Microsoft 365のシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

Microsoft 365のシステム開発費用は、利用規模、開発範囲、移行・連携の複雑さによって、50万円から5,000万円以上まで変わります。金額を比べるときは、ライセンス料と開発費を分けて見ると判断しやすくなります。

▼全体ガイドの記事
・Microsoft 365のシステム開発の完全ガイド

Microsoft 365のシステム開発の概要

Microsoft 365のシステム開発は、クラウドサービスの契約とあわせて、業務の共通基盤を組み立てる取り組みです。申請や情報共有、ファイル管理を仕組みにしたうえで、顧客管理やデータ分析も同じ基盤の上で整えます。また、費用は、何を作るかに加えて、標準機能にどこまで業務を合わせるかでも変わります。

組み合わせるサービスの構成

業務の用途ごとにサービスを分けると、どれで何を作るかを決めやすくなります。

  • 連絡・予定:コミュニケーションはTeams、メールと予定表はExchange Onlineが担います。
  • 情報・ファイル:社内ポータルと文書管理はSharePoint Online、個人ファイルはOneDriveです。
  • 業務アプリ:申請や台帳はPower Apps、承認・通知・定型処理はPower Automateで作ります。
  • 集計:集計と可視化はPower BIで行います。
  • データ・基幹連携:複雑なデータにはDataverseを使い、基幹接続にはMicrosoft Graph APIやAzure Functionsなどを加えます。

導入と業務システム開発の違い

導入作業には、テナント開設やユーザー登録、メール移行が含まれます。加えて、Teamsの初期設定や端末管理、MFA設定も導入作業に含まれます。

申請の分岐や独自の承認ルール、基幹システム連携は、業務システム開発にあたります。業務データの検索画面も開発の対象です。見積もりでは両者を一括の「導入費」にせず、作業単位で分けると比較しやすくなります。

Microsoft 365のライセンス費用の目安

ライセンス費用は、ユーザー数と契約プランに応じて毎月発生します。独自アプリの開発やデータ移行、権限設計、教育は、契約とは別に進みます。そのため、開発費と別に管理します。

基本プランの料金の見方

料金を比べるときは、契約条件とプランの表示を分けて確認します。

  • Business Basic:2026年8月時点、年払い相当で1ユーザー月額1,049円、税別です。
  • 50ユーザーの試算:月約5.2万円、年間約62.9万円です。
  • Copilot Business併用表示:Standardは月額3,523円、Premiumは4,797円です。
  • Teamsなしの表示:Standardは3,041円、Premiumは4,316円です。

実際の請求額は、契約時期や支払い方法で変わります。加えて、Teamsの有無や販売形態、価格改定の適用時期でも差が出ます。

料金はMicrosoft公式「Microsoft 365 プラン」料金ページ(2026年8月確認)で確認できます。Copilot Business併用の金額は、表示上の組み合わせと契約条件を確かめるための参考値で、Office利用料だけを比べるものではありません。

StandardとPremiumの差は、端末管理、脅威対策、データ保護などにも関係します。

Power Platformの追加料金

独自アプリでは、基本プランに含まれる範囲と追加ライセンスを分けて確認します。

  • Power Apps Premium:2026年8月時点で、1ユーザー月額2,998円です。
  • Power Automate Premium:1ユーザー月額2,248円です。
  • 利用ライセンス:全利用者分にするか、実行用のプロセス単位で足りるかを検討します。
  • 容量・従量課金:Dataverseの容量、接続、外部API、Azure Functionsなどで費用が加わる場合があります。
  • Copilot Studio:25,000 Copilotクレジット/月のプランは月額29,985円です。

両プランの料金は年払い相当・税別で、2026年8月確認値です。また、利用人数が増えるほど月額費用も増えます。

Copilot Studioの最適な契約は、利用量、対象ユーザー、AIエージェント構成で異なります。見積もりには対象人数と実行回数を明記してもらい、容量と外部コネクタも条件に入れると、各社の金額を比べやすくなります。

