医療材料管理システムの開発は、現状業務の整理から定着までを6段階で進めます。この流れに沿って進めると、安全な院内物流と請求精度の向上につながります。
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医療材料管理システムの全体像

医療材料管理システムは、診療材料・手術材料・カテーテル・衛生材料・検査試薬などを管理するシステムです。品目マスターを起点に、発注・納品・保管・払出の各業務を一つにつなぎます。さらに、使用・返品・棚卸・請求・廃棄までを同じ流れに含めます。
一般的な在庫管理と比べると、ロット番号や有効期限、使用部署、患者や手術との関係まで追跡できる点が特徴です。また、SPD(Supply Processing and Distribution)の業務を支える基盤として導入する場合もあります。
院内物流と請求をつなぐ基盤という位置づけ
在庫金額の削減を主な目的にすると、欠品を恐れて余分に保管したり、入力作業が増えて運用を避けたりするおそれがあります。そこで、発注点と定数を管理し、欠品を防ぐ運用を前提にします。
- 入荷:商品コード、数量、ロット、期限の記録。
- 払出・使用:部署への払出と使用実績のひも付け。
- 購買・請求:単価と使用量を一覧にして、改善と請求に生かします。
仕入先別単価、同種同効品の使用量、期限切れ廃棄額を把握できます。患者・手術単位の実績も押さえられます。これらの情報を使って、購買改善や医事請求の精度向上へ展開します。
必要な機能には、医療材料マスター、発注・検収、入出庫があります。加えて、ロケーション、定数、棚卸も必要です。
ロット・期限の管理、トレーサビリティ、購買分析にも対応します。さらに、権限・操作ログとバックアップも欠かせません。
電子カルテやHISと連携する場合は、データの種類と連携時点も要件に含めます。医事会計や購買・会計、SPD事業者と連携する場合も、同じ観点で要件に含めます。
管理対象と現場の責任範囲の決め方
管理対象には、医療材料のほか、医薬品や医療機器、一般消耗品もあります。単価や期限、法令上の管理は品目ごとに違い、使用記録の必要性も異なります。
欠品や期限切れが経営や医療安全に影響しやすい材料を、最初の対象にします。たとえば、第1段階で手術室の高額材料と病棟の定数品を扱い、第2段階で検査試薬やSPD全体の購買分析へ広げる方法があります。
通常の流れから外れる業務ほど、責任の境界が曖昧になりやすいものです。そのため、システムが記録する範囲と、SPD業者・卸・用度課・看護部・医事課のどこまでを誰が受け持つかを、先に決めておきます。
- 例外業務:返品、緊急払出、貸出・返却、廃棄の扱い。
- 承認業務:棚卸差異などの担当部署と、承認者を決めておきます。
担当部署と承認者は、要件定義の段階で業務フローに書き込みます。
医療材料管理システム開発の進め方:6つのフェーズ

現状業務と目標を整理してから選定・設計へ進み、各段階で何を残すかと次へ進む判断基準を決めておくと、開発の失敗を減らせます。
病院の規模や導入方式によって期間は変わります。ただし、6フェーズそれぞれの完了条件を曖昧にしないことが大切です。
フェーズ1:要件整理での現場業務の洗い出し
要件整理では、品目数や保管場所、部署数を確認します。発注頻度と月間の入荷・払出件数、棚卸方法も押さえます。紙・Excelの台帳や、SPDや卸から受け取るデータも調べます。
- 現場観察:定数補充、開封・未使用返却、試薬入荷の流れを追う。
- 例外確認:緊急払出と期限切れ廃棄の流れ。
- 操作確認:担当者の動きと、確定までの所要時間を確かめる。
「バーコード対応」という要件を、誰がどの端末で何秒程度操作し、どの情報を確定するかまで確認します。
資料には、現状業務フローや課題一覧、対象品目・部署、優先順位付き要件一覧、導入前KPIをまとめます。KPIには、棚卸時間、欠品件数、期限切れ廃棄額、在庫回転を設定します。請求漏れやリコール検索時間、現場の登録率も加えます。
看護部・用度課・手術室・医事課・情報システム部門・SPD関係者が、対象範囲と責任分担に合意したら、要件整理を終えます。
フェーズ2:選定でパッケージ・クラウド・スクラッチを同じ業務で比較
製品機能の多さより、自院の代表シナリオを標準機能で処理できるかを比べます。そのうえで、方式ごとの特徴を同じ業務に当てはめて評価します。
- クラウド・SaaS:初期構築を抑えやすく、更新を受けやすい方式。
