見つけやすくなります。全体像は、次の完全ガイドにもまとめています。
▼全体ガイドの記事
・漏水監視システム開発の完全ガイド
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漏水監視システムのパートナー選びが重要な理由

漏水監視システムは、センサーの精度に加えて、通信・クラウド基盤や既存の水道管路GIS、料金管理システムとの連携まで含む業務システムです。
検知後に誰が確認し、何分以内にどの現場対応へ進むかまで設計することも欠かせません。そのため、運用フローまで一体で組み立てられるパートナーかどうかが、成果を左右します。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
水道管路では、法定耐用年数の40年を超えた経年化率が約23.6%に達しています。さらに、現在の更新ペースが続けば、今後20年で約69%まで上昇すると試算されています(出典: 国土交通省水管理・国土保全局、2024年度全国水道主管課長会議資料)。
ただし、老朽化が進む中でも、センサーへの投資は限られるため、成果を出すには自社の対象規模に合うパートナーを選ぶ必要があります。
2026年度の政府予算案では、八潮市の道路陥没事故を受け、重要管路の更新・複線化向けに320億円規模の個別補助制度が検討されています(出典: 国土交通省「令和8年度上下水道関係予算の概要」、2026年)。
- 広域監視:広い地域にまたがる異常把握を得意とする会社
- 管路監視:特定の管路を継続して監視することを得意とする会社
会社によって得意とする役割は異なります。
公共調達の対象が広がる局面では、公募・入札の実績に加えて、複数年度契約や保守体制に対応できるかどうかも選定の材料になります。
発注前に確認すべきポイント
各社の提案を同じ条件で並べ、方式や連携範囲が自社の管路と運用条件に合うかを照らし合わせます。
- 検知と連携:方式、管径、GIS・SCADA・料金管理とのAPI連携
- 運用と保守:AI精度の検証、誤報時の流れ、保守窓口
- 継続性:データ所有権、災害・通信断時の代替体制
検知方式は、水圧・流量を中心にするのか、音響・振動を中心にするのかを確認します。
同一条件の提案を比べると、知名度に左右されずに判断しやすくなります。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援
riplaは、コンサルティングから開発までを一貫して支援する会社です。IT事業会社として社内DXを進めてきた経験を生かし、成果の創出とシステムの定着を後押しします。
営業や生産、販売管理など、基幹システムの構築と導入の実績があります。
企業ごとの業務要件に合わせて、柔軟に対応できる体制を備えています。
特徴と強み
riplaは、センサーや通信方式の選定に加えて、検知後の業務フローも設計します。
- 業務の流れ:監視地点の優先順位も含めて、通知や確認、現場調査、修繕記録の流れをヒアリングします
- 導入範囲:必要な範囲から段階的にシステム化する進め方を得意とし、センサーや通信基盤に実績のあるIoTサービスを使う構成も検討できます
- 個別対応:通知ワークフローや既存システムとの連携など、企業ごとの差が出やすい部分は追加開発できます
- 導入の分け方:重要管路への先行導入と将来の全体展開を分けると、予算と導入時期のバランスを取りやすくなります
得意領域・実績
基幹システムの構築・導入の経験を生かして、水道事業者や設備管理者の既存業務や社内システムとの接続について相談できます。
- 周辺システム連携:GIS、資産台帳、料金システムのデータ統合を整理したい企業にも向いています
- 標準センサーが難しい場合:管路条件に合わないときは、現行業務を洗い出し、RFP作成、ベンダー比較、PoC・受入試験を経て、運用定着までを計画できます
- 相談時に伝える内容:対象管路数や既存システム、導入予定時期、AI判定の要否を伝えると、実装範囲を具体的に詰められます
株式会社日立システムズ|クラウド型水インフラ監視とAI異常検知
日立システムズは「CYDEEN 水インフラ監視サービス」を提供しています。水圧・水位・流量・水質のデータを、クラウド上で一元管理できます。
2023年7月に神戸市水道局へ水圧監視システムを導入しました。さらに、市内60カ所以上の配水減圧弁付近で、水圧データを提供・運用しています。
特徴と強み
2025年には「AI異常検知サービス」の提供を始めました。過去一定期間の水圧・流量などのIoTデータから、AIが正常時の基準値を生成して異常を検知します(出典: 株式会社日立システムズ「AIを活用した水道設備の異常検知サービスの提供を開始」、2025年5月19日)。
監視対象とAIの運用条件を合わせて確認しておくと、導入後の活用範囲を判断しやすくなります。