ポイント

ライセンス料は利用人数とプランに応じて毎月かかるため、開発費とは別に月額で積み上げて見ます。Power Apps・Power Automateの追加ライセンスは、全利用者分か、プロセス単位で足りるかで金額が変わります。

Microsoft 365のシステム開発費用の相場

小規模な導入・申請アプリ、部門向け業務アプリ、全社移行・大規模連携の初期費用相場を比べた横棒図
対象範囲が広がるにつれて、費用レンジも大きくなります。

Microsoftは業務システム開発の一律価格を公開していません。ここに示すのは、NotebookLMのリサーチノートにある一般相場に、Microsoft 365固有の設定・移行・開発作業を合わせた推定です。

ライセンス料、消費税、Azure従量課金は含みません。要件とデータ量で金額が上下する前提で読んでください。

小規模な導入・申請アプリの費用相場

小規模案件の費用幅は、導入範囲と申請業務の複雑さで決まります。

  • 初期範囲:テナントの初期設定、メール・Teams・SharePointの基本設定、簡単な申請アプリ1本、操作説明を含みます。
  • 費用・期間:初期費用50万〜300万円、期間1〜3か月が目安です。
  • 下限に近づく条件:データが少なく、標準コネクタと単純な承認経路を使う場合です。
  • 上限に近づく条件:Excelや紙の申請書を整理・データ化し、部門別の権限や複数回の現場研修まで行うケースです。

営業部向けの見積申請をPower Appsで作り、Power Automateで上長承認を通知し、SharePointに保存する構成は比較的コンパクトです。一方で、会計連携や添付の保存ルールを加えると、要件定義とテストが増えます。

監査ログやスマートフォン対応を加えると、作業量はさらに増えます。そのため、見積もりは画面やデータ、権限ごとに分けて組み立てます。連携と運用も、別々に扱います。

部門向け業務アプリの費用相場

複数部門向けアプリの初期費用は、300万〜1,000万円程度が目安です。期間は3〜6か月です。

  • 費用に含む範囲:権限設計、SharePointまたはDataverseの基盤、SaaS・API連携、操作研修を含みます。
  • 業務フロー:申請から通知まで業務をつなぐ場合、業務ルールや例外処理の確認に時間がかかります。
  • 価格への影響:SharePointリストかDataverseかの選択も費用を左右します。
  • SharePoint:少量の文書や簡易台帳なら、SharePoint中心で始められます。
  • Dataverse等:複雑な関係や大量データ、細かな権限、将来の拡張が必要な場合は、DataverseやAzure SQLを検討します。

基盤を後から作り直すと移行費が生じます。そのため、初期費用だけで決めず、3年程度の利用計画も含めて判断します。

全社移行・大規模連携の費用相場

全社テナント統合、大規模なメール・ファイル移行、Entra ID・Intune・Defender・Purviewの設計が主な対象です。

  • 費用・期間:複数アプリ、基幹・オンプレミス連携、段階展開を含め、1,000万〜5,000万円以上、6〜18か月程度が目安です。
  • 大規模刷新:特定条件では5,000万円〜1億円超のケースもあります。
  • 費用要因:ユーザー数、メールボックス数、共有フォルダー容量、重複ファイルの量です。外部共有件数や端末種類、拠点数、切り替え方式でも変わります。
  • 初期見積もり:調査、パイロット・本番移行、切り戻し計画を含めます。

グループ会社統合や海外拠点、複数テナントを含むと、5,000万円〜1億円超のケースもあります。Dynamics 365やAzureを含む基幹刷新も、この金額帯に入ることがあります。これは一律価格ではなく、個別要件に基づく推定です。

現状の洗い出しが不足したまま始めると、移行の途中で権限の不備や古いデータが見つかり、追加の工数がかかります。

ポイント

相場は規模の段階ごとの推定なので、要件とデータ量で上下する前提で読みます。ライセンス料、消費税、Azure従量課金は含まれていないため、別に確かめます。

Microsoft 365のシステム開発費用の内訳

Microsoft 365開発費用を企画・設計、データ移行・教育、運用保守・追加開発の3領域に分けたパネル図
開発作業に加え、移行・定着と継続運用も見積もりに含めます。