- パッケージ:標準機能を生かしつつ、独自帳票や連携を追加できます。
- スクラッチ:独自の業務やデータモデルに合わせて構築できる方式。
クラウドは、独自の承認経路や古いシステムとの深い連携に制約が出る場合があります。
パッケージは、医療材料マスターやGS1、ロット・期限の管理を活用しやすい方式です。発注・検収も活用しやすい点が特徴です。
病院固有の帳票と連携だけを追加する形なら、費用と納期のバランスを取りやすくなります。
スクラッチは、物流・手術・医事・購買・SPDのデータモデルが独特で、既存製品に業務を合わせるほうが高くつく場合に検討します。
スクラッチは自由度が高い一方、要件定義・テスト・保守・セキュリティを自院と開発会社が長期に担います。
デモでは、納品検収や棚入れ、部署払出を同じデータで実演してもらいます。返品や棚卸差異、緊急払出、期限切れ、リコール検索も、同じ条件で試してもらいます。入力回数と例外処理も記録します。
選定の合格条件は、現場の操作と5年総額まで比べられていることにします。
フェーズ3:データと例外処理を優先する設計・開発
設計では、画面や帳票と並んで医療材料マスターの項目を定義します。対象は、品目コード、メーカー、規格、JAN・GTIN、償還価格です。
取引先や保管場所、定数、ロット、有効期限も、マスターの項目として扱います。
- マスター整備:重複品や販売終了品、規格違い、単位違いの判定。
- 更新運用:更新頻度と承認ルール、担当者を決めておきます。
- 連携設計:各システムで正とするデータと、受け渡しの取り決め。
- 安全設計:権限、ログ、暗号化、バックアップ、障害時運用を定めます。
マスターの初期整備は想定以上に時間がかかるため、判定の担当を前もって決めておきます。
鴻池メディカルの公開情報では、2019年時点で100万件以上の医療材料データベースを扱う例が示されています。マスターの量と更新運用が、選定のポイントになることが分かります(出典:鴻池メディカル「診材看護シリーズ」、2019年時点の公開情報)。
電子カルテやHISなどとの連携では、どのシステムを正とするかを決めます。手術部門、医事会計、購買・会計、SPDも同じ観点で整理します。
使用実績を医事請求へ渡す場合は、連携失敗時の再送や重複登録、訂正まで記録します。未確定データの扱いも、あわせて残します。
操作ログと、職種・部署ごとの権限も基本設計で決めます。多要素認証、保存・通信時の暗号化、バックアップも、同じ段階で方針を固めます。障害時の手書き運用と復旧後の再入力は、開発の後半ではなく基本設計で決めておきます。
フェーズ4:正常系より現場の例外を重視するテスト
テストは、単体テスト、連携テスト、業務シナリオテスト、受入テストに分けます。まず品目登録から請求連携までの業務を一巡させます。
- 通常業務:発注、検収、棚入れ、払出、使用登録の流れ。
- 在庫業務:返品、棚卸、廃棄、請求連携を試します。
- 例外業務:数量・規格違い、期限切れ、ロット不明への対応。
- 障害対応:電池切れ、通信断、二重送信、緊急払出の確認。
- 安全確認:リコール対象を検索し、類似品を識別します。
テストデータには、実際に似た商品名や規格を含め、現場が迷わず識別できるかを確認します。
バーコードやRFIDの導入そのものより、業務が正しく回るかを成功条件に置きます。日本手術医学会の報告では、患者別消費情報や医事請求データ作成につながる効果が示されています。
同じ報告では、読取精度や通信障害、入力確定忘れなどの課題も扱われています(出典:日本手術医学会「RFIDタグを用いた医療材料管理システム導入による現状と課題」、J-STAGE公開2026年)。
端末の読取時間、未読時の再操作、電波が届かない場所での処理、復旧後の差分確認を受入基準に含めます。
フェーズ5:小さな範囲から始める段階的な稼働
全院一斉稼働は、教育と移行を一度に完了できる一方、問題時の影響範囲が広くなります。まずは1倉庫、1病棟、または手術室の一部で段階導入します。
- 対象業務:発注、入出庫、棚卸、期限アラートからの開始。
- 在庫移行:品目マスターの整理と、初期在庫の実棚との照合。
- 切替計画:旧台帳の凍結日と、紙運用の終了日を決めます。
稼働初日は、現場リーダーと開発会社の支援担当が、納品や払出、返品、緊急対応を確認します。
連絡先や優先度、代替手順、復旧目標時間は一覧にします。システムが止まった場合も、診療材料の供給を続けられるようにするためです。