- 監視範囲:複数データをクラウドで扱い、設備異常や流量からの漏水可能性を分析
- 導入・連携:自治体実績を踏まえ、公共調達や複数年度契約、既存監視制御との連携範囲
- AI運用:異常検知の基準値が安定するまでに必要な学習期間
得意領域・実績
水圧・水位・流量・水質をまとめて監視したい水道事業体に向いています。既存の監視業務にAI異常検知を加えたい場合も候補になります。
たとえば、神戸市水道局のように複数地点の水圧監視から始め、段階的にAI機能を加える進め方も検討できます。
日本電気株式会社(NEC)|高感度振動センサーによる漏水検知
NECは、高感度振動センサーと音響処理、クラウドを組み合わせた「NEC漏水検知サービス」を提供しています。対象は中大口径の基幹管路や長距離区間で、漏水の被疑箇所を絞り込む構成です。
特徴と強み
現地巡回だけでは把握しにくい基幹管路を、長い区間にわたって見続けられる点が特徴です。
- 長距離監視:振動データを長距離区間で常時収集し、音響処理で被疑箇所を絞る
- 基盤連携:公共インフラの構築実績を生かし、大規模データ処理基盤とつなぐ
過去には複数センサーを含む構成で、月額50万円からという価格情報が公開されていました。ただし、これは2014年時点の案内です(出典: 日本電気株式会社「NEC漏水検知サービス」プレスリリース、2014年9月)。
この金額は比較用の参考値で、2025〜2026年の相場とは扱えません。最新の見積もりは、対象管路数、口径、通信条件を伝えて個別に確認します。
得意領域・実績
中大口径の基幹管路や長距離区間で、少ない人員でも継続的に絞り込みを進めたい水道事業体に向いています。
監視制御や資産管理のシステムとの連携範囲を確認するとともに、センサーの設置間隔と検知精度の関係を、具体的な数値で確かめます。
KDDI株式会社|通信基盤と自治体実証でAI漏水検知を推進

KDDIは、宇都宮市上下水道局、wavelogyと連携し、AI漏水検知ツール「SuiDo」の実証を2025年3月に始めました。
SuiDoは、漏水音をアップロードする機器、音を共有するGISプラットフォーム、漏水診断AIで構成されます。音声から漏水箇所の予測と報告を自動で生成します(出典: KDDI株式会社「宇都宮市の水道管の漏水をAIで発見する実証を官民連携で開始」、2025年2月28日)。
特徴と強み
実証は2026年3月31日まで実施されます。漏水音データの収集と蓄積の運用手順を確立したうえで、2026年度にAI判定の精度向上を進め、2028年度の実用化を目指すと案内されています。
KDDIは、漏水音データを伝送する通信基盤の提供と、実証全体の設計を担います。加えて、自治体との官民連携プロジェクトを組み立てる進め方に強みがあります。
通信のほかに、AI技術を持つベンダーや水道局と組んで実証を運営した経験もあります。そのため、複数の関係者が関わる大規模な官民連携を検討する自治体や事業者に向いています。
得意領域・実績
通信・IoT基盤を中心に、自治体実証から本格導入までの進め方を重視する案件で候補になります。
2026年時点では実証段階です。そのため、本番導入を急ぐ場合は、実証の進捗と本格提供の時期を確認します。
wavelogy株式会社|AI漏水検知ツール「SuiDo」の開発
wavelogyは、AI漏水検知ツール「SuiDo」を開発しています。管路・弁・路面などから集めた漏水音を蓄積して分析し、AIが漏水箇所の予測と報告を自動生成します。
宇都宮市上下水道局での実証では、音を集める機器、データの蓄積と分析、AIアプリケーションを提供しています。
特徴と強み
漏水音の診断を、人の経験だけに頼らない形へ移したい場合に検討できます。
- 音の収集・診断:漏水音データをAIで扱い、熟練の音聴技術者の経験に依存する調査業務の一部を補う
- 判断支援:技術者の経験への依存を軽減し、若手職員でも一定水準の判断を再現できるようにする
2026年時点で宇都宮市との実証は継続中で、2028年度の実用化を目標にしています。そのため、導入前に発注側が、蓄積データをどこまで適用できるか、自社の管路でどの程度の検知精度を見込めるかを確認します。
導入を検討する際は、事前説明会や個別相談で管路条件への適合を確認します。
得意領域・実績
漏水音データの収集やAI音響解析で、技術者への依存を軽減したい水道事業体に候補となります。ただし、大手ベンダーと比べると会社の規模は小さいため、保守体制と導入後のサポート範囲を確かめて比べます。
フジテコム株式会社|現場調査ノウハウとIoTセンサーの組み合わせ
フジテコムは、漏水調査の現場ノウハウとIoTセンサーを組み合わせたサービスを提供します。「リークネッツセルラー LNL-C」は、クラウド型のIoT遠隔漏水監視システムです。