安い会社が本当に安いかは、総額を並べて比べても判断しにくいものです。見積もりでは、企画・要件定義と設計、設定・開発、移行を分けて、含まれる作業を確かめます。テスト、教育、運用設計も、作業ごとに項目を分けてもらうと比べやすくなります。

企画・要件定義・設計にかかる費用

企画・設計費は、業務目的と運用設計をどこまで具体化するかで変わります。

  • 要件整理:現行業務、利用者、データ、権限を洗い出します。承認経路、連携先、セキュリティ要件も確かめます。
  • 業務目的:処理時間短縮、入力ミス削減、監査証跡の確保から要件を決めます。
  • 設計対象:サービスやデータ、権限のモデル、環境分離を組み立てます。バックアップや障害時の復旧方法も含みます。

リサーチノートの一般的な業務システムの人月単価は、PMが月90万〜150万円、SEが月65万〜110万円、PGが月50万〜90万円程度です。

これはMicrosoft 365案件の固定価格ではなく、体制と工数を検討する参考レンジです。要件定義を無償扱いにすると、発注後に仕様が膨らみがちです。そのため、調査・設計費は独立させます。

データ移行・教育・定着化にかかる費用

メールやファイルサーバーが移行の対象です。旧SharePointやExcel、Accessも、対象に含まれます。

  • 移行前後の作業:現状を洗い出し、重複を削除して不要データを廃棄します。所有者を確認し、権限を組み直したうえで、移行後の検証を行います。
  • 教育・定着化:管理者と一般利用者の研修を行い、部門別のルールや窓口、マニュアルを整えます。利用状況も確認します。

容量だけで価格を決めると、ファイル名や権限の継承、外部共有、個人情報の混在を見落とします。移行費は、データの種類と品質、移行回数、業務停止を避ける方式で変わります。

Microsoft公式事例では、東京建物が2025年にCopilotを全社配備しました。約1年弱で約500体のAIエージェントが生まれ、月間アクティブ率は平均約80%、効率化を実感した社員は70%以上です(出典: Microsoft Customer Stories、2026年5月)。この事例のように、機能の開発だけでなく、使い方を広げる活動にも予算を振り分けます。

運用保守と追加開発にかかる費用

運用保守の範囲を定めると、継続費用と追加開発費を区別できます。

  • 日常保守:ユーザーやグループ、権限、ライセンス、フローを日々管理し、監視します。
  • 障害・変更対応:問い合わせの受付、不具合への初動、更新による影響の確認、バックアップと復旧の確認までを含みます。
  • 見積項目:ライセンスや、Azure・容量課金、監視、ヘルプデスクを、追加開発とは別に分けて示します。
  • ガバナンス:命名規則や所有者、変更申請のルールを定めます。テスト環境、DLP、退職者の処理も決めます。

リサーチノートでは、保守運用費を初期開発費の年15〜25%程度とする目安があります。ただし、契約範囲によって変わる参考値です。

Power Platformでは、担当者が異動したあとに所有者不明のアプリやフローが残ることがあります。開発・本番環境の混在や、同じデータの重複管理も課題になります。そのため、保守をなくすのではなく、ガバナンス費用として考えます。

ポイント

同じ総額でも、移行や教育、保守の含み方で負担は変わります。作業ごとに分けてもらうと、会社同士を同じ条件で比べられます。

Microsoft 365のシステム開発費用が変わる要因

人数、既存システム連携、セキュリティ要件、展開範囲が開発費用に関わることを示すハブ図
見積もりでは、連携・統制・展開の前提をそろえると比較しやすくなります。

企業ごとに費用が異なるのは、人数だけでなく、業務の複雑さやデータの状態が違うためです。さらに、セキュリティ水準や連携範囲、展開方法も企業によって異なります。見積もり前に費用を押し上げやすい条件を把握すると、必要な機能と後回しにできる機能を分けやすくなります。