稼働判定では、機能が動くかに加えて、登録率や棚卸差異、未処理伝票、問い合わせ件数を確かめます。現場が旧運用へ戻っていないかも見ます。
フェーズ6:KPIと改善会議を組み込んだ定着の運用
定着を担当者の努力に頼ったままにすると、忙しい部署から入力が抜け、数か月後に在庫データの信頼性が下がります。そこで、月次でKPIを確認し、部署別に改善を進めます。
- 在庫・安全:欠品率、期限切れ廃棄額、在庫回転の確認。
- 業務・請求:棚卸時間、請求漏れ、リコール検索時間を把握します。
- 利用状況:利用率と未処理エラーを見る。
目標値は病院の現状から設定します。導入直後の一時的な混乱と、半年後の安定状態を分けて評価します。
在庫を10%減らすことに加えて、緊急発注を減らしつつ欠品を増やさない目標も置きます。
期限切れ廃棄の原因品目を特定する目標や、手術終了から使用実績確定までの時間を短くする目標も設定します。
新しい材料や部署、端末を追加する際も、変更申請やマスター登録、権限、教育、テスト、リリース後確認を同じ手順で回します。
医療材料管理システムの費用相場とコストの内訳
医療材料管理システム単体の公開定価は多くありません。金額は、病院規模や品目数、拠点数、端末台数によって変わります。電子カルテ・HIS連携やSPDの範囲も、金額に影響します。
バーコードやRFID、データ移行、監査・セキュリティ要件も費用を左右します。次に示すのは、2025〜2026年時点の企画用の推定レンジです。
一般的な業務SaaSや個別開発の目安に、端末や連携、マスター整備、教育を加味しています。公開定価や実見積りではありません。
予算取りの初期仮説として使い、最終的には同じ要件で複数社に確認します。
導入方式別の初期費用の幅(100万円台〜5,000万円超)
企画用の目安として、1拠点で標準的な発注・在庫・棚卸を始める場合の方式別費用を示します。
- クラウド・SaaS:初期費用は100万〜500万円程度、月額は5万〜30万円程度を仮置きします。
- パッケージ:初期500万〜1,500万円程度、月額または年額保守を含め月10万〜50万円程度を仮置きします。
- 連携を含む導入:初期1,000万〜3,000万円程度、月額または保守相当で月20万〜80万円程度を仮置きします。
- 多拠点スクラッチ:初期2,000万〜5,000万円超、期間9〜18か月程度となる可能性があります。
この目安は、設定や軽微なカスタマイズに加えて、GS1、期限・ロット、帳票を含める場合のものです。
連携を含む導入は、複数部署の端末やHIS・医事・購買との接続、SPD業者とのデータ交換を想定します。
多拠点スクラッチは、独自の物流・請求・手術材料管理を統合するケースです。病院の条件によって金額は大きく変わります。そのため、品目数や拠点数、連携数、端末数に分けて見積もります。
見落としやすい端末・マスター・移行・教育の費用
システム本体以外の費用は、機器、データ整備、移行、運用準備に分けて確認します。
- 機器・環境:端末、リーダー、プリンター、RFIDタグ、充電設備。
- ネットワーク:無線LANやネットワーク改修、連携用インターフェースの確認。
- 導入準備:マスター整理、データ移行、帳票、権限設計、操作研修、マニュアルの計上。
- 安全・継続:脆弱性診断、バックアップ・BCP設計、RFIDの電波調査を確かめる。
RFIDは、タグの貼付方法や読取機、ゲートやアンテナ、未読時の再処理まで含めて比較します。
保守費には問い合わせ対応のほか、OS・ブラウザ更新、法令・ガイドライン対応、マスター更新、端末交換が含まれるかを確認します。
クラウド利用料や連携先の仕様変更も、保守費の対象かを確かめます。
厚生労働省は2026年6月に、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版と、医療機関・薬局向けチェックリストを公表しています(出典:厚生労働省、2026年)。
医療情報を扱う可能性がある場合は、契約後の安全対策の更新も、見積りと運用計画に含めます。
初期費用と5年総保有コストの比べ方
方式による初期・継続費用と、導入後に見込む効果を合わせて比較します。
- SaaS:端末・連携・移行・教育を足すと、初年度の支出が膨らむ場合があります。
- 個別開発:初期費用は高くても、手作業や請求漏れを減らせば、長期の効果が上回ることもあります。