独自アルゴリズムとAIによる「ハイブリッド判定」が特徴です。また、川崎市上下水道局のDX推進事業に採用された実績も紹介されています(出典: フジテコム株式会社「自治体総合フェア2026」出展情報)。
特徴と強み
福岡市の「AI・IoTセンサを活用した水道管漏水調査業務委託」では、株式会社ゼロサポートと共同契約した実績があります(出典: 福岡市「AI・IoTセンサを活用した水道管漏水調査業務委託」公募結果、2025年)。
AI・IoTセンサーの導入から、現場での漏水調査と確定作業までを扱えます。異常検知のあとの現地調査や修繕対応も相談したい事業者に向いています。
継続監視向けのIoTセンサーの導入と、単発の漏水調査サービスを提供しています。予算と体制に合わせて、契約形態を分けて確認します。
得意領域・実績
継続監視に加えて、検知後の現場調査・確定作業まで一貫した体制を求める水道事業体や自治体に適しています。
共同契約や再委託先が関わる案件では、実際にどこまでを誰が受け持つかを、提案の段階で確認します。
漏水監視システムの開発会社の選び方

まず、対象の管路規模と検知方式を整理します。そのうえで、既存システムとの連携範囲と検知後の対応体制も洗い出します。同じ条件で複数社から提案を受けることが、選定の出発点です。
紹介した6社は、それぞれ得意領域が異なります。そのため、知名度や会社規模で順位を決めるのは難しいといえます。
実績と経験の確認方法
実績を確認するときは、自治体・事業者、導入規模、検知方式を具体的に尋ねます。「水道分野に強い」という説明のままでは、比較の材料として不十分です。
公開できる範囲で、検知率と誤報率、現地調査への引き継ぎ、障害対応の事例を見せてもらうと、判断の材料になります。
技術力と専門性の評価
提案書では、検知の仕組みから契約終了後のデータ移行までを、方式と運用条件に分けて明記してもらいます。
- 検知と連携:検知方式、AIの判定範囲、GIS・SCADA・料金システムとの連携
- 通信とデータ:通信断時の動作、保存場所、データ所有権
- 費用:初期投資、センサー保守、通信費、クラウド利用料、AIモデル再学習まで含めた総額
特定ベンダーの仕組みに縛られないよう、契約終了時のデータ返却と移行の条件も確認します。
プロジェクト管理体制の確認
検知後の一次確認から現地調査、修繕までの連絡を、発注者とベンダーのどちらが担うのかを明確にします。
24時間監視や夜間・休日のアラート対応が必要な場合は、対応体制と復旧目標時間を契約前に確認します。共同契約や再委託がある案件では、担当範囲と責任の境目も詰めておきます。
よくある質問(FAQ)
開発会社を比べるときに、特に確認されやすい点を取り上げます。
何社くらいに相見積もりを依頼すればよいですか?
3〜5社程度に、同じ要件書で提案を依頼するのが一般的です。紹介した6社は得意領域が異なるため、対象管路の規模や検知方式を整理してから、自社に近い会社に絞ると比較の負担を抑えられます。
実証段階のベンダーに発注しても問題ありませんか?
実証段階のサービスは最新技術を取り入れられる一方、精度や保守体制が固まっていない可能性があります。
KDDIとwavelogyのSuiDoは、2028年度の実用化を目標にしています。そのため、実証への参加か本番導入かを明確にし、仕様変更やサポート範囲の見直しに対応できる契約条件を決めておきます。
小規模な施設でも開発会社に依頼できますか?
依頼できます。工場や商業施設、集合住宅などでも、既存のIoTセンサーを組み合わせれば、大規模な水道事業体と同じ仕組みを縮小して導入できます。
全管路に一括で導入するより、水損リスクが高い設備から監視地点を選ぶほうが、費用対効果を高められます。
まとめ
紹介した開発会社は、株式会社ripla、株式会社日立システムズ、日本電気株式会社、KDDI株式会社、wavelogy株式会社、フジテコム株式会社の6社です。
各社の得意領域は、クラウド型の水インフラ監視や基幹管路の音響検知に分かれます。さらに、通信・自治体実証、AI音響解析、現場調査との連携にも広がっています。
自社の対象規模と検知方式の事前整理
発注前に対象管路の規模、優先する検知方式、既存システムとの連携範囲を整理し、同じ条件で複数社に提案を依頼してください。
知名度に頼らず、実績や検知精度の検証方法、検知後の運用体制まで比べておくと、導入後の満足度につながります。
現場対応まで含めたPoCでの検証
可能であれば短期のPoCで、検知率や誤報率に加えて、通知から現地調査への引き継ぎまで確認してください。
監視と調査を組み合わせた業務フロー全体を評価の対象にすると、長期活用の可否を見極めやすくなります。
▼全体ガイドの記事
・漏水監視システム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