データ量と既存システム連携

既存システムやデータの連携条件によって、開発費が変わります。

  • 連携条件:販売管理、会計、人事、在庫、顧客管理のAPIが対象です。形式や頻度、再実行、認証も条件に含めます。
  • 実装方法:標準コネクタは短期間で実装できます。独自APIなどではAzureやプロコードが必要な場合があります。
  • データ整理:所有者、保存期間、重複、削除ルールを決めてから移します。

開発会社に整理を頼む場合は、条件としてファイル数や容量を明記します。種別と、移行前後の照合方法も書いておきます。一方で、社内で整理できるなら、開発会社には移行ツールと検証支援だけを依頼して費用を抑えられます。

セキュリティとガバナンスの要求水準

セキュリティ要件は、必要なライセンスと設定工数に影響します。

  • 管理機能:多要素認証や条件付きアクセス、端末・脅威対策、秘密度ラベルが対象です。
  • 情報統制:DLP、監査ログ、外部共有制御の範囲を決めます。
  • AI利用前:Copilotなどの参照先であるSharePointやTeamsの権限を点検します。

Microsoft Learnの計画では、明示的な検証、最小権限、侵害を前提とした設計を重視しています。その内容は、「Microsoft 365を使用したゼロトラスト展開計画」(Microsoft Learn、2025年更新)で確認できます。

AIを導入したことをきっかけに、過剰な共有が見つかる可能性があります。個人情報や機密情報、電子取引データを扱う場合は、法務と情報システム、税務の担当と一緒に確認します。確認する要件は、保存、検索、監査、削除です。

展開範囲と運用変更の大きさ

展開方式は、移行計画や教育の量に影響します。問い合わせ対応や切り替え時間も、展開方式で変わります。

  • 対象範囲:一部門か全社か、グループ会社や海外拠点まで含めるかを定めます。
  • 一括展開:短期間で済むように見えても、問題が起きたときの影響が大きくなります。
  • 段階導入:対象者、完成・切り戻しの条件、連携範囲を決めます。

パイロット部門で処理時間や利用率を測り、エラーと問い合わせ件数も記録します。その結果を、次の展開に反映すると安全です。段階導入にも、複数回の計画やテスト、教育が必要です。

各段階の条件が曖昧だと、全体の期間と費用が延びます。見積書では、本番展開を一回で想定しているか、パイロットと複数拠点の展開を含むかを確認します。

ポイント

費用は人数に加えて、業務の複雑さやデータの状態、連携範囲でも変わります。見積もり前に条件を洗い出すと、必要な機能と後回しにできる機能を分けられます。

Microsoft 365のシステム開発の進め方

費用と品質を両立させるには、標準機能から始めて、ローコード、Azureやスクラッチの順に必要性を確かめます。製品名より先に、業務の優先順位やデータの正本を定めます。そのうえで、権限と将来の運用責任も固めます。

現状診断と対象業務の優先順位付け

契約プランやユーザー、端末、テナント、共有サイトを洗い出します。外部共有の状況や、Excel・Access・ファイルサーバー、基幹システムとAPIも確認します。

次に、効果を測りやすく、利用部門も絞りやすい業務を選びます。たとえば、申請や台帳、検索、通知などが該当します。処理時間や入力ミス、承認滞留、問い合わせ件数を記録すると、導入後の費用対効果を示せます。

ライセンスとアーキテクチャの設計

対象ユーザーと機能から、ライセンスの候補を整理します。Business、E3、E5、Purviewが挙がるほか、Power AppsやPower Automate、Copilotも含まれます。

正データをどこに置くかも決めます。候補は、SharePointリストやDataverse、Azure SQL、既存の基幹システムです。

標準コネクタで済む処理は、Power Platformに寄せます。複雑な計算や大量処理、外部公開が必要な処理は、Azureやプロコードに分けます。可用性の要求が厳しい処理も分けると、費用と拡張性のバランスを取りやすくなります。

実装・テスト・段階展開

実装では、申請画面やデータ項目、承認フローを作ります。通知や権限、ログ、エラー処理も組み込みます。テストでは、想定外の操作や障害が起きたときの動きも確かめます。

  • 権限・承認:権限のない利用者の操作や、承認者がいない場合の動きを見ます。
  • 処理・データ:同時更新、API障害、移行時の欠損が起きたときの動きです。
  • 安全性:誤共有や端末の紛失時に、アクセスを遮断できるかを確かめます。