比較表には、初期構築と月額・保守の費用を並べます。さらに、端末、通信、タグ、マスター更新も入れます。また、移行、教育、追加開発、障害対応、契約終了時のデータ返却も、同じ表に含めます。5年間の総額と年度ごとの支出は、分けて示します。
効果の試算では、棚卸時間、発注・集計工数、期限切れ廃棄額、緊急配送費、請求漏れ、リコール調査時間を金額に換算します。
欠品防止や医療安全は、金額に置き換えにくい効果です。そこで、欠品件数や期限管理の遵守率、トレーサビリティ検索時間を、別の指標として残します。
見積もりを取る際のポイントとチェックリスト

見積もりの精度は、発注側が要件と前提条件をそろえられるかで決まります。機能一覧を並べて比べても、会社ごとに対象範囲が変わります。
安い見積もりに、移行・連携・教育が含まれないこともあります。そこで、RFPや依頼書には、比較に必要な条件を記載します。
- 規模:品目数、部署数、拠点数、端末台数、月間件数。
- 業務・システム:対象業務、既存システム、データ形式の提示。
- 導入条件:稼働希望時期と、セキュリティ条件を記載します。
要件と前提条件をそろえた、同じシナリオでの見積もり依頼
見積もり依頼には、現場の業務を次のとおり含めます。
- 納品:商品コード・数量・ロット・期限を読み取ります。
- 病棟補充:病棟へ定数補充。
- 手術材料:使用材料を患者・手術単位で確定します。
- 返品・棚卸:未使用品の返品と、棚卸差異の承認。
- 廃棄・リコール:期限切れ品の廃棄と、リコール対象の検索。
上記の5つは、最低限提示してもらうシナリオです。各シナリオを、標準機能、設定、追加開発、運用での代替方法に分けてもらうと、比較しやすくなります。
データ移行では、重複や廃番、規格違い、単位換算、初期在庫、過去のロット情報を、どこまで移すかを決めます。範囲を決めるには、旧マスターの件数に加えて中身も見る必要があります。
連携方式は、API、ファイル、手入力のどれかを明示します。リアルタイムか日次かを指定し、連携先の改修費が含まれるかを確認します。
追加費用の条件は、品目数やインターフェース数の上限を示して、見積書に残します。
製品・開発・運用支援の範囲で見る開発会社の比較
比較の候補には、受託開発会社のほか、医療材料のSPD製品会社やクラウド型業務システム会社、検査試薬や手術器材に特化した会社も含まれます。
- 実績:同規模病院での導入実績。
- 製品・連携:マスター保守、GS1・RFIDの実読取、既存連携の確認。
- 運用支援:稼働後の教育と改善支援を確かめます。
SPD運用とシステムを一体で支援する会社もあり、それぞれ得意領域が異なります。会社名の知名度より、自院の条件に合うかを見ます。
株式会社エーピークラフトの公開事例では、バーコードスキャナ付き携帯端末による入出庫・貸出返却、ロケーション管理、リアルタイム在庫を構築しています。
同事例は手記入・手入力や類似商品の探索に関する課題へ対応しています(出典:株式会社エーピークラフト「導入事例 医療材料在庫管理システム」、確認2026年)。
事例を確認したら、効果の測定方法や対象品目数、現場の運用変更、保守体制を質問します。自院の条件で再現できるかを見極めます。
契約前に確認する安全管理・SLA・障害時運用
患者や手術に結び付く使用実績を扱う場合は、情報の範囲を整理しておきます。そのうえで、権限や暗号化、脆弱性対応も確かめます。
委託先管理、インシデント連絡、データ返却・削除も契約前に確かめます。なお、経済産業省は2025年3月に安全管理ガイドライン第2.0版を公表しました。
同ガイドラインは、医療機関と事業者の合意内容やリスクコミュニケーションを明確にする方向を示しています(出典:経済産業省「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン第2.0版」、2025年)。
- 障害対応:稼働率、障害の検知方法、一次回答・復旧の目標時間を確認します。
- 継続性:バックアップ頻度、復旧訓練、メンテナンス通知の確認。
- 契約条件:再委託先、バージョンアップの影響、追加費用の条件を見ます。
- 解約時:クラウドでは、データの出力形式や保存場所、ログ取得期間。
クラウドでは通信断時の業務継続も確認します。「対応しています」との回答に加えて、仕様書やSLA、運用手順のどこで担保されるかを見ます。
よくある質問(FAQ)
病院の業務範囲や既存システムによって、最適な進め方は変わります。導入検討で多く出る質問を、判断の観点とあわせて示します。
医療材料管理システムの開発期間はどのくらいですか?