パイロット部門で処理時間と問い合わせを測ってから対象を広げると、想定外の追加開発を減らせます。本番後は、アプリやフローの所有者を決めます。問い合わせ窓口や変更の承認者、障害時の連絡先も定めておきます。

Microsoft 365の更新による仕様や接続先の変更に備えて、リリース後の動作確認を計画します。権限も定期的に洗い出します。

開発会社に依頼する場合は、引き渡しの条件を契約書で確認します。ソース、設定ファイル、環境変数、ライセンス情報、運用手順が対象です。

Microsoft 365のシステム開発費用を抑えるポイント

費用を抑えるには、機能を削るだけでなく、不要なライセンスや重複開発を避けます。標準機能と整理済みのデータ・権限で小さく始めると、初期費と運用費を抑えられます。

標準機能に業務を合わせる範囲

情報共有やファイル管理は、標準機能に合わせると開発費と保守費を抑えやすくなります。会議や申請、通知も候補になります。活用先としては、Teams、SharePoint、Power Platformが挙げられます。

独自画面や細かな例外処理が増えるほど、テストと将来の変更対応も増えます。競争優位に直結しない業務は、Fit to Standardで整理します。独自性の高い計算や基幹処理だけを、拡張の対象にします。

PoCやMVPからの段階的な拡大

全業務を一度に移すのではなく、効果を測りやすい申請や台帳をMVPとして作ります。少人数で、画面やデータ、権限、承認ルールを検証します。そのうえで、必要なものだけを次の段階に加えます。

PoCを試作で終わらせないために、導入判断の条件と評価指標、本番移行の基準を定めます。そうすると、検証費用が無駄になりにくくなります。

ライセンスとアプリの定期的な棚卸し

退職・異動者のアカウントや未使用のPower Apps Premiumを放置すると、月額費用が積み上がります。さらに、未実行フローや重複SharePointサイトも、管理の負担になります。

四半期ごとに、利用状況や所有者、権限を確認します。容量や外部共有、契約更新日も見直し、不要なライセンスを削除します。監査やセキュリティに必要な機能を外さないよう、削減対象と維持対象を分けます。

Microsoft 365の見積もりの比較ポイント

複数社の見積もりは、合計額に加えて、対象範囲や前提、成果物を比べます。体制と保守の境界もそろえて見ます。

導入支援会社、Power Platform開発会社、大手SIer、ライセンス販売代理店では、得意範囲と契約の仕組みが異なります。

見積もり前に整理する情報

問い合わせの前に条件を書き出しておくと、各社の見積もりを同じ前提で比べられます。

  • 利用環境:人数と拠点、現在のプラン、希望時期。
  • 対象業務・資産:業務や、Excel・Access、ファイルサーバーなどの資産、移行データを挙げます。
  • 技術・運用条件:連携するシステムやセキュリティ要件、内製化の方針。

「申請を電子化したい」と伝えるだけでなく、申請者や承認者、差し戻しの扱いまで記すと、各社の条件がそろいやすくなります。代理承認や添付、保存期間、検索条件も書き添えると効果的です。

金額ではなく見積範囲の比較

見積書では、作業の範囲を一つずつ確かめます。要件定義や設計、テナント設定、アプリ開発、API連携を含むかを見ます。移行とテスト、教育に加えて、運用設計や保守、ライセンスの有無も確認します。

安い見積もりでも、移行や教育が別料金であれば、総額は高くなる可能性があります。一方で、高い見積もりでも、権限の洗い出しやパイロット、切り戻し、運用の引き継ぎまで含むなら、リスクを抑えられる場合があります。

契約・成果物・引き継ぎ条件の確認

契約時には、成果物と契約終了後の運用条件を具体的に決めます。

  • 成果物:アプリやフロー、設計書、運用手順、ソースコードなどです。テスト仕様書や設定一覧、権限情報も含みます。
  • 資産の継続利用:自社での変更や、別の会社への保守移管ができるかを確かめます。
  • 保守条件:問い合わせの時間帯や障害対応の時間、追加開発の単価を文書にします。更新の主体も、文書に残します。