企画時の期間目安は、方式や連携範囲によって異なります。
- クラウド:標準的な導入で1〜3か月です。
- パッケージ:設定や軽微なカスタマイズを含めて3〜6か月です。
- 複数連携:複数システムとの連携を含むと6〜12か月です。
- 個別開発:スクラッチや多拠点統合の場合、9〜18か月程度です。
マスター整備、現場テスト、教育、切替リハーサルを短縮しすぎると、稼働後の混乱が増えます。
開発会社の期間に加えて、病院側がレビュー・受入・教育に割ける時間も含めて計画します。
パッケージとスクラッチ開発はどちらが向いていますか?
標準的な発注・検収・入出庫・棚卸・ロット・期限管理を短期間で始めたい場合は、パッケージやクラウドが向いています。
既存の電子カルテ・医事・購買・SPDと独自データモデルで深く連携し、手術材料や請求まで一体化する必要がある場合は、別の方式も検討します。
標準機能に業務を合わせるコストが大きい場合は、スクラッチまたはパッケージ拡張が候補です。方式を決める前に、代表シナリオをデモとPoCで比べます。
医療材料管理にRFIDを導入すれば自動化できますか?
RFIDは、複数品目の一括読取や手術材料のトレーサビリティに有効な選択肢です。ただし、自動化には、読取設計や例外処理の整備も必要です。
- 読取設計:貼付方法、読取精度、金属・液体の影響の確認。
- 費用・環境:タグ費用と電波環境を確かめます。
- 例外処理:未読時の再処理や通信断の設計。
まず、GS1バーコードやハンディ端末で解決できる範囲を確かめます。そのうえで、RFIDの効果が大きい高額材料や手術室、中央材料室などからPoCを始めます。
通信断や確定忘れを含む業務テストを通過してから、対象範囲を広げます。
小規模病院でも段階導入できますか?
段階導入できます。まずは1病棟か1倉庫で、発注・入出庫・棚卸・期限アラートを始め、登録率と棚卸時間を確認します。
その後、手術室や医事請求、購買分析、RFIDへ広げる方法が現実的です。最初から全機能を盛り込まなくても構いません。
対象を絞ってマスターと運用ルールを整え、成功条件を数値で確認すると、現場の受容性と投資判断の精度を高められます。
まとめ:6フェーズと5年総額で見る開発計画の判断
開発は、要件整理から定着までの6段階で進めます。要件整理で業務と範囲を明らかにし、選定では代表シナリオと5年総額を比べます。
設計・開発ではマスター、連携、権限、例外処理を固めます。テストで通信断、返品、リコールを検証し、稼働後はKPIと改善会議を回します。
在庫金額に加えて、欠品・期限切れ・請求漏れの防止、リコール対応、現場負担の軽減を、一つの評価の観点にまとめることが重要です。
最初に確認するチェック項目
最初の打ち合わせでは、規模やデータの流れ、連携先を確認します。
- 対象:品目、部署、月間入出庫件数の整理。
- 現状:紙・Excel・SPDデータと連携先の確認。
- 管理要件:患者・手術単位の実績、ロット・期限、リコールの要否の決定。
- 評価:端末台数と導入前KPIを決めます。
次に、納品や払出、返品、棚卸差異、緊急払出のシナリオを用意します。請求や廃棄の場面も含めます。候補製品や開発会社には、同じ条件でデモを依頼します。
見積書では、初期費用に加えて、端末やマスター、移行、教育、保守、障害対応を分けてもらいます。5年総額も併せて示してもらいます。
小さく始めて運用の仕組みを育てる進め方
導入範囲、効果の確認、運用を支える体制をそろえて、定着を進めます。
- 運用性:技術の新しさより、現場が短時間で正しく登録できるかを見る。
- 継続性:障害時の供給継続と、実績の請求・経営改善への接続。
- 段階導入:1倉庫か1病棟でPoCを行い、導入前後のKPIを比べます。
- 拡大・支援:現場の声を反映して全院へ広げ、要件整理から定着まで伴走する会社を選びます。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