MicrosoftのFAQによると、商用スイートの新価格は2026年7月1日から適用されます。既存顧客は、同日以降の次回更新時に影響を受けると説明されています(出典: Microsoft Licensing Resources「Microsoft 365 Packaging and Pricing Updates Public FAQ」、2026年)。

見積もりの有効期限と合わせて、契約更新月やTeamsの有無を確認します。年払いか月払いか、地域や通貨の差も見ておきます。

ポイント

見積もりは、含まれる作業と前提をそろえてから金額を比べます。合計額が低くても、移行や教育が別料金であれば、実際の負担は大きくなることもあります。

Microsoft 365のシステム開発に関するよくある質問

Microsoft 365の開発を検討する企業から多い質問に答えます。導入と開発の境界、ライセンス、データ基盤、外注の考え方は、料金表だけでは読み取りにくい部分です。

Microsoft 365のシステム開発は最低いくらからできますか?

小規模なテナント設定や簡易申請アプリなら、初期費用50万〜300万円程度が推定レンジです。ライセンス料、消費税、複雑な移行、外部API、端末展開は含まれていません。

必要な作業を分けて見積もり、利用人数に応じた月額ライセンスは別に計算します。

Microsoft 365を契約すれば業務アプリも作れますか?

基本プランで作れる範囲はありますが、要件によって追加費用が必要な場合があります。追加費用の対象は、Power Apps Premium、Power Automate Premium、Dataverse、Azureなどです。

要件定義やデータ・権限設計は、契約しただけでは完了しません。テストや教育も、契約とは別に進める必要があります。標準機能で足りる部分と、追加ライセンスや開発が要る部分を分けて確認します。

SharePointとDataverseはどちらを選ぶべきですか?

文書、簡易台帳、チーム内共有が中心で、データ量と権限が比較的単純ならSharePointを選びやすいです。

複数テーブルや大量データ、細かなアクセス制御が必要な場合や、アプリを拡張する見込みがある場合は、Dataverseを検討します。将来の移行費や容量、ライセンス、運用人材も含めて判断します。

販売代理店と開発会社はどのように選び分けますか?

ライセンス選定・契約、テナント設定、メール移行が中心なら、販売代理店や導入支援会社が候補です。一方で、業務アプリやAPI連携、データモデル、運用ガバナンスまで必要なら、Power PlatformやAzureの開発実績がある会社を選びます。

複数社に同条件で依頼し、設定、アプリ開発、移行、教育、保守の担当範囲を比べると、契約後の役割が明確になります。

Microsoft 365のシステム開発費用相場まとめ

費用相場の結論

ライセンスのみなら1ユーザーあたり月額数百円〜数千円です。初期設定と簡易アプリは50万〜300万円程度、部門向けは300万〜1,000万円程度が推定レンジです。さらに、全社移行や複数システム連携は1,000万〜5,000万円以上、大規模なグループ統合や基幹刷新は5,000万円〜1億円超となる可能性があります。

見積もりで確認する項目

Microsoft 365の費用は一律ではなく、規模や導入条件で変わります。見積もりでは、API連携や権限設計、保守が含まれるかを確かめます。セキュリティや教育、拠点の扱いも、あわせて見ておきます。

  • 費用条件:ユーザー数やプラン、Power Platformの追加ライセンス、データ移行を見ます。
  • 価格確認:2026年7月1日以降の価格変更と、契約更新の時期です。
  • 費用比較:ライセンス、開発、移行、保守を分けた見積もりを比べます。
  • コスト最適化:標準機能と独自開発を分け、権限・データを整理して小さく始めます。

Microsoft 365導入そのものより、業務の成果を基準に投資範囲と開発会社を選びます。処理時間の短縮や入力ミスの削減、情報検索の効率化、運用負担の軽減が、その成果にあたります。

▼全体ガイドの記事
・Microsoft 365のシステム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。